ボクササイズの持ち物に塩分入りの飲み物は必要?短い運動と長い運動の補給を読む

ボクササイズの持ち物に塩分入りの飲み物を加えるか迷ったら、運動時間だけでなく、汗の量と飲む量を分けて考えたい。競技者の測定、長時間走の比較試験、運動後の回復研究から、失った塩分を全部戻す発想の限界と、短いレッスンに研究の数字をそのまま当てはめない選び方を読む。

ボクササイズのバッグに入れる飲み物は、水か、塩分入りか。ウェアとタオルは決まったのに、ボトルだけが決まらない。売り場で立ち止まると、まだ動いていないのに持ち物だけが競技仕様になっていく。

判断の芯は、汗に塩分があることと、その全量を運動中に補う必要があることを分ける点にある。長時間運動を扱った数理モデルでも、必要なナトリウム補給は汗の濃さと失った水分のうち飲んで戻す割合に左右された。短いか長いかだけで、飲み物の正解は決まらない。[6]

既存記事「ホットヨガ初めての水分・塩分対策 苦しさを我慢する前に知りたい体温の話」には暑い環境で初めて動くときの話を譲る。ここで考えるのは、ボクササイズへ持参する飲み物を、短いレッスンの日と長い運動の日でどう考え分けるかである。競技者の研究は判断の材料になるが、その測定値を初心者の購入リストにはしない。[2][7][10]

ヨガとからだの記事のイメージ写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

汗の量と汗の濃さは、別々の情報である

ナトリウムは汗に含まれる成分であり、飲み物の塩分補給を考えるときの中心になる。ただし、汗として出る水の量と、その汗に含まれるナトリウムの濃度は同じものではない。エリート女子サッカー選手を測定した研究は、この区別を具体的に見せている。競技者の結果を18〜39歳の女性一般にそのまま当てはめるには、運動強度や競技経験の違いを考える必要がある。[7]

この観察研究では、練習を調べた選手が19人、試合を調べた選手が8人で、両方に参加した選手も8人だった。同じ選手の比較では、発汗速度は練習で毎時0.49±0.26 L、試合で毎時0.98±0.34 Lと、試合の方が高かった。一方、汗のナトリウム濃度は練習で29±9 mmol/L、試合で35±9 mmol/Lであり、統計的に有意な差はなかった。mmol/Lは、液体の量に対して成分がどれだけ含まれるかを表す濃度の単位である。[7]

つまり、この選手たちでは運動の場面が変わると汗の水量は変わったが、濃さまで同じように変わったとはいえない。試合の方が汗をかいたという結果を、「汗そのものが大幅に塩辛くなった」と読み替えることはできない。ボクササイズでも、服が濡れたという情報だけから補給する塩分量へ直行しないための参考になる。[7]

別の後ろ向き解析は、過去に行われた1,944回の発汗試験を集めた。最大の解析には1,304人が含まれ、18〜39歳の女性だけを対象とした解析ではないため、その集団の濃度を直接予測するには使えない。運動、環境、体格などと全身の汗のナトリウム濃度との関係を調べている。エネルギー消費や季節などとの関連がみられたものの、モデルで説明できた変動は17〜23%だった。[5]

集団に関連があることと、目の前の人の汗を言い当てられることには距離がある。「女性だからこの濃さ」「たくさん動いたからこの量」と属性だけで決めるには、説明されない違いが大きい。解析では運動時間自体に有意な影響はみられなかったが、これは時間と濃度の関係である。時間が延びても失う水や塩分の総量を気にしなくてよい、という意味ではない。[5]

この解析で使われた測定法にも区別がある。大きな解析群では前腕に貼ったパッチから全身の汗のナトリウム濃度を推定し、別の小さな解析群では全身を洗い流して直接測定していた。汗の濃度という同じ言葉でも、体の一部から推定した値と、全身から集めた値がある。研究を比べるときには、数字の大小の前に何を測ったかを見る必要がある。[5]

女子サッカーの研究も、汗の成分は太ももや背中のパッチで調べていた。運動前後の体重を使って求める汗の量と、パッチで調べる汗の濃さは、異なる測定を組み合わせた情報である。ウェアの濡れ具合を眺めるだけで、これらを同時に把握するには測定が要る。バッグに入れる飲み物の成分を細かく調整する前に、手元で分かることと測定が必要なことを分けておきたい。[7]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

短い運動でも、他人のボトルを基準にしない

室内テニスの研究では、男性16人が平均68.1±12.8分の試合を行った。男性選手の結果を18〜39歳の女性にそのまま当てはめることはできず、以下の数字は購入量の目安にはしない。室温は17±2℃で、発汗速度の平均は毎時1.1±0.4 Lだったが、個人の範囲は毎時0.3〜2.0 Lに広がった。同じような時間と室内環境でも、汗の量はそろっていなかった。[10]

飲んだ量も毎時0.31〜2.52 Lと幅があった。平均では失った水分の93±47%を補っており、体重の減少は平均0.15±0.74%と小さかった。この平均だけを見ると、選手たちは十分に飲めたように読める。しかし大きなばらつきを合わせて見れば、平均の飲水量を全員に配る発想は適切でないと分かる。[10]

この試合で失ったナトリウムの総量は平均1.1±0.4 g、範囲は0.5〜1.8 gだった。ここで測ったのはナトリウムの質量であり、そのまま同じ重さの食塩を示してはいない。また、失った量を測る研究と、その量を運動中に補って成績や体調が改善するかを確かめる研究は別である。[10]

隣で動く人が大きなボトルを空にしていても、それは自分の宿題にはならない。この研究はボクササイズの実験ではなく、男性テニス選手の測定である。参考になるのは、室内で比較的短い運動でも個人差が大きいという構造だ。毎時の数字をレッスン時間に掛けて、必ず飲み切る量を作るためのデータではない。[10]

短い運動の準備では、まず参加する内容と、途中で飲める場面を具体的にしておきたい。汗の量も飲んだ量も人によって違う以上、商品を選ぶ前に自分がどのような条件で動くかを確認する方が判断に近づく。「塩分入りを持った」という安心感と、その日に合う補給ができたことも分けておく必要がある。[7][10]

テニスの試合では心拍数も測っており、平均は毎分138±24拍だった。運動の多くは、呼吸の変化から捉える換気性閾値を下回る低強度であった。この測定条件を外して、数字だけを連続して激しく動く場面に移すことも避けたい。競技名や試合時間が似ていても、実際に動く強さも確かめる必要があるからだ。[10]

女子サッカーでは、両場面に参加した選手の体重変化も、練習では平均で増加、試合では減少という違いがあった。一方、飲水量には両場面で有意な差がなかった。汗の増加に飲水量の増加が伴わなかったという観察である。塩分入りかどうかを先に決めても、水分の出入りを考える作業まで済んだことにはならない。[7]

長く動く日に塩分を全部戻すと、何が変わるか

長い運動なら、失った塩分をそのまま戻すほどよいのだろうか。これを直接検討した小規模な無作為化クロスオーバー試験がある。男性7人、女性2人の計9人が、室温30℃で5時間のトレッドミル走を行った。男性が中心の少人数試験であり、18〜39歳の女性一般にも同じ反応が生じるかは、この結果だけでは判断できない。クロスオーバーとは、同じ参加者が条件を替えて比較に参加する方法である。[2]

運動の強さは最大酸素摂取量の60%で、事前に調べた汗のナトリウム損失を100%補う食塩のカプセルと、プラセボを比較した。飲み物は自由に飲める設定だった。塩分を補った条件でも、運動中に自由に飲んだ量や正味の水分収支に有意な効果はみられなかった。[2]

心拍数、直腸温、暑さの快適性、主観的なきつさ、生理的な負担の指標にも効果は認められなかった。一方で、血漿ナトリウム濃度、つまり血液の液体部分のナトリウムの濃さは両条件で上昇し、塩分を補った条件の方が上がり方が大きかった。失った量を埋めれば、体の中の濃度も自動的に望ましい方向へ動く、とはいかなかったのである。[2]

運動後24時間の自由な飲水量は、塩分を補った条件で2,541±711 mL、プラセボで1,998±727 mLだった。運動中の補給が、終わった後の飲水行動にも関係した点は見逃せない。ただし、これは長時間の暑熱下ランニングであり、短いボクササイズの後にも同じ差が生じると予測することはできない。[2]

この結果は「塩分補給は無意味」という否定ではない。少なくともこの条件では、損失を全量補っても全身の水分収支や熱の負担に実質的な利点がみられなかった、という結果である。長さだけを根拠に補給を増やすより、飲んだ水分との組み合わせまで見る必要がある。[2]

数字で読む飲み物選び

1,944回の発汗試験:汗のナトリウム濃度と個人・環境・運動要因との関連を調べた解析の規模である。[5]

17〜23%:その解析のモデルが説明できた汗のナトリウム濃度の変動であり、個人差のすべてを説明した値ではない。[5]

毎時0.3〜2.0 L:室内テニスを行った男性選手の発汗速度の範囲であり、読者の必要飲水量ではない。[10]

5時間:汗のナトリウム損失を全量補っても、水分収支などに利点がみられなかった走行試験の運動時間である。[2]

6人:運動後の飲み物のナトリウム濃度を変えて、回復期の水分収支を比較した試験の参加者数である。[12]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

author avatar
宮川涼 Founder

1

2

関連記事

ご体験予約