
作りたてと保存後は別の評価になる
エマルゲルという材料を使ったクッキーの食品試験もある。これは油を含む乳化した系をゲル状にした材料で、この研究ではひまわり油30%と、ゲル化に使うκカラギーナンを組み合わせた。固形脂を液体油由来の材料で替えるという目的は共通していても、先ほどのワックス入りオレオゲルと同一の材料ではない。[2]
κカラギーナンの濃度を0.50%、1.00%、1.50%と変えると、材料の性質は異なった。0.50%では強さが足りず、1.50%ではクッキー生地用には硬すぎたため、クッキーの置換試験には1.00%の配合が選ばれた。材料としてしっかり固まることが、そのまま製菓に最適であることを意味しない例である。[2]
硬さと弾力の向きも同じではなかった。1.50%のエマルゲルは硬さ3.25 N、弾み戻る性質を長さで表した値は2.76 mmだった。1.00%の材料はそれぞれ1.44 Nと3.14 mmである。この材料間の比較では、硬い方で弾み戻る値は小さかった。硬さという言葉に、食感のすべてを押し込めることはできない。[2]
選ばれたエマルゲルでショートニングを50%または100%置換したクッキーは、対照と比べて脂質含量がそれぞれ30%、50%低かった。これは、この油を含むゲルを使った配合の完成品に関する結果である。一般の液体油を同じ重さで入れた時にも同じ低下が起きる、という意味ではない。[2]
保存まで見ると、全量置換のクッキーでは1か月の間に硬さが12.88 Nから30.70 Nへ増えた。一方、半量置換では硬さが安定していた。エマルゲル入りは保存中の酸化への安定性も対照より高かった。著者らは総合的に、50%置換が最も良好な結果だったとしている。[2]
ここには、作りたての食感だけでは決められない選び方がある。休日に焼いて翌日以降も食べる想定なら、食べる時点を比べる条件に含めたい。研究の1か月という期間を家庭の保存推奨日数に読み替えるのではなく、完成直後と保存後では製品評価が変わるという観察を持ち帰るのである。[2]
酸化しにくさと硬さの安定も分けたい。この研究ではエマルゲル入りの酸化への安定性はよかったが、全量置換品は硬くなった。この結果では、酸化への安定性と食感の維持を別々に評価する必要がある。作り置きするおやつを考える時には、油脂の変化と噛んだ時の感触を別の問いにしておく方が、結果を読み違えにくい。[2]
疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。
脂肪酸の種類、脂質の量、食感を別々に見る
レビューが紹介するオレオゲル研究の背景には、飽和脂肪やトランス脂肪を増やす方法によらず、液体油に製菓で必要な機能を持たせたいという課題がある。一方で同じレビューは、食事の飽和脂肪や個々の脂肪酸と心血管疾患の関係を単純に説明することへの議論も紹介している。材料の名前だけで健康への評価を完結させる話ではない。[1]
ここでは、油脂の構成を変える研究と、完成品に含まれる脂質の量を減らした研究を区別する。オレオゲルを使う狙いのひとつは、液体油の脂肪酸組成を保ちつつ固体らしい性質を与えることである。対してエマルゲルの試験では、実際に完成クッキーの脂質含量が低くなった。種類を変えることと、量が減ることは別の結果だ。[1][2]
だから「油で作った」という短い表示を見ただけで、そのクッキーの脂質含量まで推定するのは避けたい。試験で脂質が減ったという結果を使うなら、どんな材料をどの割合で替えた完成品なのかまで一緒に読む必要がある。油の瓶の名前より、完成品の配合や表示を確認する方が、自分が知りたい量の問いに近い。[2]
同じように、ほろりと崩れる、硬い、弾むという感覚を、減量効果の代わりに使うこともできない。ここで扱った実験が比べたのは油脂や製品の物性であり、人が食べ続けた時の体重の変化とは異なる評価である。食品としての置き換えがうまくいったという結論は、その範囲で受け取るのが適切だ。[2][3][4]
中央線で持ち帰る袋の中に入れるなら、崩れにくさを好む日もある。家で皿に載せて食べるなら、ほろりと割れることを楽しむ日もあるだろう。これは好みと用途の選択であって、研究から与えられた食感の序列ではない。完成品にどんな性質が欲しいかを言葉にしたうえで、研究の硬さの比較を読むと、材料を替える目的が見えやすくなる。[3][4]
スコーンへの関心から読み始めた人も、クッキー研究を万能なレシピとして受け取る必要はない。共通して持ち帰れるのは、油脂の量だけでは生地の働きを説明し切れず、材料の構造と完成品を見比べるという視点である。家庭での仕上がりは自分の配合で観察し、食品研究の数値は、その観察のどこを分けるかを教えるものとして使いたい。[1][3][4]

よくある誤解
「固形脂を液体油に替えれば、必ず柔らかくなる」という見方は、紹介した比較では否定された。全量オレオゲルのクッキーは液体油入りより柔らかく、ショートニング入りより硬かった。流れる材料だから完成品も柔らかい、という一直線の説明は当てはまらない。[3]
「同じ油を固めたなら、どれも同じように使える」という理解も違う。ひまわり油を出発点にした研究でも、構造化に使う材料によって油の保持力や生地の硬さが異なった。固体らしく見えるという共通点だけで、製菓での働きまで同じとは扱えない。[4]
「全部替えた方が、半分替えるより良い製品になる」とも限らない。エマルゲルのクッキー試験では、全量置換で脂質含量がより低くなった一方、保存中に硬さが増した。半量置換は硬さが安定し、著者らの総合評価も良好だった。何を良いとするのかを決めずに、置換割合だけを競うことはできない。[2]
もうひとつ混同しやすいのは、生地が扱いやすいことと、食べる時に好みの硬さであることだ。オレオゲル研究は、材料、生地、焼成後という工程を分けて測っている。台所でも、生地の手応えだけで成功を決めず、焼いた後の状態を別に記録する余地がある。研究の細かな測定は、日常ではこうした観察の分け方として役立つ。[4]
今日からできること
- 研究の「50%置換」「100%置換」は特定のゲル材料の試験条件だとメモし、家庭の液体油への交換比率には転用しない。まず使うレシピで指定された材料を確認する。[2]
- 試作の記録では、油脂材料、生地、焼成後を別欄にする。研究の92.49 Nは生地、11.22〜20.97 Nは焼成品の値だと区別し、自分の記録も工程ごとに感触を言葉にする。[4]
- 保存して食べる予定なら、作りたてと実際に食べる時の硬さを分けて書く。1か月で12.88 Nから30.70 Nへ硬さが増した試験は、保存で評価が変わる例として読む。[2]
- おやつの表示を見る時は、脂質の量を知りたいのか、油脂の種類を知りたいのかを先に決める。完成品の脂質が30%または50%低かった結果を、すべての油使用品へ広げない。[1][2]
- レシピを比べる際は、全量変更と部分変更のどちらかを書き添え、残したい食感と用途を整理する。50%置換で硬さが安定したエマルゲルの試験を、部分変更にも目を向ける手掛かりにする。[2][3]

オンザショアで予定に置く、体を動かす時間
おやつの材料を選ぶ時間とは別に、体を動かす予定を生活に置く場所がある。オンザショア立川店は、JR立川駅北口から徒歩1分、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fにある溶岩ホットヨガスタジオだ。通う場所を決め、レッスンの時刻を確認して予定に入れる、という続け方を考えられる。
営業時間は8:00〜23:30で、レッスンの開始時刻とは別である。年中無休だが、年末年始の12/29〜1/3は通常レッスンを休み、会員向けの特別の有料講座となる。予定を決める際は、開いている時間と参加する回を分けて確認したい。
溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガのほか、常温のヨガやピラティスもある。妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスン、バスタオル2枚とフェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルを含む。内容は店のサイト、費用は料金ページ、参加の手続きは体験予約で確認できる。
参考文献
[1] Recent developments of oleogel utilizations in bakery products — Demirkesen I, Mert B., 2020, Critical reviews in food science and nutrition. DOI: 10.1080/10408398.2019.1649243
[2] Studying Several Properties of Emulgel Based on κ-Carrageenan and Its Incorporation as Shortening Material in Cookies — Sharifi M, Moshfegh N, Abbasi A., 2025, Food science & nutrition. DOI: 10.1002/fsn3.71210
[3] Reducing saturated fat with oleogel/shortening blends in a baked product — Mert B, Demirkesen I., 2016, Food chemistry. DOI: 10.1016/j.foodchem.2015.12.087
[4] Evaluation of Structural Behavior in the Process Dynamics of Oleogel-Based Tender Dough Products — Tanislav AE, Pușcaș A, Păucean A, Mureșan AE, Semeniuc CA, Mureșan V, Mudura E., 2022, Gels (Basel, Switzerland). DOI: 10.3390/gels8050317
この記事の情報は2026年11月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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