インナーマッスルの骨盤底筋は立って練習する?寝た姿勢と違う収縮の読み方

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足首と膝を変えると、同じ姿勢の名前でも違う

「立位対仰向け」という大きな分類の中にも、細かな条件がある。立っていても足首を自然な位置にするのか、つま先をすねに近づける方向に曲げるのか、反対に足先を下へ伸ばすのかでは同じ条件にならない。足首の位置を比較した系統的レビューとメタ分析は、女性を対象とする研究を4本統合している。尿もれのある女性の練習への応用を論じているが、18〜39歳の女性全体に同じ足首の位置を勧める根拠として、そのまま当てはめることはできない。[4]

この分析では、足先を下へ伸ばした位置に比べ、足首を自然な位置にした場合や、15度背屈した場合に安静時の骨盤底筋活動が高かった。背屈とは、つま先をすねに近づける方向の動きだ。最大随意収縮も、背屈では足先を下へ伸ばした位置より高かった。[4]

ただし、自然な位置と15度背屈の比較では、安静時活動にも最大随意収縮にも有意差はなかった。背屈すればするほどよい、自然な足首では足りない、という話ではない。レビューが示したのは、比較相手によって差の有無が変わることだ。[4]

たとえば、帰宅直前に靴を履いたまま立っている場面と、床で足元を整えて立つ場面を、単に「立位だから同じ」と扱わない方がよい。研究から生活へ移すなら、姿勢の名前だけでなく足元の条件も言葉にしておく、という使い方になる。足首を強く曲げる競争に変える必要はない。[4]

仰向けにも違いがある。健康な女性19人の研究では、脚の位置と股関節周囲の筋の同時収縮を変え、超音波で膀胱底の持ち上がりを調べた。通常の仰向けより膝を立てた姿勢で挙上が大きく、そこに股関節を外へ開く、または内へ閉じる筋の収縮を加えると、膝立てだけの場合より挙上が小さかった。[18]

この研究で評価したのも、長期の筋力増加ではなく、その場の挙上である。健康な女性の結果であり、症状のある人への効果を確定するものではない。それでも「周りの筋を一緒に強く働かせれば、骨盤底も必ずよく動く」とは考えにくい材料になる。[18]

力を入れる場所の数と、目的の動きの大きさは別の指標だ。内ももの頑張りを骨盤底の成績として数えることはできないのだ。足首の比較でも脚の位置の実験でも、どの条件と何を比べたかが結果を左右している。姿勢を変えて感覚が違ったときには、立ったか寝たかだけで理由を決めつけない方がよい。[4][18]

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その場の挙上と、続けたあとの変化を分ける

姿勢の研究を練習に生かすうえで、もっとも大きな境目は時間である。その場で立位の挙上が大きかったことと、立位で続けた人が将来より改善することは別の検証になる。姿勢を比較した横断研究のメタ分析だけから、長期に続けるべき姿勢の順位を決めることはできない。[1]

継続の結果を調べた研究として、出産経験のない女性を対象とする8週間の試験がある。仰向け群22人、座位群19人、対照群14人で、骨盤底筋の練習に腹横筋の活動を組み合わせた。腹横筋は、この試験で骨盤底筋と一緒に働かせた腹部の筋である。時々の尿もれがある参加者も含まれるため、18〜39歳の症状のない女性にも同じ改善が出るかは、この試験だけでは判断できない。立位と仰向けを直接比べた試験ではない点が大切だ。[5]

疲労するまでの最大等尺性収縮の指標は、仰向け群と座位群で有意に改善した。等尺性収縮とは、筋の長さを大きく変えずに力を出す収縮を指す。一方、動的な持久力の有意な改善は仰向け群でみられ、弛緩の有意な改善は座位群でみられた。姿勢の評価は、改善させたい機能によっても変わる。[5]

保持時間は仰向け群と座位群で増えたものの、有意な増加ではなかった。また、速い最大収縮の回数は両群で増えたが、有意な増加は仰向け群だけだった。「両方で数字が増えた」と「両方で統計的な改善が確認された」は違う。良い方向の変化を見つけても、その区別は残して読む必要がある。[5]

試験前に時々の尿もれを報告した参加者は15人で、練習後に消失を報告したのは7人だった。ただし、これは腹横筋の活動を組み合わせた練習の結果である。立位の優位を示す数字ではなく、全員に同じ変化を保証する数字でもない。姿勢だけを切り出して症状の変化を説明しないことが重要だ。[5]

腹圧性尿失禁の女性の別の小規模な無作為化比較試験では、正しく骨盤底筋を収縮できる40人に、仰向けと立位を含む練習を実施した。比較したのは姿勢の優劣ではなく、バイオフィードバックの追加である。バイオフィードバックとは、身体の活動の情報を本人に戻し、練習の手がかりにする方法だ。症状のある人の治療試験なので、18〜39歳の健康な女性の練習にも同じ効果が出ると、そのまま当てはめることはできない。[7]

この試験では、週2回、合計12回の練習を行い、追加群では骨盤底筋の機能や尿の症状、生活の質に改善がみられた。ただし、立位と仰向けを両方含むので、その改善を立位だけの手柄にすることはできない。最初から正しく収縮できる人が対象だったことも、自宅で感覚をつかめない人と同じ条件ではない。[7]

こちらの記事が扱うのは、日常のどの姿勢で何を確かめるかである。締め続けることや呼吸との関係は、既存記事「ピラティスの骨盤底筋は締め続ければよい?力を抜く局面と呼吸の動きを読む」に譲る。仰向けか立位かという選択と、収縮と弛緩をどう組み合わせるかという選択を、ひとつの答えに押し込まない。

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よくある誤解

「立って活動が増えるなら、それだけで鍛えられる」という受け止めは早い。姿勢によって安静時の指標が高くなったことは、その姿勢で過ごすだけの長期的な練習効果を証明しない。最大収縮は明確な姿勢差を示さなかったという結果も、同時に残しておく必要がある。[1]

「仰向けで感じにくいなら、骨盤底筋が弱い」と自己判定することも避けたい。症状のない若い成人でも、姿勢によって挙上距離と保持時間は違った。立位で動かしやすいという経験があっても、それだけで仰向けでの機能不全や病気を判断することはできない。実験は姿勢間の動きを測ったもので、読者の感覚を診断する検査ではない。[8]

「内ももまで強く締めれば確実」という考えにも留保が必要だ。健康な女性の実験では、膝を立てた仰向けに股関節周囲の同時収縮を足すと、膀胱底の挙上が小さくなった。目的の動きを確かめず、全身の力みの強さを練習の手応えにするのは、この結果とは合わない。[18]

また、立位を難しい上級段階、仰向けを卒業すべき初級段階として扱う必要もない。最大収縮、挙上、安静時活動で答えが違い、継続試験でも機能ごとに変化が異なった。姿勢の名前に段位をつけるより、何を測り、何を練習しているかを確認する方が、研究に沿った選び方になる。[1][5][8]

今日からできること

  • 練習の記録を「効いた」で終えず、立位か仰向けか、どんな動きを意識したかまで書く。11研究の統合でも、安静時と最大収縮では姿勢差の結果が異なった。[1]
  • 立位を試す際は足首の条件も確認し、意図的に強く曲げることを目標にしない。4研究の分析では、自然な位置と15度背屈の間には明確な差がなかった。[4]
  • 仰向けでは膝の位置や、内ももに余分な力を足していないかを振り返る。健康な女性19人の結果では、膝立てに股関節周囲の収縮を加えても挙上は増えなかった。[18]
  • 研究の17.3秒を自分の保持目標にせず、姿勢間の平均差として読む。挙上の比較実験の数字から、自宅練習の回数や時間を決めない。[8]
  • 尿もれなどの症状が気になる場合や、狙った収縮か判断できない場合は医師に相談する。40人の試験も、正しく収縮できることを確かめた人を対象にしており、自己流の姿勢変更だけで同じ条件にはならない。[7]
yogaのレッスン前の様子生徒の足もとにあるヨガマット 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

オンザショアで考える、立つ姿勢とマットの姿勢

洗面台の前の立位と、マットに横になる姿勢。その違いが気になったら、レッスンを選ぶ際も、どのような姿勢で体を動かす時間を持ちたいかを考えてみたい。オンザショア立川店には、常温のヨガやピラティス、パーソナルトレーニングがある。

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参考文献

[1] Most of the pelvic floor muscle functions in women differ in different body positions, yet others remain similar: systematic review with meta-analysis — Huang L, Zhang ZY, Liu H, Gao M, Wang XQ, Duan XQ, Liu ZL., 2023, Frontiers in medicine. DOI: 10.3389/fmed.2023.1252779

[3] Techniques for Registration of Myoelectric Activity of Women’s Pelvic Floor Muscles: A Scoping Review — de Oliveira Ferro JK, Lemos A, de Santana Chagas AC, de Moraes AA, de Oliveira-S, 2024, International urogynecology journal. DOI: 10.1007/s00192-024-05744-0

[4] Ankle positions potentially facilitating greater maximal contraction of pelvic floor muscles: a systematic review and meta-analysis — Kannan P, Winser S, Goonetilleke R, Cheing G, Cheing G., 2019, Disability and rehabilitation. DOI: 10.1080/09638288.2018.1468934

[5] Utilizing Synergism between the Transverse Abdominal and Pelvic Floor Muscles at Different Postures in Nulliparous Women: A Randomized Case-Control Study — Molnár T, Domján A, Szűcs M, Surányi A, Bódis J., 2022, Urologia internationalis. DOI: 10.1159/000519590

[7] [Effect the adding of biofeedback to the training of the pelvic floor muscles to treatment of stress urinary incontinence] — Fitz FF, Resende AP, Stüpp L, Costa TF, Sartori MG, Girão MJ, Castro RA., 2012, Revista brasileira de ginecologia e obstetricia : revista da Federacao Brasileira das Sociedades de Ginecologia e Obstetricia. DOI: 10.1590/s0100-72032012001100005

[8] Healthy adults can more easily elevate the pelvic floor in standing than in crook-lying: an experimental study — Kelly M, Tan BK, Thompson J, Carroll S, Follington M, Arndt A, Seet M., 2007, The Australian journal of physiotherapy. DOI: 10.1016/s0004-9514(07)70026-0

[18] Effects of Lower Limb Position and Peri-Hip Muscle Co-Contraction on the Efficiency of Voluntary Pelvic Floor Muscle (PFM) Contraction During PFM Exercises — Sato Y, Miyake Y, Nakajima M., 2025, Cureus. DOI: 10.7759/cureus.83088

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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