ノルディックウォーキングとダイエット 普通の歩行との違いを体脂肪と続け方から知る

ノルディックウォーキングはポールを使えば普通の歩行より痩せるのか。食事を併用した比較試験、体重に差が出なかった試験、指導を離れた後の追跡から、体脂肪・筋力・歩く力を分けて考える。研究対象や数字の意味を確かめながら、立川で自分に合う運動を選ぶための見方を示す。

歩くためにポールまで用意するなら、手ぶらの散歩より何か違ってほしい。運動用品を選ぶときには、道具の増えた分だけ期待も増える。道具の違いが体重や体脂肪の違いにも表れるかは、比較試験で確かめたい。

食事と指導つきの歩行を組み合わせた試験では、ポールを使う群に体脂肪や筋力の改善が見られた。一方、心不全の患者を対象にした試験では、歩く力の改善に差があっても、体重や腹囲には群間差がなかった。[14][10] この食い違いにこそ、運動選びの手掛かりがある。

歩数をどこまで増やすか、走るか歩くかという話から少し離れ、ここでは同じ歩行にポールを加える意味を考える。減った脂肪、増した力、指導が終わってからの暮らし。それぞれを別の欄に置くと、この運動に期待することが整理できる。

両手にポールを持って歩く女性によるノルディックウォーキングの様子 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

ポールを使うと、研究で見る成果も広がる

ノルディックウォーキングは、ポールを使う歩行である。閉経後の女性を対象にした研究は、通常の歩行より多くの筋群が関わる点を特徴として挙げている。[7] ただ道具を携えるというより、歩行の中に上半身の働きも組み込む運動として捉えるとよい。

その特徴から、研究者は体重だけを調べているわけではない。過体重の成人を対象にした比較試験では、腹囲や体脂肪のほか、酸素を取り込んで運動する能力、腕を曲げる力、脚の力、椅子から立ち上がる動作まで測っている。[14] 「効いたか」という問いの中には、異なる成果がいくつも入っている。

成人のポール歩行に関する系統的レビュー、つまり一定の条件で研究を集めて整理する論文では、13研究の14報が採用された。多くは中高年で持病のある人を対象とし、持病のない集団を扱った研究は2件にとどまった。最も詳しく調べられていたのは心肺の体力であり、各研究は対照群に比べ少なくとも何らかの利益を報告していた。[20]

採用された13研究のうち11研究は、研究の質を評価する得点が50%以上だった。また、多くの研究は4〜5項目の成果を調べ、心理・社会面で最もよく測られていたのは生活の質だった。[20] 「各研究で少なくとも1つの利益」という報告には、こうした複数の評価項目が背景にある。体重だけを集めて減量幅を統合した結果として読むより、何を測る研究が多かったかまで含めて、運動の評価範囲を知る資料として使える。研究数の多さと、減量への答えの詳しさは分けて考えたい。

このレビューから受け取れるのは、歩行にポールを使うプログラムが体力や生活の質を支える可能性である。誰でも大きく体重が減るという読み方は広すぎる。主にどんな人が参加し、何を評価した研究なのかを添えることで、日常への持ち帰り方も変わる。[20]

たとえば「散歩では物足りなくなってきた」と感じる人と、「体重が減らないので運動をやめようか」と迷う人では、知りたい成果が違う。前者なら運動能力、後者なら体組成の比較を先に見るとよい。体組成とは、体を脂肪や筋肉などの構成に分けて見る考え方である。歩く力と体の構成を別々に測った試験は、その区別に役立つ。[14]

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食事と組み合わせた比較では体脂肪に変化があった

減量を考えるうえで直接参考になるのが、過体重の成人38人を無作為に分けた試験である。無作為化比較試験とは、参加者を偶然によって群に割り付け、介入の違いを比べる研究である。この試験では各群19人、平均年齢はともに66歳で、開始時の平均BMI(体格指数)はポール歩行群が33、通常歩行群が32だった。両群は食事と指導つきの運動を週3回、6か月続けた。[14]

測定は開始時だけでなく、3か月後と6か月後にも行われた。体組成、酸素摂取量、筋力を同じ期間の中で追っており、運動を始める前後を複数の指標で捉えた設計だった。[14]

比較したのはノルディックウォーキングと通常の歩行である。BMIは、それぞれ開始時から6%と4%低下し、腹囲は8%と4%低下した。全身の脂肪量はポール歩行群で8%、腹部側の領域の脂肪は14%、脚の脂肪は9%減少し、これらの有意な減少は通常歩行群では確認されなかった。[14]

ここでの8%は体脂肪率が8ポイント下がったという意味に置き換えられない。報告されているのは全身脂肪の相対的な変化である。また、片方の群だけで統計学的に明確な変化が出たことと、その変化量がもう片方より明確に大きいことは区別して読む。数値を並べた印象だけで勝敗を決めず、この試験で確認された範囲を保ちたい。[14]

体力にも違いがあった。両群で運動時の最大出力や歩行テストは改善したが、酸素摂取量のピーク値はポール歩行群のみ8%改善した。腕の筋力は14%、太ももの前側の筋力は17%、腕を曲げる動作の成績は35%改善し、これらもポール歩行群で有意だった。[14] 普通に歩いた人にも成果があり、その上でポールを使った群に別の変化が重なった形である。

生活に置き換えるなら、体重だけを最終通知にしない見方ができる。服の腹回り、坂を歩く感覚、腕を使う動作は別々の関心事である。体脂肪の変化を知りたいのか、動けるようになりたいのかを先に決めるための例として考えたい。

忘れたくないのは、この試験には食事と指導がセットで入っている点だ。食事と指導を含むプログラム全体の成果として読む。[14] 研究の魅力は大きな数字に加えて、その数字が生まれた条件にある。

減った体重を、ポールだけの手柄にしない

別の無作為化試験は、過体重または肥満があり、脂質の問題を持つ退職後の元炭鉱労働者30人を対象にした。平均年齢は58.7歳、開始時の平均体重は96.6kgである。ノルディックウォーキングの群と、食事を変更する群を12週間比較した。[18]

運動群は週3回、各1時間、最大心拍数の60〜70%の強度で歩いた。食事群は摂取エネルギーを30%減らし、一価・多価不飽和脂肪酸と食物繊維の割合を増やし、飽和脂肪酸の割合を減らした。測定は開始時、6週後、12週後に実施され、体格に加えて総コレステロールや中性脂肪などの血液指標も調べている。[18] 開始時からの体重減少は運動群で平均5kg、食事群で8kgであり、著者らは両介入で体格や脂質が改善し、食事群の変化がより大きかったと述べている。[18]

「ポール歩行で5kg」という数字は目を引く。しかし、この比較相手は食事を変更した群である。ポールを加えたことによる上乗せ分を示す試験として使うと、問いが入れ替わってしまう。また、食事群の変化も、エネルギーだけでなく食事内容をまとめて変えた結果である。[18]

仕事を引退した人の生活と、通勤や家事に追われる人の生活では、運動に使える時間も出発点も違う。この結果は具体的な参加者と条件のある例として読む。研究参加者の平均を自分の達成期限に変えてしまうと、本来は参考情報だった数字が、できなかった日を責める数字になる。

閉経後の女性30人を無作為に分けた通常歩行との比較も、体重を考える際に役立つ。両群は週3回、各40〜50分、主観的なきつさをそろえて運動した。体重、BMI、臀囲、つまりお尻の周囲の測定値は両群で平均的に低下した。[7] ポールを使わない側にも変化がある。

この研究の主眼は、血管の形成に関わる因子であるVEGFの血中濃度だった。こちらはポール歩行群でより増加したが、減量とは別の評価項目である。腕の脂肪の指標は、開始時に高かった通常歩行群のほうが減少幅も大きかった。[7] 同じ研究でも、どの欄を見るかで印象が変わる。検査項目の華やかさと、読者の知りたい減量効果は分けて受け取りたい。

また、体重と腹囲で同じ順位が出るとも限らない。元炭鉱労働者の試験では、腹囲の減少は運動群で8%、食事群で6%だった。体重の減少幅が大きかったのは食事群だが、腹囲の数字はその順に並ばない。[18] 「どちらが良いか」をひとことで決める前に、何を測ったかに戻る意味がある。

体重の数字を見て運動を選ぶ人にも、腹囲の変化を気にする人にも、この違いは身近だろう。同じ服を着た感覚と体重計の表示が一致しないとき、片方を間違いとして捨てず、異なる観点として扱える。小規模な集団で行った特定の介入の比較として受け取る。[18]

さらに、通常歩行との比較試験に戻ると、筋力もひとつの測定にまとめられていない。腕を最大限に曲げる力と、腕を曲げる動作の成績は分けて調べられ、脚では太ももの筋力と椅子から立つ動作が評価された。[14] 「上半身にも効く」という短い表現より、どの動きに変化が出たのかを読むほうが、運動の中身を想像しやすい。体重計に載る時間は短くても、その外で使う体には多くの動作がある。

数字で読むノルディックウォーキング

38人:食事と指導つきで、ポール歩行と通常歩行を比べた無作為化試験の参加者数。[14]

8%:同試験でポール歩行群の全身脂肪が減少した割合。食事を併用して6か月後の値。[14]

5kg:元炭鉱労働者の試験で運動群に見られた12週間の平均体重減少。比較相手は食事変更群。[18]

125.6mと57.0m:心不全患者の試験で、歩行テストの距離が伸びた平均値。体重の群間差はなかった。[10]

4.4m:呼吸器疾患のメタ分析における他介入との歩行距離の差。95%信頼区間は−88.1〜96.9mだった。[11]

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