離乳食を始める時期と子どもの体重 早すぎ・遅すぎを追った研究の答え

離乳食を早く始めると太りやすいのか、遅らせれば防げるのか。開始月齢と子どもの体重を追った研究を、関連が出なかった結果も含めて確かめる。早産児の試験や食べさせ方の研究も取り上げ、開始日の違いだけで親を責めず、成長と安全を見ながら日々の食事を考えるための手がかりを整理する。

欧州の子どもたちを調べた研究では、保護者が乳児期の食事を質問票で振り返った。いつ固形の食べ物を始めたか、どのように授乳していたか。その回答と、就学前の子どもの体格を照らし合わせる調査である。参加したのは欧州の6か国、7,500人を超える保護者だった。[4]

早く始めた子ほど必ず太っている、という結果にはならなかった。研究者は、開始時期と子どもの肥満の間に有意な関連を認めていない。[4] 育児のカレンダーに書かれた開始日は、後の体重を言い当てる判定札にはならない。

ただし、開始時期への注意が不要になるわけでもない。研究全体を見渡すと、とても早い開始への懸念は残る一方、遅くするほどよいという一方向の説明も成り立たない。[3][13] 離乳食を始めた日の反省会より、何と何を比較した研究なのかを確かめたい。

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「早い」の月齢が違えば、答えも変わる

ここで扱うのは、母親自身の産後の減量ではなく、離乳食の開始月齢と子どもの体重の関係である。研究で補完食と呼ばれる食事は、開始の時期だけでなく、食品の種類や食べさせ方も調べられている。時期の研究と食品の研究を一緒にすると、同じ「離乳食」という言葉でも問いがずれる。[1][13][16]

Pearceらの系統的レビューは、複数の研究を決まった条件で探し、質を評価して整理したもので、23研究を含んだ。体格指数であるBMIとの関係を調べた研究が多かったが、体脂肪などの体組成を調べたものもあった。結論は、開始時期と小児の過体重・肥満の明確な関係は見いだせないものの、特に早い開始には懸念を示す証拠が一部ある、というものだった。[13]

このレビューが区別したのは、生後4か月以前という非常に早い開始と、生後4〜6か月やそれより後の開始である。「早め」という日常語だけでは、どの比較を指すのか分からない。ある家庭が予定より少し早めたという話と、研究の早期群に入るという話を、同じものとして扱わないことが大切だ。[13]

もうひとつ、結果の名前もそろえたい。BMIが高めであること、研究の基準で過体重に分類されること、肥満に分類されること、腹囲が大きいことは、それぞれ測り方が違う。開始時期を調べた追跡研究には、BMI以外の脂肪の指標を使うものもある。体重という見出しの下に別々の測定結果が入っているのである。[3][13]

したがって、この記事の数字を、自分の子の離乳食開始日を採点する点数に置き換えない。レビューが示したのも、どの月齢でも同じ危険が増えるという結論ではなく、研究間の違いを残した判断だ。食事の開始を考えるときは、過体重だけを目標にせず、成長と栄養を含めて小児科医に確かめるという位置づけになる。[13]

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追跡研究が見つけたのは、体脂肪との関連である

Gingrasらは、Project Vivaの子ども1,013人について、離乳食を始めた時期とその後の脂肪の指標を調べた。開始を生後4か月未満、4か月以上6か月未満、6か月以上に分け、中間の群を比較の基準にした。母乳を少なくとも一部飲んでいた期間によっても分けて解析している。[3]

生後4か月未満に始めた群では、小児期中盤の脂肪の指標が高いという関連があった。思春期初期まで残った関連の例として、母乳群では腹囲の調整後の差が2.97cm、95%信頼区間は0.47〜5.47cmだった。母乳を飲んでいない、または早く終了した群でも腹囲の差が見られた。[3]

信頼区間は、推定した差にどの程度の幅があるかを示す。この研究で母乳群に分類されたのは、少なくとも一部の母乳を生後4か月以上飲んだ子どもで、全体の69%を占めた。母乳を飲んでいないか4か月未満で終了した子どもは31%。後者の群の思春期初期の腹囲では、調整後の差が3.42cm、95%信頼区間は0.12〜6.71cmで、母乳群より推定差が大きかった。[3]

興味深いのは、遅い群の結果も単純でなかった点である。母乳を飲んでいない、または早く終了した群では、生後6か月以上の開始と、皮下脂肪の分布を示す皮下脂肪厚の比が高いこととの関連があった。この研究から「開始を後ろにずらすほど脂肪が少なくなる」とは読めない。[3]

一方、導入で触れたToyBox研究は、早い開始と過体重の有意な関連を見つけていない。開始月齢と授乳期間だけでなく、社会経済的な条件や妊娠中の喫煙との関連も調べている。[4] 研究対象の背景も一緒に動くため、開始の月齢だけを取り出して家庭に原因を帰す説明には無理がある。

ToyBox研究で、生後4〜6か月に母乳と補完食の両方を取っていた子どもは51.2%だった。早期開始の比較は生後1〜3か月と4〜6か月で行われ、授乳の種類にかかわらず、就学前の過体重との有意な関連は見られなかった。母乳を4か月以上飲んだ子どもと人工乳の子どもに分けた解析でも、早期開始との有意な関連はなかった。[4]

遅らせ続ければ防げる、とは言えない

「早いのが気になるなら、なるべく待とう」と考えたくなる。しかし、乳児期を過ぎた体重まで追った研究を集めても、その発想をそのまま裏づける答えにはなっていない。思春期と成人期の過体重を対象にしたAraújoらの系統的レビューでは、採用した9研究のうち、開始年齢との関連を認めたのは3研究だった。[7]

そのレビューは、開始年齢の区切り方と過体重の分類の違いが大きく、関連の存在を確認するには証拠が十分に一貫していないと結論している。乳児期の食事から長い時間が過ぎた体格までを、開始日だけで説明する見通しは立っていない。全文を確認した103報から9研究を採用したレビューでも、結論は証拠の一貫性の不足だった。[7]

ここには、育児の情報を読むうえでの分かれ道がある。「関連を確認できなかった」と「何をしても結果は同じ」は違う。また、特に早い開始への懸念と、通常の開始をさらに遅らせる提案も違う。レビューの結論が慎重なのは、何月何日が唯一の正解かを決める材料としては、研究の比較がそろっていないからだ。[7][13]

親にできるのは、過去の月齢を動かすことではなく、今の子の食事を成長に沿って考えることである。小児の過体重を気にするあまり開始を自己判断で遅らせるより、食べ始める時期の相談では、その子の成長も一緒に扱いたい。開始時期のレビューでも、食事が不適切であれば栄養や成長が問題になりうる点が背景に置かれている。[13]

食品の内容も、時期と混ぜずに考えたい。食品の種類と後の体格を整理した別の系統的レビューは10研究を含み、乳児期の高いエネルギー摂取やたんぱく質摂取と、後のBMIや体脂肪との関連を検討した。たんぱく質については関連を認めない研究もあり、特定の食品や食品群を食べたかどうかでは、子どものBMIに違いはなかったと整理している。[16]

食品のレビューは、研究を栄養素の摂取、食品や食品群、食事指針への沿い方の3種類に分けた。高いたんぱく質摂取との関連を調べた時期は生後2〜12か月で、特に乳由来のたんぱく質が結論で取り上げられている。また、離乳期に食事指針に沿っていたことは、脂肪を除いた体の量である除脂肪量の多さと関連した。BMIだけを比べる結果に加え、体の内訳に関する結果も含むレビューである。[16]

Project Vivaの小児期中盤の測定は平均7.9歳の896人、思春期初期の測定は平均13.2歳の850人が対象だった。腹囲のほか、体幹の脂肪量や皮下脂肪厚なども評価している。早期開始と母乳群の脂肪との関連は、思春期初期には腹囲、体幹の脂肪量、肩甲骨の下と上腕の皮下脂肪厚の合計で残った。母乳の有無に加えて、脂肪のどの指標を使うかによっても、関連の残り方が変わっている。[3]

小児期の23研究を整理したレビューでは、BMIを扱った21研究のうち5研究で、早期開始と高いBMIとの関連があった。その開始時期は、生後3か月未満が2研究、4か月が2研究、20週が1研究。一方、体組成を調べた7研究では、15週未満の開始と体脂肪率の増加を報告したのは1研究だった。体重の関連を検出した研究の数は、使う評価項目によっても異なっていた。[13]

数字で読む離乳食の開始時期

23研究:開始時期と小児の過体重・肥満を整理した系統的レビューの採用数。[13]

1,013人:離乳食の時期と、小児期から思春期の脂肪の指標を調べた追跡研究の対象。[3]

9研究中3研究:思春期・成人期の過体重との関連を認めた研究数。結果は一貫しなかった。[7]

255人:早産児の開始時期を比較した無作為化試験の対象。正期産児とは分けて考える。[17]

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宮川涼 Founder

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