
ストレッチで動きが変わっても、骨が変わったとはいえない
では、骨が関係するなら伸ばしても無意味なのか。可動域に左右差のある現役野球選手60人を無作為に分けた試験では、自己ストレッチだけの群と、器具を使う徒手的介入を併用した群を比較している。平均年齢は19歳で、評価は単回の介入の直前と直後だった。野球選手への介入であり、18〜39歳の一般女性の日常のストレッチ効果や期間へそのまま当てはめることはできない。両群とも、肩の動く範囲に有意な改善を認めた。[9]
併用群はストレッチ単独群より、内旋で5°、合計回旋範囲で6°、腕を胸の前へ横切らせる水平内転で7°、増加が大きかった。これらは併用による群間の差である。「ストレッチだけで必ず内旋が5°増える」という数字に置き換えてはいけない。[9]
また、この比較はストレッチをしない群との比較ではない。したがって、両群の直後の改善が報告されていることと、ストレッチ単独の効果の大きさを厳密に確定することは分けて考える必要がある。それでも、骨の形態を扱う研究がある一方で、可動域の変化を検討する介入研究もある。「骨か筋肉か」の片方だけで肩を理解しようとしないことが大切だ。[2][9]
この試験が答えるのは、その場で測った動く範囲である。何週間続ければ一般の人の左右差がなくなるか、ヨガの特定のポーズができるか、という問いに同じ数字で答えることはできない。検索語の「効果」と「期間」は近くに並ぶが、研究の中では、直後の角度と長く続く変化は別の評価になる。[9]
たとえばレッスンの前後で腕が動かしやすく感じられたなら、その変化を観察した事実として残せばよい。そこから「骨のねじれが整った」と説明を足す必要はない。逆に、同じ位置までしか動かない日にも、変わらない理由を骨の形と断定する必要はない。測った結果と、その原因の説明を別に置く姿勢が、研究を日常へ持ち帰るときの土台になる。[2][9]
器具を使う併用介入の結果を読んで、自宅でも道具で強く押せばよいと受け取るのも違う。比較されたのは選手を対象に組み立てられた介入であり、読者が痛みを我慢して押す方法を検証したものではない。ここで持ち帰りたいのは刺激の強さではなく、何を測り、何と比べた変化なのかという確認の仕方である。[9]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
左右差から、痛みや日常の不便を直接予測しない
肩の角度の研究は、けがの予測と混同されやすい。32研究をまとめた系統的レビューとメタ分析では、上腕骨のねじれと野球選手のけがのリスクとの関連は認められなかった。野球選手の結果であり、18〜39歳の一般女性の日常の痛みの予測へそのまま使える結果ではない。一方で内旋可動域との関係が認められ、外旋や水平内転については同じように説明できなかった。動きとの関連と、けがとの関連は別の結果である。[4]
頭上で腕を使う競技者の9論文を扱う別の系統的レビューでは、症状のある群とない群の違いは研究間で一貫せず、多くの効果量は中程度か小さかった。対象は競技者であり、18〜39歳の一般女性の痛みを同じように説明できるかは未確定である。骨の後捻がけがにどの程度影響するかは、競技者ごとの要因も絡むと整理している。骨の左右差が見つかっただけで将来の痛みを予告するのは、この不確実性を飛び越えてしまう。[6]
両レビューを合わせると、左右差だけを怖がる根拠も、左右差があっても絶対に問題ないと保証する根拠も得られない。関連が検出されなかったという結果を、危険が存在しない証明へ変えてはいけないのである。痛みや生活上の不便があるときは、骨の話で自己判断を終えず、医師に相談する対象として扱いたい。[4][6]
投球とは異なる競技でも、似た特徴は観察されている。男性のエリート・フィールドホッケー選手25人の横断研究では、利き側の後捻が大きく、外旋が多く、内旋が少なかった。ただし、これは高度な競技経験を持つ男性集団の関連である。18〜39歳の一般女性の肩に同じ競技適応があるかは判断できない。立川駅から帰宅して肩を伸ばす人に、同じ適応があると推定する材料にはならない。[12]
日常の動作では、回旋に加えて腕を後ろへ引く動きも関わる。背中へ手を回す動きを調べた探索的研究では、対照群で背中の高い位置に手が届いた45肩が、腕を後ろへ引く動きの大きい群と、内旋の大きい群に分かれた。前者の平均内旋は27°、後者は53°だったが、上腕骨のねじれなどの形態には群間で有意差を認めなかった。人工肩関節の術後患者との比較を含む研究であり、18〜39歳の一般女性の動作改善法としてそのまま適用することはできない。[16]
これは同じ到達位置を、違う動きの組み合わせで実現していたという結果である。骨のねじれで何でも説明できるなら、こうした観察を取りこぼす。背中に届くかどうかを扱う既存記事「体が硬くて背中に手が届きにくい?肩の回旋と腕の長さを分けて研究で読む」とも分け、ここでは「到達位置から骨の形を逆算しない」という点にとどめたい。[16]
この研究は人工肩関節の術後患者との比較も含む探索的な検討であり、一般向けの動作練習を比較した試験ではない。腕を後ろへ引く方法を選べば誰でも同じ位置へ届く、という指導へ直結させるのは早い。実用的な動作を見ることは大切だが、届いた高さだけで関節の状態を採点する必要はないのである。[16]

よくある誤解
「内向きに動かない側を長く伸ばせば、左右は必ずそろう」という思い込みがある。しかし投球肩の研究では、骨の形態を考慮した評価で、内旋方向の軟部組織制限が目立たなくなる場合がある。回旋範囲が少ないことと、その差の全部が伸ばす対象であることは同じではない。[2] 今日の硬さに、努力不足という名前まで付けなくてよい。
「骨の形が関係するなら、運動で変わる余地はない」という反対の思い込みもある。骨の後捻と軟部組織の特徴が共存する報告があり、選手の単回介入では可動域の直後の変化も認められた。骨の影響を考えることは、動きを観察したり、専門家が軟部組織を評価したりする意味を消さない。[5][9]
「外向きに大きく回る肩は、軟らかい肩だから制限がない」という理解も単純すぎる。投手のレビューでは、外旋が大きく見える肩にも、骨の影響を考慮すると外旋方向の軟部組織制限が認められた。目に見える角度が大きいことと、骨以外の組織が制限していないことは別である。[2]
こうした違いを知ると、肩入れストレッチの最中に左右が同じ形でないことを、すぐに成功か失敗かへ振り分けずに済む。ただし、どちら側をどの方向へどれだけ伸ばすかという処方は、集団の平均から作れない。研究の数字を体の採点表にするより、相談するときに伝えたい観察を具体化する材料にしたい。[2][7]
今日からできること
- 左右を比べる前に、内向き、外向き、背中へ届く位置のどれを見たのかを書き分ける。投手研究で扱った内旋と外旋の合計は、片方向の角度とは別の評価だった。[2]
- 変化を記録するなら、腕の位置を毎回変えず、同じ動きで比べたかも添える。プロ投手222人の研究では、肩甲骨を安定させ、腕を90°上げた条件で回旋を測っている。自宅の観察を研究と同等の検査とは扱わない。投球に適応した選手の検査条件を、18〜39歳の一般女性が角度をまねて伸ばすための手順には使えない。[7]
- 「直後に動かしやすかった」と「左右差がなくなった」を分けて残す。60人の試験の評価時点は単回介入の直前と直後であり、長期の完成期限を示す数字ではない。[9]
- 医師に相談する際は、左右差に加えて、昔の投球経験や現在困る動作も伝える。成長期の投球と骨の適応が論じられる一方、日常の到達動作には複数の動き方があった。[10][16]
- 目標を他人と同じ角度だけに置かず、何の動作を確かめたいのかを言葉にする。内旋27°と53°という異なる動きの群でも、背中の高い位置への到達が成立していた。[16]

オンザショアで、比べるための時間を生活に置く
左右をそろえる期限を決める前に、運動に使う時間と通う場所を具体的にしておく。オンザショア立川店は、JR立川駅北口から徒歩1分、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fにある溶岩ホットヨガスタジオだ。営業時間は全曜日8:00〜23:30で、年中無休である。生活の予定と照らして、通う時間帯を検討できる。
溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガのほか、常温のヨガやピラティス、パーソナルトレーニングもある。ヨガだけで25種類以上のレッスンがあり、実施される内容は店のトップで確認する形になる。ここで紹介するのは、運動を続ける場所の選択肢である。
妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。常温のヨガとホットヨガの両方があり、ヨガ以外の種目も選択肢に入る。どの時間帯にどの種類の運動を続けたいか、営業時間とレッスンの種類を照らして検討する形だ。
ヨガの体験は税込1,980円。60分のレッスンに、バスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルを含む。料金と体験の予約も確認できる。女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIITも実施されている。常温のクラスを選ぶか、ホットヨガを体験するかを含めて、用意されている選択肢を確認できる。通う条件まで含めて、自分の予定に置けるかを考える場所にしたい。
参考文献
[2] Chronic Adaptations of the Shoulder in Baseball Pitchers: A Systematic Review — Paul RW, Sirch FR, Vata A, Zhu E, Alberta FG, Erickson BJ, Thomas SJ., 2025, The American journal of sports medicine. DOI: 10.1177/03635465251317202
[4] The Relationship Between Humeral Torsion and Arm Injury in Baseball Players: A Systematic Review and Meta-analysis — Helmkamp JK, Bullock GS, Rao A, Shanley E, Thigpen C, Garrigues GE., 2020, Sports health. DOI: 10.1177/1941738119900799
[5] Humeral Retroversion and Capsule Thickening in the Overhead Throwing Athlete: A Systematic Review — Kay J, Kirsch JM, Bakshi N, Ekhtiari S, Horner N, Gichuru M, Alolabi B, Khan M, , 2018, Arthroscopy : the journal of arthroscopic & related surgery : official publication of the Arthroscopy Association of North America and the International Arthroscopy Association. DOI: 10.1016/j.arthro.2017.10.049
[6] Does humeral torsion play a role in shoulder and elbow injury profiles of overhead athletes: a systematic review — Donaldson MJ, McCurdy KW, Thomas SJ, Myers NL., 2020, Journal of shoulder and elbow surgery. DOI: 10.1016/j.jse.2020.01.080
[7] Professional Pitchers With Glenohumeral Internal Rotation Deficit (GIRD) Display Greater Humeral Retrotorsion Than Pitchers Without GIRD — Noonan TJ, Shanley E, Bailey LB, Wyland DJ, Kissenberth MJ, Hawkins RJ, Thigpen , 2015, The American journal of sports medicine. DOI: 10.1177/0363546515575020
[9] Effectiveness of Manual Therapy and Stretching for Baseball Players With Shoulder Range of Motion Deficits — Bailey LB, Thigpen CA, Hawkins RJ, Beattie PF, Shanley E., 2017, Sports health. DOI: 10.1177/1941738117702835
[10] The Development of Humeral Retrotorsion and Its Relationship to Throwing Sports — Greenberg EM, Fernandez-Fernandez A, Lawrence JT, McClure P., 2015, Sports health. DOI: 10.1177/1941738115608830
[12] Humeral Torsion in Relation to Shoulder Range of Motion in Elite Field Hockey Players — Vanderstukken F, Spanhove V, Cools A, Borms D., 2024, Journal of sport rehabilitation. DOI: 10.1123/jsr.2023-0295
[16] Exploratory analysis of shoulder motion strategies for achieving functional hand behind the back in controls and after reverse shoulder arthroplasty. A study from the LaTour group — Levy G, Charbonnier C, Collin P, Pernoud A, Gaillard J, Lädermann A., 2026, International orthopaedics. DOI: 10.1007/s00264-026-06987-w
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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