
糖を足したら、筋肉の中の反応も増えるのか
反復回数の話を、そのまま筋肉の成長へつなぐことにも段差がある。健康で適度にトレーニングしている若い成人16人を対象にした交差試験では、参加者が比較する両方の条件を経験し、筋肉内のリボソームに関連する変化を調べた。リボソームは、たんぱく質を作る装置である。この研究は、糖の追加が筋トレによる装置の増加を後押しするかを問うている。[11]
参加者は男性9人、女性7人で、平均年齢は24.1歳だった。女性も含むが男女を合わせた結果なので、18〜39歳の女性だけで同じ反応が得られるかは分けて考えたい。脚を押すレッグプレスと膝を伸ばす運動を、それぞれ最大で10回行える負荷で3セット実施した。比較したのは、運動の前後にブドウ糖を加える条件と、比較用の甘味料を使う条件である。どちらにもたんぱく質が用意され、それ以外は空腹状態で朝に練習を行っている。[11]
ブドウ糖は計90g、たんぱく質は計50gという試験設定で、介入は12日間だった。結果は、ブドウ糖を加えても、筋トレに伴うリボソーム由来のRNAの蓄積を増強しなかった。リボソーム量の平均差は7.6%、区間は−7.2〜24.9で、有意な利点は認められていない。関連する調節因子にも有益な効果は見られなかった。[11]
この結果から「筋トレに糖は不要」と言うのは範囲が広すぎる。調べたのは、たんぱく質も取る条件で糖を追加した際の、筋肉内の特定の反応である。普通の朝食を食べる人と、何も取らない人の練習全体を比べたものではない。反復回数の比較と、筋肉内の装置を調べる比較を同じ判定欄に入れないことが必要だ。[11]
ここに、補給を考える際の落とし穴がある。「筋肉に関係する指標」という共通点だけで、口すすぎの成績と筋肉内の測定をつなぐと、食べ方を決める根拠がすり替わる。口すすぎで平均の反復回数が増えたことと、糖の追加でリボソームの増加が強まらなかったことは、両立する結果である。介入も、測定対象も違うからだ。[10][11]
筋肉内の反応を見る試験には、運動の前後に補給するという時間の条件もあった。朝の練習中に感じる空腹だけを抜き出して比べるのではなく、前後を含む補給の組み合わせとして読む必要がある。たんぱく質を共通に取った条件で糖の追加に利点がなかった、という主語を残せば、食事全般への否定に広がらずに済む。[11]
研究の補給量を、そのまま朝の台所へ持ち込む必要もない。試験で使った量は比較を成立させるための条件であり、この記事の読者向けの推奨量ではない。糖を何グラム足すかの答えを探す前に、自分が知りたいのは練習中の回数なのか、その後の筋肉の変化なのかを決めておきたい。
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
食事制限で力が保たれても、反復は別に確かめる
健康で身体活動のある若い男性24人を、断食を模した食事条件と通常の食事条件へ無作為に割り付けた研究もある。調べたのは、脚を伸ばす筋肉で最大限に力を出す際の神経筋機能や筋肉の体積などだ。関節を動かさずに力を出す最大随意等尺性収縮という測定を使っている。男性だけの試験であり、18〜39歳の女性にそのまま当てはめる根拠にはできない。[19]
食事への介入を3サイクル実施したところ、力の発揮に関する神経筋の指標、筋肉の体積、最大のトルクには、測定時点を通した変化や群間差がなかった。一方、最初のサイクルの終了時には、介入群で体重が平均2.6kg減り、通常食群は平均0.1kgの減少だった。体重の変化と、測定した力の変化が一致しなかった例である。[19]
体重の数字は、食事を制限すべき目標として出しているのではない。動かす力、筋肉の大きさ、体重が、それぞれ違う結果であることを確かめるための数字だ。この試験で力が保たれたことを根拠に、朝食を抜けば望ましい練習になると勧めることはできない。健康で活動的な若い男性における、特定の食事介入の結果として受け止める必要がある。[19]
等尺性の測定は、重りを動かし続けるセットとは課題が違う。したがって、この研究とラマダンの試験を並べて「食べない練習は有利か不利か」の勝敗を付けるより、何を保てたのかをそれぞれ読むほうが役に立つ。力の測定が変わらなかったという結果は、終盤の反復回数も常に同じという意味にはならない。[7][19]
記録を付けるときも、体重の変化だけで練習の良し悪しを決めないほうが、問いに近づける。いつもの負荷で、予定した動作をどう終えたか。その記述があれば、「体重は変わったが動きは変わらない」「重さは同じでも後半を短くした」といった別々の出来事を混ぜずに済む。体重計には、終わったセットの内訳を表示する欄がない。

よくある誤解
「空腹でも最初に持ち上がれば、練習の質は同じ」という見方は、見る範囲が狭い。口すすぎのメタ分析では、最大筋力に有意な効果がない一方で、筋持久力に効果があった。一回の最大の力と繰り返せる回数を区別すべき理由になる。ただし、その結果を使って、朝食を抜くと必ず終盤の回数が減ると予言することもできない。[10]
「空腹の筋トレは筋肉を必ず失わせる」という断定も、比較試験とは合わない。ラマダン中の試験では、空腹群で筋力や筋断面積の有意な悪化は示されていない。一方で、食後群にはスクワットとデッドリフトの筋力改善が見られた。悪化しないことと、伸び方まで同じことを分けると、食事条件を見直す余地と不必要な不安の両方を整理できる。[7]
「糖を加えれば筋肉の反応はすべて大きくなる」という考えも支持されない。たんぱく質を取る条件で糖を追加した交差試験では、リボソーム由来のRNA蓄積の増強は認められなかった。[11] 口すすぎでは、別の評価項目である反復回数に有意な効果があった。[10] 補給を万能のボタンにも、無意味な儀式にもせず、調べた結果ごとに読むのが適切だ。
こうした誤解に共通するのは、別の測定を同じ言葉で包んでしまうことだ。「効いた」という表現を、持ち上げた重さ、繰り返した回数、筋肉の断面積に書き換えると、研究が答えた範囲が見えやすくなる。空腹という条件だけで全体を判定する前に、成績表の項目を読み直したい。
今日からできること
- 記録には重さに加えて、セットごとに実際に行った回数を残す。最大筋力と筋持久力で結果が分かれた13試験の分析を手がかりに、出だしと全体を別々に眺める。[10]
- 朝食前と食後の練習を見返す際は、食事だけでなく時間帯も書く。40人のラマダン試験でも、夕方の空腹状態と夜の食後状態が組み合わされていたことを忘れない。[7]
- 終盤の回数を増やすためだけに、研究の補給量をまねしない。16人の交差試験で使った糖の量は、筋肉内の反応を調べる条件であり、個人への推奨量ではない。[11]
- 「力が落ちなかった」という情報を読むときは、測定が何かを確かめる。24人の食事介入試験は、脚で動かずに力を出す課題を評価したもので、普段の反復セットとは分けて考える。[19]
- 持ち上げた重さだけで朝の練習を採点せず、予定を変えた場面も短く残す。口すすぎによる平均1.24回の差を自分の達成目標にせず、自分の練習を読むための区別として生かす。[10]

オンザショア立川店で、通える時間から組み立てる
日々の食事と練習の予定を考えるときは、生活のどこに運動を置くかから選びたい。オンザショア立川店は8:00〜23:30、年中無休で営業している。JR立川駅北口から徒歩1分、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fにある。朝や仕事帰りなど、通える時間を予定に入れる場所として検討できる。
パーソナルトレーニングのほか、常温のヨガやピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIITがある。溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガも行い、ヨガだけで25種類以上のレッスンを用意している。種目を選ぶことと、食事を抜くことをひとまとめにせず、続ける時間と内容を考える場にしたい。
妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。店舗案内と料金で内容を確かめ、体験予約を予定に合わせて選べる。
参考文献
[7] Timing of Resistance Training During Ramadan Fasting and Its Effects on Muscle Strength and Hypertrophy — Triki R, Zouhal H, Chtourou H, Salhi I, Jebabli N, Saeidi A, Laher I, Hackney AC, 2023, International journal of sports physiology and performance. DOI: 10.1123/ijspp.2022-0268
[10] Effect of carbohydrate mouth rinse on muscle strength and muscular endurance: A systematic review with meta-analysis — Rodrigues Oliveira-Silva IG, Dos Santos MPP, Learsi da Silva Santos Alves SK, Li, 2023, Critical reviews in food science and nutrition. DOI: 10.1080/10408398.2022.2057417
[11] Glucose ingestion before and after resistance training sessions does not augment ribosome biogenesis in healthy moderately trained young adults — Lian K, Hammarström D, Hamarsland H, Mølmen KS, Moen SC, Ellefsen S., 2024, European journal of applied physiology. DOI: 10.1007/s00421-024-05446-x
[19] Fasting-Mimicking-Diet does not reduce skeletal muscle function in healthy young adults: a randomized control trial — Nardon M, Venturelli M, Ruzzante F, Longo VD, Bertucco M., 2022, European journal of applied physiology. DOI: 10.1007/s00421-021-04867-2
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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