
横向きでも、骨盤と体幹の課題は同じではない
同じ「横向き」の種目名でも、使われ方が異なる。中臀筋に弱さのある若い女性21人を対象に、横向き脚上げ、膝を曲げて開くクラム、横向きで体を支えるサイドブリッジを比較した実験がある。中臀筋だけでなく、腰の横にある腰方形筋などの活動も記録した。[16]
中臀筋の活動は、クラムで25.67±13.78%、横向き脚上げで54.38±18.61%、サイドブリッジで66.67±39.50%だった。腰方形筋は同じ順に31.29±20.69%、79.90±36.96%、121.62±31.72%となった。クラムは他の種目より両筋の活動が有意に低く、横向き脚上げの腰方形筋活動はサイドブリッジより有意に低かった。[16]
この比較で面白いのは、中臀筋の値だけを追うと見えなくなる部分だ。サイドブリッジでは、中臀筋に対する腰方形筋の関わり方も変わり、中臀筋と腰方形筋の活動比は他の種目より低かった。難しそうな形へ進めば、狙った筋だけが段階的に増える、という単純な階段ではない。[16]
体幹の横の筋を測った別の比較実験も、この区別を補強する。女性35人を含む63人で、横向き脚上げや横向きプランクなどを比べたところ、横向き脚上げは、比較した課題の中で内腹斜筋と外腹斜筋の活動が最も低かった。男女混合の比較なので、18〜39歳の女性だけの順位へ一般化するには検証が必要だ。最大随意収縮を基準とする値は、それぞれ48%と20%だった。[4]
脚を上げたときに体を支えている感覚があっても、それだけで体幹の横の筋を最も強く使う種目とは決められない。逆に、体幹の活動が小さかったことを理由に、その脚上げ全体を「意味がない」とすることもできない。何を働かせる課題として比べた研究なのかが先にある。[4][16]
骨盤の動きまで記録した健康な若い男性22人の実験では、腹部を引き込む操作と手で加える抵抗を組み合わせた条件で、抵抗だけの条件より骨盤の横への傾きが減り、筋活動の組み合わせも変わった。ただし研究者は、その場の実験的な反応として扱い、臨床への適用は今後の課題としている。腹部への合図を、18〜39歳の女性への適用は、女性を対象とした検証を待つ必要がある。[18]
これらの比較をレッスンの会話に移すなら、「もっと高く」だけでは質問が足りない。「骨盤ごと動いているのか」「脚を動かす課題なのか、体を支える課題なのか」と確認できる。高さの指示を受けたら、その高さで何を観察したいのかを聞く。横向きという外見の共通点を、同じ負荷の保証にはしない。[4][16][18]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
筋活動の順位と、続けた後の変化を混ぜない
中臀筋の運動を集めた系統的レビューは、けがのない参加者を調べた20研究、33種目を整理している。最大等尺性随意収縮に対する筋活動を基準として、低い、中程度、高い、非常に高い、という区分を用いた。股関節を開く、回すといった運動は、中程度から非常に高い活動まで幅があった。[13]
この整理は、運動の選択肢を考えるときに役立つ。しかし、それぞれの種目を長期間続けた後の筋力増加を順位にした表ではない。もとの指標は運動中の筋活動であり、研究間で同じ名前の種目にも変法が含まれる。種目名を検索して最も高い数字を見つけても、それだけで自分の練習計画は完成しない。[13]
続けた後の変化を直接調べた試験として、健康で活動的な男女31人を、外部負荷ありとなしの横向き脚上げに割り付けた研究がある。期間は6週間。負荷なしでは脚の重さを使い、負荷ありでは最大で10回反復できる相対的な負荷を用いた。[12]
外部負荷ありの群では、鍛えた側の等尺性筋力が12%、筋肉が伸ばされながら力を出す伸張性筋力が17%増加した。一方、研究全体の結論は、外部負荷ありとなしで、それらの筋力は同程度に増えたというものだった。外から重さを加えたほうが、この試験で明確に優れていたとは読めない。[12]
ここで「重りはいらない」と言い切るのも、「10回できる重さを選ぶべきだ」と全員に勧めるのも、試験の範囲を越える。対象は健康で活動的な男女で、比較した期間と方法における結果だ。少なくとも、道具を足したかどうかだけで、練習の価値を二分する必要はない。[12]
さらに、同じ人の中でも、繰り返した後には別の変化が起こる。腰痛の既往がある12人と対照の12人を調べた実験では、横向きの股関節外転を30秒ずつ繰り返した。外転トルクは全体で1.57±0.36から1.12±0.36N・m/kgへ低下し、群間の差はなかった。腰痛の既往がある人では、運動中の大臀筋活動がより大きい時点があった。腰痛歴の有無を比較した結果であり、18〜39歳の女性一般へそのまま広げるには検証が要る。[5]
この実験は、同じ種目でも、繰り返しの前後や参加者の背景によって、力と筋活動の関係をそろえて扱えないことを示す。終盤にきつくなったからといって、その瞬間に脚の重力条件だけが大きくなったと説明するのは早い。疲れの感覚そのものの詳しい話は、隣の「ピラティスは疲れると同じ脚の位置も重く感じる?力の感覚と角度を読み分ける」に譲りたい。[5]

よくある誤解
「いちばん高いところが、いちばん重い」は、何を測ったかを抜かした言い方である。角度を変えた最大努力の実験では外転トルクが下がり、筋活動の実験では脚の向きと局面の組み合わせで値が変わった。上ほど大変という体験を否定する必要はないが、それを重力、発揮できる力、筋活動のすべてに共通する法則にはできない。[3][14]
「筋電図の数字が大きい種目ほど、将来の筋力も必ず増える」も飛躍がある。筋活動を分類した系統的レビューと、筋力の変化を測った無作為化比較試験は、調べたものが違う。練習中の活動の高さと、続けた後の変化を、それぞれの研究の指標として読む必要がある。[12][13]
「同じ中臀筋の種目なら、誰でも同じ順位になる」という順位表には、対象の確認が要る。男性11人が横向き脚上げ、クラム、股関節外転のマシンを行った実験では、中臀筋の活動に種目間の差はなかった。男性だけの結果を18〜39歳の女性へ直接当てはめることは避ける。一方、中臀筋に弱さのある若い女性の比較では、クラムの中臀筋活動は他の種目より低かった。対象と条件が違う結果を、片方だけ採用して全員向けの順位にしない姿勢が必要だ。[2][16]
男性の実験では、大腿筋膜張筋の活動は横向き脚上げで他の種目より高く、中臀筋との活動比はマシンで大きかった。これは中臀筋だけの活動量と、他の筋との比を分ける例でもある。「お尻に効く」という短い言葉の中に、どの筋の何を比べたかが隠れている。[2]
今日からできること
- 高さを比べる前に、脚の向きと、上げる途中か戻す途中かを確認する。男性12人の実験は、股関節の位置9通りと局面を分けて評価している。足先の到達点だけで前回と比べないための観察項目になる。[14]
- レッスンでは「どの高さが正解か」に加えて、「脚を動かす課題か、体を支える課題か」を尋ねる。女性21人の比較では、横向きの3種目で中臀筋と腰方形筋の活動が異なった。[16]
- 重りを追加したいときは、脚の重さだけで行う条件も含めて指導者と相談する。健康で活動的な男女31人の6週間の試験では、追加負荷の有無で筋力の改善は同程度だった。実験の10回という設定を、そのまま自己流の処方にしない。[12]
- 練習記録には高さだけでなく、同じ動きの前半と後半の違いも言葉で残す。30秒の収縮を繰り返した実験では、外転トルクが低下していた。終盤の難しさを、角度の説明だけで片付けないためである。[5]

オンザショア立川店で、マットに向かう時間を選ぶ
脚の高さだけで練習を採点せず、動きの目的を確かめながら続ける。その時間と場所を生活の中に選びたい。オンザショア立川店の営業時間は8:00〜23:30で、年中無休である。所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F。JR立川駅北口から徒歩1分の場所にある。仕事や講義の予定と照らし合わせ、運動の時間を生活の中に置くための条件になる。
ピラティスのほかに常温のヨガ、溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガがあり、ヨガだけで25種類以上のレッスンを扱う。パーソナルトレーニング、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIITもある。用意されている種目を確認し、自分が続ける場を検討できる。
妊娠中は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。
体験を検討する場合、ヨガは60分で税込1,980円となる。ヨガマットに加え、バスタオル2枚とフェイスタオル1枚のレンタルも含む。ピラティスを考えている人も、この案内はヨガの体験料金として確認したい。
通い方の確認には料金ページ、店の情報には公式サイト、ヨガの体験には予約ページを利用できる。
参考文献
- Hip abduction machine is better than free weights to target the gluteus medius while minimizing tensor fascia latae activation — de Almeida Paz I, Frigotto MF, Cardoso CA, Rabello R, Rodrigues R, 2022, Journal of bodywork and movement therapies. DOI: 10.1016/j.jbmt.2022.01.001
- THE INFLUENCE OF HIP JOINT ANGLE ON THE RATIO BETWEEN ADDUCTION AND ABDUCTION TORQUE IN EXPERIENCED, RECREATIONAL MALE ICE HOCKEY PLAYERS — Welsh P, Howitt S, Howarth SJ, 2020, International journal of sports physical therapy. DOI: 10.26603/ijspt20200022
- Surface Electromyography of the Internal and External Oblique Muscles During Isometric Tasks Targeting the Lateral Trunk — Kinney AL, Giel M, Harre B, Heffner K, McCullough T, Savino M, Scott A, Barrios, 2020, Journal of sport rehabilitation. DOI: 10.1123/jsr.2018-0442
- Hip-abduction torque and muscle activation in people with low back pain — Sutherlin MA, Hart JM, 2015, Journal of sport rehabilitation. DOI: 10.1123/jsr.2013-0112
- Hip abduction strength training in the clinical setting: with or without external loading? — Thorborg K, Bandholm T, Petersen J, Weeke KM, Weinold C, Andersen B, Serner A, M, 2010, Scandinavian journal of medicine & science in sports. DOI: 10.1111/j.1600-0838.2010.01186.x
- A Systematic Review of Rehabilitation Exercises to Progressively Load the Gluteus Medius — Ebert JR, Edwards PK, Fick DP, Janes GC, 2017, Journal of sport rehabilitation. DOI: 10.1123/jsr.2016-0088
- Muscle activity of deep hip muscles across joint positions and elevation phases during side-lying hip abduction — Uebayashi K, Okubo Y, Akasaka K, Adachi G, Oshikawa T, Matsunaga N, Kaneoka K, 2026, PeerJ. DOI: 10.7717/peerj.21536
- Comparison of the Effects of 3 Side-lying Exercises on Electromyographic Activities of Lumbopelvic Muscles in Young Females With Hip Abductor Weakness — Nam SJ, Oh DW, 2025, Journal of manipulative and physiological therapeutics. DOI: 10.1016/j.jmpt.2025.09.016
- Effects of the Abdominal Draw-In Maneuver with Manual Resistance on Lumbopelvic Muscle Activity and Lateral Pelvic Tilt During Side-Lying Hip Abduction — Kim DW, Shin HS, 2026, Medicina (Kaunas, Lithuania). DOI: 10.3390/medicina62050927
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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