ダイエットの運動は時々褒めるほうが続く?ご褒美の間隔と残る学びを読む

ダイエットの運動は時々褒めるほうが続くのか。不定期のご褒美を扱う学習モデルと、運動の上達や後日の再現を調べた研究を分けて読む。すぐ痩せる方法を探す前に、練習中の成功、覚えた動き、通い続ける行動を区別し、褒められない日の記録に何を残すかを考える。

マットを片づけながら、今日は先生に褒められなかった、と思い返す。前回は声をかけてもらえたのに、今日は自分の動きがよくなったのかさえ分からない。そこで「毎回より、時々褒められるほうが続くのだろうか」という疑問が出てくる。

答えを先に置くと、不定期のご褒美がダイエットの運動を長続きさせる、と一般化するのは早い。報酬を毎回は与えない条件を扱う神経回路のモデルはあるが、それを人への褒め方の処方に置き換えることはできない。モデルが説明する学習と、生活の中で運動を続ける行動には距離がある。[1]

さらに、その場で上手に動けることと、後で動きを再現できることも同じ評価ではない。運動技能の研究でも、練習中の改善と練習の間に学びが残る過程は分けて分析されている。褒められる間隔を考える前に、何が残ってほしいのかを決めたい。[16]

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時々褒める、の中に違う問いが混ざっている

「ご褒美」と聞いて、好きな飲み物を思い浮かべる人もいれば、指導者からの言葉を思い浮かべる人もいる。日記に丸をつけることをそう呼ぶ人もいるだろう。この記事では、それらを一括して同じ働きのある介入とみなさず、自分が何を受け取った場面の話なのかを言葉にしておく。

研究との対応で大事なのは、報酬を扱うという共通点だけで結論を移さないことだ。Grossbergらの研究は、報酬が遅れて届くときに動物がどう学べるかを説明する神経モデルであり、部分的に報酬を与える条件もシミュレーションしている。人の運動教室で褒める頻度を比べた介入試験ではなく、18〜39歳の女性の運動継続にそのまま当てはめることはできない。[1]

既存記事「ダイエットの運動は成功直後に褒める?報酬の時機と後で再現できる動きを読む」には、成功から言葉までの時機という問いを譲る。また「運動習慣のご褒美は抽選でも続く?必ずもらう報酬と当たり方の違いを研究で読む」とは、抽選の設計を論点にしない点で分ける。ここで考えるのは、褒められる機会がまばらな練習で、学びをどう確かめるかである。

たとえば、教室では褒められてよく動けたのに、自宅では手順を思い出せない場面を想像してほしい。反対に、目立った声かけはなかったが、次に同じ動きをしたときには迷わなかった場面も想像できる。これは研究結果の例ではなく、何を成功と呼ぶかを整理するための場面である。

体重が変わることまで同じ成功欄に入れると、問いはさらに広がる。今回扱う運動学習の研究が評価しているのは、動作の空間的な正確さや時間的な成績、技能の速さと正確さなどである。それを「すぐ痩せる」効果として読むのは、測っている対象を取り違えることになる。[2][16]

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不定期の報酬を扱うモデルは何を説明したか

神経モデルとは、学習にかかわる仕組みを仮定し、その仕組みから生まれる反応が実際の行動や神経のデータと合うかを確かめる研究上の道具である。Grossbergらは、海馬を含む回路によって報酬を待つ時間を学ぶ仕組みを提案した。認識、報酬を通じた学習、運動学習を協調させる体系の中で、その働きを説明している。[1]

この研究では、刺激の間隔を徐々に変える場合や急に変える場合、複数の刺激がある場合、部分的な報酬の場合などが扱われた。報酬が届くまでの時間を、単なる空白として扱わない点に意味がある。学んだ期待や注意の向け方も、行動を理解するための要素として検討されている。[1]

ただし、シミュレーションが行動データに合うことと、日常の運動への助言が有効であることは別の段階だ。「時々」という言葉が共通していても、モデル内の刺激と報酬の関係を、先生の気まぐれな声かけと同じものにはできない。研究は仕組みの候補を示すのであって、褒める回数を減らす許可証ではない。[1]

また、このモデルでは、刺激の強さや持続時間によって変わる反応と、学習された時間調整の性質を分けている。うれしい反応が大きいことだけで、学習のすべてが改善したとは扱っていない。その区別は、運動後の感想を読むときにも役立つ視点である。[1]

教室で「今日はうれしかった」と書くことはできる。それとは別に「どの姿勢で何を意識したか」を書いてみる。前者はその日の経験、後者は次に確かめたい動作のメモだ。感想を消す必要はないが、感想に技能の成績まで代筆させなくてよい。拍手は温かい。しかし、拍手だけを見ても足の置き場は分からない。

その場の上達を、後日の保持と取り違えない

保持とは、練習の後にも学びが残っているかという観点である。Kvistadらの系統的レビューとメタ分析は、運動練習中に弱い電流で脳を刺激する経頭蓋直流電気刺激を扱い、技能の速さと正確さを中心に分析した。人の運動技能学習を扱う73件の研究を対象に、練習に伴う改善と、練習の間の固定化を区別している。18〜39歳の女性の教室への通いやすさを判断する際には、技能の評価と参加行動の評価を分ける必要がある。[16]

この分析では、運動野や小脳などを狙った刺激によって練習中の速さや正確さに好ましい効果がみられた一方、練習の間に学びが固定される過程への効果は、それより小さかった。複数の練習機会を重ねた条件では、より好ましい結果が報告されている。これは脳刺激の研究であり、不定期の褒め言葉を試した結果ではない。[16]

ここから借りられるのは、評価を時間で分ける読み方である。その場で動きが変わったという評価と、後に何が残ったかという評価を別々に置く。この分析で両者への効果の大きさが異なった点を、褒め方の話に触れる際にも忘れないようにしたい。[16]

たとえば、新しい動きの練習を終えたときには、指示を聞きながらできたのか、自分で順序を思い出してできたのかを分けて記録する。次の機会には、前回の記録を読む前の状態を言葉にしてみる。これは研究で確立した保持テストの代用品ではなく、日々の振り返りで問いを混ぜないための案だ。

その際、できなかった理由を褒め言葉の有無だけに決めない。前回とは違う動きを選んだのか、同じ動きでも見本を見ながらだったのか、記録した内容を並べる。条件をそろえられなかった日は、その事情もメモに残しておけばよい。「今日は駄目だった」という判定より、次に何を比べるかがはっきりする。

研究を比べるときには、何を加えた研究なのかも確認したい。脳刺激の分析は、運動の練習中に刺激を加えた場合を扱っている。有酸素運動の分析は、課題練習と有酸素運動を行う順番に着目している。どちらも学習を助ける工夫を扱うが、加えた条件が違うため、同じ種類のご褒美の効果としてまとめることはできない。[2][16]

同じように、日常の「続いた」という記録にも、観察する期間と対象を添えておく。教室に行ったこと、教室で課題を終えたこと、帰宅後に手順を思い出せたことは、別々の出来事として書ける。通う行動を残したいのか、覚えた動きを残したいのか。自分の目的に合う欄を選び、研究の保持という言葉を、そのまま通った回数の意味に置き換えないようにしたい。[16]

たとえば、仕事の予定が変わって教室に行けなかった日には、「参加できず」と「前回の動きを忘れた」を同じ印にしない。まだ動きを確かめていないのなら、その欄は空けておける。逆に、教室へ行った日も、何をしたか思い出せないなら、出席の印だけでは動作の記録を兼ねられない。この例で記録したいのは、努力の点数ではなく、実際に確かめた出来事である。

記録を始めると、全部の欄を埋めたくなるかもしれない。しかし、確かめていないことまで成功や失敗に振り分けなくてよい。駅のホームで短く書くなら、今日扱った動きと、次に確認したい点だけでもよいだろう。何も書けなかった日についても、褒める頻度の調整が必要だったという説明を先回りさせない。あとで見直すためのメモには、判断を保留する余白があってよい。

数字で読む運動の学び

73件:脳刺激と運動技能の速さ・正確さを扱った系統的レビューの対象研究数。褒める頻度の比較ではない。[16]

18研究・657人:練習の前後に行う有酸素運動と運動学習の関係を調べたメタ分析の規模である。[2]

g=0.30:練習前の有酸素運動による空間的成績への標準化効果量。95%信頼区間は0.14〜0.47だった。[2]

g=0.01:同じ分析の時間的成績への効果量。95%信頼区間は−0.15〜0.17で、有意な変化はなかった。[2]

249人:歩行に問題を抱える地域在住の高齢者を対象とした無作為化試験の参加者数である。[8]

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宮川涼 Founder

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