ワイドスクワットの回数はいつ増やす?週のセット数と筋肉の成長の関係を読む

ワイドスクワットの回数を増やす前に、一度の反復と週のセット数を分けて考える。若い女性のメタ分析、経験者の比較試験、練習量を減らした研究から、多いほど伸びるとは限らない理由を読む。内ももへの当てはめの限界と、重さや実施日を残して増量を判断する記録の視点も示す。

足を広げてしゃがみ、昨日と同じ回数で立ち上がる。まだ続けられそうだが、今日から回数を足すべきか。それとも休みを挟んでセットを足すべきか。ワイドスクワットの増量を考えるとき、まず分けたいのは、この違いである。

答えの芯は、週の練習量を見ながら増やすこと、そして増やした分だけ筋肉が成長するとは考えないことだ。筋肉の厚さが増す筋肥大を調べた研究では、多いセット数が有利だった例も、従来の量を保った場合と差がなかった例もある。[16][20]

ここでは足幅の正解や内ももの感覚ではなく、増量をどう判断するかを扱う。既存記事「ワイドスクワットはゆっくりほど効く?一回の秒数と扱える重さの交換関係を読む」に動作速度の論点を譲り、日々の回数を週の記録につなぐ。既存記事「ワイドスクワットがきつい時は座って休む?次の回数と回復の指標を分けて読む」の休憩姿勢と回復の論点にも立ち入らず、こちらは週間量の変更と長期の成長に焦点を置く。

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回数を増やした日と、週の量が増えた週は違う

筋トレの量を読む際は、反復回数、セット数、実施日を別々の欄にしたい。連続して動作を繰り返すまとまりがセットであり、その中で何回動いたかが反復回数だ。研究には、筋群ごとの週間セット数を変え、種目や反復範囲、頻度を一定に保って比べる設計がある。この区別によって、単に「たくさん動いた」よりも比較の条件がはっきりする。[16]

夕食前にいつもより長く続けても、その週の別の日に練習を取りやめたなら、週全体では増量にならない場合がある。これは計画を整理するための考え方だ。今日の達成感を否定する必要はない。ただ、その感覚と、週を通して何を実施したかは、ノートの別の欄に置ける。

さらに、同じセット数でも中身が違う。経験者を対象にした週間セット数の比較試験では、反復範囲や休憩、種目をそろえていた。自宅の記録でも、持つ重さや動く範囲まで一度に変えると、後日の変化が何によるものかを追いにくくなる。この試験の読み方を日常に移すなら、増やす項目を意識し、変えた条件を書き添える方法になる。[16]

週のセット数は、ワイドスクワットだけを数えれば筋肉ごとの負担が完成する数字でもない。試験で扱われたのは「筋群ごと」の週間セット数である。ほかの下半身種目も行っている人は、種目別の欄を残しておくほうが、何を加えた週だったかが分かる。複数の運動をすべて同じ価値のセットとして合算するところまで、この比較を広げる必要はない。[16]

帰宅後の自重運動と、重りを使う練習は、数字が同じでも負荷の条件が異なる。セット数は比較の入口であり、負荷や種目を消してしまう万能の単位ではない。研究がほかの条件を一定にしていた意味は、数字を読むときほど大きくなる。[16]

このため、「何回なら効くか」を探す前に、自分が何を増やそうとしているかを言葉にしたい。続けて動く回数を増やすのか、休みを挟んだまとまりを足すのか、実施する日を増やすのか。同じ増量という言葉でも、予定表への影響は異なる。記録の見出しを分けるだけなら、練習時間を長くする必要もない。

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若い女性では練習量に意味があるが、最多が最良とは限らない

健康な若い女性の研究をまとめた系統的レビューとメタ分析では、18〜35歳を対象とした40報、計1,312人が含まれた。メタ分析とは、複数の研究結果を統計的にまとめる方法である。筋トレによる除脂肪量・筋肥大の改善は標準化平均差0.4、95%信頼区間は0.2〜0.5だった。筋力の改善は1.2、同区間は0.9〜1.5である。[17]

標準化平均差は、測り方の違う成果を共通の尺度で比べる数字だ。筋肉がその割合で増えたという意味ではない。信頼区間は推定の幅を示す。この研究では、筋肉の量や厚さと、力を出す能力を別の成果として評価している。スクワットの回数が伸びた日と、筋肉そのものが大きくなった日を同一視しないために、この分け方が役立つ。[17]

同分析では、セッション数が多いことと除脂肪量・筋肥大の変化に関連があった。一方、週間の練習量と筋力変化の関連は、通常の統計的有意水準に届かず、境界に近い結果だった。研究間の条件を照らし合わせる分析であり、本人のワイドスクワットを増やせば必ず伸びると証明するものではない。量を無視しない根拠と、増やすほど確実という保証は分けて受け取りたい。[17]

より身近な対象を扱う試験として、筋トレ習慣のない若い成人女性45人を、週間の実施頻度が異なる群に割り付けた研究がある。週3回、4回、5回のプログラムを8週間比較し、39人が完了した。各回に12種目を行う内容であり、自宅でワイドスクワットだけを行う条件とは違う。[15]

この試験では、すべての群で最大筋力と筋肉の厚さが改善し、中程度の量に当たる週4回の群が、低量・高量の群より良好だったと報告された。筋肉の厚さについての群と時間の交互作用、つまり時間に伴う変化が群によって異なる程度を示す指標は、偏η二乗0.368だった。[15]

ここから受け取れるのは、若い女性でも練習量と成果の関係には、中程度の量が有利になる例があるという点である。週4回という数字を、ワイドスクワットの推奨頻度に置き換える読み方は避けたい。種目の数も週間計画も異なる試験だからだ。予定表の空欄をすべて埋めれば勝ち、という競争ではない。[15]

筋肉の厚さは太もも外側にある外側広筋を超音波で測っていた。ワイドスクワットを検索する読者が気にする内ももの変化とは、測定部位が異なる。女性の研究であることは参考になるが、対象者が近くても、種目と部位は別に確認したい。論文の数字は、その測った場所に置いて読む必要がある。[15]

経験者の試験では、多い量が有利な場合と差がない場合がある

筋トレ経験者の男性を対象にした比較試験では、筋群ごとに週16、24、32セットを行う群へ、それぞれ9人を割り付けた。期間は8週間で、種目、順番、頻度、反復範囲、休憩などは一定にしていた。どの群でも、ベンチプレスとパラレルバックスクワットの最大挙上重量、測定した筋肉の厚さが増加した。男性経験者の結果を18〜39歳の女性にそのまま当てはめるには、性別や練習経験の違いを考える必要がある。[16]

そのうえで、週32セットの群は週16セットの群に比べ、下半身の筋力と筋肉の厚さの増加の程度が大きかった。高い練習量に利点があった試験である。ただし、経験者男性の筋群ごとの総量を比べた結果であり、初心者がワイドスクワットだけで同じ数を目指す処方にはならない。内ももの成長を直接測った結果として読むこともできない。[16]

別の経験者男性の無作為化試験は、固定したセット数ではなく、それまでの週間セット数を基準にした。従来の量を維持する群、30%増やす群、60%増やす群を比べ、下半身を週2回、8週間練習した。割り付けられた55人のうち完了者は29人だった。経験者男性での比較なので、18〜39歳の女性に同じ増量率と成果の関係をそのまま当てはめることはできない。[20]

筋肉量や筋厚には群間差がなく、最大挙上重量は維持群、限界まで繰り返せる回数は30%増量群が最も大きな改善を示したと報告された。筋肉のサイズ、筋力、反復を続ける力では、増量に対する結果が異なった。完了者が限られる試験である点も踏まえ、増量の効果を過大に見積もらない読み方が必要だ。[20]

この違いを、どちらかの研究が間違いだと片づける必要はない。決まった週間セット数同士を比べる設計と、本人の従来量から増やす設計では、出発点の捉え方が違う。自分の判断に近いのはどちらか。すでに練習している人が「来週から足すべきか」と迷う場面なら、現在の量を基準にした試験も読む価値がある。[16][20]

もう少し丁寧に比べるなら、試験の開始前にどれだけ行っていたかにも注目する。初めから決められた量を与えられる場合と、本人の普段の量に上乗せする場合では、「増やした」の意味が異なる。研究の表題に高量とあっても、自分の現在地を省いて、その高量だけを目標にする必要はない。従来量を基準にした試験があること自体、出発点を記録する意味を教えてくれる。[16][20]

また、最大挙上重量は、最大で持ち上げられる重さを調べる指標である。筋肉の厚さは超音波で調べていた。扱える重さの更新と筋肉の厚さの変化は、同じ検査の言い換えではない。重さの記録が伸びたときには、その成果として受け取ればよい。そこから内もものサイズも同じ程度に変わったと推測して、セット数を追加する必要はない。[16]

数字で読む週間セット数と増量

40報・1,312人:若い女性の筋トレ効果をまとめた分析の規模である。[17]

週16・24・32セット:経験者男性の試験で比較した筋群ごとの量である。[16]

30%・60%増量:従来量の維持と比べ、筋肉のサイズに群間差がなかった試験である。[20]

20%・120%増量:経験者男女の試験で、より大きな増量が筋肥大を上乗せしなかった。[1]

8週間:これらの比較試験の観察期間であり、生涯の最適量を決める数字ではない。[1][16][20]

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宮川涼 Founder

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