腹筋ローラーは腕にしか効かない?肩の支えと腹直筋の活動を分けて読む

腹筋ローラーで腕が先に熱いとき、腹直筋が休んでいるとは限らない。18人のロールアウトでは腹直筋上部が最大随意等尺性収縮時の筋活動の63%まで上がった。前鋸筋がほぼ140%まで跳ねた滑りでも腹への課題は残り、固めるとクランチと差がない。肩の支えと腹は別の数字だ。

フローリングに輪を置いて膝をつく。一往復しただけで先に熱いのは腹ではなく、腕の付け根と、肩甲骨の内側だ。その熱さを、腹筋ローラーは腕にしか効かない、の証拠にしてしまう前に、電極が拾った筋肉を分ける。

熱い場所と、よく働いた筋肉は、いつも同じではない。スイスボールの上で体を前へ転がした試験では、腹直筋の上部がその人の最大随意等尺性収縮時の筋活動の63%まで上がり、太もも前面の大腿直筋は6%から10%の低い側に残った[1]。肩の付け根が焼けても、腹が休んでいたことにはならない。

肘の角度は公開済みの「腹筋ローラーは肘を曲げてもよい?腕の長さと肩・お腹の負担を分けて読む」、補助ばねは「腹筋ローラーの補助ばねはいつ助ける?戻しやすさと腹筋への負荷を分けて読む」、往復の違いは「腹筋ローラーは戻る時も同じ負担?転がす方向と腹筋の働きを研究で読み解く」に譲る。ここでは肩を支える筋肉と腹直筋の活動を分けて読む。

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腕が熱い夜は、腹の電極が黙った夜ではない

これらの試験の筋電図は、皮膚の上から筋肉の電気的な活動を拾い、最大限に力を入れて姿勢を保つ最大随意等尺性収縮(MVIC)時の筋活動を基準に、割合で表している[1]。%MVICは力そのものの割合ではなく、基準時に対する筋活動の割合だ。感じた熱さそのものは測っていない。腕が先に限界を迎えたという体験は、腹直筋の数値が低かったという記録とは別の出来事だ。

集められた18人が参加した実験室内の反復測定試験で、スイスボールの運動8種と、クランチ、膝を曲げたシットアップを、それぞれ5回ずつ行わせた試験がある。右側の腹直筋上部・下部、外腹斜筋、内腹斜筋、広背筋、腰の脊柱起立筋、大腿直筋を記録した。ロールアウトでは腹直筋上部が63%MVIC、下部が53%MVIC、外腹斜筋と内腹斜筋がいずれも46%MVICで、ほとんどの他の運動より有意に大きかった[1]。同じ試験のパイクは、腹直筋上部が46%MVIC、下部が55%MVIC、外腹斜筋が84%MVIC、内腹斜筋が56%MVICだった[1]。前へ転がすロールアウトは腹直筋上部がパイクより高く、脇腹の外腹斜筋はパイクの方が高い。この差を一つの腹の仕事へ畳むと、見えなくなる。

他の運動の腹直筋上部は7%から53%MVIC、下部は7%から44%MVICで、ロールアウトの上部63%、下部53%はそれぞれの範囲を上回った[1]。対象は集められた18人で、その場の筋活動を比較した結果だ。長期の体型の変化を調べた試験とは区別する。

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吊ったロールアウトでも、腹は半分を超える

床の輪ではなく、吊り具で体を前へ送り出すロールアウトを、活動的な男性17人が行った試験では、腹直筋と外腹斜筋の活動が最大随意収縮の60%を超えるか、そのすぐ手前の55%に達した[6]。比べたのはロールアウト、ボディソー、パイク、ニータックの4つで、腹直筋と腹斜筋が最も高かったのはロールアウトだった[6]。男性だけ、吊り具だけ、という条件であり、18〜39歳の女性が床で行うローラーへ、そのまま当てはめることはできない。

大学生20人が、安定した床と吊り具で、プランクの形を8通り行った試験もある。休む間隔は1分。吊ったうつ伏せのプランクと、吊ったロールアウト・プランクが、腹直筋上部で最も高く、腹直筋下部が最も高かったのは吊ったロールアウト・プランクだった[5]。外腹斜筋もこの2つが高く、吊った側方のプランクとは有意な差がつかなかった[5]。腰の脊柱起立筋が最も高かったのは、吊った側方プランクと、床の側方プランクである[5]。腹の筋活動が高かったのは前へ伸ばす吊り方で、腰の筋活動が高かったのは横向きだった。大学生を対象としたその場の比較であり、18〜39歳の女性全体の反応や、続けた後の筋肉の厚さを示す結果ではない。

数字で読む肩の支えと腹直筋

  • スイスボールのロールアウト、18人・5回。腹直筋上部63%、下部53%MVIC。大腿直筋は6%から10%の低い側[1]。
  • 吊り具のロールアウトとボディソー、活動的な男性17人。腹直筋と外腹斜筋が60%MVC超、または55%付近[6]。
  • ボディソー、男性14人。前鋸筋がほぼ140%MVC。背骨の圧縮は2500N未満。脚を伸ばして吊る挙げは腹直筋が130%MVCを超え、圧縮はおよそ3000N[7]。
  • ホイールのパイク、ニーアップ、ロールアウト。健康な男女21人、23歳から43歳。腹直筋の上下、内腹斜筋、広背筋が最も高い群[2]。
  • ホイールの上で固めた等尺性のV字、21人。腹直筋上部・下部と外腹斜筋は、クランチと統計的な差がなかった[9]。
  • 別手順のうつ伏せロールアウト、若い女性14人と男性6人。腹直筋はごく小さく、脊柱起立筋は31±9%MVIC[10]。

広背筋は、腹が働くときの余りではない

ホイール器具を使った試験は、健康な男女21人、年齢は23歳から43歳を対象に、腹の筋肉と、腹以外の筋肉を同時に見ている。腹直筋の上部と下部、内腹斜筋、広背筋の活動が最も高かったのは、ホイールのパイク、ニーアップ、ロールアウトと、ストラップで行うハンギング・ニーアップ、30度傾けたリバースクランチだった[2]。外腹斜筋が最も高かったのも、ホイールのその3種と、ハンギング・ニーアップである[2]。ロールアウトは、腹の列と広背筋の列の両方で最も高い側に入っている。腕の側が働いたから腹が空いた、という並びにはなっていない。男女を合わせた結果で、18〜39歳の女性だけの反応としてそのまま当てはめることはできない。

同じ試験で、大腿直筋が最も高かったのはホイールのパイクとニーアップ、30度のリバースクランチ、膝を曲げたシットアップで、ロールアウトはこの文には名前がない[2]。腰の脊柱起立筋はどの運動でも低く、運動のあいだで似ていた[2]。著者らは、パイクとニーアップなどで大腿直筋が高いことは、腰痛のある一部の人には問題になりうると書いている[2]。ロールアウトを、その注意の文には置いていない。

18人のスイスボール試験の結論も、ロールアウトとパイクを、腹直筋の上下、内外の腹斜筋、広背筋を活動させるうえで最も有効で、腰の脊柱起立筋と大腿直筋は抑えた運動だとまとめている[1]。結果の文を見ると、広背筋の信号が最も大きかったのはパイク、ニーアップ、スキーヤー、左右の股関節伸展、デクラインの腕立てで、17%から25%MVICだった[1]。ロールアウトはこの「最も大きい」列には挙がっていない。最も小さかったのは座位のマーチ、クランチ、膝を曲げたシットアップで、7%から8%MVICである[1]。広背筋を活動させる有効群と、活動が最も大きい群は分けて読む。腰の脊柱起立筋は、どの運動でも10%MVIC未満だった[1]。大腿直筋が最も高かったのは左の股関節伸展で35%MVIC、最も低かった側にロールアウトが入り、その幅は6%から10%MVICである[1]。

腹直筋と広背筋の割合は、それぞれの筋肉の基準に対する値だ。割合だけで両者の力の大小は比較できない。腕が熱い感覚を、広背筋が腹の代わりをしていた証拠にするより、各筋肉がどの運動で活動したかを分けて読む。

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宮川涼 Founder

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