
続けた試験でも、柔らかくなる部位は一様ではなかった
継続練習の手掛かりになるのが、シンクロナイズドスイミング選手21人の対照付き試験だ。5週間のイメージ練習プログラムの前後で柔軟性を調べた。課題には、自分で動く能動的な条件と、受け身で伸ばす受動的な条件が含まれていた。18〜39歳の女性一般に当てはめる際は、柔軟性を競技で使う選手の結果であることを踏まえたい。[2]
運動イメージ群では、前後開脚、ハムストリング、足首のストレッチで、対照群より大きな改善が見られた。ハムストリングの比較のp値は0.035だった。一方、肩と左右開脚の柔軟性には群間差が認められなかった。改善した部位だけを紹介すると、練習の届く範囲を広く見せすぎてしまう。[2]
この結果は、動きを想像すれば全身がまとめて柔らかくなるという説明には合わない。脚の課題と肩の課題では結果が分かれた。同じ研究の中に、変わった課題と差のなかった課題が並んでいることが大切だ。体の柔らかさを総合点のように扱うより、何の動作を比べたかを残したい。[2]
この試験の特徴は、前後開脚と左右開脚を別々に調べた点にもある。同じ「開脚」という言葉だけを使うと、前者で改善が大きく、後者では群間差がなかったという対照が消えてしまう。自分の練習を記録するときにも、脚を前後へ開いたのか、左右へ開いたのかまで残すと、どの課題の変化を追っているかが明確になる。[2]
ここで、健康な参加者のその場の前屈試験と、競技者の継続練習を横に並べると整理しやすい。前者は、実際の前屈中に想像を足したときの成績と筋活動を捉えた。後者は、練習期間を経た柔軟性を複数の課題で比べた。ともに前向きな結果を含むが、同じ問いを同じ条件で確かめた追試としては扱えない。[1][2]
今夜の前屈で指先が先へ届いたことと、練習を続けて動く範囲が変わることは、時間の幅も異なる。その場の変化を見つける日は、まずその場の出来事として記録すればよい。継続した変化を考える日は、後日の同じ課題と見比べる。今日の成功に、未来の成果まで背負わせる必要はない。
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
柔軟性の研究は、測った部位と課題で読み分ける
前屈で指先が届く位置、腰部の柔軟性、考え方を切り替える能力。研究に登場する「柔軟性」という言葉には、異なる測定が含まれる。運動イメージの働きを整理するときは、まず何を測った試験かをそろえて読みたい。前屈中のハムストリングの筋活動と到達成績は、その場の動作を捉えた指標である。[1]
別の測定例として、非特異的腰痛のある36人を対象にした予備的な無作為化比較試験がある。遠隔で行う運動に運動イメージを組み合わせた群と、運動の群を週2回、10週間で比較し、腰部の柔軟性などに群間差が見られた。対象は腰痛のある人であり、18〜39歳の女性一般のハムストリングの柔軟性へそのまま当てはめるには対象と測定部位が異なる。[3]
この試験は、今後の本格的な試験に向けて、実施可能性や効果の見積もりを調べる予備的な設計だった。著者らも、より大きな試験での確認を求めている。前屈試験との比較では、柔軟性を測る場所に加えて、運動プログラムに想像を加えて継続した点に注目するとよい。その場の筋活動と、継続後の腰部の動きという、異なる時間と部位を扱っている。[1][3]
ここまでの研究を生活へ移す際の限界は、対象、課題、期間の違いにある。健康な参加者の前屈試験、競技者の継続練習、腰痛のある人の遠隔運動を、同じ成果の大きさとして並べることはできない。いま確かめられたのは、それぞれの条件で運動イメージを加えた際の成績や測定値の違いである。家庭で試すときは、実際に行った動作と、想像を重ねたタイミングを残すことから始めたい。[1][2][3]
さらに、「柔軟性」が思考の切り替えを指す研究もある。若年成人1,070人の横断調査は、ダンス経験、運動イメージ、認知的柔軟性、感情の調整との関連を調べている。ここでの認知的柔軟性は、考え方を切り替える側の能力を扱ったもので、ハムストリングの伸びを測った結果ではない。[7]
この調査では、定期的なダンス経験のある人は、経験のない人より運動イメージや認知的柔軟性などの得点が高かった。ただし、一時点の関連を調べる観察研究なので、ダンスや想像の練習がその差を生んだと断定することはできない。人数の多さだけで、前屈への効果が強く裏付けられたと読むのも違う。[7]
体が柔らかい、考え方が柔らかい、動作を想像しやすい。会話では近くに置きたくなる言葉だが、研究ではそれぞれ別の測定である。ハムストリングを柔らかくするメリットを考えるなら、まず望んでいる変化が何かを決めたい。「前屈で動ける範囲」と言葉にできれば、別の成果を借りて期待を膨らませずに済む。

よくある誤解
「想像だけで、実際のストレッチと同じ成果が得られる」という受け取り方は、この前屈試験には合わない。実際に動いている間に想像を重ねた研究だからだ。想像を加える価値を調べた結果を、動かす練習を省く根拠にすると、比較していた条件が入れ替わる。忙しい日の代替策として紹介するには、別の問いになる。[1]
「先へ届いたなら、筋肉そのものが長くなった」も飛躍である。試験では前屈の成績と筋電図が変化したが、その指標を組織の長さと同じ意味にはできない。指先が先へ進むと達成感はある。しかし、その達成感に体の構造の説明まで任せず、到達成績として喜ぶほうが結果に忠実だ。[1]
「想像が苦手な人は柔軟性も変わらない」という決めつけも支持されない。競技者の試験では、イメージ能力と柔軟性の改善の相関は見られなかった。また、肩や左右開脚で群間差がなかった結果もある。うまく浮かばない自分を責めたり、変化がなかった部位を努力不足と片づけたりする説明は避けたい。[2]
有意差のある結果を見て「誰でも変わる」と考えるのも慎重でありたい。群として差が出たことと、参加者全員が同じ変化をしたことは同じではない。小規模な前屈試験と競技者の試験は可能性を示すが、自分の次の前屈を予言する数字ではない。研究の結果は、試し方と見方を整える材料として使いたい。[1][2]
今日からできること
- 試す内容を「実際の前屈に、伸ばす感覚の想像を重ねる」と言葉にする。研究の10秒という条件を最適量と決めず、実動作へ加えた方法だったことを優先して捉える。[1]
- 記録は、到達位置と伸ばしている感覚を別に書く。研究で15人ずつの群を比べた結果と、自分の感覚の変化を同じ測定として扱わない。[1]
- 前屈の成果を肩や開脚へ自動的に広げない。5週間の競技者の試験でも、改善した課題と群間差のなかった課題があった。確かめたい動作の名前を記録に残す。[2]
- 想像が鮮明でない日は、失敗と採点しない。21人の競技者の試験では、イメージ能力と改善の相関は見られなかった。映像の出来栄えより、何を試したかを書き留める。[2]
- 研究を比べるときは測定部位も書く。36人の腰痛のある人を調べた試験は腰部の柔軟性を扱っており、前屈中のハムストリングの筋活動とは測定が異なる。18〜39歳の女性一般への適用も、対象の違いを踏まえて考える。[1][3]
自宅で比べるなら、記録欄には姿勢、行った内容、その直後の到達位置、伸ばしているときの感覚を置くとよい。これは研究で効果が検証された記録法ではなく、自分が何を比べているかを見失わないための整理案である。昨日は寝た姿勢、今日は座った前屈だったなら、想像を足したかどうかだけで差を説明しない。
そして、成果の欄を「床に届いたか」だけに絞る必要もない。前回と同じ位置で何を感じたか、途中でどんな言葉を思い浮かべたかも、次に方法を再現する手掛かりになる。研究の筋電図を自宅で代用しようとするより、自分で確かめられる出来事を具体的に残す。想像の練習にも、地味な観察の場所はある。

オンザショア立川店で、動作を確かめる予定をつくる
想像を練習へ加えるなら、実際に体を動かす時間も予定に置いておきたい。オンザショア立川店は、JR立川駅北口から徒歩1分、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fにある。営業時間は8:00〜23:30で、年中無休である。仕事や用事の前後に通う時間を考える際には、この立地と営業時間を予定表に当てはめられる。
溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガのほか、常温のヨガやピラティスもあり、ヨガだけで25種類以上のレッスンがある。前屈の成績を約束する場所としてではなく、体を動かす予定を生活の中に置く選択肢として考えたい。妊娠中の方は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。
ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。続ける際の条件は料金で、店の案内は公式サイトで確認できる。実際の動作に向き合う機会を予定へ入れるなら、体験の予約から日程を選べる。
参考文献
[1] Neurophysiological insights on flexibility improvements through motor imagery — Kanthack TFD, Guillot A, Papaxanthis C, Guizard T, Collet C, Di Rienzo F., 2017, Behavioural brain research. DOI: 10.1016/j.bbr.2017.05.004
[2] Does motor imagery enhance stretching and flexibility? — Guillot A, Tolleron C, Collet C., 2010, Journal of sports sciences. DOI: 10.1080/02640410903473828
[3] Effectiveness of adding motor imagery to telerehabilitation for nonspecific low back pain: A pilot randomized controlled trial — Uz MZ, Kara B, Gedik Z, Demirdal ÜS., 2026, Journal of bodywork and movement therapies. DOI: 10.1016/j.jbmt.2026.04.014
[7] A study on the structural relationship among dance training experience, motor imagery, cognitive flexibility, and emotion regulation strategies in young adults — Li L., 2026, Frontiers in psychology. DOI: 10.3389/fpsyg.2026.1956871
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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