
疲れた後のぐらつきは、別の条件として扱う
同じランジでも、疲労の前後を分けて見る必要がある。健康な男性大学バドミントン選手12人、平均年齢21.1歳を対象とした実験では、疲れ切るまでランジを繰り返した後、片脚立ちで姿勢を保つ能力が低下した。運動の回数だけでなく、終盤にどんな状態になったかを見る理由になる。男性選手の疲労試験の結果を、18〜39歳の女性の通常の練習へ直接当てはめることはできない。[7]
この研究では、目を開けた状態と閉じた状態の片脚立ちを測定し、足裏の圧の中心の揺れを評価した。圧の中心とは、足裏に分布する圧を代表する位置のことである。疲労後には、足裏の領域ごとに、この位置の揺れの面積や移動などが変化した。単に「脚が重い気がする」という感想だけを比べた実験ではない。[7]
一方で、競技経験のある若い男性が疲れ切るまで行った結果は、仕事帰りの女性が穏やかに行う練習そのものではない。この研究から家庭向けの限界回数を決めることもできない。受け取れるのは、疲労を運動条件の変化として扱い、姿勢の安定を別に観察するという視点である。[7]
たとえば記録の欄を、「前へ踏み出すところ」「足を着いた後」「戻るところ」に分ける。終盤だけ戻り方が変わったなら、その場面の言葉を残す。これは筋力の不足を自己診断するための採点ではなく、次に指導者へ動作を伝えるための観察メモである。
ぐらついたら、もっと強く踏み込めばよい、と急いで結論を出さない。疲労後に姿勢の制御が変わったという研究は、疲れていても同じ課題を押し通す根拠にはならない。予定した反復を終えることと、動きを観察できる状態で練習することを分けて考えたい。[7]
疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。
ブルガリアンスクワットも、筋力だけで止まり方は決まらない
ここまで前方ランジの研究を読んだが、ブルガリアンスクワット側にも減速を考える手掛かりがある。前十字靱帯の再建手術後に競技へ復帰したアマチュア選手54人の研究では、後ろ足を高くしたスプリットスクワットなどの筋力と、ジャンプの高さや局面ごとの力の指標との関係を調べている。手術後の競技復帰者という条件があるため、18〜39歳の女性一般で同じ関連が成り立つかは別に検討する必要がある。[4]
筋力は、最大で5回反復できる重さを体に対する相対値として評価した。ブルガリアンスクワットの筋力は、ジャンプのいくつかの指標と関係し、減速局面を含む指標の個人差の一部も説明した。しかし、筋肉や腱を伸ばしてから縮める一連の働きの効率は、その筋力の成績では予測できなかった。[4]
これは、重いものを扱えることに意味がないという結果ではない。筋力と跳ぶ能力には関係がありながら、筋力の点数だけでは説明できない側面も残った、という結果だ。しかも手術後の競技復帰者を調べた関連の研究であり、この運動を増やせば誰でも着地が改善するという因果関係を確かめた試験ではない。[4]
負荷の与え方を変えた無作為化比較試験もある。高い競技水準の男性サッカー選手26人を振り分け、22人が終了し、解析された。両群ともブルガリアンスクワットを行い、一方は回転体の慣性を利用する器具、もう一方は従来の抵抗運動を使った。通常のサッカー練習に加え、週2回、8週間の介入であった。男性サッカー選手への追加練習なので、18〜39歳の女性が家庭で得る効果や適切な頻度を、そのまま示す試験ではない。[3]
回転体を使った群は、あらかじめ決められた方向転換の複数の課題で、従来の運動の群より所要時間が改善した。一方、直線を走る課題やボールを扱う条件では、改善の傾向は一貫しなかった。研究の結論も、適応の移り方は課題に応じて異なるというものだ。[3]
ここから読めるのは、種目名だけではトレーニングの刺激も成果も一括りにできないという点である。同じブルガリアンスクワットでも、抵抗のかかり方と、成果を調べる動作をそろえて読む必要がある。この比較はランジとの優劣を判定したものではなく、家庭に特定の器具を勧める理由にもならない。[3]
筋力とジャンプの関係を調べた研究では、両脚での跳躍、片脚での跳躍など複数の課題を評価している。さらに、ジャンプの高さと、力を発揮した局面ごとの指標も分けていた。「よく跳べた」という結果を分解することで、筋力と関わる部分と、別の要因を考える必要がある部分が見えてくる。[4]
ブルガリアンスクワットとランジを選ぶ場面でも、この区別は残しておきたい。重りを扱う練習の成績、踏み出した後の安定感、運動中の感覚を同じ欄に押し込まない。それぞれに言葉を与えておけば、重りの数字が伸びなかった日にも、何を確かめていた練習なのかを見失いにくい。研究の課題が別々なら、日常の振り返りにも別々の欄があってよい。

よくある誤解
「踏み込むランジは、ブルガリアンスクワットより必ず膝に悪い」。これは、研究が測った力の違いを越えた言い方である。前方ランジの方向によって関節負荷は変わったが、増分は小さく、けがとの関係は明確ではなかった。種目の形から危険の順番を作ることと、減速中の力を測ることは違う。[6]
「回数を重ねるほど、床から受ける力も膝の負担も全部増える」。単発と反復を比べた実験では、水平方向の最大の力は大きくなった一方、膝の前後方向の最大の力などは小さくなった。負担という言葉を使うなら、どこで、どの向きの、どの指標を指すのかまで添えたい。[11]
「ブルガリアンスクワットで重い重りを扱えれば、止まる動きも十分である」。手術後の選手を調べた研究では、筋力はジャンプの指標の一部と関係したが、伸び縮みを連続させる働きの効率までは予測できなかった。筋力の成績を、動きの全項目を代表する点数として扱うのは難しい。[4]
このように、誤解の多くは、測った項目から別の項目へ話が飛んだときに生じる。力が大きいことからけがへ、筋力が高いことから止まり方の完成へ、という飛躍である。研究に出てくる数字を読む際には、数字の横に付いた課題の名前も一緒に持ち帰りたい。[4][6][11]
今日からできること
- メニューの名前に動作の説明を添える。前へ踏み出すのか、足の位置を決めたまま動くのかを記録し、競技の前方ランジを測った結果と区別する。[6][11]
- ランジの記録に単発か連続かを書き加える。男性選手13人の実験で、反復の有無によって力の増減の方向が分かれた点を参考に、比べる条件をそろえる。[11]
- 疲労前と終盤の動きを分けて振り返る。12人の実験は疲労後の姿勢制御の変化を示したもので、限界まで行う方法の推奨ではない。[7]
- 重りの成績と、踏み出して戻る動きの観察を別に残す。筋力の指標だけでは説明できない働きがあったことを、評価を急がない理由にする。[4]
- 研究の8週間や週2回という条件を、自分向けの処方に置き換えない。競技選手が通常練習と並行して取り組んだ試験として読む。[3]
家での練習を振り返るなら、「今日はよく効いた」という欄だけでは足りない。どんな動きを、どんな流れで、どの時点まで行ったかも残す。次に運動を教わる際には、その記録を出発点にできる。痛みがある場合や個別の健康状態について判断が必要な場合は医師に相談する。

オンザショアで、動きの問いを持ち続ける
「踏み出して戻る」と「足を置いたまま上下する」を区別するように、通う場所も自分が何を続けたいかで考えたい。オンザショア立川店は、JR立川駅北口から徒歩1分にある溶岩ホットヨガスタジオである。営業時間は全曜日8:00〜23:30、年中無休。運動の時間を生活のどこに置くか、予定と照らして選ぶ場所になる。
所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F。溶岩プレートを敷いたスタジオのホットヨガに加え、常温のヨガ、ピラティス、パーソナルトレーニングなどがあり、ヨガだけで25種類以上のレッスンがある。種目の名前で効果を決めつけず、続ける場の選択肢として見てほしい。
参加条件も先に確かめたい。妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。店の案内と料金で条件を確かめ、予定に合う場合は体験の予約へ進める。
参考文献
[3] Unilateral flywheel resistance training versus traditional resistance training for change-of-direction performance in elite soccer players: a randomised controlled trial — Han Z, Zhao T, Wen Z, Yang T, Dou Y, Hu J, Zhang B, Ren D., 2026, BMC sports science, medicine & rehabilitation. DOI: 10.1186/s13102-026-01909-0
[4] How Do Multi- and Single-Joint Strength Levels Relate to Vertical Jump Performance and Biomechanics in Amateur Athletes Returned to Sport After Anterior Cruciate Ligament Reconstruction? — Maestroni L, Turner A, Rosalia A, Algeri C, Moioli F, Guastella M, Civera F, Mid, 2026, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/jsc.0000000000005270
[6] Joint contact force and movement deceleration among badminton forward lunges: a musculoskeletal modelling study — Chen TL, Wang Y, Wong DW, Lam WK, Zhang M., 2022, Sports biomechanics. DOI: 10.1080/14763141.2020.1749720
[7] The Effect of Fatigue on Postural Control and Biomechanical Characteristic of Lunge in Badminton Players — Du Y, Fan Y., 2023, Bioengineering (Basel, Switzerland). DOI: 10.3390/bioengineering10030301
[11] Ground reaction forces and knee kinetics during single and repeated badminton lunges — Lam WK, Ding R, Qu Y., 2017, Journal of sports sciences. DOI: 10.1080/02640414.2016.1180420
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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