
歩く時と走る時で、拍動を拾う割合が変わった
2020年のセンサー開発研究では、複数の波長と測定チャンネルを使い、混ざった信号を分離する処理を組み合わせた。評価の基準は心電図であり、歩行、速歩、走行で結果を比較している。この研究の感度は、歩行99%、速歩96.28%、走行82.49%だった。[5]
感度は、基準となる拍動をどれだけ拾えたかを見る尺度である。「走行では心拍数が82.49%正しい」という意味にはならない。同じ研究では、検出した拍動のうち正しかった割合を表す陽性的中率も報告され、走行では99.83%だった。見つけた拍動の確かさと、拍動を取りこぼさないことは違う。[5]
ここは時計の評価で混同しやすい。検出した拍動の確かさと、必要な拍動を拾う割合は、別々に評価する。したがって、研究紹介に精度の割合が出てきた時は、何を分母にした数字かを見る必要がある。感度と陽性的中率を併記した実験は、その違いを具体的に示している。[5]
歩行から走行へ変えた日に記録が不安定になったとしても、この研究だけで手持ちの機器の原因は決められない。ただ、運動の種類による精度の違いは、記録を比較する際の確認点になる。歩いた日の値と走った日の値を比べる時には、運動名も一緒に残す方が、測定条件を見失いにくい。[5]
隣の記事「ダイエットの有酸素運動は走ってから歩く?速度を戻す時の切り替わりを読む」が扱うのは、歩行と走行を切り替える体の側の問いである。ここでの問いは、同じ切り替えの際に、腕につけたセンサーの測定条件まで変わり得ることだ。歩き方の選択と、表示の信頼性の検討は別々に置いておきたい。
疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。
平均のずれと、個々のずれを分けて読む
平均絶対誤差という数字を読む時にも注意がいる。2023年の別の技術開発研究は、光の信号と加速度を使い、まず信号の質を確認し、強く乱れた信号を後の処理から外した。その後、残った信号の動作成分を分離して除去する構成である。信号を選別してから推定する設計だ。[3]
この手法の評価では、歩行の平均絶対誤差が1.86bpm、手の動作では3.78bpmだった。同じ処理でも、評価した動きにより結果が異なる。歩行で小さな誤差を出したことと、どんな手の動きでも同じ誤差に収まることは結び付かない。[3]
また、この研究には平均誤差0.7345±8.1129bpmという結果もある。平均誤差と平均絶対誤差は同じではない。前者はずれの向きも含むため、上振れと下振れが相殺され得る。後者はずれの大きさを見る。「平均がほぼゼロ」という紹介だけで、個々の推定まで基準に近いと考えることはできない。[3]
記録を読む側としては、「平均」という言葉の後に何が続くかを見たい。基準より高かったのか低かったのかを含む平均なのか、ずれの大きさの平均なのか、拍動を拾えた割合なのか。研究ごとに物差しが異なるなら、数字の小ささだけで手法の順位を作らない。異なる指標を扱う研究を並べる際に必要な読み方だ。[2][3][5]
系統的レビューという広い見取り図も役に立つ。2026年に発表された手首装着型活動量計のレビューは、健康な人や一般集団を対象とする精度・受容性の47研究を含んだ。測定技術は改善していたが、ブランド、活動、対象集団による変動も残っていた。18〜39歳の女性だけの評価として読むのでなく、幅広い集団で得られた測定技術の見取り図として使いたい。[1]
このレビューでは、心拍数だけでなく歩数、消費エネルギー、活動強度も検討された。各項目の改善は同じではなく、消費エネルギーの精度の改善は最も小さかった。最近の機器でも、間接熱量測定との比較で10〜40%の誤差が報告されている。脈の測定がよくなったことを、消費カロリーの正確さへそのまま広げない方がよい。[1]
研究用の試作機と日常の時計も区別したい。赤色と緑色の光を組み合わせた実験の良い成績は、そこで使ったセンサーと処理の組み合わせの評価である。光の色だけが似ている機器に同じ数値を移すことはできない。精度の紹介を見るなら、何と比べ、どの動作で評価した結果なのかまでを一組として読む必要がある。[2]
公開データを使った処理方法の評価と、機器を毎日身につけた生活の評価にも距離がある。光と加速度を用いた研究は、信号の質を確認し、動きの成分を除く処理の性能を調べたものだ。これは重要な開発段階の検証だが、その平均誤差を、買い物袋を持つ帰り道を含む自分の一日の保証値としては読まない。実験が答えた問いの範囲を保つことが、成果を小さくも大きくも言い過ぎない読み方である。[3]
ダイエット目的の散歩を終えた時、心拍数と消費カロリーが同じ画面に並ぶことはある。それぞれの項目には、それぞれの評価結果がある。レビューで異なる精度が示された項目は、読む側も分けて扱う。時計の表示は運動を振り返る入口になっても、画面全体が同じ精度の測定結果だとは考えない。[1]

よくある誤解
「前腕の方が正確なら、手首の数字は全部使えない」というのは飛躍だ。前腕と手首の比較実験が示したのは、その条件で前腕の精度が高かったことである。系統的レビューでは手首装着型機器の測定技術の改善も示されている。部位による差と、手首型の技術進歩は両立する。[1][11]
「緑色に光るから、動きの影響は受けない」という理解も修正したい。緑色光が赤外光より心電図と高い相関を示した実験はあるが、跳躍や腕振りを含む条件での比較である。さらに赤色と緑色を組み合わせ、動作成分を除く研究も行われている。色の優位性は、処理が不要であることを意味しない。[2][19]
「誤差が小さい研究の方式なら、急な表示変化もすべて本当」という読み方は、平均成績を個々の瞬間へ広げ過ぎている。歩行と手の動作で平均絶対誤差が異なる研究や、歩行と走行で感度が異なる研究がある。平均成績が良いことを、あらゆる動作のあらゆる瞬間の正しさへ置き換えないことだ。[3][5]
だからといって、見慣れない数字をすべて機器のせいにするのも違う。これらの研究は動作が測定へ混ざることを示すもので、個人の急な脈の変化の原因を診断するものではない。体調について判断が必要な場合は、表示を独自に補正して結論を出さず、医師に相談する対象として扱いたい。
今日からできること
- 運動記録には脈の数字と一緒に、手首などの測定位置を残す。10人の位置比較実験で、前腕と手首の精度に差があったことを踏まえた記録の工夫だ。[11]
- ベルトを途中で直したら、その場面をメモする。固定条件と快適さを検討した研究からの応用であり、強く締めることを目的にしない。[11]
- 歩行、速歩、走行を区別して振り返る。これらで感度が99%、96.28%、82.49%と異なった研究は、運動名も比較条件になることを示している。[5]
- 精度の説明を読む時は、平均誤差、平均絶対誤差、感度のどれかを確かめる。1.86bpmという歩行の平均絶対誤差と、拍動の検出割合を同列に扱わない。[3][5]
- 脈拍と消費カロリーを別の項目として読む。47研究のレビューでも精度の改善は項目ごとに異なり、脈の測定が良いことだけでカロリー表示を保証できない。[1]

オンザショア立川店で、運動の時間を予定に置く
時計の表示だけで運動を採点するより、何をした時間だったかも残したい。オンザショア立川店を、種目と時間を決めて体を動かす場所として考えるなら、記録にもその種目を添えられる。光学式の脈拍測定の研究は、当店のレッスンの測定精度や効果を検証したものではない。
溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガに加え、常温のヨガやピラティスもある。ヨガだけで25種類以上のレッスンがあり、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングも用意されている。妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。
営業時間は8:00〜23:30で年中無休。所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F、JR立川駅北口から徒歩1分だ。店の案内と料金で予定を確認できる。ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルを含む。体験予約はこちら。
参考文献
[1] Advancement in wrist worn physical activity trackers: technological developments and measurement accuracy: a systematic review. — Hogue T, Khoury A, Njeim P, Aswad N, Youssef L, Birtulescu S, Faust A, Hajj-Boutros G., 2026, Frontiers in digital health. DOI: 10.3389/fdgth.2026.1820224
[2] An Adaptive Filter Based Motion Artifact Cancellation Technique Using Multi-Wavelength PPG for Accurate HR Estimation. — Park P, Lee W, Cho S., 2023, IEEE transactions on biomedical circuits and systems. DOI: 10.1109/tbcas.2023.3315297
[3] Precision Heart Rate Estimation Using a PPG Sensor Patch Equipped with New Algorithms of Pre-Quality Checking and Hankel Decomposition. — Thakur S, Chao PC, Tsai CH., 2023, Sensors (Basel, Switzerland). DOI: 10.3390/s23136180
[4] Adaptive scheduling of acceleration and gyroscope for motion artifact cancelation in photoplethysmography. — Lee H, Chung H, Ko H, Parisi A, Busacca A, Faes L, Pernice R, Lee J., 2022, Computer methods and programs in biomedicine. DOI: 10.1016/j.cmpb.2022.107126
[5] Motion Artifact Reduction in Wearable Photoplethysmography Based on Multi-Channel Sensors with Multiple Wavelengths. — Lee J, Kim M, Park HK, Kim IY., 2020, Sensors (Basel, Switzerland). DOI: 10.3390/s20051493
[11] Effect of Position and Fastening Belt Pressure on the Accuracy of PPG-Based Heart Rate Sensor. — Shimazaki T, Kuwahara Y, Kimoto M, Hara S, Yomo H., 2018, Annual International Conference of the IEEE Engineering in Medicine and Biology Society. IEEE Engineering in Medicine and Biology Society. Annual International Conference. DOI: 10.1109/embc.2018.8513333
[19] Relationship between measurement site and motion artifacts in wearable reflected photoplethysmography. — Maeda Y, Sekine M, Tamura T., 2011, Journal of medical systems. DOI: 10.1007/s10916-010-9505-0
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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