ピラティスのやり方は速いほど力が出る?筋肉が縮む速さと負荷の関係を読む

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手足の速度だけでは、筋肉の速度は分からない

マットの上で見えるのは、脚や腕、体幹の動きである。しかし筋肉は、弾力を持つ組織とともに働いている。Robertsのレビューは、腱などの弾性組織が筋肉の収縮する部分の速度を変え、その力、パワー、仕事に影響すると説明している。外から見える動きと、力を生む部分の縮む速さを、同じものとして扱えない理由である。[15]

弾性組織は、力を受けて変形し、蓄えたエネルギーを戻す性質を持つ。レビューでは、ゆっくり蓄えた仕事を速く解放することで、非常に速い動作のパワーが増幅される仕組みが扱われている。逆に、着地などで急に受け取ったエネルギーを、筋肉の収縮する部分へゆっくり伝える働きも論じられる。[15]

これは、ピラティスの動作を跳躍と同じだとする話ではない。映像で手足が同じ速度に見えても、筋肉と腱の内部の分担まで同じとは決められない、という読み方につながる。[15] スマートフォンで撮った動作の速さは、動作を見直す情報にはなる。しかし、それだけで筋肉の短縮速度を測ったことにはならない。

動きの前後関係も重要である。Groeberらの系統的レビューは、動物と人の単一関節運動を対象とした25研究を整理し、伸ばされた後に縮む場合には、縮むだけの場合より力や仕事が増える効果を報告している。18〜39歳の女性が行う全身のピラティスへそのまま当てはめるには、対象と動作の違いを確かめる必要がある。この一連の働きを、伸張短縮サイクルと呼ぶ。[13]

同レビューでは、結果に関わる条件として、縮む速さや距離、伸ばされる距離、伸ばされてから縮むまでの時間、あらかじめ活動している時間が挙げられる。伸ばされる速さについては、結果が一致していなかった。[13] したがって「素早く戻してから押せば必ず強くなる」とまとめることもできない。切り返しを含む動作では、押している最中の速度だけを切り取らないことが大切だ。

たとえば、静かに止まったところから脚を動かす場合と、戻る流れのまま次の動きへ移る場合を比べるとしよう。この比較を「速いか遅いか」だけで記録すると、動き始める前の条件が消えてしまう。伸張短縮サイクルの研究が示す複数の条件を踏まえるなら、直前に何をしていたかも添えておきたい。[13] 速さという短い言葉の中に、準備と切り返しまで押し込めないためである。

また、戻る局面で筋肉が伸ばされながら働く場合は、縮む局面と分けて考える。これは伸張性収縮と呼ばれる。力速度関係のレビューによると、取り出した筋肉の実験では伸張時に静止時より大きな力が出る一方、人の体内での測定では、増加が小さい、変わらない、減るという結果もある。[17]

その相違に関わる候補として、試験への慣れ、あらかじめ負荷をかける条件、温度、神経による抑制などが論じられている。[17] 「筋肉は伸ばされると必ず最大の力を出す」と言い切るより、人の実際の動作では条件によって見え方が違うと理解したい。押す速さの説明を、そのまま戻す速さの説明に貼り付けないことである。

器具の動き出しに生じる負担は、既存記事「マシンピラティスは動き出しだけ重い?一定の速さと加速の負担をどう読むか」に譲る。ここで考えているのは筋肉が縮む速度と力の対応である。また、隣の「ピラティスで同じ力でも角度が違うときつい?筋肉の長さと力の関係を読み解く」では、長さの側から同じ動作を読む。速さを比べたい日には、角度や範囲まで変わっていないかを問いとして残しておくとよい。

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よくある誤解

「速く動ける人ほど、どんな場面でも大きな力を出せる」という誤解がある。筋肉は軽い負荷のほうが速く縮めるため、速さだけでは相手にしている抵抗が分からない。[19] レッスンで動きを見比べるなら、押す相手や姿勢も確かめたい。同じ動作名でも条件まで一致したとは限らず、速さの順位をそのまま力の順位にはできない。

反対に「ゆっくりなら常に最も強く、最もよい練習になる」という読み方も行き過ぎる。活動的な高齢男性の実験では、速く、投げるつもりで行う条件のほうが、力やパワー、筋肉の活動が大きかったが、18〜39歳の女性に適したテンポを直接示す結果ではない。[8] 力速度関係だけから、全ての練習をゆっくりに統一すべきだという処方は出ない。何を測るか、どんな目的で行うかを決めてから、速度の意味を考える必要がある。

ここで「その場で大きな数値が出る」ことを、レッスンの唯一の目標にしなくてもよい。動かし方を覚えたい日には、指示された位置を通れたかという問いがある。力やパワーを比較する実験とは、確認したい成果が異なる。実験で大きかった値を、そのまま初心者が追うべき速度へ変換しないことが肝心だ。[8]

もう一つは「戻すときは筋肉が働いていない」という誤解である。筋肉は伸ばされながらも力を出し、そのときの力速度関係は縮む場合と異なる。ただし人では伸張時の力の増え方が一致しない。[17] 戻す局面に注目することと、できるだけ速く戻すことは同じではない。行きと帰りをひとまとめにせず、どちらで何を支えているのかを言葉にしたい。

この区別は、疲れ方の感想を伝えるときにも役立つ。「速くするときつい」だけでは、押す局面なのか、切り返しなのか、戻す局面なのかが分からない。短縮と伸張の違い、そして動作の前後で力や仕事が変わるという研究の見方を使うなら、きつさが出た場所を動作に沿って伝えられる。[13][17] 感想を否定する必要はない。感想に条件を添えるのである。

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今日からできること

  • 速さを比べる前に、何に対して押しているかを確認する。高齢男性の実験でも負荷は最大挙上重量の20〜80%と幅があった。これは自分への指定負荷ではなく、比較する速さには抵抗の条件も添えるという手がかりにする。[8][19]
  • 行きと帰りを別々に観察する。研究の2秒は押す局面の設定であり、往復全体の時間ではない。レッスンで秒数の合図を受けたら、どの局面に対する指示かを確認し、どこで速くなったかを指導者に伝える。[8][17]
  • 切り返す動きでは、その前に止まったか、流れのまま動いたかも残す。25研究の系統的レビューでは、伸ばしてから縮むまでの時間や距離も、筋肉の働きに関わっていた。[13]
  • 動画を見るときは、手足の速度を筋肉内部の速度と同一視しない。腱などの弾性組織が、収縮する部分の速さに影響するという視点で、見た目だけの比較を控える。[15]
  • 実験の2秒という設定を自分の絶対的な正解にしない。活動的な高齢男性12人の比較条件で、18〜39歳の女性の標準テンポへはそのまま当てはめられないことを踏まえ、レッスンでは指導者に動作の目的と速さの意図を確認する。[8]

確認したいのは「もっと速くしてよいか」だけではない。「今は何をそろえる練習か」と聞いてみると、速さを見る理由がはっきりする。研究で力、速度、パワーを別々に測るのは、これらが交換できる指標ではないからだ。[5][8] 自分の記録にも、急いで終えたという感想だけでなく、負荷と動作の条件を残しておきたい。

同じ日に何もかも変えると、速く動けた理由を振り返りにくくなる。負荷と短縮速度の関係、伸ばされてから縮む条件、弾性組織の役割を別々に読むという研究の整理は、レッスン後の問いの整理にも使える。[13][15][19] 今日うまく説明できるようになった条件を、次のレッスンで確認する。それなら、周囲とテンポが違った日にも、自分が何を試していたかを見失いにくい。

オンザショア立川店で、動きを確かめる予定を置く

動く速さを考える時間は、通う場所と予定を決めることから始めてもよい。オンザショア立川店はJR立川駅北口から徒歩1分、営業時間は8:00〜23:30で、年中無休である。仕事や講義の前後に通う予定を考える際には、場所と時間を先に確認できる。

所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F。溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガに加え、常温のヨガやピラティス、パーソナルトレーニングがある。ヨガだけで25種類以上のレッスンがあり、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIITも扱う。

妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。参加条件を確認したうえで、続ける予定を考えたい。

ヨガの体験レッスンは税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。これはヨガの体験内容である。

通うための情報は店舗トップと料金で確認できる。ヨガ体験の予約も用意されている。まずは生活の中で足を運べる場所と時間を選び、続ける予定を具体的にしたい。

yogaのレッスン前の様子生徒の足もとにあるヨガマット 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

参考文献

  1. Molecular Events of the Crossbridge Cycle Reflected in the Force-Velocity Relationship of Activated Muscle — Seow KN, Seow CY., 2022, Frontiers in physiology. DOI: 10.3389/fphys.2022.846284
  2. Fast and ballistic contractions involve greater neuromuscular power production in older adults during resistance exercise — Mc Dermott EJ, Balshaw TG, Brooke-Wavell K, Maden-Wilkinson TM, Folland JP., 2022, European journal of applied physiology. DOI: 10.1007/s00421-022-04947-x
  3. The Contraction Modalities in a Stretch-Shortening Cycle in Animals and Single Joint Movements in Humans: A Systematic Review — Groeber M, Reinhart L, Kornfeind P, Baca A., 2019, Journal of sports science & medicine. DOI: なし
  4. Contribution of elastic tissues to the mechanics and energetics of muscle function during movement — Roberts TJ., 2016, The Journal of experimental biology. DOI: 10.1242/jeb.124446
  5. On the Shape of the Force-Velocity Relationship in Skeletal Muscles: The Linear, the Hyperbolic, and the Double-Hyperbolic — Alcazar J, Csapo R, Ara I, Alegre LM., 2019, Frontiers in physiology. DOI: 10.3389/fphys.2019.00769
  6. Regulation of Contraction by the Thick Filaments in Skeletal Muscle — Irving M., 2017, Biophysical journal. DOI: 10.1016/j.bpj.2017.09.037
  7. Hill’s equation of muscle performance and its hidden insight on molecular mechanisms — Seow CY., 2013, The Journal of general physiology. DOI: 10.1085/jgp.201311107

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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