間食のきゅうりは漬物でも同じ栄養?漬ける時間と塩分の入り方を読み解く

間食のきゅうりを漬物に替えると、塩分や成分はどう変わるのか。品種による塩の入り方、発酵で変わる菌とアミノ酸、低塩製法と完成品の違いを食品加工研究から読む。漬け時間や歯ごたえだけで塩分を決めつけず、買うときの表示と食べる量を分けて考えるための読み物である。

小皿に載せたきゅうりは、漬物でもぱりっと鳴る。生のきゅうりに塩を添えたものと、漬け液に置いたもの。同じ緑色で歯ごたえも似ているが、間食として選ぶとき、中に入った塩まで同じと考えてよいのだろうか。

答えの芯は、漬けることで塩や酸が内部へ入り、発酵させれば微生物の構成や成分も変わる、ということだ。きゅうりの品種を比べた加工実験でも、塩と有機酸の入り方には違いがあった。「きゅうりだから同じ」ではなく、どんな加工を経たきゅうりかを見る必要がある。[3][15]

ただし、長く漬けたら何グラムの塩が入る、という家庭用の早見表に置き換えるのは急ぎすぎである。研究では品種、漬け液の種類、菌、温度、後の加工を組み合わせている。時間だけを取り出して、目の前の小皿の塩分を計算する読み方は避けたい。[3][19][20]

ヨガとからだの記事のイメージ写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

塩は表面につくだけではなく、中へ入る

きゅうりの漬物の研究でいう「拡散」は、成分が移動して内部へ広がる過程である。品種を比較した食品加工実験では、漬け液からきゅうりへの塩と有機酸の拡散を調べている。漬物は、生のきゅうりの外側に味を載せただけの食品ではない。液と実の間で成分が移動した結果を食べている。[3]

この研究は人に漬物を食べてもらう試験ではなく、きゅうりの発酵と加熱殺菌中の硬さ、細胞の構造、水の状態などを比べたものだ。比較した品種のうちCL277では、CS2とCLF2に比べて塩と有機酸の拡散が促され、水分活性が低くなった。水分活性とは、微生物などが利用できる水の状態を表す指標である。[3]

同じ「水がある」でも、利用できる水の状態には違いがある。研究では、内部の構造と水の状態、塩や酸の移動を別々に測っている。家庭で見るきゅうりの大きさや色だけでは、その測定結果の代わりにならない。買い物では産地や見た目を選ぶこともあるが、加工後の塩分を考える場面では、完成品の情報へ目を移したい。[3]

ここで区別したいのは、漬け液の濃度と食べる実の成分量だ。前者は製造条件であり、後者は加工を経た食品の情報である。塩や酸が内部へ移動する以上、袋の中の液の話を、そのまま皿に載せた実の話にすることはできない。逆に、液を皿に注がなかったという事実だけで、内部の塩まで無くなったと考えることもできない。[3]

「さっと漬けた」「じっくり漬けた」という名前は料理の手掛かりにはなる。しかし、研究を読むときには、それを成分測定の代用にしないことが大切だ。漬ける時間への関心は自然でも、まず何をどんな液に漬けたのかをそろえる。その順番で考えると、時間の長短だけで漬物を順位づけする必要がなくなる。[3][15]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

歯ごたえで塩の少なさは判断できない

先ほどの品種比較には、直感とずれる結果がある。塩と酸の拡散が促されたCL277は、加熱殺菌を通じて、比較した品種より硬さが21.22〜36.62%高かった。塩が入りやすいことと、柔らかくなることは、この条件では同じ方向に並ばなかったのである。[3]

その背景として、CL277ではペクチン分解酵素の活性が41.00〜43.62%低く、水溶性ペクチンが10.62〜19.38%少なく、酸可溶性ペクチンが15.52〜28.72%多かった。ペクチンは植物組織の構造に関わる成分である。研究は、密な微細構造やペクチンの分解の少なさが、硬さに関わると説明している。[3]

この数字は、家で食べた漬物を噛んで品種当てをするためのものではない。硬さを決める要素が、塩の入り方だけではないと知るためのものだ。ぱりっと鳴るきゅうりにも、塩と酸は入っている。歯ごたえはよく働くが、塩分計の仕事までは引き受けない。[3]

食べやすさと成分を同じ物差しにしないことは、間食選びでも役立つ。「柔らかいからよく漬かっている」「硬いからほぼ生だ」という判断を保留するだけでよい。好きな歯ごたえを選ぶことと、表示を確認することは両立する。研究の硬さの差は、どちらかの品種が健康に優れるという順位ではない。[3]

また、この実験で扱ったのは発酵と加熱殺菌の工程である。浅漬けを含むあらゆる漬物に、同じ割合の硬さの差が出るとは考えない。研究の数字を使うときは、どの工程で比較した値なのかも一緒に持ち帰る。割合だけが独り歩きすると、加工の研究が食卓での思い込みに変わってしまう。[3]

漬ける時間は、菌と成分が変わる時間でもある

発酵させる漬物では、経過時間は塩が移動する時間であると同時に、微生物の構成が変わる時間でもある。商業規模と実験室規模のきゅうり発酵を調べた研究では、食塩なし、塩化カルシウム、食塩という条件を比べた。塩化カルシウムは食塩の塩化ナトリウムとは異なる塩である。[15]

塩化カルシウムまたは食塩なしの条件では、6%の食塩条件より微生物の増殖とpHの低下が速かった。pHは酸性の程度を示す指標だ。発酵初期に優勢な菌も、塩の種類によって異なった。塩は単にしょっぱさを付けるだけでなく、どの微生物が活動しやすいかに関わっていた。[15]

発酵の3日目までには、塩の種類にかかわらず乳酸桿菌が優勢になった。7日目には、食塩なしの条件を除き、菌集団の84〜96%を乳酸桿菌が占めた。これは特定条件での菌集団の割合であり、漬物の重量のうちその割合が菌だという意味ではない。また、食べた人の腸内で同じ割合になるという意味でもない。[15]

日数が進むほど同じ変化が一定速度で続く、という姿でもない。初期に優勢だった菌と、後から優勢になる菌があり、塩の条件で経過が変わる。冷蔵庫に置いた日数だけを書いたメモは便利だが、製造条件まで同じにするものではない。発酵食品の時間は、時計だけでなく環境と一緒に読む必要がある。[15]

さらに、乳酸菌という大きなくくりの中でも働きは一様ではない。工業規模のきゅうり発酵から分離した菌を調べた研究では、食塩濃度、初期pH、温度を組み合わせて発酵能力を比べ、菌株による違いを確認している。菌株とは、同じ種類の菌の中で区別される系統のことである。[14]

その研究は、発酵に使う候補菌を選ぶための実験だ。加工の進み方を考えるには、「乳酸菌が入っている」という説明に加え、菌株と環境の条件を見る必要がある。買った漬物と手作りの漬物を、保存日数だけそろえて同じものとみなすより、別の工程を経た食品として扱う方が研究の結果に沿っている。[14][15]

菌株の比較で使われた条件は、食塩が0または6%、初期pHが4.0または5.2、温度が15または30℃という組み合わせだった。菌の違いだけを見たのではなく、同じ菌が置かれる環境も変えている。ある菌の名前を知っていることと、その菌が実際の漬け液で速やかに酸を作れることは、分けて考える必要がある。[14]

調べた菌には、きゅうり発酵から得た199の乳酸菌のクローンと、別の種の17のクローンが含まれていた。クローンは同じ由来の細胞を増やした集団を指す。遺伝的な違いを分類したうえで発酵能力を確かめると、同じ種の中にも違いが見られた。「自然に発酵する」という短い説明の背後にも、こうした多様な微生物がいる。[14]

ここから食卓へ持ち帰れるのは、特別な菌名を覚えて商品を探すことではない。同じ原料、同じ日数という情報だけでは、加工の経過をそろえたことにはならないという見方だ。家族の作った漬物と市販の漬物で味が違っても、時間だけを原因と決めつけない。原料の構造を扱う研究と菌を扱う研究は、異なる側からその違いを説明している。[3][14]

たとえば買い物の場面では、漬物の袋に書かれた製法の説明と、食べる量の判断をいったん切り分ける。発酵の説明は作り方を知る手掛かりになり、成分表示は完成品を比べる手掛かりになる。片方が詳しく書かれているからもう片方を見なくてよい、とはならない。研究で条件を分けて調べているのと同じように、読む側も情報の役割を分けたい。[15][19]

数字で読むきゅうりの加工

21.22〜36.62%:品種比較でCL277が示した、加熱殺菌中の硬さの高さ。食塩量の少なさを表す値ではない。[3]

3日目:塩の種類を比較した発酵で、乳酸桿菌がいずれの条件でも優勢になった時点。[15]

84〜96%:発酵7日目の乳酸桿菌の構成割合。食塩なしの条件はこの範囲の対象外だった。[15]

1.1±0.2 mM:GABAを調べた実験で、もともとの微生物による発酵で得られた濃度。[7]

101人:異なる発酵工程を経たピクルスの好みを評価した消費者の数。健康効果の試験人数ではない。[19]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

1

2

Warning: Attempt to read property "show_author" on false in /home/c1531448/public_html/ontheshore.jp/wp-content/themes/heal_tcd077/single.php on line 165

関連記事

ご体験予約