ダイエット中のエナジードリンク、無糖の缶と次の食事量は別に評価できるか

ダイエット中、眠気を払うためのエナジードリンクを無糖にすれば食欲も落ち着くのか。製品の糖・カフェイン調査、青少年の摂食研究、成人の飲料研究から、飲み物から摂る糖とその後に食べる量を分けて読む。表示の比較、飲む時刻、食事を置き換えない選び方まで考える。

締切前の机に、無糖のエナジードリンクを置く。眠気を払って残りの仕事を片づけたい。そこで気になるのは、缶に入っている糖だけだろうか。それとも、このあと空腹を感じずに過ごせるかだろうか。

答えの芯は、無糖を選ぶことと食欲を抑えることを同じ効果にしない、である。糖を含む製品と無糖製品は分けて評価する必要があり、無糖でもカフェインによる睡眠への影響は考える必要がある。これは青少年を対象にした研究を整理したレビューの論点であり、18〜39歳の女性にそのまま当てはめて体重変化を予測することはできない。[1]

「ダイエット中の昼寝は空腹対策になる?眠気の回復と食欲の変化を分けて読む」には昼寝の論点を譲る。ここでは、飲む糖、飲んだあとの食事、眠気に対処する生活場面を別々に確かめる。エナジードリンクや栄養ドリンクという呼び名だけで、食事の代わりや食欲対策と決めないための読み方である。

既存記事「朝のエナジードリンクを運動前に重ねる前に、楽な実感と心拍の違いを読む」には朝の運動時の反応を譲る。「運動後のエナジードリンクは何が働く?カフェインとタウリンの足し算を読む」には成分の併用、「運動前のエナジードリンク、糖質併用の成績差は吸収時間の短縮を示すか」には運動成績と吸収の問いを譲る。また「エナジードリンクと体脂肪 短時間の代謝上昇と10週間の運動併用で異なる結果」が扱う代謝と体脂肪の変化にも踏み込まない。この記事で比べるのは、買う時点で分かる糖の量と、飲んだあとに確かめる食事量である。

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無糖の表示が答えるのは、まず缶の中のことだ

アイルランド島で販売されていたエナジードリンクの横断的な製品調査では、対象は78製品だった。通常品が59製品、ダイエット・無糖・ライトに分類されたものが19製品である。通常品の糖は、ひとつの提供単位あたり平均37gだった。これは人に飲ませて体重を測った試験ではなく、店頭の商品を購入して内容を記録した調査である。[7]

平均37gという数字は、今手に持っている商品の含有量ではない。調査は2015年のアイルランド島で行われており、日本の現在の売り場にある商品へ、そのまま貼り付ける数字ではない。[7] むしろ、この調査の使いどころは「エナジードリンクなら中身は同じ」と考えず、実物の表示を開くきっかけにすることだ。

同調査のカフェイン含有量は100mlあたり14〜35mgの範囲で、提供単位あたりの平均は102.2mgだった。[7] 容量をそろえた比較と、実際に飲む単位の比較では見ているものが違う。売り場で小さい缶と大きい缶を並べるとき、濃さだけを見て飲む量を置き去りにしない。この数字を安全量や推奨量として使うのではなく、表示の単位を確かめる理由として読む。

「糖が少ない」と「カフェインが少ない」は別の問いである。青少年についてのレビューも、糖入りではエネルギー摂取への直接の寄与を考える一方、無糖製品でもカフェインを通じた睡眠の乱れを考える必要があると整理している。[1] 缶の表側は短い。判断まで短くする必要はない。

たとえば、これまで飲んでいた糖入りの飲料を別の飲料に替える場面と、普段は飲まない時間に無糖の缶を足す場面は区別したい。前者は何を置き換えたか、後者は何を追加したかを確認する場面である。商品を選んだ理由を言葉にしておくと、無糖という表示に食欲や体重までまとめて期待していないか、点検しやすい。

糖とカフェインの欄に加え、表示がどの容量に対する値かを確かめ、飲むつもりの量と対応させる。ここでは計算の速さを競わなくてよい。値の単位が違うまま商品を比べないことが先だ。製品調査が示した含有量の幅は、カテゴリー名だけで中身を判断する粗さを教えてくれる。[7]

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食欲が減るという期待は、食べた量で確かめたい

カフェインを飲めば食欲が落ちて、自然に食事が少なくなる。そう考えたくなるが、青少年にカフェインを急性投与した研究は、単純な食欲抑制の物語には収まらない。研究では0、50、100、200mgの条件で心血管反応や間食摂取を調べ、普段のカフェイン摂取が多い人と少ない人の違いも比較している。対象が青少年のため、18〜39歳の女性に同じ食事量の変化が起こるかは、この結果からは判断できない。[16]

そこで報告されたのは、カフェイン摂取と実験室でのエネルギー摂取、とくに高糖・低脂肪食品からの摂取との正の関連である。実験室の外でも、たんぱく質や脂肪の摂取との正の関連が報告された。反応の大きさには性別や習慣的なカフェイン摂取が関わっていた。[16] したがって、カフェインを食事量が減る保証に使う読み方はできない。

ただし、これを「飲むと必ず甘い物が増える」と反転させるのも行き過ぎだ。対象は青少年であり、カフェインの投与試験と日常の摂取習慣の比較が組み合わされている。報告された関連を、成人の無糖エナジードリンクの因果効果に置き換えない。[16] 糖入りと無糖を比較して、成人の次の食事量がどれだけ変わるかを答える試験として読むこともできない。

別の角度から食欲を扱ったのが、アイスランドの10〜12歳、11,267人を対象とした横断調査である。カフェイン入り加糖飲料の摂取と、頭痛、腹痛、睡眠の問題、食欲低下との関係を調べ、全般に摂取が多いほど身体的な訴えが多い傾向を報告している。関連はコーラよりエナジードリンクで強い傾向だった。子どもの調査なので、18〜39歳の女性の食欲にも同じ関連があるかは別に確かめる必要がある。[13]

ここでの「食欲低下」は、減量に使える利益として数えられない。身体的な訴えを扱う調査の項目であり、適切に食べられたかを評価した成果ではない。また横断調査は、同じ時点の摂取と訴えの関係を見る研究である。飲料が原因で訴えが生じた順序を、この結果だけで決めることはできない。[13]

仕事の合間に缶を飲み、昼食の時刻が過ぎたとする。そのときの「空腹を忘れていた」を、そのまま良い変化と採点しない。食べる時間が取れなかったのか、食事を後回しにしたかったのか、飲む前から食欲がなかったのか。ここで書き留めたいのは食事を削れた成績ではなく、その日の経過である。

体重を減らすことが全員の課題ではない。食事を抜くために缶を使う方法を探すより、飲む前の空腹と、次に実際に食べたものを分けて振り返る。青少年の研究には摂取増加との関連も食欲低下という訴えもあり、「カフェインが入れば食欲は同じ方向に動く」とまとめるのは無理がある。[13][16]

成人の飲料研究でも、缶だけで体重は決まらない

成人の生活場面を考える材料として、肥満のある参加者を対象にした減量試験の二次解析がある。100人が登録され、69人が完了した12か月の試験で、隔日断食、毎日のエネルギー制限、対照の群に割り付けられている。二次解析とは、試験で集めたデータから、飲料摂取という別の問いを調べ直す分析である。肥満のある参加者の結果を、18〜39歳の女性全般にそのまま当てはめることはできない。[2]

調べたのは、ダイエット炭酸飲料、カフェイン入り飲料、加糖炭酸飲料、アルコール、ジュース、乳の摂取だった。開始時の摂取は群間で同程度で、6か月後と12か月後にも、これらの飲料摂取の変化に群間の統計学的に有意な差はなかった。各群で飲料摂取とエネルギー摂取、体重との関連も認められなかった。[2]

これは、エナジードリンクの無糖品を飲ませた効果検証ではない。無作為に割り付けたのは食事介入の群であり、個々の飲料を選ぶ行動ではないからだ。[2] 「試験」という言葉が付いていても、飲料を飲むこと自体の因果効果の確定には至らない。隔日断食を勧める根拠として持ち出す必要もない。

一方、糖入り飲料と遺伝的な違いの関係を扱ったレビューでは、糖入り飲料の摂取は子どもと成人の過剰なエネルギー摂取や代謝性疾患のリスクと関連すると整理されている。体脂肪の多さとの関連には遺伝的な素因も関わる可能性があるが、糖尿病や心血管疾患との遺伝的な関係の証拠は限定的とされた。子どもと成人を含む整理であり、18〜39歳の女性の無糖品と次の食事量の関係を直接示すものではない。[4]

広い文献の整理が関連を示し、特定の減量試験の二次解析では関連が見つからなかった。この違いは、どちらかを消して解決するものではない。対象、飲料の分け方、分析の問いが異なる結果として併記するのが妥当だ。[2][4] 成人の生活では、缶を替えたという行動だけを見て、その後の食事や体重の結果を先回りして決めない。

数字で読むエナジードリンクと食事

78製品:アイルランド島の店頭調査で集められたエナジードリンクの数である。[7]

平均37g:同調査の通常品の提供単位あたりの糖であり、個々の商品を示す値ではない。[7]

平均102.2mg:同調査の提供単位あたりのカフェインであり、摂取の目標量ではない。[7]

11,267人:食欲低下などの訴えを調べたアイスランドの子どもの横断調査の対象である。[13]

12か月:飲料摂取と体重との関連を認めなかった、成人の減量試験の二次解析の期間である。[2]

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宮川涼 Founder

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