
跳ぶか止まるかで、上がる局面の読み方が変わる
立って止まるスクワットと、そこから跳ぶスクワットを比べれば、上昇中の力の理解がさらに具体的になる。比較研究では、筋力トレーニング経験のある男性30人が、最大挙上重量の45%を用い、跳ぶ条件と跳ばない条件を行った。床反力とバーベルの動きが同時に記録された。男性経験者の結果なので、18〜39歳の女性に速度差や力の差をそのまま当てはめず、測定区間で値が変わる実例として読む。[7]
跳ぶ条件は平均速度が14%大きかった一方、平均力と平均パワーには有意差が認められなかった。パワーは動作中の仕事率を表す指標だ。速さに差があれば、他の指標にも必ず同じように差がある、という単純な図式では読めない結果である。[7]
もう少し厄介なのは、「上がる局面」をどこで区切ったかでも数字が変わったことだ。バーベルが最も高くなった位置を使う方法と、正の力積を使う方法が比較された。力積とは力を時間にわたって積み上げた量であり、この研究では、それを基準にした区切り方も採用された。[7]
正の力積を使う方法で求めた平均力は、最高位置を使う方法より24%大きかった。また、最高位置を使う方法では、跳ぶ条件の加速時間の割合は跳ばない条件より8.6%大きかった。動きが上向きである時間をまとめて扱うか、力の働きに沿って区切るかは、報告値に関わるのである。[7]
ここでの24%は、参加者が急に強くなった数字ではない。同じ比較研究における分析方法の差だ。「平均力が増えた」という文だけを切り取ると、運動による変化のように聞こえるが、実際には平均する範囲が違う。この読み違いを避けるには、結果の表より先に区間の説明を見る必要がある。[7]
立川駅北口で帰りの電車を待ちながらトレーニング動画を見るなら、跳んでいる映像の勢いだけで優劣をつけないことだ。この研究の対象・重量・評価方法では、速さに差があっても平均力と平均パワーの有意差にはつながらなかった。映像の派手さは、測定項目の名前にはなっていない。[7]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
遅くなった理由は、負荷と疲労でも変わる
上がり終わりの減速を理解した後には、別の注意も要る。前より立ち上がりが遅いと感じた時、それをすべて同じ原因にまとめないことだ。テンポを指定して遅くすること、負荷を増やしたために遅くなること、疲労が加わって遅くなることは、研究上も分けて扱われている。[2][14]
経験豊富な挙上者を対象とする系統的レビューは、スクワット、ベンチプレス、デッドリフトの22研究、計293人を検討した。系統的レビューとは、定めた条件に沿って研究を集め、その結果を整理する研究である。負荷の増加と疲労が、力や速度、動きの記録にどう関わるかを調べている。対象は経験豊富な挙上者であり、18〜39歳の女性、とくに初心者に同じ変化の幅が生じるかは別に確かめる必要がある。[14]
負荷が高くなると、バーベルの平均速度と最高速度、パワーは低下し、力の発揮は増え、立ち上がる局面の時間は長くなる傾向が一貫していた。速度が遅いことを、力が小さいことと直結させられない例だ。速さを見ているつもりで、重さの違いを見落としてしまうことがある。[14]
疲労でも速度とパワーは低下したが、力の発揮については研究間で結果が一致していなかった。したがって、疲れてゆっくりになったから必ず力が弱くなっている、と一律に決めることもできない。同レビューは、負荷が増した時の動き方には個人差があり、とくに動作が進みにくくなる領域で違いがあると整理している。[14]
レビューに入ったデッドリフトの研究は2本にとどまり、研究ごとに報告の仕方も異なっていた。経験者の挙上をまとめた結果を、すべての運動種目に均等に当てはめることはできない。研究全体の本数と、種目ごとの根拠の厚みは分けて読む必要がある。[14]
また、平均値の変化が整理されても、ある人が負荷を上げた時にどう姿勢を変えるかまで一意には決まらない。同レビューが指摘する個人差は、記録を見る際にも残しておきたい視点だ。他人の動画と同じ速さで動けないことを、そのまま技術の失敗と採点する材料にはしない。[14]
この知見は、上昇中の減速という力学の説明と矛盾しない。前者は、負荷や疲労の違う条件間で速度がどう変わるかの話であり、後者は、動作の中のどの時期で速度を落とすかの話だ。比較の相手が前回の自分なのか、今の立ち上がり始めなのかを決めれば、話の混線が少なくなる。[8][14]
実際に記録を残すなら、「遅かった」とだけ書くより、重さを変えたか、意図してテンポを変えたか、終盤で減速したのかを言葉で分けるとよい。研究結果を自分の感想の原因判定に使うのではなく、何を確かめるべきかを整理する手がかりにする。その使い方なら、速度だけの採点から離れられる。[2][8][14]

よくある誤解
「上へ動いているから、合力も上向き」という思い込みは、立ち上がり終盤では通用しない。上昇中に負の加速度になる時期があり、その間には負荷より力が小さくなると説明されている。見るべきなのは今の移動方向に加え、上向きの速度が増えているか減っているかである。[8]
「床反力が大きいなら、脚の筋肉も同じ比率で強く働く」と読むのも慎重でありたい。身体とバーベルの慣性に関わる寄与は同じではなく、テンポによって床反力も変わった。最大値だけでは、どの筋肉がどれだけ力を出したかを置き換えられない。床で測る値と身体の内部で分担する力は、質問の対象が違う。[1]
「速い種目なら、平均力も平均パワーも必ず大きい」という言い方も、この比較では支持されなかった。跳ぶ条件の平均速度は大きかったが、平均力と平均パワーには有意差がなかった。有意差がないことを両条件の完全な同一性の証明に変えず、同時に、速度差を他の効果へ勝手に広げない読み方が必要だ。[7]
これらは、速い動作を避けるべきだという結論ではない。動作のテンポ、力の種類、分析する区間をそろえないまま「力が強い」「弱い」を決めないための注意である。目的に合う種目を選ぶ前に、何を評価したいのかが決まっていれば、数字の印象だけで方針を変えずに済む。[1][7]
今日からできること
- 動画を見る時は、立ち上がりを「上へ進む」と「上向きの速さが変わる」に分けて言葉にする。上昇中にも減速区間があることを確かめるための観察であり、動画だけで合力の数値を決める作業ではない。[8]
- テンポを記録するなら上りだけでなく下りも書く。男性6人の比較では、下り1秒・上がり1秒と、下り3秒・上がり1秒でも条件が異なった。実験の速さに合わせる必要はなく、自分が何を変えたかを残すためだ。[1]
- 力の図を読む時は、床反力か合力かを確認する。床反力は床から受ける力であり、上昇中の減速を考える時は負荷との関係まで含めて読む。「上向きの矢印」という見た目だけで意味を決めない。[1][8]
- 研究や運動アプリの平均値を比べる前に、測定区間の説明を見る。男性30人の実験では、区切り方だけでも平均力に24%の差が生じた。自分の成長を比べるつもりが、違う区間の数字を比べていないか確かめたい。[7]
- 前回より遅いと感じた日は、重量、指定したテンポ、疲労の違いを分けて振り返る。22研究の整理でも速度と力の変化は常に同じではなかった。速度だけから疲れや力の不足を断定しないための記録になる。[14]

オンザショア立川店を、動く時間を続ける場所に
上がる途中と止まる手前の違いに目を向けるには、動作を振り返る時間を生活の中に置きたい。通える場所と時間も、運動を続けるための選択材料になる。オンザショア立川店はJR立川駅北口から徒歩1分、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fにある。営業時間は全曜日8:00〜23:30で、年中無休だ。仕事の前後や休日など、自分の生活と照らして予定を考えられる。
店舗情報は公式サイトで、利用にかかる料金は料金ページで確認できる。溶岩プレートを敷いたスタジオのホットヨガに加え、常温のヨガ、ピラティス、パーソナルトレーニングがある。女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIITも扱い、ヨガだけで25種類以上のレッスンがある。
妊娠中は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。ヨガの体験レッスンは税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルを含む。体験の予約から申し込める。場所、時間、種目を見ながら、続けて通う選択肢として検討してほしい。
参考文献
[1] Effects of different lifting cadences on ground reaction forces during the squat exercise — Bentley JR, Amonette WE, De Witt JK, Hagan RD., 2010, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/jsc.0b013e3181cb27e7
[2] Execution Velocity as a Task Constraint Modulates Motor Variability and Movement Complexity in Dynamic Resistance Exercise — López-Fernández M, García-Aguilar F, Caballero C, Moreno FJ, Sabido R., 2026, Sensors (Basel, Switzerland). DOI: 10.3390/s26196286
[7] A comparison of ballistic and nonballistic lower-body resistance exercise and the methods used to identify their positive lifting phases — Lake J, Lauder M, Smith N, Shorter K., 2012, Journal of applied biomechanics. DOI: 10.1123/jab.28.4.431
[8] Validity and reliability of a controlled pneumatic resistance exercise device — Paulus DC, Reynolds MC, Schilling BK., 2008, Biomedical sciences instrumentation. DOI: なし
[14] Effects of Intensity and Fatigue on the Kinetics and Kinematics of the Barbell Squat, Bench Press, and Deadlift in Experienced Lifters: A Systematic Review — Bakhshinejad JA, Ramer JD, Dunsmore KA, Pelton LM, Berglund L., 2025, Sports medicine – open. DOI: 10.1186/s40798-025-00921-x
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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