ランニングの背中の筋トレは腕振りに移る?引ける重さと走る燃費を分ける確認法

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脚を鍛えた試験でも、筋力の伸びだけでは決まらない

背中から走りへのつながりを慎重に考える理由は、脚を対象にした試験にもある。中年の市民ランナー20人を、跳躍系の練習と抵抗を用いる筋力トレーニングの群へ無作為に分けた研究では、どちらも普段のランニングに加え、週2回、10週間の練習を行った。中年のランナーの結果であり、18〜39歳の女性への改善率の当てはめには検証が必要だ。[1]

抵抗を用いる群の種目は、レッグプレス、レッグカール、カーフレイズだった。それぞれ、脚で押す、膝を曲げる、かかとを上げる動作であり、背中を引く練習ではない。使った負荷は最大挙上重量の50〜90%だった。どの部位に何をさせた試験かを押さえてから、走りへの影響を読む必要がある。[1]

この群では、測定した種目の最大挙上重量が19.0〜21.1%増えた。跳躍系の群で筋力の有意な増加がみられたのはレッグカールだけで、増加は8.5%だった。それでも、時速8〜12kmで測った酸素コストは両群とも改善し、改善率は2.0%、群間に有意な差はなかった。[1]

筋力がより幅広く伸びた群で、燃費も同じ割合だけ大きく改善する、という結果ではなかったのである。さらに、両群とも5kmの走行タイムは有意に変わらなかった。筋力、走る際の酸素コスト、タイムという異なる結果を並べると、どれかひとつで残りを代表させにくいことが分かる。[1]

この研究では、カーフレイズの最大挙上重量の変化と酸素コストの変化に相関がみられた。相関係数は−0.477で、筋力の増加が大きいほど酸素コストの低下が大きい方向の関係だった。ただし、相関は、その筋力の変化だけが改善を起こしたという証明ではない。まして背中の引く力へ、この関連を移し替えることはできない。[1]

改善が出ない試験も見る必要がある。市民ランナー15人を対象とした6週間の試験では、通常の抵抗運動と、全身への振動を組み合わせた抵抗運動が比べられた。ハーフスクワットの最大挙上重量には時間経過による効果があったが、走る燃費と体の上下方向の硬さの指標には有意な改善が認められなかった。市民ランナーを対象とした結果であり、18〜39歳の女性だけの反応を示すものとしては扱えない。[7]

別の無作為化比較試験では、市民ランナー25人のうち12人が女性で、平均年齢は34.2歳だった。抵抗運動群は股関節を伸ばす筋、膝を伸ばす筋、足首で地面を押す筋に重点を置き、8週間練習した。しかし、平地でも傾斜5%と10%の上りでも、走る燃費は有意に変わらなかった。男女を含む集団の平均であり、18〜39歳の女性にそのまま当てはめるには対象の違いが残る。[16]

この試験では、足首で地面を押す筋力に群と時間の交互作用が認められた一方、筋力の変化と燃費の変化との間に有意な相関はなかった。筋力を伸ばすことと、走るときの動作や燃費を変えることが、この試験では連動が確認されなかったという結果である。筋肉の名前が走りと近そうでも、成果の移り方は測って判断する必要がある。[16]

実験室と競技の違いにも目を向けたい。大学の男女クロスカントリー選手50人を扱った研究では、重い抵抗の練習と、跳躍系を組み合わせた抵抗の練習を競技シーズン中に比較した。実験室で測る指標の変化と競技タイムの変化は、女性では整合したが、男性では一部しか整合しなかったと報告されている。対象は大学の競技選手であり、18〜39歳の女性の普段のランニングへは練習量や競技水準を踏まえて読む必要がある。[6]

この男女差を、日常的に走る女性全員への約束にすることもできない。大学の競技選手がシーズン中に行う練習と、仕事の後に走る人の練習は同じ条件ではないからだ。対象、種目、期間、評価する場面を確かめることは、慎重さのための飾りではなく、自分の練習に合う情報を選ぶための作業である。[6][8]

実用上は、研究を読む順番も工夫できる。まず対象が競技選手なのか市民ランナーなのかを確認し、次に練習した種目を見る。その後で筋力、酸素コスト、タイムのどれが変わったのかを追う。結論の「改善した」だけを先に拾うと、別の成績を自分の目標に当てはめやすい。脚の筋力が増えても燃費が変わらなかった結果を含めて読むことで、背中の練習への期待にも具体的な輪郭ができる。[1][6][16]

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よくある誤解

「腕を後ろへ強く引けるようになれば、その分だけ省エネになる」という考えは、筋力の成績を走る成績へ置き換えている。若い女性の試験では上半身の筋力が増えても走る燃費に有意な群間差はなく、脚の試験でも筋力向上と燃費改善がそろわない場合があった。強く動かせることと、同じ速さで必要なエネルギーが減ることは別の問いだ。[7][13][16]

「小さい効果なら、練習する意味はない」と切り捨てる必要もない。メタ分析で重い抵抗の練習の燃費への効果は小さいと評価されたが、その信頼区間は改善の方向にあった。ただし、この平均的な効果を個人の保証にせず、背中の単独種目の効果とも区別する。小さいという評価を消すことも、意味がないへ言い換えることも避けたい。[2]

反対に、「研究で良かった重さを使えば誰でも走りが変わる」という受け取り方も急ぎ過ぎである。メタ分析では、ほぼ最大に近い負荷を使う練習に有利な結果があったが、これは長距離ランナーの研究群を整理した比較である。初めて背中を鍛える人が、同じ負荷へ直行するための個別の処方ではない。[2]

「燃費が変わらないなら走力も変わらない」と決めるのも狭い。レビューでは、走る燃費に加え、走行タイムや短い距離での速さも別々に検討されている。何を良くしたいかによって評価する指標が変わる。腕振りの見た目だけを全部の成績表にしないのと同じく、燃費だけですべての成果を採点しない姿勢が要る。[8]

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今日からできること

  • 記録を「引く練習」と「走る練習」に分ける。筋トレでは種目、使った負荷、動作を記し、走る側ではコースや速さと感じた負担を残す。最大挙上重量と走る燃費が一致しなかった試験を踏まえ、重さの伸びで走る成果を代用しない。[7][13]
  • 試験の期間を、成果を急がないための目安として読む。中年の市民ランナーの試験は週2回、10週間だった。一度の練習後に腕が振りやすく感じても、その感想と一定期間後の変化は分けて記録する。[1]
  • 日常の走りを比べるなら、できる範囲で同じコースと速さにそろえる。ただし感覚の比較は酸素消費の測定とは区別する。試験では時速8〜12kmのように速度を指定して酸素コストを測っている。[1]
  • 筋トレを足した時期に、走る練習もどう変えたかを書く。女性16人の試験では両群が週3回の走練習を続け、どちらの群でもタイムが改善した。走りの変化を背中の種目だけの成果と決め付けない。[13]
  • 指導を受ける場では「何kgを引きたいか」に加え、「同じ速さの負担を比べたいのか」「タイムを変えたいのか」を伝える。10週間の比較試験でも、酸素コストの改善と5kmタイムの変化は同じ結果にならなかった。[1]

記録は、筋トレの価値を裁くためだけに付けるものではない。引く練習は進んでいるが走りは同じ、あるいは走りは変わったが負荷は同じ、と書けるようにするためのものだ。筋力と燃費を分けて測った研究にならえば、同じ日に全部を成功か失敗かへ丸めずに済む。[1][7]

オンザショアで、走る日とは別の練習時間を持つ

引く練習と走る練習を分けて記録するなら、それぞれを続ける時間も予定表に置きたい。オンザショア立川店はJR立川駅北口から徒歩1分、営業時間は8:00〜23:30で、全曜日共通、年中無休だ。仕事の前後など、自分の予定に運動を置く場所として検討できる。

所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F。パーソナルトレーニングのほか、ピラティス、常温のヨガ、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIITもある。溶岩プレートを敷いたスタジオではホットヨガを行い、ヨガのレッスンは25種類以上である。走る日と別の運動をする日を、生活の中でどう続けるかを考える選択肢になる。

参加条件も先に確認したい。医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方には常温のマタニティヨガがあり、溶岩ホットヨガには参加できない。

ヨガの体験レッスンは税込1,980円。60分のレッスンに、バスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルを含む。

通い方は店のトップと料金で確かめ、体験の予約へ進める。走る練習との組み合わせを考えるときも、まず予定表に続けられる時間を置くところからである。

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参考文献

[1] The effects of plyometric versus resistance training on running economy and 5-km running time in middle-aged recreational runners — Eihara Y, Takao K, Sugiyama T, Maeo S, Kanehisa H, Isaka T., 2024, European journal of sport science. DOI: 10.1002/ejsc.12197

[2] Heavy Resistance Training Versus Plyometric Training for Improving Running Economy and Running Time Trial Performance: A Systematic Review and Meta-analysis — Eihara Y, Takao K, Sugiyama T, Maeo S, Terada M, Kanehisa H, Isaka T., 2022, Sports medicine – open. DOI: 10.1186/s40798-022-00511-1

[5] Effects of resistance training on performance in previously trained endurance runners: A systematic review — Alcaraz-Ibañez M, Rodríguez-Pérez M., 2018, Journal of sports sciences. DOI: 10.1080/02640414.2017.1326618

[6] Effects of resistance training on running economy and cross-country performance — Barnes KR, Hopkins WG, McGuigan MR, Northuis ME, Kilding AE., 2013, Medicine and science in sports and exercise. DOI: 10.1249/mss.0b013e31829af603

[7] Effects of Strength Training Associated With Whole-Body Vibration Training on Running Economy and Vertical Stiffness — Roschel H, Barroso R, Tricoli V, Batista MA, Acquesta FM, Serrão JC, Ugrinowitsc, 2015, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/jsc.0000000000000857

[8] Effects of Strength Training on the Physiological Determinants of Middle- and Long-Distance Running Performance: A Systematic Review — Blagrove RC, Howatson G, Hayes PR., 2018, Sports medicine (Auckland, N.Z.). DOI: 10.1007/s40279-017-0835-7

[13] The effect of strength training on three-kilometer performance in recreational women endurance runners — Kelly CM, Burnett AF, Newton MJ., 2008, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/jsc.0b013e318163534a

[16] The Effect of Resistance Training on Uphill Running Economy and Biomechanics — Robinson RM, Hahn ME., 2026, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/jsc.0000000000005567

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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宮川涼 Founder
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