
同じ向きを続けた後の左右差は、けがの証明か
主に反時計回りの、傾斜のない屋内走路で練習・競技をする大学選手25人を、シーズン前後で追った観察研究がある。対象は長い距離の短距離種目から中距離種目までの競技者で、足を内側へ向ける筋群と外側へ向ける筋群の筋力を測定した。競技シーズンを過ごす大学選手の結果なので、18〜39歳の女性が生活の中で走る場合に同じ変化が起こるかは別に検証する必要がある。[7]
結果は単純な「左だけ強くなる」ではなかった。足を内側へ向ける筋群の筋力増加は左脚で右脚より大きく、外側へ向ける筋群の増加は右脚で左脚より大きかった。差は小さいが統計的に有意で、研究者は練習への適応として説明している。同じ周回の中でも、働きに応じた変化があり得る。[7]
この集団では68%に下肢のけがが生じ、運動への参加100人時間当たり0.75件だった。しかし、けがをした17人と、しなかった8人で筋力変化に有意な差はなかった。けがが多かったことと、筋力の左右差が生じたことを、原因と結果の線で直結させることはできない。[7]
筋力の変化はシーズン中の観察であり、方向を無作為に割り振った予防試験ではない。反時計回りを続けた群と、方向を交互に替えた群のけがを比較した結果でもない。したがって、この研究の数値から、方向変更によって何割けがが減るという提案は作れない。[7]
長距離走者10人と、運動習慣のない人10人を比べた横断研究では、足底筋膜の硬さに注目している。対象はトラックの長距離走者と非運動者であり、18〜39歳の女性の日常のジョギングに同じ左右差があるとは判断できない。足底筋膜は足のアーチの弾性的な働きに関わる組織である。測定には、組織を伝わるせん断波の速度を硬さの指標として用いた。[20]
走者では左足が9.4±1.0m/s、右足が8.9±0.9m/sで、左足の値が高かった。非運動群は左8.5±1.5m/s、右8.6±1.7m/sで、左右差は認められなかった。一方、足底筋膜の厚さや足の寸法には、左右間や群間で有意な差がなかった。硬さの違いを、見た目の大きさの違いと取り違えないことも大切だ。[20]
この研究はある時点で集団を比較したものであり、各人が走り始める前からどう変わったかを追ったものではない。研究者は、走者の左右差が非対称な負荷を伴う練習への適応を反映する可能性を示している。硬いこと自体を異常と判定したり、左足を重点的にほぐす根拠にしたりする読み方とは距離がある。[20]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
走りやすい方向は、脚の負担と別に考える
そもそも反時計回りを自然に選ぶ人が多いのか。成人13人が対称的な空間で円周走を始める実験では、全体として反時計回りへの有意な偏りがあった。成人の方向選択を調べた結果であり、18〜39歳の女性にも同じ選択傾向があるかは、この集団だけから確定できない。中央から前を向いて始めた条件では、80%を超える参加者が反時計回りを選んだ。[5]
ただし、開始位置や視線、頭の向きによって偏り方は変化した。これは方向の選択を調べた実験であり、足底の硬さや膝のけがを評価したものではない。「自然に選ぶ」ことは、全身に最も小さい負荷がかかることの証明にはならない。走り出す向きの好みと、安全性は別の問いである。[5]
健康な成人が時計回りと反時計回りの走行を頭の中で想像する研究もある。18〜39歳の女性が実際に走る際の反応へ、そのまま当てはめることはできない。脳波を調べる実験は40人、刺激に対する脳の応答を調べる実験は66人、脳の活動を画像で調べる実験は30人で行われた。実走の速さを競わせたものではなく、運動のイメージを使っている。[2]
脳波では前頭部の活動に方向による違いがあり、画像の実験では時計回りの想像でより強く活動する領域があった。一方、刺激に対する応答の実験では方向による有意差がなかった。方向を替えると脳のすべての測定が一様に変わった、とはいえない結果である。[2]
研究者は、時計回りの想像に、不慣れさや課題の難しさなどが関わる可能性を論じている。これを「時計回りで走ると気分が悪くなる」と言い換えてはいけない。普段の方向が走りやすく感じられる理由を考える材料にはなるが、実際の運動後の気分やけがを保証する実験ではない。[2]
逆向きに走ったときのぎこちなさを、その場で筋力不足と決める必要もない。方向選択と運動イメージの研究には、慣れや空間の捉え方を考える余地がある。ただし、不慣れな向きを練習すれば左右差が消えるという結論も、そこからは出ない。公園の時計には、脳の慣れ具合までは表示されない。[2][5]

よくある誤解
「反時計回りなら膝に安全」という主張を、ここで扱った研究は裏づけていない。大学競技者の観察では、けがの有無で筋力変化に有意な差がなかった。方向を交互にする方法の予防効果を確かめた比較でもない。日常のジョギングに対する方向別の安全性は、競技者の筋力測定とは分けて考える必要がある。[7]
「左右差がある体は直すべき」という見方も急ぎすぎである。筋力研究の差は小さな練習への適応と説明され、けがとの因果関係は示されていない。足底筋膜の研究でも、硬さの差がある一方で厚さや足の寸法に差はなかった。測定値が非対称であることと、治療の必要性は同義ではない。[7][20]
また「速く走れた方向ほど、体力づくりにも優秀」とは決められない。最高速度の比較と、続けた後の持久力の伸びは異なる成果である。短距離走の1.6%や1.9%という方向差を、長期的な体力向上の割合に読み替えることはできない。自分の練習目的に合う指標かを先に考えたい。[3][12]
今日からできること
- 記録に距離や時間だけでなく、時計回りか反時計回りかを添える。短距離選手の実験では方向で最高速度に1.6%の差があり、条件を残す意味がある。日常のジョギングへの補正式としては使わない。[12]
- 周回路を替えた日は、曲線の大きさも書く。半径17.2mと36.5mでは最高速度の低下が異なった。公園で半径を厳密に測らなくても、小回りか広い外周かを区別する記録から始められる。[12]
- 方向を比べるなら、同時に速さを競う課題を増やさない。全力走の6人の比較と、自分の体力づくりは条件が違う。研究の最高速度を再現するために無理をする必要はない。[3]
- 違和感を記録するときは、左右と場所、直線か曲線かも言葉にする。25人の観察研究でも筋力変化だけではけがとの因果関係は分からなかった。自己流の左右差判定だけで原因を決めず、痛みが続く場合は医師に相談する。[7]
- 出発前に施設の進行方向を確認する。方向が決められた走路ではそのルールを守り、周囲と逆向きに走って比較しようとしない。方向変更の実験と、公園で他の利用者と走路を共有する場面は区別する。
こうした記録は、毎回の体を採点するためのものではない。曲線の大きさが変わったのか、向きを替えたのか、同じ方向でも脚の感じが違ったのかを後から区別するためのものだ。実験で条件を分けて測ったように、自分の記録でも変えた条件を残せば、タイムだけで結論を急がずに済む。[3][12]
逆向きにする曜日や距離を一律には決めず、まず普段の走路を言葉にしてみる。反時計回りの練習への適応を観察した研究も、方向を替える回数の最適値を示したものではない。記録を読み返したときは、けがの原因を決める材料ではなく、どんな条件で走っていたかを伝える資料として使いたい。[7]

オンザショア立川店で、走る日以外の予定を置く
走る日以外にも、通える時間と場所から運動の予定を組み立てられる。オンザショア立川店はJR立川駅北口から徒歩1分の溶岩ホットヨガスタジオで、営業時間は全曜日8:00〜23:30、年中無休である。朝から夜までの営業時間を、自分の仕事や生活の予定と照らし合わせて選べる。
所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F。溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガのほか、常温のヨガ、ピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングがある。ヨガだけで25種類以上のレッスンがあり、走ることに加えて何を予定に置くかを考える場所となる。
妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。ヨガの体験レッスンは税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。店舗情報と料金を確認し、通う予定が合えば体験予約へ進める。
参考文献
[2] Neuropsychological Evidence Underlying Counterclockwise Bias in Running: Electroencephalography and Functional Magnetic Resonance Imaging Studies of Motor Imagery — Kim T, Kim J, Kwon S., 2023, Behavioral sciences (Basel, Switzerland). DOI: 10.3390/bs13020173
[3] Maximum-speed curve-running biomechanics of sprinters with and without unilateral leg amputations — Taboga P, Kram R, Grabowski AM., 2016, The Journal of experimental biology. DOI: 10.1242/jeb.133488
[5] A counterclockwise bias in running — Toussaint Y, Fagard J., 2008, Neuroscience letters. DOI: 10.1016/j.neulet.2008.06.056
[7] Asymmetrical strength changes and injuries in athletes training on a small radius curve indoor track — Beukeboom C, Birmingham TB, Forwell L, Ohrling D., 2000, Clinical journal of sport medicine : official journal of the Canadian Academy of Sport Medicine. DOI: 10.1097/00042752-200010000-00004
[12] Maximum velocity and leg-specific ground reaction force production change with radius during flat curve sprinting — Diaz GB, Alcantara RS, Grabowski AM., 2024, The Journal of experimental biology. DOI: 10.1242/jeb.246649
[20] Track distance runners exhibit bilateral differences in the plantar fascia stiffness — Shiotani H, Yamashita R, Mizokuchi T, Sado N, Naito M, Kawakami Y., 2021, Scientific reports. DOI: 10.1038/s41598-021-88883-4
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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