怒りやストレスは殴って発散できるか|研究とキックボクササイズで考える気持ちの切り替え

金曜の夜の中央線。吊り革を握りながら、昼に言われたひと言が、また頭の中で再生されます。あのとき言い返せなかった言葉が、いまになって次々に浮かぶ。奥歯に力が入り、肩が上がり、吊り革を握る指の関節が白くなっている。こういう夜に「何かを思いきり殴りたい」と思うのは、少しもおかしなことではありません。

キックボクササイズと聞いて、まず「ストレス発散」という言葉を思い浮かべる人もいるでしょう。サンドバッグに拳をめり込ませて、汗をかいて、すっきりして帰る。わかりやすい絵です。

この記事は、その絵に半分だけ水を差します。怒らせた相手の顔を思い浮かべながら殴ると、怒りは抜けるどころか、かえって強く残ることがある。そう示した実験があるからです。

それでも、オンザショア立川店でキックを教えている私たちは、打つことそのものに意味がないとは考えていません。分かれ目は、何を考えながら打つか。そして、打ち終えたあとにどう息をするか。この記事では、研究で分かっていることと分かっていないことを分けながら、怒りやストレスを抱えた日に、体と気持ちをどう切り替えるかを書いていきます。

先に、いちばん言いたいことを一行で書いておきます。相手の顔を思い浮かべて殴れば、その顔はレッスンのあいだずっと、この部屋に居座ります。

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要点(結論から)

  • 「殴ればすっきりする」という考え方は、言葉の中に深く入りこんでいますが、研究はそれを支えていません。
  • ブッシュマンの2002年の実験では、怒らせた相手を考えながらサンドバッグを叩いた組が、怒りも攻撃的なふるまいも、いちばん強くなりました。攻撃的なふるまいがいちばん弱かったのは、何もしなかった組です。
  • 怒ったとき、体は高ぶっています。強く打つ運動は、そこへ同じ向きの高ぶりを足します。体の興奮を下げる方法のほうが、怒りを和らげる方向に働いたという分析もあります。

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「殴ればすっきりする」という考え方

「ガス抜き」「発散」「吐き出す」。怒りやストレスについて話すとき、私たちはごく自然にこういう言葉を使います。どれも、体の中にたまった何かを外へ出せば軽くなる、という前提に立った言葉です。怒りは圧力鍋の蒸気のようなもので、ふたを少し開けて逃がしてやれば、鍋は破裂しない。そういう考え方です。

心理学では、この考え方はカタルシス説と呼ばれるものに近いとされます。カタルシスはもともと古代ギリシャで、悲劇を見ることで心が洗われるような働きを指した言葉として知られています。それがいつしか「感情は出し切れば消える」という意味で、日常の言葉の中に深く入りこみました。私たちの話し言葉そのものが、「出せば減る」という前提でできているわけです。

ここで一つ、立ち止まって考えたいことがあります。思いきり体を動かしたあとの「すっきりした」という感じは、本当に怒りが減った感じなのでしょうか。それとも、ただ疲れて、怒る元気が残っていないだけなのでしょうか。

息が上がり、腕が重くなり、汗が溶岩の床に落ちる。そのとき頭の中が静かになったように感じても、家に帰ってシャワーを浴び、ひと息ついたところで、また同じ場面が再生されはじめる。そういう経験に心当たりのある人もいるはずです。疲れることと、気持ちが鎮まることは、似ているようで別のものです。

この違いを、実験で確かめようとした人がいます。

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サンドバッグの実験が示したこと

アメリカの社会心理学者ブラッド・ブッシュマンは、2002年に一つの実験を発表しました。掲載されたのは Personality and Social Psychology Bulletin という学術誌です。論文の題名は「Does venting anger feed or extinguish the flame?」。訳せば「怒りを吐き出すことは、炎を育てるのか、それとも消すのか」です。

実験では、まず大学生の参加者を、手続きの中でわざと怒らせます。自分の書いた文章に、相手からひどい評価を返されるという形です。そのうえで、参加者は三つの組に分けられました。

一つめの組は、サンドバッグを叩きながら、自分を怒らせた相手のことを考えるように言われます。二つめの組は、同じようにサンドバッグを叩きながら、体を鍛えることを考えるように言われます。三つめの組は、サンドバッグを叩かず、しばらく静かに座っています。

そのあと、参加者がどれくらい怒っているかを尋ね、さらに、自分を怒らせた相手に大きな音を浴びせる機会を与えて、その強さで攻撃的なふるまいを測りました。

結果は、「殴ればすっきりする」という考え方とは逆でした。相手のことを考えながら叩いた組は、ほかの二つの組よりも怒りが強く、攻撃的なふるまいもいちばん強かった。体を鍛えることを考えながら叩いた組は、そこまでではありませんでしたが、攻撃的なふるまいでは、何もしなかった組を下回るほど穏やかにはなりませんでした。攻撃的なふるまいがいちばん弱かったのは、何もせずに座っていた組です。ブッシュマンは、怒りを吐き出すよりも、何もしないほうがまだ効果があった、とまとめています。

この結果を、正直に受け止めておきたいと思います。キックボクササイズを教える側にとって、都合のいい話ではありません。それでも書くのは、「殴れば怒りが消える」と言って人を呼ぶほうが、よほど不誠実だと思うからです。

同時に、この実験が言っていないことも押さえておきます。

まず、これは「運動は心に悪い」という話ではありません。調べたのは、怒っているその場で叩くことが、その直後の怒りや攻撃性にどう働くか、です。何か月も体を動かす習慣を続けた人の暮らしがどう変わるかを調べたものではありません。

次に、実験室の中で、短い時間に、大学生を対象に行われた一つの実験です。暮らしの中で積み重なった怒りや、仕事や家庭の長いストレスに、そのまま当てはめられるとは限りません。

それでも、この実験から一つ、はっきり受け取れることがあります。叩けば怒りが抜けるという単純な図式は成り立たない。そして、相手を思い浮かべながら叩くことは、怒りを育てる側に働くことがある、ということです。

なぜそうなるのか。一つの見方は、「反芻(はんすう)」という言葉で説明できます。牛が一度飲み込んだ草を口に戻して噛みなおすように、同じ出来事を頭の中で何度も噛みなおすこと。相手の顔を思い浮かべて一発打つたびに、頭の中では、あの場面の再生ボタンが押されている。殴るたびに相手の顔を思い出す練習は、相手の顔を忘れない練習になってしまうのです。

体の興奮を上げる動き、下げる動き

怒ったとき、体には何が起きているでしょうか。心臓が速く打つ。呼吸が浅く速くなる。顔が熱くなる。肩と顎と拳に力が入る。多くの人が、こうした変化に覚えがあるはずです。

一方、サンドバッグやミットを強く打つと、体には何が起きるか。心臓が速く打ち、呼吸が速くなり、顔が熱くなり、肩と拳に力が入る。並べてみると、怒っているときの体と、よく似ています。

怒りで高ぶっている体に、同じ向きの高ぶりを足している。そう考えると、叩けば鎮まるという期待が外れやすいのも、少し腑に落ちます。

この点について、ソフィー・ケルヴィクとブッシュマンは2024年に、怒りへの対処法を調べた多くの研究をまとめて分析しています。発表先は Clinical Psychology Review という学術誌です(Kjærvik と Bushman の共著)。ゆっくりした呼吸や瞑想のように体の興奮を下げる方法は、怒りを和らげる方向に働いていた。一方で、走るなど体の興奮を上げる活動は、全体として見ると、怒りを下げる効果がはっきりしなかった。おおまかに言えば、そういう内容です。

だから私たちは、キックボクササイズを「怒りに効く」とは書きません。キックは、体の興奮を上げる側の運動だからです。

ただ、キックのレッスンは、ずっと全力で打ち続けるものではありません。構える。打つ。手を顔の前へ戻す。息を整える。また構える。上げて、下げて、また上げる。打つことと同じくらい、戻ることと整えることが、技の中に組みこまれています。

怒りの日に意味があるとすれば、その「下げる」側を、どれだけていねいにやれるか。キックボクササイズを、怒りをぶつける時間ではなく、上がった体を自分の手で下ろす練習の時間として使えるかどうかです。

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それでも打つなら、相手の顔ではなく技を見る

では、打っているあいだは、何を考えればいいのか。答えは単純です。相手の顔ではなく、自分の技を見る。

ブッシュマンの実験で、体を鍛えることを考えながら叩いた組は、相手を考えながら叩いた組ほどには怒りが強まりませんでした。考える中身が変われば、同じ「叩く」でも働きが変わりうる、ということです。キックのレッスンは、その考える中身を、もっと具体的にできます。

たとえばワンツー。前の手のジャブを打つとき、前の足のつま先はどちらを向いているか。後ろの手のストレートを打つとき、後ろのかかとは床から浮いて、腰が回っているか。打った手は、まっすぐ顎の前へ戻っているか。肩は耳のほうへ上がっていないか。息は止まっていないか。一発のパンチの中に、確かめることがこれだけあります。そこへ蹴りが入れば、軸足の向き、膝の高さ、蹴ったあとに崩れずに立てているか、が加わります。

1対1でトレーナーがミットを構えると、さらに余裕がなくなります。距離が半歩変わる。次の組み合わせが声で告げられる。ミットの高さが変わる。そのたびに、体は目の前のことに合わせなおさなければなりません。頭の中で昼間の場面を再生している暇は、ほとんどありません。

1対1のミットの前に、上司の入る隙間はありません。

正直に書いておくと、「技に集中して打つと怒りが下がる」ことを確かめた研究を、私たちは知りません。だから、効くとは言いません。ただ、少なくとも、相手の顔を思い浮かべて叩くのとは逆の向きの使い方ではあります。注意を、怒りの相手から、自分の足の裏と拳とミットの真ん中へ移す。そのこと自体は、誰にでも試せます。

もう一つ。怒っている日の打撃は、たいてい雑になります。肘が開き、肩に力が入り、腕だけで振り回す。手首や肩を痛めるもとになりますし、ミットの音も軽くなります。不思議なもので、怒りにまかせて振った拳ほど、音は「ぺちっ」と薄い。足から体を回して、力を抜いた腕で打ち抜いたときに、はじめて「ドスン」と低い音が返ってくる。強く打とうとするほど弱くなり、力を抜くほど強くなる。怒りの日にこの逆説を体で味わうのは、なかなか悪くない経験です。

1対1なので、その日の体と気持ちに合わせて、組み立てを変えやすいのも利点です。最初に「今日はちょっと荒れています」とひと言あれば、強さよりも形を見る時間を長くとる、といった組み立てを考えることができます。

打ち終えたあとの呼吸が、切り替えの本番

ラウンドが終わって、手を下ろした瞬間。心臓はまだ胸の内側を叩いていて、顎から汗が落ち、溶岩の床に黒い点をつくります。気持ちと体を切り替えるのは、この時間です。

打つ瞬間に息を吐く呼吸とは別に、打ち終えたあとの呼吸があります。やり方は難しくありません。

  • 両手を下ろし、拳をほどく。指を一本ずつ開く。
  • 奥歯を離す。舌の力を抜く。
  • 鼻から吸って、吸ったときより長く、口から細く吐く。目安は、四つ数えて吸い、六つから八つ数えて吐く。
  • 目は、床の一点か、下ろしたミットの真ん中に置く。
  • 足の裏で、床の熱を感じる。

これを数回くり返すうちに、心臓の打ち方が少しずつゆっくりになっていくのが分かります。体が落ち着いていくのに合わせて、頭の中の声が少し小さくなる、と感じる人もいるでしょう。感じなくても、かまいません。息を数えているあいだは、少なくとも、相手の顔を数えてはいません。

前の節で書いたとおり、体の興奮を下げる方法が怒りを和らげる方向に働いた、という分析があります。キックのレッスンの中で言えば、この打ち終えたあとの数十秒が、その「下げる」時間にあたります。打つのは上げる時間、整えるのは下げる時間。怒りの日は、下げる時間のほうを主役だと思ってください。

溶岩の部屋は、室温35〜40℃、湿度60〜70%です。暑い部屋では、じっとしていても心臓は速くなりやすい。だから、息が整うまでに時間がかかって当然です。焦って次のラウンドに入る必要はありません。水を飲み、息を数え、心臓が落ち着いてきたら、また構える。整えずに打ち続けるより、整えてから打つほうが、技もきれいに戻ってきます。

レッスンの終わりも同じです。最後の一発を打ったら、すぐに荷物をまとめて帰るのではなく、もう一度だけ、長く吐く呼吸を数回。汗の引きはじめた体で、駅までの一分を歩く。立川駅北口の人混みに戻るころには、昼間の場面が、少し遠くに見えているかもしれません。

怒っている日の来かたと、やめどき

怒っている日は、自分の体の調子に気づきにくい日でもあります。頭の中が一つの出来事でいっぱいになっていて、寝不足や空腹、のどの渇きが後ろへ押しやられているからです。暑い部屋で体を動かすなら、ここはごまかせません。

来る前に、三つだけ確かめてください。

  • 前の晩、ある程度眠れたか。
  • 何も食べずに来ていないか。逆に、食べてすぐではないか。
  • 水分をとっているか。飲み物を持ってきたか。

怒りにまかせてお酒を飲んだ夜は、暑い部屋での運動は見送りましょう。

レッスン中に、めまいや立ちくらみ、頭痛、吐き気、いつもと違うだるさを感じたら、そこでやめて、すぐにトレーナーに伝えてください。環境省の熱中症の情報でも、こうした症状が注意すべきサインとして挙げられています。怒りで気持ちが高ぶっていると、「まだいける」と押し切りたくなりますが、こういう日ほど早めに止まるのが正解です。気持ちが熱くなっている日は、体の熱さを見落としやすい。それを先に知っておくだけでも、止まる判断はしやすくなります。

家でできる、怒りを体に戻す小さな切り替え

スタジオに来られない日にも、怒りは来ます。サンドバッグがなくても、できることはあります。ここでは「相手の顔を思い浮かべない」を決まりにして、順に書きます。

一つめは、怒りが体のどこに出ているかを探すこと。奥歯か、肩か、拳か、みぞおちか。見つけたら、心の中で「いま、顎に来ている」と短く言葉にします。怒りの中身ではなく、置き場所に名前をつけるのがこつです。中身を言葉にしはじめると、また場面の再生が始まってしまうからです。

二つめは、手を開くこと。気づくと拳を握っていることがあります。指を一本ずつ開き、手のひらを下に向けて膝に置く。肩を一度、耳までぐっとすくめて、すとんと落とす。

三つめは、吐く息を長くすること。先ほどの、吸うより長く吐く呼吸を、数回。

四つめは、まだ体が動きたがっているなら、ゆっくり動くこと。鏡の前で、構えて、ジャブ、ストレート、手を顔の前へ戻す。これを、スローモーションのように十回。速く強く打つのではなく、足の向き、腰の回り方、拳の戻り方を、一つずつ確かめながら動かします。途中で相手の顔が浮かんだら、そこで止めて、足の位置から数えなおす。ゆっくり打つシャドーは、怒りをぶつける動きではなく、注意を自分の体へ戻すための動きです。周りに家具や人がいない場所で、床が滑らないことを確かめてから行ってください。

五つめは、外へ出て歩くこと。駅まで、コンビニまで、いつもより少し遠回りして。歩幅と、足の裏が地面をとらえる感じに注意を向けて歩きます。

最後に、一つだけ付け加えておきます。怒りは、消すべき敵ではありません。何かが嫌だった、何かが許せなかった、という自分への知らせです。体を落ち着けるのは、その知らせを握りつぶすためではなく、落ち着いた頭でもう一度読むためです。言うべきことを言うのか、距離をとるのか、しばらく置いておくのか。それを決めるのは、拳を握ったままの自分より、息の整った自分のほうがいい。

動く習慣と、怒った瞬間の「発散」は別もの

ここまで、「怒ったその場で叩く」ことについて書いてきました。もう一つの見方を足しておきます。怒った瞬間の発散と、ふだんから体を動かす習慣は、分けて考えたほうがいい、ということです。

WHO の「身体活動・座位行動ガイドライン」(2020年)は、体を動かすことの利点の一つとして、不安や抑うつの症状が軽くなることを含む、心の健康を挙げています。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」も、暮らしの中で体を動かす習慣づくりをすすめています。どちらも、怒ったときに殴れという話ではありません。日々の暮らしの中に、体を動かす時間を持ち続けることの話です。

ブッシュマンの実験が否定したのは、怒った瞬間に叩けば怒りが抜ける、という図式でした。ふだんから体を動かす時間を持つことまで否定したわけではありません。この二つを混ぜてしまうと、「運動はストレスに効かない」という逆向きの誤解も生まれます。

週に一度、決まった時間に、暑い部屋で汗をかいて、打って、整えて、帰る。その一回一回が怒りを消すかどうかは分かりません。ただ、体を動かす時間を持っていることは、怒りやストレスとの付き合い方の土台の一つにはなりうる。私たちは、そのくらいの温度で考えています。

打撃では片づかない怒りもある

ここまで書いてきたことは、どれも、日々の怒りやストレスと付き合うための工夫です。キックボクササイズは治療ではありません。心の病気を治すことも、約束できません。

持病や怪我のある方は運動前に医師に相談し、次のようなときも、ひとりで抱えず医療機関(かかりつけ医、心療内科や精神科)や自治体の相談窓口を頼ってください。

  • いらいらや怒りが何週間も続き、眠れない、食べられないなど、暮らしに支障が出ている。
  • 怒りが抑えられず、人や物に手が出てしまう、あるいは出てしまいそうで怖い。
  • 自分を傷つけたい気持ちがある。
  • お酒の量が増えている。
  • 家庭や職場で暴力や嫌がらせを受けていて、それが怒りの元になっている。

命の危険を感じるときは、迷わず119番(救急)や110番(警察)へ連絡してください。

また、過去に暴力を受けた経験があって、打つという動きがつらい記憶を呼ぶときは、無理をしないでください。キックは、ミットを打つ練習です。けれど、体がそれをどう受け取るかは人によって違います。違和感があれば、その日はやめていい。それも、自分の体を守る立派な判断です。

よくある質問

怒っている日に予約してもいいですか

かまいません。ただ、睡眠・食事・水分の三つは確かめてから来てください。最初に「今日は荒れています」とひと言もらえれば、強さより形を見る組み立てにしやすくなります。

家にサンドバッグを買えば、ストレス発散になりますか

怒りのはけ口として叩くためなら、おすすめしません。ブッシュマンの実験が示したように、相手を思い浮かべて叩くことは、怒りを育てる側に働くことがあるからです。買うなら、形を確かめる練習の道具として使ってください。

運動の経験がなくても大丈夫ですか

キックボクササイズは1対1なので、構えの作り方から始められます。ただ、ここまで書いたとおり、気持ちの切り替えに効くとは約束できません。打つことより、打ち終えたあとに整えることを大事にしてください。

男性も参加できますか

キックボクササイズは1対1のパーソナルで、女性限定です。男性の方は、大勢で行うホットボクササイズのクラスに出られます。ホットボクササイズの時間割と料金は、予約ページか公式 LINE で確かめてください。

まとめ

  • 「殴ればすっきりする」という考え方は、言葉の中に深く入りこんでいますが、研究はそれを支えていません。
  • ブッシュマンの2002年の実験では、怒らせた相手を考えながらサンドバッグを叩いた組が、怒りも攻撃的なふるまいも、いちばん強くなりました。攻撃的なふるまいがいちばん弱かったのは、何もしなかった組です。
  • 怒ったとき、体は高ぶっています。強く打つ運動は、そこへ同じ向きの高ぶりを足します。体の興奮を下げる方法のほうが、怒りを和らげる方向に働いたという分析もあります。
  • それでも打つなら、相手の顔ではなく、足の向き、拳の戻り、ミットの真ん中を見る。技に集中して打つ。効くと断言はできませんが、相手を思い浮かべて叩くのとは逆の向きの使い方です。
  • 切り替えの本番は、打ち終えたあとの呼吸です。吸うより長く吐き、拳をほどき、床の熱を足の裏で感じる。
  • 怒りの日は、自分の体調に気づきにくい日です。暑い部屋では、睡眠・食事・水分を確かめ、異変があれば早めにやめる。
  • 長く続く怒りや暮らしへの支障は、「打撃では片づかない怒りもある」の相談先へ。キックは治療ではありません。

怒りを殴りに来る場所ではなく、上がった体を自分の手で下ろしに来る場所。オンザショア立川店のキックボクササイズを、そんなふうに使ってもらえたらと思っています。

体験の案内

オンザショア立川店のキックボクササイズは、1対1のパーソナルで、女性限定です。床にイタリア産の天然溶岩石「バサルティーナ」のプレートを敷いた、室温35〜40℃・湿度60〜70%の暑い部屋で行います。

  • キックの体験:新規の方・女性限定。1回 税抜4,980円(税込5,478円)、事前決済です。
  • パーソナル美ボディ・キック:金曜19時〜、事前決済。通常1回 税抜10,000円(税込11,000円)、会員の方は初回 税抜5,000円(税込5,500円)です。

場所は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F、JR立川駅北口から徒歩1分。年中無休で、8:00〜23:30(全曜日同じ)です。運営は株式会社エッセンです。

予約は、Webの予約ページ(24時間受付)、または公式 LINE から受け付けています。レッスン中は電話に出られないことが多いため、予約やご質問は LINE か予約ページへお送りください。「最近ずっといらいらしている」「怒っている日に行ってもいいか」といった相談も、LINE でひと言どうぞ。

妊娠中の方(マタニティクラスを除く)と、医師から運動を止められている方は利用できません。スタジオの入会は16歳から、20歳未満の方は保護者の同意書が必要です。

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