
左右差が写っても、すぐに歪みと名付けない
右の脚が外へ向き、左は内へ残る。その写真だけで骨盤の異常を決める前に、実際の左右差と測定による左右差を分けたい。皮膚マーカーのずれは場所や人、動作で異なる一方、骨を直接追った研究でも、症状のない成人に左右差は観察されている。[9][4] 写真に差があることと、その差が何を意味するかは別の問いである。
骨の動きを調べた研究では、症状のない若い成人24人、女性13人、男性11人が歩行と自重スクワットを行った。平均年齢は21.9±2.2歳で、骨盤と大腿骨の画像から個人ごとの骨の立体モデルを作り、二方向の撮影画像に重ねて動きを求めている。[4] 18〜39歳の女性にそのまま当てはめる際には、男女を含む若い集団で得た結果であることと、歩行・スクワットを調べたことを踏まえる必要がある。肌の点を骨の代わりにする方法とは、測定の入口が異なる。
参加者ごとに左右の動きの差の絶対値を求めると、調べた動作を通じた最大の左右差は、内外旋で18.6°、上下方向の移動で1.0mmだった。スクワットでは歩行よりも、内旋や上方・内側への移動の非対称性が大きかった。[4] 左右差を読むには、どの動作で現れた差かを添える必要がある。
ただし、18.6°を「この角度までは正常」という境界にすることはできない。この研究は症状のない若い成人の動作データを示したもので、家庭の写真から異常を判定するための合格点ではない。[4] 同様に、この数値を目指して左右をそろえる運動処方にも変えられない。研究の対象と測り方を離れるほど、数字に背負わせる意味を減らす必要がある。
女性なら皆同じ動きをする、とも読めない。研究では歩行中の骨の移動に性別による小さな差があったが、スクワット中の動きには性別や下がる局面と上がる局面による差が認められなかった。[4] 自分の左右差を、性別だけで説明しようとしないことだ。写真を医師に見せるなら、見た目の差に加えて、困っている動作や症状も自分の言葉で伝えるという使い方になる。
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
補正の評価は、何と比べたかで変わる
目印の動きを計算で直す研究もある。健康な男性10人を対象に、歩行、立ち座り、段差の上り下りを調べた研究では、皮膚マーカーの移動量を利用して骨の目印の位置を補正した。違うマーカー群から求めた動きの差は、補正しない場合に比べて30〜60%小さくなった。[1] 男性を対象とした結果であり、18〜39歳の女性に同じ改善率をそのまま当てはめることはできない。
ただし、ここで比べたのはマーカー群同士の結果の差である。[1] 差が減ったことを、そのまま骨に対する誤差が同じ割合で減ったと言い換えてはいけない。似た答えが返るという信頼性と、骨の動きに近いという正確さは、確認する相手が異なる。研究の数字を見るときは、何との比較だったかまで戻りたい。
さらに、この男性の研究は、関節角度を使う補正とも比較した。皮膚マーカーの移動量を使った方法は、評価した18項目のうち7項目で、関節角度を使う補正より結果の差が25〜40%有意に小さかった。[1] 改善が出た項目を具体的に数えている点を読み落としたくない。補正するという方針が同じでも、何の情報を使い、どの動きのどの項目を求めるかで結果が変わる。
日々の記録でも、別の方法へ切り替えた日を境に角度が変わったなら、練習の経過と測定法の変更を同時に考えることになる。研究の改善率は、家庭での記録を訂正する係数ではなく、方法を変えるだけでも結果が変わりうることを示す材料だ。[1] 前の写真を消して新しい数字だけを残すより、方法が変わった事情を残したほうが、後から比較の意味を確かめられる。
股関節と太ももの回旋を追う別の研究では、腸脛靱帯という太もも外側にある組織の、遠位の目立つ部分を利用したマーカー群が検討された。膝を伸ばして自力で内外へ回す課題で、軟部組織の影響が小さいすねの回旋を基準とすると、従来の太ももの配置より誤差が約25%小さかった。[3] これも骨の画像を基準とした検証と同じではない。
しかも、外旋側では新しい配置の誤差が小さい一方、内旋側では従来の配置の誤差が小さかった。歩行や段差を下りる動作では、配置間で似た股関節の動きが得られたものの、動作の一部には違いがあった。[3] 平均的な改善と、各方向や局面での優劣は分けて評価する必要がある。家庭で目印をその場所へ移せば解決する、という貼り方の推奨には直結しない。
関節の動きに計算上の制約を加える方法にも限界がある。先ほどの股関節研究では、モデルに制約を加えても角度の誤差は一貫して減らなかった。[9] 関節が取りうる動きを計算で絞ることと、肌の点から骨の向きを正確に求めることは同じではなかった。 健康な参加者6人の歩行を、皮膚マーカーと骨に固定したピンの目印で比較した膝の研究でも、関節の動きを制限するモデルは軟部組織による誤差を減らさず、一部の角度では誤差が有意に増えた。[2] 18〜39歳の女性の股関節ストレッチにそのまま当てはめるには、対象となる関節と動作が異なる。
膝の結果を股関節にそのまま移すことはできないが、整ったモデルが常に正確な結果を作るという考えには反例となる。[2][9] なめらかな線や細かな小数が表示されても、測定の妥当性は別に確かめる必要がある。計算の見栄えだけで、目印と骨の距離は埋まらない。

よくある誤解
「点がはっきり写れば、骨の角度まで正確だ」という理解は分け直したい。点を見失わずに追えることと、その点が骨と同じように動くことは別である。皮膚と骨を同時に追った股関節研究で、目印を使った角度と可動域には誤差が生じた。[9] ピントを合わせることは撮影の作業であり、皮膚と骨の動きの差を補正する作業ではない。
「毎回同じ場所なら、増えた角度は全部成果だ」という解釈も避けたい。目印のずれは動作や人でも異なり、回旋の可動域自体が小さく測られた。[9] 条件をそろえる努力は比較のために必要だが、それで骨の角度を直接測ったことにはならない。記録には「この姿勢で、肌の目印から求めた角度」と名前を付けておくのがよい。
「左右が違えば、必ず矯正すべきだ」という読み方にも根拠はない。骨を追った測定でも、症状のない若い成人の歩行やスクワットに左右差が見られた。[4] 差があるという観察から、原因や対処を飛び越えて決めないことである。医師に判断を求める対象は、自分が困っている症状や動作と合わせて扱いたい。
今日からできること
- 記録に、目印から求めた角度なのか、見た目の脚の開きなのかを書く。11人の同時測定では皮膚と骨で角度が異なったため、測った対象の名前を残す。[9]
- 貼り直した日は、そのことも写真の横へ添える。4人を対象にした測定研究では、意図的な貼り位置の違いが骨盤と股関節の解析のばらつきに関わった。[7]
- 曲げる動きと回す動きの記録を混ぜない。5種類の配置を比べた研究では、曲げ伸ばしより開閉や回旋で配置間の差が目立った。[12]
- 左右の差は数字だけで判定せず、何の動作で比べたかを書く。24人の画像研究では、非対称性の大きさが歩行とスクワットで異なった。[4]
- 角度の増減が気になるときは、目印の位置や測定法も確認する。回旋幅の差が最大21.8°となった研究値を、自分の記録から一律に引く補正式には使わない。[9]

オンザショアで、数字の先に通う予定を置く
角度の記録を、次に体を動かす予定へつなげる場所として、オンザショア立川店を考えたい。営業時間は全曜日8:00〜23:30、年中無休である。朝の時間を選ぶか、仕事のあとに通うか。記録を見返す時間と、実際にレッスンへ行く時間を生活の中に置くための選択肢になる。毎日の予定と営業時間を照らし合わせ、通える枠を探すところから始められる。
店舗は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fにあり、JR立川駅北口から徒歩1分である。溶岩プレートを敷いたスタジオのホットヨガに加え、常温のヨガやピラティスがあり、ヨガだけで25種類以上のレッスンを設けている。妊娠中は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。どの時間帯や種目で続けるかを考える際は、店舗のトップから確認できる。
ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスンに、バスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。料金と体験の予約も参照できる。測定値を通うための合格点にせず、利用条件と予定から継続する場所を選びたい。
参考文献
[1] Application of Soft Tissue Artifact Compensation Using Displacement Dependency between Anatomical Landmarks and Skin Markers — Ryu T., 2012, Anatomy research international. DOI: 10.1155/2012/123713
[2] Do kinematic models reduce the effects of soft tissue artefacts in skin marker-based motion analysis? An in vivo study of knee kinematics — Andersen MS, Benoit DL, Damsgaard M, Ramsey DK, Rasmussen J., 2010, Journal of biomechanics. DOI: 10.1016/j.jbiomech.2009.08.034
[3] A new marker cluster anchored to the iliotibial band improves tracking of hip and thigh axial rotations — Gontijo BA, Fonseca ST, Araújo PA, Magalhães FA, Trede RG, Faria HP, Resende RA, 2023, Journal of biomechanics. DOI: 10.1016/j.jbiomech.2023.111452
[4] Hip kinematics in healthy adults during gait and squatting: Sex differences and asymmetry revealed through dynamic biplane radiography — Johnson CC, Ruh ER, Frankston NE, Charles S, McClincy M, Anderst WJ., 2022, Journal of biomechanics. DOI: 10.1016/j.jbiomech.2022.111280
[7] Can the fusion of motion capture and 3D medical imaging reduce the extrinsic variability due to marker misplacements? — Gasparutto X, Wegrzyk J, Rose-Dulcina K, Hannouche D, Armand S., 2020, PloS one. DOI: 10.1371/journal.pone.0226648
[9] Soft tissue artifact causes significant errors in the calculation of joint angles and range of motion at the hip — Fiorentino NM, Atkins PR, Kutschke MJ, Goebel JM, Foreman KB, Anderson AE., 2017, Gait & posture. DOI: 10.1016/j.gaitpost.2017.03.033
[12] Can hip and knee kinematics be improved by eliminating thigh markers? — Schulz BW, Kimmel WL., 2010, Clinical biomechanics (Bristol, Avon). DOI: 10.1016/j.clinbiomech.2010.04.002
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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