インナーマッスルは四つばいでお腹をへこます?仰向けとの筋肉の分担を読む

お腹を引き込む運動と四つばいの手足上げでは、腹横筋の厚みが変わる一方、内腹斜筋の変化は比較的小さい。慢性腰痛のある人では四つばいで腹横筋の変化が大きかった。研究対象と課題の違いを踏まえ、仰向けとの筋肉の分担を読む。収縮中の厚みと筋肥大を区別し、練習の目的に合う姿勢を考える。

マットの上で仰向けになればお腹をへこませられるのに、四つばいになると同じ感覚がつかめない。動画の人は涼しい顔だが、自分は手の置き場まで気になってくる。「姿勢を変えただけなのに」という戸惑いから、この問いは始まる。

四つばいでお腹を引っ込める練習は、腹横筋の働きを引き出す選択肢である。姿勢の選択は、練習の目的と体の状態に合わせて考える。慢性腰痛のある人の姿勢比較では四つばいで腹横筋の厚みの変化が大きかったが、健康な18〜39歳の女性に同じ順位を当てはめるには、別の検証が必要だ。[5]

見るべきなのは、へこんだお腹の深さより、どの筋肉がどの課題で働いたかだ。健康な成人の研究では、お腹を引き込む運動と四つばいで手足を上げる運動は、どちらも内腹斜筋の厚みの変化を比較的小さく保ちながら腹横筋の厚みを変化させた。似た特徴はあっても、同じ運動ではない。[18]

ヨガとからだの記事のイメージ写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

お腹を引っ込めると、何を練習しているのか

腹横筋は、ここでいうお腹の深い筋肉である。研究では腹横筋だけでなく、内腹斜筋や外腹斜筋なども測り、引き込む動作の最中に筋肉の厚みがどう変わるかを調べている。お腹を内側へ引くホローイング、あるいはドローインと呼ばれる課題では、深い筋肉を相対的に働かせることが評価の焦点になる。[1][18]

「相対的に」という言葉は大切だ。腹横筋が働くことと、ほかの筋肉がまったく働かないことは同じではない。19〜44歳の健康な男女を仰向けと立位で調べた研究でも、ホローイングによって腹横筋だけでなく内腹斜筋も活動したと報告されている。18〜39歳の女性を含む年代の研究だが、男女を合わせた結果を女性全員の反応として扱わず、筋肉の分担を考える材料にしたい。[13]

一方、お腹全体を固めるブレーシングは、筋肉を広く働かせる戦略として研究されている。健康な男女各9人を対象とした無作為化クロスオーバー試験では、同じ参加者がお腹を固める方法と引き込む方法の両方を行った。人の違いをなるべく抑えて方法を比較する設計である。18〜39歳女性だけの結果ではなく、その年代の女性に同じ差が出るかは個別に確かめる課題となる。[1]

その試験では、膝を立てた仰向けで静止する課題と、仰向けでつま先を床へ下ろす動的な課題を使った。腹直筋の厚みは固める方法で大きく、内腹斜筋と腹横筋の厚みは引き込む方法で大きかった。ただし、表面筋電図で測った筋活動の差は、静止課題では見られても動的課題では有意ではなかった。[1]

これは、お腹への合図を変えれば、その効果があらゆる動作に同じように現れるわけではないことを示す。静かに引き込む練習で感じた違いを、そのまま脚を動かす練習の優劣に持ち込まない。研究の結論も、課題の要求に応じた筋肉の協調という点にある。[1]

荷重を支えるときの腹圧や力の出し方は、既存記事「腹横筋の筋トレはお腹をへこませたまま?荷重を支える腹圧と力の出し方を読む」に譲る。ここでは、お腹への合図をなるべくそろえたとき、仰向けと四つばいという姿勢や、その姿勢で行う課題をどう区別するかに絞る。

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

四つばいの結果は、対象と課題をセットで読む

四つばいと仰向けを含めて比べた直接的な研究に、慢性腰痛のある成人を対象とする観察研究がある。参加者は30人で、仰向け、膝を曲げた仰向け、うつ伏せ、四つばい、座位などの姿勢でお腹を引き込んだ。超音波で腹横筋、内腹斜筋、外腹斜筋の厚みを測定した。患者を対象とした結果であり、健康な18〜39歳の女性への適用は分けて考える。[5]

この研究では、筋厚の変化を仰向けで安静にした状態を基準にそろえて比較した。四つばいと座位では、ほかの姿勢に比べ腹横筋の厚みの変化が大きかったと報告されている。一方、内腹斜筋の厚みはすべての姿勢で腹横筋と外腹斜筋より大きかった。腹横筋の変化だけを取り出して、周囲が休んでいたと読むのは誤りだ。[5]

ここで分かるのは、慢性腰痛のある参加者がその場で示した反応である。長期間の練習で筋力がどれだけ伸びるかや、痛みがどれだけ軽くなるかという結果と、測定時の厚みの変化は分けて考える必要がある。この姿勢比較を、四つばいを続ければ腰痛が治るという約束にはできない。[5]

健康な人の四つばいを考えるときには、別の課題を調べた研究が参考になる。健康な男性15人が、四つばいから手足を上げる運動を、特別な指示なし、背骨の動きを小さくする意図あり、お腹を固める、お腹を引き込む、という条件で行った実験である。男性のみの結果なので、18〜39歳の女性でも同じ反応が出るかは別に検証する必要がある。[7]

この実験では動作解析で背骨の角度を調べ、超音波を使って筋肉の硬さに相当する指標も測った。引き込む条件では腹横筋の活動指標が増え、腰の反り方向への動きが一部の部位を除いて抑えられた。ただし、腰のすべての部位で同じ反応が生じたわけではない。[7]

四つばいで静止することと、四つばいから手足を上げることは、記事や動画では続けて紹介されやすい。それでも研究を読む際は別の課題として扱うべきだ。後者では、筋肉の厚みだけでなく背骨の動きを制御するという評価が加わっている。前者の順位を、後者の成績表にそのまま使うことはできない。[5][7]

研究対象の違いも見落とせない。慢性腰痛のある人を対象とした姿勢比較と、健康な男性の動作実験を並べると、四つばいという名前は共通していても、知りたいことが異なると分かる。自分に痛みがあるかどうかを抜きにして、お腹の深部に最も効く姿勢という順位だけを受け取るのは早い。[5][7]

厚みが大きいことと、腹横筋を選ぶことは違う

18〜30歳、31〜40歳、41〜50歳の健康な参加者120人に、体幹の運動を行わせた横断研究がある。超音波で腹横筋と内腹斜筋を測り、収縮時の厚みを安静時の厚みで割った比を比較した。年齢群による差は有意ではなく、運動の種類による差が見られた。18〜39歳と重なる年代を含むが、その年代の女性だけに同じ結果が出るかを確定した比較ではない。[18]

腹横筋の比が大きかったのは横向きで体を支える運動や腹筋を丸める運動で、同時に内腹斜筋の比も大きかった。一方、お腹を引き込む運動では腹横筋の比が1.73、内腹斜筋が1.14で、四つばいから反対側の手足を上げる運動ではそれぞれ1.59と1.25だった。[18]

この数字を腹横筋だけの順位表にすると、論点が抜け落ちる。引き込む運動と四つばいの手足上げの特徴は、腹横筋の変化と比べて内腹斜筋の変化が小さかった点にある。全体で大きな厚みの変化を生む課題と、筋肉の分担を見たい課題では、選ぶ理由が変わる。[18]

また、収縮している最中の厚みが増えることを、その場で筋肉が育ったことと取り違えない。この研究が比べたのは、安静時と運動中の厚みの比である。練習前後の筋肥大を調べた試験とは設計が異なる。数値が大きい運動ほど、将来のお腹の形が大きく変わるという意味にはならない。[18]

仰向けの静止課題を扱った別の試験では、引き込む条件の腹横筋の厚みは平均4.08 mm、固める条件は2.41 mmだった。ここでも、課題中の厚みとして読むのが筋道である。対象は健康な成人18人という小規模な試験であり、その平均値を自分のお腹の合格基準にはしない。[1]

鏡に映るへこみと、超音波で測る筋肉の厚みは、見ているものが違う。研究が筋厚比を使っているなら、日常でお腹を細く見せられたかという採点へ置き換えない。鏡の前での自己採点と、超音波の測定値を混ぜない。見た目の印象よりも、研究が測った指標の名前を確かめたい。[18]

比の読み方を、もう少し丁寧に確認しておく。安静時の厚みを分母にした値は、運動中の厚みそのものとは違う。もともとの厚みが異なる筋肉同士を、収縮中のミリメートルだけで比較する場合とも意味が変わる。研究が腹横筋と内腹斜筋について別々に比を示しているのは、それぞれの安静時からの変化を見るためである。[18]

さらに、姿勢比較の研究では仰向けの安静時を基準にそろえたのに対し、体幹運動の研究は各運動の安静時と収縮時の比を求めている。どちらも筋厚を測るが、比較の基準は異なる。別の論文の数字を横に並べて、四つばいが何倍よいと計算するのは避けたい。[5][18]

数字で読むお腹の引き込みと姿勢

30人:四つばいなどの姿勢を比較した観察研究の対象は、慢性腰痛のある成人である。[5]

15人:四つばいからの手足上げで、合図による背骨の動きの違いを調べた実験は健康な男性を対象とした。[7]

120人:体幹の運動を比較した横断研究では、筋厚の反応に年齢群の有意な差はなかった。[18]

1.73と1.14:引き込む運動での腹横筋と内腹斜筋の、収縮時と安静時の厚みの比の平均値である。[18]

1.59と1.25:四つばいから反対側の手足を上げたときの、同じ筋肉の厚みの比の平均値である。[18]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

1

2

Warning: Attempt to read property "show_author" on false in /home/c1531448/public_html/ontheshore.jp/wp-content/themes/heal_tcd077/single.php on line 165

関連記事

ご体験予約