ソイプロテインは無糖なら糖質もゼロ?砂糖不使用と一杯の成分を分けて読む

ソイプロテインの無糖、砂糖不使用、甘くないという言葉から、一杯の糖質量やエネルギーまで決めていないだろうか。大豆たんぱく原料の組成を調べた食品研究、飲料の表示に関する消費者調査、成人の比較試験を読み、袋の印象と栄養成分、飲み方を分けて確認する手順を考える。

台所で計量スプーンを取り出し、プロテインの袋を開ける。「無糖」を選んだので、裏面の炭水化物の欄も空欄だと思っていた。ところが、読むべき場所は袋の表だけではなかった。

答えの芯は、甘さに関する言葉から、飲料全体の成分量まで推定しないことである。大豆たんぱく濃縮物を扱った食品研究では、一般的な組成としてたんぱく質約65%、炭水化物約30%が示されている。大豆のたんぱく原料という名前は、たんぱく質だけでできているという意味にはならない。ただし、この数字を市販のソイプロテインすべての配合とみなすのも誤りである。[18]

「糖質制限の飴は糖類ゼロなら同じ?糖アルコールの吸収とお腹の張りを読み解く」には、飴と糖アルコールの論点を譲る。ここで確かめるのは、粉の袋にある言葉と、実際に作る一杯の中身をどう照合するかである。甘くないものを選びたいという好みを、そのまま栄養上の優劣に変える必要はない。

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無糖の文字を見たあと、どの欄へ目を移すか

袋の表にある「無糖」、製造についての「砂糖不使用」、飲んだときの「甘くない」。買い物中には似た印象で受け取っても、確かめたい問いはそれぞれ違う。自分が知りたいのは、何が原材料なのか、どの成分がどれだけ入るのか、それとも好みの味か。まず、この問いを混ぜずに持つところから始めたい。

ここでは表示の適否を判定するのではなく、買った袋の読み方を考える。原材料名では何を配合したものかを確かめ、栄養成分表示では量を読む。飲んだ印象は、その後に自分の好みとして記録する。表の言葉を見た時点で裏面の確認まで終えたつもりにならない、という手順である。

表示を読む負担は、読み手の努力不足だけの話でもない。プロテイン飲料を飲む405人のオンライン調査と、25人が参加した集団討議を組み合わせた研究では、消費者はたんぱく質量を最も重視し、次にたんぱく源を重視した。包装では、見覚えのある原材料と分かりやすい言葉が大切にされていた。[17]

集団討議では、ラベルの原材料の多さに圧倒される感覚や、疑いを持つ気持ちも表れていた。欲しいものはたんぱく質なのに、読むものはたんぱく質だけでは済まない。その状況を考えると、目立つ短い言葉で決めたくなる気持ちは理解できる。ただし、この調査が測ったのは受け止め方であり、原材料の少ない飲料ほど健康によいという結果ではない。[17]

自宅で袋を読むなら、メモの最初には「何を避けたいか」より「何を知りたいか」と書いてみる。甘い味が苦手なら味の確認が中心になる。普段の食事にたんぱく質を足したいなら、実際に使う量との照合が中心になる。糖に関する言葉をすべて同じ目的の札として扱わなければ、比較する欄も絞りやすい。

選んだ理由を言葉にすることも役立つ。「表の文字が安心そうだった」と「この味なら飲みたい」は別の判断である。前者なら裏面をもう一度開き、後者なら無理に甘い味へ変える必要はない。袋の宣伝を読み解く作業と、自分の好みを尊重する作業を同じ机に置いておく。

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大豆のたんぱく原料にも、炭水化物が含まれる

原料名から完成品を想像するときの手掛かりが、大豆たんぱく濃縮物の研究である。研究者は、酸性度を変える方法、エタノールを使う方法、カルシウムイオンを使う方法で原料を調製し、たんぱく質の組成、熱への性質、水への分散しやすさ、保水性などを比較した。食品を作るための原料の実験であり、人に飲ませて体重を調べた試験ではない。[18]

その研究に示された一般的な組成が、重量に対してたんぱく質約65%、炭水化物約30%という値である。ここで注目したいのは、炭水化物の割合を砂糖の添加量として読むことはできない点だ。数字が指しているのは濃縮物という原料の組成であって、袋入り飲料の甘味の付け方ではない。[18]

また、「濃縮物」と「分離大豆たんぱく」は同じ数字で扱わない。この研究の対象は濃縮物である。手元の袋に別の原料名があれば、約30%という値をそのまま当てはめる根拠にはならない。研究にある数字は具体的であるほど便利だが、どの原料の数字なのかという名札も一緒に持ち帰る必要がある。[18]

調製条件は、飲みやすさに関係する性質にも影響した。沈殿させる際の酸性度やカルシウムイオンの条件を変えると、たんぱく質の分散しやすさと保水性が大きく低下する条件があった。原料の作り方によって性質が変わる、という結果である。水に散りやすいかどうかは、甘さや砂糖の添加だけで説明する問いではない。[18]

たとえば粉が底に残ったとき、「甘くない製品だからこうなる」と原因を決めるのは早い。原料研究では製造条件によって分散性が変わっており、配合の評価には複数の視点が要る。溶け方の印象をそのまま糖質量の推定に使わず、量を知りたいときは成分表示に戻る、という使い分けが妥当である。[18]

買い物の場面では、候補の袋に書かれたたんぱく源と、完成品の栄養成分を別々に写してみるとよい。「大豆由来」とだけ書いたメモでは、原料と配合の区別が消えてしまう。粉の製法を理解することが購入の必須条件なのではない。原料名だけで完成品の量を決めつけないために、研究を補助線として使うのである。

ここから先の食物繊維の詳しい話は、隣の「ソイプロテインは大豆由来なら繊維も多い?精製前の豆と一杯の成分量を読む」に譲る。このページでは、炭水化物と書かれた原料の数字を、砂糖の添加や一杯の糖質量へ勝手に読み替えないことに焦点を絞る。

甘くない味と、配合の単純さは別に確かめる

「天然ならよさそう」という印象にも、成分量とは別の層がある。先の消費者研究では、天然の甘味料として扱われたアガベ、モンクフルーツ、砂糖が好意的に受け取られていた。砂糖もその組に入っていることが興味深い。好まれる言葉の分類と、砂糖を使わない製品を探す目的は、同じ方向を向くとは限らない。[17]

同じ研究では、植物性たんぱくという表現は魅力的とされる一方、大豆たんぱくは相対的に魅力が低く評価されていた。大きな分類名への好感と、具体的な原料名への好感も一致していない。これは消費者の受容性の結果であり、大豆の栄養価が低いという証明ではない。言葉の印象を通過してから、量を読む必要がある。[17]

食品実験にも、砂糖の追加と完成品の性質を分けて考える例がある。ココナツヨーグルトの研究では、脂肪量と分離大豆たんぱくの有無を変え、追加の砂糖なしで複数の試作品を作った。大豆たんぱくを加えたものでは硬さ、まとまり、保水性が高まり、微細な構造も変わった。[14]

ただし、「追加の砂糖なしで作れた」という結果は、炭水化物がないという分析結果でも、甘くないという消費者の判定でもない。この実験の価値は、配合の操作によって食品の構造や香りの特徴を変えられた点にある。粉を水に溶かした市販飲料とヨーグルトを同じものとして扱う必要はない。[14]

別の菓子の実験では、糖の種類を変え、一部のでんぷんを分離大豆たんぱくに置き換えて、水分子の動きを測定している。砂糖を含む試料では、大豆たんぱくの追加は水の動きに影響しなかった。大豆たんぱくを足せば食品の性質が必ず同じ方向に変わる、という単純な話にもならない。[19]

ヨーグルトで構造が変わったことと、菓子の特定条件で水の動きが変わらなかったことは、対立する結論ではない。食品の組み合わせと、測った項目が違うからである。飲み物でも、甘さ、粉っぽさ、粘りをひとまとめにして「糖が多そう」と評価するより、それぞれの感想を残すほうが自分の選びたい味を探しやすい。[14][19]

天然甘味料の後味をどう比べるかは、隣の「ソイプロテインの天然甘味料は後味も同じ?甘さの強さと残る時間を読む」の問いである。こちらでは、味についての感想を成分分析の代用品にしない。台所で口に含んだ感想は大事だが、舌を栄養成分表示の読み取り機に任命しなくてよい。

数字で読むソイプロテインの比較条件

約65%:大豆たんぱく濃縮物の一般的なたんぱく質割合。完成品の保証値ではない。[18]

約30%:同じ濃縮物の一般的な炭水化物割合。砂糖の添加割合ではない。[18]

405人:プロテイン飲料の原材料への受け止め方を調べたオンライン調査の参加者数。[17]

90人:過体重または肥満の成人を対象とした、たんぱく源などを比べる無作為化試験の割り付け人数。[4]

23週間:その成人試験の期間。袋の言葉だけを比べた試験ではない。[4]

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宮川涼 Founder

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