満員電車のストレスはどれくらい?解消を時短と位置と在宅に分けて読む

立川の朝、人が増えた分だけ不快も同じ割合で増えると感じることがある。1976年の男性の通勤電車では混雑感が乗客数の二乗で増え、長く乗った群のホルモン排出はむしろ少なかった。バス1,318人の立つ位置と、在宅で動いた睡眠のずれを、乗車の時短と分けて読む。

座席に腰を下ろせたのに、人が増えるにつれて落ち着かなくなる。座れた朝の不快は、何で決まるのか。ストックホルムへ向かう男性の列車通勤者を、混み具合の違う2回の朝で比べた研究では、混雑感は乗客数の二乗で増えていた。2回とも、ほぼ全員に座席があった。18〜39歳の女性に同じ増え方が当てはまるかは、この男性の比較だけでは判断できない。[1]

長く乗った群のほうが、車内でのアドレナリンとノルアドレナリンの排出は少なかった。一方、より混んだ朝には両群でアドレナリンの排出が高かった。著者は、列車通勤のストレスが長さや所要時間よりも、移動の社会的・環境的な条件で変わるという先行の知見を支持した。満員の負担を考える入口は、分数だけでなく、乗り込むときの混み方にもある。[1]

既存記事「満員電車のストレスは戦場より上?比べた研究を探し、混んだ朝に増えたアドレナリンの研究を読む」には、戦場との比較と、混んだ朝にアドレナリンが増えた読みを譲る。こちらが分けるのは、混雑感の増え方、乗車の長さ、車内のどこに立つか、通勤そのものを在宅に変えたときの睡眠のずれである。時短、位置、在宅は、同じ「解消」の引き出しには入らない。

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混雑感は、乗客数の二乗で増えていた

調べたのは、ストックホルムとニュネスハムンを結ぶ線で、ふだんから列車通勤をしている男性である。ストックホルムへ向かう朝を2回走らせ、混み具合の違う条件を比べた。1回目は1974年の石油危機でガソリンが配給になった期間の前、2回目はその後である。2回目の列車のほうが混んでいた。実験室で人数を割り当てた試験ではなく、配給の前後に起きた乗車の比較である。対象は男性であり、18〜39歳の女性にそのまま当てはめられるかは、この比較からは判断できない。[1]

体の反応は、尿に出るカテコールアミンの排出の速さで見た。カテコールアミンとは、ここではアドレナリンとノルアドレナリンをまとめた呼び方である。気持ちの側は、本人の自己評価で測った。駅に着くまでの分数を、ストレスの唯一の単位にはしていない。[1]

不快感は、列車がストックホルムに近づき、乗客の数が増えるにつれて強まった。混んでいるという感じは、乗客の数の二乗で増えた。私の読みでは、人が増えるほど感じ方の増え方が急になる、という意味で受け取る。座席のある車内でも、人数の増加と感じ方の変化を別々に追った点が、この研究の特徴である。[1]

意外なのは、その2回とも、ほぼ全員の座席があったことだ。肩がドアに押しつけられる絵だけが、混雑の定義ではなかった。座れる朝でも、乗客が増えるほど不快は強まり、混雑感は人数の二乗で増えた。座れれば感じ方は頭打ち、という期待は、この男性の2回の朝には残らなかった。確認は「座れたか」だけで終わらず、座れたうえで人がどれだけ増えたか、に進む。[1]

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長く乗った群の排出は、むしろ少なかった

乗客は2群に分かれていた。始発のニュネスハムンから乗る群と、路線の中ほどのヴェステルハニンゲから乗る群である。乗車が長いのは始発の群だ。それなのに、2回とも、始発の群のほうが車内でのアドレナリンとノルアドレナリンの排出が少なかった。長いことと、排出が多いことは、この比較では同じ方向を向いていない。[1]

一方で、より混んでいた2回目には、両方の群でアドレナリンの排出が高かった。長さを揃えても、混んだ朝のほうがアドレナリンは多かった、と読める比較である。2回目で高いと置かれているのはアドレナリンの排出である。ノルアドレナリンは、始発の群が途中乗車より少なかった、という比較の側に置く。二つのホルモンを、同じ増減の物語にまとめない。[1]

著者の結論は、列車で移動するストレスは、長さや所要時間よりも、社会的・環境的な条件のほうで変わる、という先行の知見を支持する、というものだ。始発と途中乗車は、所要時間の差であると同時に、乗り込む時点の車内の混み方の差でもある。時間だけを短くする操作を、この2群の差から取り出す設計にはなっていない。観察された乗車の比較であり、誰かの通勤を実験者が削った試験ではない。[1]

だから「解消は時短」と決め打ちすると、この結論の半分を落とす。半分は、混んだ朝にアドレナリンの排出が高かったことだ。もう半分は、長く乗った始発の群の排出が、途中から乗った群より少なかったことだ。時短が常に楽になる、とも、長さは無関係だ、とも、この1本からは言えない。言えるのは、長さより条件の側を重く見た、という著者の結びである。1974年の配給前後という状況も、比較の背景にある。混雑が変わった時期と乗車区間の違いを合わせて読むと、時計だけでは見えない条件の差が浮かぶ。[1]

47研究は、上昇と推奨を同じ段に置いていない

1972年以降の英語の定量研究から、働く人の公共交通通勤を集めた系統的レビューがある。対象の手段は、列車、バス、地下鉄、路面電車、メトロである。心の健康、体の健康、ウェルビーイングへの影響を見る、という目的で、条件を満たした研究は47本だった。そのうち23本は、参加者が500人を超える。47本は採用された個々の研究の数で、レビュー自体は1本である。対象は働く人々であり、18〜39歳の女性に同じ結果が当てはまるかは、この全体の集計からは判断できない。[2]

複数の交通手段を最初に比べた段階では、病気の率、自覚的な健康の不調、知覚されたストレスの水準への影響と、睡眠の減少が示された。ここでの「影響」は、鉄道に絞った分析のような「上昇」とは書き分けられている。睡眠だけが、減少という方向を伴って並ぶ。欠勤や不調や知覚ストレスを、すべて悪化と決め打ちする読みは、この文の粒度より細かい。[2]

鉄道の通勤者に分析を揃えると、唾液のコルチゾール、知覚されたストレス、混雑への感情的な反応の上昇が見えた。コルチゾールは、ストレスに関わるホルモンとして、ここでは唾液から測った指標だと受け取ればよい。上昇と書かれているのはこの三つであり、病気の率の話をこの段に混ぜない。混雑への感情的な反応は、尿のアドレナリンとは別の測り方である。[1][2]

同時に、内から出る自己報告の測定へ偏っている、とレビューは指摘する。そのうえで、仕事のストレスと通勤のストレスをより客観的な指標で扱う理論を試すと益がある、と論じている。自己報告が無駄だ、という結論ではない。偏りを認めたうえで、別の測り方を足すべきだ、という主張である。[2]

柔軟な働き方は、このレビューの推奨として置かれている。レビューが結果として示した鉄道側の上昇は、コルチゾールと知覚ストレスと混雑への感情反応である。推奨と、その上昇の報告は、同じ論文の中でも役割が違う。[2]

既存記事が戦場との比較の代わりに置いたのも、この鉄道側の上昇を含む生理と感情の話である。こちらは、上昇の報告と、柔軟な働き方という推奨が、同じ論文の中で別の役割だと読む。方向つきで並ぶ所見の一つは、公共交通通勤の比較における睡眠の減少である。[2]

数字で読む満員電車

混雑感は乗客数の二乗で増えた。不快は都心へ近づくほど強まった。対象はストックホルム方面の男性通勤者で、2回ともほぼ全員に座席があった。[1]

始発から長く乗った群は、途中乗車の群より、車内のアドレナリンとノルアドレナリンの排出が少なかった。より混んだ2回目は、両群でアドレナリンの排出が高かった。[1]

系統的レビューは1972年以降の47研究。うち23研究は500人超。鉄道では唾液コルチゾール、知覚ストレス、混雑への感情反応が上昇していた。[2]

複数手段の比較では、病気の率、自覚的な不調、知覚ストレスへの影響と、睡眠の減少が示された。柔軟な働き方は推奨であり、低下量の測定値ではない。[2]

セルビアのバス乗客1,318人では、後ろに立つ人のほうが前より占有を高く見積もった。移動時間と、安全の感じ方は、有意な効果を示さなかった。[3]

チェコの世帯調査で、社会的時差ぼけが0.65時間以上の人は、とくに50歳超で総コレステロールとLDLが高かった。在宅勤務は、個人の縦断で時差ぼけを減らし、睡眠を延ばした。[5]

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宮川涼 Founder

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