ダイエットの筋トレのカロリーは重さで分かる?合計記録と体内反応の違いを読む

ダイエット中の筋トレで、重さと回数を掛けた記録から消費カロリーは分かるのか。外にした仕事と体内の反応を分け、休憩時間、重さと回数の配分、筋肉の糖の使用を比べた研究を読む。同じ総量でも違う指標、似た結果になった指標を確かめ、食事の差し引きに使う前の記録の見方を考える。

筋トレの記録表で、前回より重さと回数の合計が増えた。では、消費カロリーも同じ割合で増えたのか。ここで記録の役割が変わってしまう。運動の総量を表す数字と、体が使ったエネルギーを表す数字は、そのまま交換できない。[1][2]

重さ・回数・セット数の積は、外から見た運動量を整理する手掛かりである。しかし、反復して物を上げ下げする研究では、機械的な仕事を生む以外の筋活動もエネルギー消費との関係を複雑にしていた。持ち上げた重さだけを入力する計算を、自分の体の消費量の実測として扱うことはできない。[1][2]

既存の「ダイエットの運動は同じ仕事量なら同じ消費?総効率とデルタ効率の違いを読む」には効率の定義を譲る。ここでは筋トレの記録表に絞り、合計が同じとき、どの反応まで同じと考えられるのかを追う。隣の記事で扱うきつさの尺度そのものや、下ろす動作の特性よりも、計算の入力と出力を取り違えないことが中心である。

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重さを足した記録は、何を数えているのか

筋トレの総量を表す方法として、セット数、反復回数、負荷を掛け合わせるものがある。Hammertらのレビューは、筋トレ研究でこの総量の増加が漸進的過負荷、つまり運動で体に加える負担を徐々に増すことの指標として用いられていると説明している。ただし、その増加だけでは筋肉の成長を十分に説明できないとも論じている。[2]

この数字は、何を持って何回動いたかを短くまとめるためには使える。問題は、便利だからという理由で別の問いへの答えまで任せることだ。レビューでは、総量の変化が似ていても筋肉の大きさの増加は同じとは限らず、より多く運動できること自体が、より大きな筋成長を意味するわけでもないと整理されている。総量は成果を保証する証明書ではない。[2]

カロリーの計算でも同じ区別が必要になる。De Loozeらの持ち上げ・下ろし作業の実験では、機械的な仕事と、酸素摂取量から求めたエネルギー消費を別々に調べている。外に現れた仕事を数えることと、体がその仕事のために費やしたエネルギーを測ることは、研究でも別の操作だった。[1]

記録画面の単位が重さなら、まず重さの記録として読む。回数を掛けた欄なら、負荷と反復の組み合わせをまとめた欄として読む。その合計を見て「今日はよく動けた」と振り返ることと、「これだけ食べた分を消した」と決めることの間には、追加の根拠が必要である。研究が分けて測ったものを、記録の見栄えだけで同じ数字にしない。[1][2]

また、総量が増えた理由も残したい。重さを変えたのか、反復を増やしたのか、セットを追加したのか。最終的な積だけが残ると、その違いが消える。総量の進歩を筋肉の適応の説明に使うことへのレビューの批判は、記録を捨てる勧めではない。集計の手前にある運動の中身を残すことが、数字を過大評価しない読み方につながる。[2]

記録を比較するときには、種目名も合計に添えたい。総量の積は、違う運動の内容まで共通の尺度に変える仕組みではない。Hammertらが論じたのも、研究で総量を増やしたことを、筋肉が成長した理由としてどこまで扱えるかという問題だった。外部の量を集計する方法と、体の変化を説明する方法を区別する姿勢は、カロリーを知りたい場面でも必要になる。[2]

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同じ仕事量でも、休憩を含む組み方は違う

Marstonらは男性13人と女性7人を対象に、筋力の向上を狙う構成と筋肥大を狙う構成を比べた。前者は5回で限界となる負荷を用いた5回の反復を5セット、休憩180秒で行うものだった。後者は10回で限界となる負荷で10回の反復を3セット、休憩60秒で行うものだった。男女を合わせた比較であり、18〜39歳の女性に同じ反応の大きさをそのまま当てはめることはできない。[6]

平均して持ち上げた重さは後者のほうが軽かったが、機械的仕事量と総負荷量には条件間の差がなかった。一方、運動後の血中乳酸は後者で高かった。乳酸という体内の反応を見ると、外にした仕事の合計が同じでも、セッションの違いが現れたのである。[6]

この研究が取り入れたのが運動密度という指標である。ここでは、セット間の回復時間も考慮して運動の詰まり具合を捉えるための尺度だ。運動密度の指標は筋肥大を狙う条件で高く、乳酸の変化とも有意な関連があった。重さと回数だけを集計する方法では見えにくい、時間の組み方を扱った点に意味がある。[6]

ただし、この比較では休憩だけでなく、負荷、反復回数、セット数も違っている。「休憩を短くしたから乳酸が増えた」と単独の原因にしてはいけない。また、乳酸の値は、そのまま消費カロリーの値ではない。この結果から読めるのは、総量だけでは体内の負担の違いを捉え切れないということだ。短い休憩を減量のための正解として選ぶ試験ではない。[6]

立川駅に着くのが遅れ、いつもより急いで種目を済ませた日を考える。記録の重さと回数が同じでも、間の取り方を変えたなら、前回とは運動の条件が変わっている。この研究を日常の記録に生かすなら、休憩も書き添えることになる。合計欄は予定どおりでも、その合計を詰め込んだ時間までは伝えてくれない。[6]

血中乳酸を使った理由にも注意したい。この研究は、体の内側で生じる運動強度の指標と、外から数える指標との関係を調べたものだ。運動密度と乳酸の変化が関連したことは、その尺度がセッションの強度を反映するという解釈につながった。だからといって、運動密度が高い日の夕食量を決めるための値にはならない。記録の改善に使える知見と、食事量の計算に必要な知見は同じではない。[6]

上げ下げの仕事を測っても、体の消費は残る

De Loozeらの研究は、物を繰り返し持ち上げる作業と下ろす作業を使い、機械的仕事とエネルギー消費の関係を回帰分析で調べた。回帰分析は、観測した仕事量と消費の関係を式で表す方法である。消費は酸素摂取量を用いて求められ、上向きと下向きの仕事に対応する係数を推定した。[1]

研究者が難点として挙げたのは、物を上げ下げするとき、作業者自身の体も上下することだった。持ち上げ作業にも下ろし作業にも、正と負の仕事が混ざる。正の仕事は持ち上げる側、負の仕事は下ろす側の仕事を指す。この実験の設定でも、荷物だけの動きを見ると、作業全体を単純に分離できなかったのである。[1]

推定された負の仕事に関連するエネルギーコストは、正の仕事の約0.3〜0.5倍だった。ただし、これは仕事に対応する部分の比較であり、筋トレ全体の消費量をその比率で計算する式ではない。上げるときと下ろすときの違いは別記事に譲るとしても、動かした重さの合計に一定の係数を掛ける前に、どの成分の話かを確かめる必要がある。[1]

さらに、回帰式の切片はゼロと有意に違わないか、負の値になった。切片とは、式の上で仕事量をゼロにしたときの値である。著者らは、その理由として、等尺性筋活動のように機械的仕事を生まない代謝エネルギーが、試行間で一定ではなかった可能性を挙げている。等尺性筋活動とは、筋肉の長さを変えずに力を出す活動のことだ。[1]

この計算の難しさ自体が、記録を読む手掛かりになる。外にした仕事と体内の消費との対応を精密に求めようとすると、目に見える上下動だけでは済まなかったという点である。重りが動いた場面は記録しやすい。動きを支えた筋活動は、重さと回数の欄からは読み取れない。この研究は、そのずれを実験の数値として扱っている。[1]

酸素摂取から消費を求めた実験と、総負荷量の記録を眺める場面を比べると、測定の手間の違いも見える。実験では仕事と消費の関係を推定するために、両方のデータを用意していた。重さの履歴だけがあるスマホでは、酸素摂取量の情報が欠けている。表示に小数点を増やしても、入力していない体内反応が測れたことにはならない。数字の細かさより、何から求めた値かを見るのが先である。[1]

数字で読む筋トレの記録と体内反応

20人:男性13人、女性7人が異なる構成の筋トレを比較した研究の対象である。[6]

180秒と60秒:その比較で使われたセット間休憩。負荷や反復数も異なる条件だった。[6]

約0.3〜0.5倍:持ち上げ・下ろし作業で推定された、正の仕事に対する負の仕事のエネルギーコストの比である。[1]

70%と35%:筋肉の糖の使用を調べた研究における、最大挙上負荷に対する運動負荷の割合である。[12]

約2倍:その研究では高負荷条件での筋肉の糖の分解速度が低負荷条件より速かった。総分解量は同程度だった。[12]

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宮川涼 Founder

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