
深くしゃがめた日を、成長だけで説明しない
骨盤幅を基準にした研究は、足幅の違いに加えて、身体の各部の長さとの関係も調べている。胴が太ももに対して相対的に長いほど、足首と膝の角度が小さい傾向があった。反対に太ももが下腿に対して相対的に長いほど、狭い側の足幅では足首と膝の角度が大きい傾向があった。関節の動きは足幅だけでなく、体格との組み合わせでも読む必要がある。[17]
この結果は、同じ足幅を全員に当てはめることの難しさを示す一方、自分自身の経過を読むときにも役立つ。前より深くしゃがめたとしても、足幅を変えたなら、動作条件の変更も説明の候補になる。「柔軟性が上がった」「筋力がついた」と結論を急ぐ前に、まず立ち方を見直すのである。[17]
重りを使う研究にも、足幅による膝の角度の違いがある。成人のアマチュアラグビー選手14人が、大転子間の幅を基準とした狭い条件と広い条件で行った比較では、太ももが床と平行になる深さで、狭い条件のほうが膝の曲がる角度が大きかった。股関節の曲がる角度には、研究で設定した有意水準を満たす差がなかった。競技者のバーベル運動の結果であり、18〜39歳の女性の自重運動で同じ角度差が生じるかは別に検証する必要がある。[6]
つまり、同じ「太ももが床と平行」という深さの指定でも、関節ごとの角度まで同じにはならなかったのである。しゃがんだ姿の輪郭が似ていても、各関節の動き方を一括して同じとは呼べない。深さの欄と足幅の欄を分けると、その違いを文章で残しやすくなる。[6]
記録を読む場面を具体化しよう。「昨日より下まで行けた」と書いた日の動画で、足を横へ置き直していたと気づく。その日は失敗ではなく、足幅を変えた条件の記録として扱えばよい。前の条件に戻して比べ直す場合も、幅を変えたまま経過を見る場合も、比較の組を先に決める。成果を大きくも小さくも見積もらないための整理である。
なお、足幅の比較実験でその場の角度が変わったことと、毎日の運動で長期的に変化が起きたことは別の問いだ。今回取り上げる足幅の実験結果を、「毎日なら何日で深くなる」という予定表には変えられない。日々の頻度を決める話より前に、何を同じ条件として比べたかを明らかにしたい。[4][6][17]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
筋肉の働きは、広ければ増えるとは限らない
足幅に関する話がややこしいのは、関節の力学と筋活動を同じ答えにまとめようとするからでもある。関節モーメント、モデルによる筋力の推定、筋電図による電気的な活動の測定は、研究で見ている指標が異なる。足幅の効果を読む際には、その数字が何の数字かを先に確認する必要がある。[1][4][8]
男性の挙上者9人を対象にした比較実験では、肩幅を基準とした狭い・中間・広い足幅と、異なる重量が使われた。太ももの前にある大腿直筋、内側広筋、外側広筋の筋電図では、重量の効果だけが有意で、足幅で大腿四頭筋の中の筋を選び分ける結果にはならなかった。一方、太ももの内側やお尻の筋活動は、足幅や動作の局面などの影響を受けた。男性の挙上者で得た結果なので、18〜39歳の女性にも同じ筋活動の傾向が当てはまるかは、この実験だけでは判断できない。[8]
筋活動を扱った18研究のレビューも、一般的な足幅の変更や股関節の回旋では筋活動に有意な影響がないと整理している。外から加える負荷の増加で主要な筋の活動が増える点も述べている。少なくとも「足を広げれば、狙った筋肉だけを確実に強く使える」という単純な説明とは合わない。[7]
一方、足幅を操作した実験では、狭い条件で大腿四頭筋の推定筋力が増え、広い条件で後面の筋群の推定筋力が増えている。また股関節のモーメントを調べた実験では、広い条件で伸展と外旋方向の要求が増えた。筋活動に大きな違いがないという整理と、力学的な違いがあるという結果は、そのまま同じ測定の賛否として数えるべきではない。[1][4][7]
自宅で「効いた場所」を書くときにも、この区別を残したい。「今日はお尻に感じた」は体感の欄に置く。その横に足幅やつま先の向きを記し、測っていない筋活動や将来の筋肥大まで言い切らない。体感を捨てる必要はないが、体感だけで筋肉の働きの全体を決めない読み方である。[4][7][8]
比べる目的によって、記録の見出しも変えられる。動作の条件を追うなら足幅と向き、深さを追うならしゃがんだ位置、感覚を追うなら本人の言葉を残す。違う種類の情報を同じ「効果」という欄へ詰め込まなければ、後から研究の結果と照らす際にも、何を比べているかを見失いにくい。
その場の筋活動と、後から現れる身体の変化を区別することも欠かせない。肩幅を基準に足幅を変えた実験が測ったのは、しゃがんで立つ局面ごとの筋電図である。動作中に異なる反応があったとしても、それだけで毎日続けた後の筋肉の大きさを決めることにはならない。足幅を変えた当日の感想から、先の体型を予告するのは避けたい。[8]
「広くした日は楽だった」という記録にも、すぐ善し悪しの判定を付けなくてよい。次に見返す際に足幅、向き、深さのどれが違ったのかを読めれば、相談するときの説明にも使える。記録の役割を成果の判定だけに限らず、その日に行った動作を伝えることへ広げておく。

よくある誤解
「骨盤幅で立てば全員にとって正解」という理解は行き過ぎである。骨盤幅を基準にした実験は、体格と足幅による関節運動の違いを扱っている。足首の動きが限られる人や相対的に脚の長い人では、広めの条件が役立つ可能性にも言及しており、一律の幅へ全員を合わせる結論ではない。[17]
「つま先の距離が同じなら条件も同じ」とも言えない。足幅と足の角度を組み合わせた比較では、それぞれが股関節と膝のモーメントに影響した。つま先の先だけを見る記録では、足全体の配置と向きを区別できないため、何を固定したかまで残す必要がある。[18]
「膝にかかる数字が小さければ、その幅が誰にでも安全」という読み方にも注意したい。健康な成人12人の自重スクワット研究で示されたのは、モデルで推定した膝内側の接触力の条件差である。別の自重スクワット研究では、足幅と足の回旋によって膝のモーメントに違いがあっても、若い健康な参加者にとって臨床的な意味は大きくない可能性が述べられている。計算上の差を、将来のけがや痛みの確定した予測として扱わないことが大切だ。[16][19]
痛みを比べるために、無理に同じ幅へ足を固定する必要はない。痛みがある場合は記録の正確さを優先して続けず、運動について医師に相談する。自分の足幅の変化を見つける作業と、症状の原因を診断する作業は別である。
今日からできること
- 測る場所を決め、踵の中央か、つま先かなどを言葉で残す。足幅と足の角度を別々に操作した研究にならい、向きも別の欄に書く。[18]
- 骨盤幅を物差しにするなら、どの目印を使ったかも残す。32人の比較実験のように身体寸法を基準にする発想と、最適な幅を決めることを分ける。[17]
- 1.0倍、1.25倍、1.5倍という研究の足幅は、比較条件として読む。その倍率を自分の練習メニューに移すのではなく、昨日と同じ基準で立ったかを確認する。[4]
- 足幅を変えた日は、深さの感想の横に変更を記す。同じ平行の深さでも膝の角度に差があった研究を踏まえ、深さだけを成果の証拠にしない。[6]
- 太ももやお尻の感覚は本人の体感として残す。男性9人の筋電図実験では、足幅で大腿四頭筋の中を選び分ける結果にならなかった点も覚えておく。[8]
細かな測定を毎回こなすこと自体を、新しい宿題にする必要はない。まずは過去の記録を見たときに、何をした日なのかが自分に伝わる書き方を選びたい。足の置き方を変えたら、そのことを隠さず書く。昨日と条件が違うと分かる記録も、比較を支える記録である。

オンザショア立川店で、足の置き方を振り返る習慣を
足幅と向きを振り返りながら運動を続けるなら、通う時間も生活の中に置いておきたい。オンザショア立川店はJR立川駅北口から徒歩1分、営業時間は全曜日8:00〜23:30で、年中無休である。所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F。通勤や買い物の予定と合わせて、運動を続ける場所として検討できる。朝に通うか、仕事を終えてから通うか、所在地と営業時間を自分の予定表に照らして選ぶための情報である。
店内には溶岩プレートを敷いたホットヨガのスタジオがあり、常温のヨガやピラティス、パーソナルトレーニングもある。ヨガのレッスンは25種類以上で、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIITも実施している。店の案内と料金で、通う予定に合う選択肢を確認できる。
妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。体験の予約で予定を確認できる。
参考文献
[1] Greater squat stance width alters three-dimensional hip moment demands — Hopkins JE, Hopkins CE, Chiu LZF., 2024, Journal of biomechanics. DOI: 10.1016/j.jbiomech.2024.112391
[4] A Multi-Experiment Investigation of the Effects Stance Width on the Biomechanics of the Barbell Squat — Sinclair J, Taylor PJ, Jones B, Butters B, Bentley I, Edmundson CJ., 2022, Sports (Basel, Switzerland). DOI: 10.3390/sports10090136
[6] Effects of barbell back squat stance width on sagittal and frontal hip and knee kinetics — Lahti J, Hegyi A, Vigotsky AD, Ahtiainen JP., 2019, Scandinavian journal of medicine & science in sports. DOI: 10.1111/sms.13305
[7] Muscle activation in the loaded free barbell squat: a brief review — Clark DR, Lambert MI, Hunter AM., 2012, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/jsc.0b013e31822d533d
[8] Stance width and bar load effects on leg muscle activity during the parallel squat — McCaw ST, Melrose DR., 1999, Medicine and science in sports and exercise. DOI: 10.1097/00005768-199903000-00012
[16] Influence of stance width and toe direction on medial knee contact force during bodyweight squats — Asayama A, Tateuchi H, Yamagata M, Ichihashi N., 2021, Journal of biomechanics. DOI: 10.1016/j.jbiomech.2021.110824
[17] The Effect of Stance Width and Anthropometrics on Joint Range of Motion in the Lower Extremities during a Back Squat — Demers E, Pendenza J, Radevich V, Preuss R., 2018, International journal of exercise science. DOI: 10.70252/bwze8275
[18] How to squat? Effects of various stance widths, foot placement angles and level of experience on knee, hip and trunk motion and loading — Lorenzetti S, Ostermann M, Zeidler F, Zimmer P, Jentsch L, List R, Taylor WR, Sc, 2018, BMC sports science, medicine & rehabilitation. DOI: 10.1186/s13102-018-0103-7
[19] Three-dimensional knee joint moments during performance of the bodyweight squat: effects of stance width and foot rotation — Almosnino S, Kingston D, Graham RB., 2013, Journal of applied biomechanics. DOI: 10.1123/jab.29.1.33
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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