
乳酸値が低いことと、回復したことを分ける
乳酸が減ると疲労も同じだけ減るのか。この問いでは、何を測った研究なのかが決め手になる。チコリを使った予備的な試験は、未訓練の大学生32人を対象とし、男性は18人だった。参加者が異なる条件を順番に経験する無作為化クロスオーバー方式で、各飲料を7日間摂取し、条件の間に2週間の間隔を置いた。男女を含む未訓練大学生の結果を、18〜39歳の女性全体にそのまま当てはめるには、運動習慣や負荷の違いを考える必要がある。[8]
運動は、段階的に負荷を増して限界まで行う高強度の有酸素運動だった。チコリを含む条件では、限界まで運動できた時間が男性で8.3%、女性で12.2%延び、運動後の血中乳酸は男性で14.5%、女性で10.6%低下したと報告されている。運動の持続と乳酸の双方に変化があった小規模な試験である。[8]
仕組みを調べた部分では、培養した筋細胞を用いている。チコリに含まれるフェノール酸の一部は、乳酸の生成を担う側には影響せず、乳酸の酸化に関わる酵素を介した反応を促した。研究者は、乳酸酸化の促進が人での結果に関わる可能性を挙げている。[8] 人で見られた変化と、培養細胞で調べた仕組みは、実験の場所も確かめていることも異なる。
この結果から、その飲料がすべての人の回復を早める、乳酸を下げる食品なら何でも同じ、と広げることはできない。対象は未訓練の大学生で、運動は限界まで負荷を上げる条件である。[8] 週末の散歩や仕事帰りのレッスンの後に何を買うかを、直接決める試験ではない。
別の無作為化クロスオーバー試験では、余暇に自転車運動を行う12人を調べている。男性8人、女性4人で、平均年齢は35歳だった。チェリージュースとスポーツ飲料を比べ、運動中の乳酸や燃料の酸化に加え、筋肉痛、随意的に出せる最大の力、低頻度疲労を測定した。低頻度疲労とは、電気刺激の頻度が低いときに相対的に力が落ちる評価である。男性が多い自転車愛好者の結果であり、18〜39歳の女性全体への適用には対象と運動条件の違いが残る。[14]
運動は最大酸素摂取量に対する65%の強度で90分間自転車をこぎ、その後に10kmのタイムトライアルを行う構成だった。タイムトライアルはチェリージュースで17±3分、スポーツ飲料で17±2分であり、有意な差はなかった。乳酸を含む他の測定項目にも、飲料の条件間の差は認められなかった。[14]
一方、時間の経過に伴う変化はあった。運動直後には筋力が低下し、低頻度疲労が増え、24時間後には基準の状態に戻っていた。[14] 「飲料同士に差がない」と「運動しても変化しない」は別の結論である。比較の軸を取り違えると、回復の研究は読めなくなる。
チコリの試験とチェリーの試験は、食品も対象も運動も異なる。片方の結果で他方を否定することも、両方を合わせて特定の飲料を推奨することもできない。[8][14] ここから持ち帰れるのは、乳酸だけを見る試験と、力や疲労まで測る試験では、回復という言葉の中身が違うという読み方だ。
さらに、結果の大きさを読む際も指標の単位をそろえたい。運動時間の延長率と、血中乳酸の低下率は、それぞれ別の量に対する変化である。[8] 同じ割合の形で書かれていても、疲労がその割合だけ軽くなったとは読めない。チェリーの比較試験では運動の成績、燃料利用、筋肉の力をそれぞれ調べている。[14] 自分が知りたいのが次の運動の成績なのか、痛みなのか、血液の変化なのかで、読むべき結果も変わる。
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
同じ乳酸値でも、測った条件を先に読む
血中乳酸の数値を読むには、測定条件が必要だ。新型コロナウイルス感染後の状態における運動時乳酸を扱ったナラティブレビューは、乳酸が到達した運動負荷、運動時間、栄養状態、薬剤、採血の時点などに強く依存すると整理している。対象は感染後の症状がある成人であり、健康な人の運動メニューを比べた研究ではない。18〜39歳の健康な女性の運動後の値を、この患者集団から決めることはできない。[2]
同レビューに含まれる22人の対照群のない臨床観察では、平均の動脈血乳酸は安静時1.23±0.40mmol/Lから、最大運動時7.11±2.98mmol/Lに上昇した。ただしレビューは、検査の手順による違いの大きさを強調し、最大運動時の乳酸だけには診断に必要な特異性や標準化、検証済みの閾値が足りないとしている。[2]
この数字を一般の運動後の正常値として掲げることはできない。症状のある集団での記述的な観察であり、比較試験でもない。[2] 大きな値が出たという事実だけを抜き出して、健康な人の乳酸も危険だと説明すると、研究の対象が途中で入れ替わってしまう。
反対に、乳酸は燃料になるから、どんな場面の上昇も問題がないと考えるのも飛躍である。乳酸の値は複数の生理的な過程を反映し、感染後の状態でも単独の数値だけでは判断できない。[2] 物質としての役割を知ることと、検査値の意味を個人で決めることを区別したい。
運動後の飲料の試験でも、対象の違いは見逃せない。中年のトライアスロン選手12人を調べた無作為化二重盲検クロスオーバー試験では、ビタミンCとグルタチオンの併用条件で、他条件より運動後の血中乳酸が低く、代謝、筋肉の酸素化、循環などの測定項目にも差があった。中年の競技者の結果であり、18〜39歳の女性の普段の運動後にも同じ差が出るかは、この試験から判断できない。[19]
しかし、これは平均年齢約49歳の競技者が、最大酸素摂取量の70%に相当する強度で90分間自転車をこぐ条件での結果である。競技者の長時間運動で見られた差を、運動を始めたばかりの人の休息方法へそのまま移すことはできない。[19] 乳酸値の変化を見つけたら、まず参加者と運動条件へ戻る。その順序が、数字に引っ張られないための足場になる。

よくある誤解
「乳酸は疲労そのものなので、早く追い出すほどよい」。乳酸を疲労を起こす代謝の廃棄物とみなす理解は、乳酸の直接酸化や糖合成への利用を説明できない。乳酸を扱うレビューは、乳酸と疲労を同一視する認識を改めるべきだとしている。[20] 乳酸が下がる経路には、捨てるという言葉より使うという言葉が合う。
「息が整えば、乳酸も処理済みだ」。レビューが扱う筋肉の呼吸速度と、日常に感じる息の落ち着きは、そのまま置き換えられる測定ではない。[20] さらに乳酸の評価は測定時点や運動条件に依存する。[2] 電車を待つ間に会話ができるようになったからといって、体内の乳酸量までは分からない。
「乳酸を下げた飲料なら、筋力も早く戻る」。乳酸を下げた小規模試験がある一方、別の飲料比較では乳酸、筋力、筋肉痛などに条件間の差はなかった。[8][14] 測定した指標と比較対象を省いて、回復に効いたという言葉だけを残すと、商品の印象が研究の結論を追い越す。乳酸の変化は、次の運動の出来や翌日の力を自動的に保証するものとして読まない方がよい。[14]
今日からできること
- 運動後の記録では「息が落ち着いた感覚」と「脚の力や痛み」を別の欄に書く。12人の自転車試験でも、乳酸、筋力、筋肉痛は異なる項目として評価している。[14]
- 回復をうたう情報では、参加者と運動条件を先に読む。32人の未訓練大学生の限界運動と、12人の競技者の長時間運動を、同じ生活場面の結果として足し合わせない。[8][19]
- 「乳酸が何%減ったか」を見たら、何と比べたかも確認する。男性14.5%、女性10.6%という報告は、特定のチコリ飲料を比べた試験の値である。[8]
- 乳酸が糖の材料になるという説明を、食事を抜く理由にしない。直接酸化と肝臓での糖合成は、体内の使い道を述べた知見として受け止める。[20]
- 運動後の不調が続く場合、乳酸の自己判断だけで説明を終えず医師に相談する。感染後の状態を扱ったレビューも、乳酸単独では診断できないと整理している。[2]

オンザショアで、終わる時刻まで予定に入れる
続ける場所を選ぶときは、運動の前後を含めて生活に置けるかを考えたい。オンザショア立川店は営業時間が8:00〜23:30で、年中無休である。朝に予定を置くか、仕事帰りに立ち寄るかを考える際も、営業時間から帰宅までの流れを組み立てることができる。
所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F、JR立川駅北口から徒歩1分だ。溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガに加え、常温のヨガ、ピラティス、パーソナルトレーニングなどがあり、ヨガだけで25種類以上のレッスンがある。選ぶ際の情報は店のトップと料金で確認できる。
妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。ヨガの体験レッスンは税込1,980円で、60分のレッスン、バスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルを含む。体験の予約から予定を決められる。体験を予定に入れるなら、レッスンの開始時刻だけでなく、その後の帰路も含めて考えたい。続けるための枠を、通う時間と内容から選んでいく場所である。
参考文献
[8] Brussels Chicory Enhances Exhaustive Aerobic Exercise Performance and Post-Exercise Recovery, Possibly Through Promotion of Lactate Oxidation: A Pilot Randomized, Single-Blind, Placebo-Controlled, Two-Way Crossover Study — Mao Y, Huang J, Li S, Chen G, Du Y, Kang M, Zhu S, Zhang W, Xu Q, Wang Y, Ling W, 2025, Nutrients. DOI: 10.3390/nu17020365
[14] The effect of tart cherry juice compared to a sports drink on cycling exercise performance, substrate metabolism, and recovery — Gao R, Rapin N, Andrushko JW, Farthing JP, Gordon J, Chilibeck PD, 2024, PloS one. DOI: 10.1371/journal.pone.0307263
[15] A comprehensive review of the physiology and evidence base to guide the use of ergogenic and medical supplements for enhanced cycling performance — Rowland A, Edwards S, Prieto-Bellver G, Menz B, Rowland A, Cornelisse E, Karapet, 2026, Journal of the International Society of Sports Nutrition. DOI: 10.1080/15502783.2026.2630487
[19] Enhancing Supplemental Effects of Acute Natural Antioxidant Derived from Yeast Fermentation and Vitamin C on Sports Performance in Triathlon Athletes: A Randomized, Double-Blinded, Placebo-Controlled, Crossover Trial — Lee E, Park HY, Kim SW, Sun Y, Choi JH, Seo J, Jung YP, Kim AJ, Kim J, Lim K, 2023, Nutrients. DOI: 10.3390/nu15153324
[20] Physiological significance of elevated levels of lactate by exercise training in the brain and body — Lee S, Choi Y, Jeong E, Park J, Kim J, Tanaka M, Choi J, 2023, Journal of bioscience and bioengineering. DOI: 10.1016/j.jbiosc.2022.12.001
[2] Exercise lactate in post-COVID-19 condition: Pathophysiological signal, phenotyping tool, or candidate biomarker? A narrative review with a hypothesis-generating clinical observation — Sakellaropoulos SG, Spedicato V, Pfister O, 2026, Current problems in cardiology. DOI: 10.1016/j.cpcardiol.2026.103453
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
ヨガとからだの小さな疑問のほかの記事
- 腹筋ローラーの練習は動く前の想像を足す?初めての手順と実際の再現を読み解く
- 腹筋ローラーの膝マットは厚いほど楽?接触する圧と支える安定感を分けて読む
- 背中の筋トレは手首の帯で引いてよい?握る器具と肩の働きを分けて考える
- 背中の筋トレはワイヤーの高さを変えたら?重さと回数を比べ直すための記録
- 背中の筋トレは胸と交互に行う?次に引くまでの休み方と回数の落ち方を読む
- 背中の筋トレ前のコーヒーは回数を増やす?引く力と飲んだ量の関係を読み解く
- 背中の筋トレは水分不足で回数が減る?最大の力と繰り返す力を分けて読む
- 背中の筋トレは休んだ分だけ戻るのが遅い?再開後の重量と筋肉の戻りを読む
- ワイドスクワットは踵の高い靴で深くなる?靴を替えた日の記録と膝の負担を読む
- ワイドスクワットは担いで何歩下がる?移動の手順と本番の疲労を分けて読む
- ワイドスクワットは速さを画面で知ると頑張れる?測定と励ましの違いを読む
- ワイドスクワットは普通の足幅と交互に練習する?翌日の再現と応用を分けて読む
- ワイドスクワットの静止で酸素は届かない?キープ中の筋活動と血流を分けて読む
- ワイドスクワットは何キロ持てる?速さから推定した重さを初心者が読む条件
- 有酸素運動と無酸素運動の睡眠差|寝つき・途中覚醒・深い段階を分けて見る
- 有酸素運動・無酸素運動の集中力は返信前に頼れる?宛先の確認と速く答える検査の距離
- 有酸素運動と無酸素運動の糖質は蓄えで変わる?主食を減らす前に読む自転車試験
- 有酸素運動の汗で無酸素との境目は分かる?冷房の部屋と蒸し暑い日の比較
- 腹筋の筋トレは食後すぐだと重く感じる?待ち時間より先に比べたい胃の条件
- 腹筋筋トレのレッグレイズは両脚?片脚の屈曲角度と腹筋の筋電を分けて読む
- 腹筋の筋トレの筋電図は貼る間隔で変わる?数値を比べる前に測定条件を読む
- 腹筋の筋トレは毎回メニューを替える?飽きにくさと動きを確かめる条件を読む
- 腹筋の筋トレは急に引かれる練習も必要?負荷の予告と姿勢の反応を読み解く
- サイドプランクは息を吸うほど揺れる?肋骨の動きと支える調節を読み解く
- 内転筋の筋トレは一度強く挟むと力が残る?直前の収縮と次の出力を読み解く
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
2







