ソイプロテインを寝る直前に飲む量は体重で割る?除脂肪量と分母の違いを読む

ソイプロテインを寝る前に飲む量を、体重や除脂肪量で計算すれば決められるのか。体重あたりの摂取量、固定量を使う試験、体組成の変化を分けて読む。朝食の比較試験や大豆製品のメタ分析から、研究の数字を就寝直前の自分の量へ置き換える前に確かめたい条件を整理する。

歯を磨く前、台所でソイプロテインの袋を見ながら計算する。「体重あたり」と書かれていたら、今朝の体重を掛ければよいのか。脂肪の重さまで入るなら、除脂肪量で計算したほうが正確なのか。計量スプーンより先に、電卓の分母で迷う夜がある。

答えの芯は、体重と除脂肪量を入れ替えるだけでは、寝る直前の適量は決まらない、である。大豆を使った人の研究でも、朝食で固定量を比べる試験、体重あたりで食事を設計する医療の試験、体重変化をまとめる研究では、数字の役割が違う。同じ「体重」が出てきても、同じ問いへの答えではない。[6][10][16]

既存記事「ソイプロテインを寝る前に飲む量、高齢者の一食量と夜の追加量をどう読み分けるか」には食事の配分という問いを譲る。ここでは量を割る相手、つまり分母を読む。朝食の研究結果を夜に移すことと、体重を除脂肪量に替えることは、別々に確かめる必要がある。[16]

「女性のプロテイン一日の量は体重で計算する?除脂肪量との違いを研究で読む」が扱う一日の総量の計算にも踏み込まない。こちらはソイ研究に現れる分母をたどり、とくに昼食エネルギーを体重で割った結果を、就寝直前のたんぱく質量の式へ取り違えないことを中心に据える。[16]

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体重で割った数字は、何の量なのか

「体重あたり」は数字の住所のようなものだ。まず分子に何が置かれているかを見る。たんぱく質の摂取量なのか、食事全体のエネルギーなのか。それから、日あたりなのか、食事あたりなのかを読む。ソイの研究に体重という単語を見つけただけでは、その数字を夜のシェーカーに移せない。[6][16]

成人の糖尿病性腎症を対象にした系統的レビュー・メタ分析では、食事由来または補充によるポリフェノールの介入が調べられた。大豆たんぱく質や豆乳を用いた研究も含み、大豆たんぱく質では体重あたり日量0.5〜1g/kgという設定が登場する。これは病気を持つ人への介入条件であり、健康な18〜39歳の女性の就寝前の追加量へそのまま当てはめることはできない。[6]

ここで「日量」を落とすと意味が変わる。食事の設計として使われた数字を、夕食を食べた後の追加分にすると、研究と違う問いになる。また、このレビューは大豆だけの解析ではない。種類も用量も異なる介入をまとめ、研究の偏りの危険性が高く、根拠の確かさは低いか非常に低いと評価している。著者らは臨床的な推奨を確立できないとした。[6]

逆に、固定量で比べる研究もある。若い成人を含む朝食の試験では、ソイたんぱく質25g、50g、糖質の対照という条件を比較した。参加者ごとに除脂肪量を測って夜の量を割り当てた試験として読むことはできない。まず研究者が何をそろえ、何を変えたかを確認するのが先である。[16]

ネット上で「体重に合わせよう」という助言を見たら、元の数字が処方なのか、比較のための表現なのかをたどりたい。研究の結果を体格に合わせて表すことと、体格に合わせて飲む量を決めることは異なる操作だ。この違いは朝食試験を読むと、具体的になる。[16]

体重あたりで表す利点を考えるときも、何を比較するための表現かが大切になる。朝食の試験では、同じ参加者が異なる条件を経験し、その後の摂取量を比べている。人によって体格が違う場面で結果を体重あたりに表したとしても、そこから体格に応じた補充量の優劣を試したことにはならない。分析で使うものさしと、飲む前に使うものさしを混ぜないようにしたい。[16]

疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。

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朝食の試験では、割られていたのは昼食のエネルギーだ

無作為な順序で液体の朝食を食べ比べた試験には17人が参加し、年齢の平均は27歳、体脂肪率の平均は21.5%だった。朝食のエネルギーは条件間でそろえられ、ソイの高量条件は50g、低量条件は25g、対照は糖質50gだった。その後、3時間後の昼食を自由に食べてもらった。[16]

昼食の摂取エネルギーを体重で割ると、糖質の対照条件では11±3.6kcal/kg、ソイの高量条件では9.1±3.0kcal/kgで、高量条件が有意に低かった。低量条件は10.2±2.7kcal/kgで、対照との有意な差は認められなかった。研究は高量の液体ソイ朝食で満腹感が高まり、体重あたりの昼食摂取量が少なくなったと結論している。[16]

このkcal/kgの分子は昼食のエネルギーである。ソイを何g飲ませたかを体重で表した値ではない。したがって、ここから「体重あたりのソイの必要量」を読み出すことはできない。研究に割り算があることと、その割り算が摂取量の決定式であることは同義ではない。[16]

同じことは高量と低量の比較にも当てはまる。対照に対して高量条件に差があり、低量条件に差がないという結果だけで、高量条件が低量条件より必ず優れているとは言えない。検定で比べた相手を保ったまま読む必要がある。この試験の数字は、自分に必要な量の境界線を引くためのものではない。[16]

さらに、朝食のエネルギーをそろえた比較である。普段の夕食はそのままに、寝る前のソイだけを追加する場面とは条件が違う。朝に飲んで昼に食べた量という結果は、就寝中の変化や翌朝の体重を直接示さない。台所の時計を夜へ進めても、試験の時刻まで一緒に進むわけではない。[16]

朝食後の空腹感と実際の昼食量も別の測定である。この研究は食欲の感覚を食前、食後、食後の経過に沿って尋ね、昼食の摂取量も測った。満腹だと感じたことと、食べたエネルギーがどれだけ違ったかを、同じ言葉で済ませていない。寝る前に飲んで満足したという感覚を持ったとしても、それだけで翌日の摂取量や長期の体重変化を決めつけない、という読み方につながる。[16]

除脂肪量という分母に替えても、答えは自動で精密にならない

体重だけでなく体の内訳を気にする視点は、大豆の研究にもある。女性の有酸素運動とソイ補充を組み合わせた予備的試験では、体重や体脂肪率に加え、除脂肪体重の割合も測定された。ここでいう除脂肪体重は、体の脂肪を除いた部分を捉える指標である。ただし、測った指標と、摂取量を決める基準は区別したい。[11]

この試験では、平均年齢がおよそ36歳の女性16人が研究を完了した。運動のみの群と、運動にソイを含む補充を加えた群を比べている。ソイ分離たんぱく質を多く含む補充食品を日量40g、週5日、8週間という固定の設定で用いた。除脂肪体重の割合が結果に出てくるからといって、それを分母にした投与法の検証にはならない。[11]

補充群では運動のみの群より体重や体脂肪率などの低下が大きく、除脂肪体重の割合の増加も大きかった。体脂肪率の効果量は1.18、除脂肪体重の割合の効果量は0.89と報告された。効果量は群の違いの大きさを表すもので、減った体重のkg数や、次に飲むべきg数ではない。研究者も体組成改善の傾向という表現を用いている。[11]

割合を読むときには、絶対量とも切り分ける。除脂肪体重の「割合」が上がるという結果を、同じ数値だけ筋肉が増えた、と言い換えることはできない。まして、割合が大きく変わった群の補充量を自分の体重で割り直しても、個人向けの必要量を検証したことにはならない。[11]

体重なら脂肪も含むから過大、除脂肪量なら正解、という二択にすると、肝心の比較が抜ける。確かめたいのは、どの分母で決めた摂取量が、どの人のどの結果に結びついたかである。この予備的試験が支持するのは、特定の運動と固定量の補充を組み合わせた条件での結果までだ。[11]

運動側の設定も具体的だった。全員が週2回、各60分の有酸素運動を8週間行い、強度は心拍予備能の40〜65%だった。心拍予備能は運動強度を設定するための心拍の指標である。補充群の結果は、この運動条件と組み合わさっている。帰宅が遅かった日にソイだけを飲む場面に重ねるなら、運動の条件まで同じではないことを覚えておきたい。[11]

また、この試験では往復走を用いた持久力の検査に有意な群間差はなかった。体組成の指標に差があっても、持久力の検査では群間の改善の差を確認できなかった。何をよくしたいのかによって読む結果も変わる。体重の数字だけが、研究全体の成績表ではないのである。[11]

数字で読むソイの量と分母

17人:ソイの量を変えた液体朝食の比較試験の参加者数。就寝前の量の試験ではない。[16]

25gと50g:朝食に用いたソイたんぱく質の固定量。体重あたりの推奨値ではない。[16]

11と9.1kcal/kg:対照条件と高量ソイ条件に続く昼食の体重あたり摂取エネルギーの平均値。[16]

40g/日:女性の有酸素運動と併用した、ソイを多く含む補充食品の量。週5日、8週間の予備的試験である。[11]

0.5〜1g/kg/日:糖尿病性腎症のレビューに含まれた大豆たんぱく質介入の設定。夜だけの追加量ではない。[6]

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宮川涼 Founder

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