
変化が有意ではなかった研究も読む
透析中の患者に笑いヨガを実施した研究では、18人を募集し、4週間にわたり週3回、30分のプログラムを行った。これは実施可能性を確かめる介入前後の研究であり、別の条件に無作為に割り付けて比べる試験ではない。研究と関係のない医学的な理由で1人が離脱し、継続率は94%だった。透析治療中の結果を、治療を受けていない18〜39歳の女性の運動による気分転換に直接当てはめることはできない。[20]
幸福感、気分、楽観性は上向き、ストレスは下向きだったが、これらの変化は統計的に有意ではなかった。肺機能と血圧にも変化は認められていない。[20] 方向として望ましく見えても、「ストレスを減らす効果が確認された」とは書けない。有意ではないとは、この研究で得られた変化を、統計的な基準で明確な変化と判断できなかったということである。
一方、介入に接した看護師11人は全員、患者の気分に良い影響があったこと、実施可能な介入であること、患者に勧めたいことに同意した。[20] 現場の印象は前向きでも、心理尺度の結果は有意ではない。この並びは矛盾ではなく、質問された人と質問の内容が違うことを示している。
この研究の主な価値には、透析という治療の場でプログラムを実施できたことが含まれる。著者も心理的な評価への影響を確かめるためには、より大きな研究が必要だとしている。[20] 「実施できた」「周囲の評価が良かった」「効果が統計的に示された」は、別々に確かめる項目なのだ。
看護師・看護学生のレビューや肺がん患者の試験での改善と、この研究の結果はそろっていない。[1][3][20] 対象、比較の方法、実施する環境が異なるため、一律に成功とも失敗とも言えない。自分の生活へ取り入れる際には、良い結果だけで期待を膨らませず、反応に幅がある前提で選ぶのが妥当だ。
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
よく笑う人が運動する理由は、逆向きにも考える
福島県の避難区域の住民を対象にした横断研究では、20歳以上の52,320人について笑う頻度と生活条件の関連を調べた。ほぼ毎日声を出して笑う人は27.1%で、定期的な運動や余暇活動への参加、精神的な健康状態などが、よく笑うことと関連していた。避難区域の20歳以上の住民を調べた結果であり、18〜39歳の女性の日常にも同じ関連があるかは別に検討する必要がある。[19]
横断研究は、ある時点の状態を捉えて関連を調べるものだ。この結果だけでは、「運動したから笑いが増えた」のか、「笑う機会や余裕のある人が運動しやすかった」のかを分けられない。[19] 散歩を始めれば自動的に笑い声が増える、と約束する根拠にはならないのである。
この研究では、家族の人数が増えたことや転居回数が少なかったことも、笑う頻度の高さと関連した。[19] 運動の有無だけでなく、生活の安定や人との関わりを含めて捉えた研究なのだ。仕事が忙しくて笑えない日に、運動不足という原因だけを探すのは、観察された条件を狭めすぎる読み方になる。
参加する場の雰囲気については、男性の慢性疾患予防・管理プログラムへの参加を扱ったスコーピングレビューも参考になる。スコーピングレビューとは、研究領域にどのような知見があるかを広く整理する方法である。25件を検討した結果、似た関心を持つ男性との集団活動や、健康情報を伝えるときのユーモアなどが、参加を引き付けるプログラムの要素として挙げられた。男性の参加を扱った結果なので、18〜39歳の女性にも同じ工夫が適しているかは、このレビューからは判断できない。[6]
ここから持ち帰れるのは、「何をするか」に加え「どんな雰囲気なら参加したいか」も検討するという視点だ。説明にユーモアがある場を好む人も、静かな場を好む人も、自分の希望を言葉にして選んでよい。
避難後の生活を扱った研究では、声を出して笑う頻度を質問していた。[19] 運動教室で楽しそうに振る舞えたかという評価ではない点にも注意したい。人前では静かでも家でよく笑う人を、気分転換が苦手だと決める材料にはならない。研究で使う質問は、生活のある面を捉える道具であり、その人全体の明るさを採点するものではない。
また、参加を引き付ける要素を整理したレビューと、参加後のストレスを測る試験は、出発点が異なる。[6][3] 面白そうだから申し込むことと、実際に負担感が変わることの間には区別がある。教室を選ぶときの期待と、終わってからの感想を別に残しておけば、期待した雰囲気だったか、体を動かす時間として合ったかを振り返れる。笑いが多かったかという感想だけで、次も同じ選択をする義務はない。

よくある誤解
「笑いを足したら、運動のストレス発散効果は必ず大きくなる」。笑いヨガを通常のケアと比べて改善を示した試験はあるが、それは笑いを含むプログラム全体の比較である。[3] 同じ運動に笑いだけを足したときの上乗せ分とは区別する必要がある。楽しむ工夫を選ぶ理由と、追加効果を断定する根拠は同一ではない。
「笑えたなら、体も完全に落ち着いている」。短時間の笑いの実験では、むしろ心拍が増え、心拍変動が下がる反応が見られた。[5] 笑っている最中の活動性を、終了後の休息や気分と混ぜないことだ。時計の数値が高めでも楽しい時間だったことはあり得るが、その数値を見て体の回復まで判断することはできない。
「有意な変化がなければ、その時間は無意味だった」。透析中の研究では、心理的な変化が有意ではない一方、実施可能性や看護師の評価は前向きだった。[20] 効果の確認と、本人が参加したい時間かどうかは問いが違う。気分転換を生活に置くことまで、統計的な成績で許可を取る必要はない。ただし、人に健康効果を約束する際は研究の結果に戻る必要がある。
今日からできること
- 運動の前後で「気分」と「負担感」を分けて言葉にする。40人の試験で測った前向きな感情と、患者対象の試験で測った知覚されたストレスは異なる結果であり、同じ欄に押し込めない。[3][4]
- 面白い映像を試すなら、30分のコメディーを検討した研究は気分と痛みへの耐え方の研究だったと覚えておく。その長さを必要量や毎日の目標にはしない。[4]
- 笑っている最中の心拍で、気分転換の成否を決めない。6分の笑いを比較した実験でも、笑いの条件によって心拍や心拍変動の反応が違った。[5]
- 参加する場を選ぶときは、種目とあわせて雰囲気への希望も整理する。25件のレビューは男性の参加条件を扱ったものなので、自分にもユーモアが必要だと決め付ける理由にはしない。[6]
- 試した日の感想が良くても、誰にでも同じ健康効果があるとは広げない。4週間の透析中の研究では、気分やストレスの変化は有意ではなかった。治療中の参加は医師に確認する。[20]
自分で試すときの記録は、研究の再現を目指すためではない。たとえば「帰り道は少し会話をしたくなった」「静かな時間の方が今日は合った」と残すだけでも、次に何を選びたいかが見えやすくなる。数値に置き換えにくい感想まで、無理に点数にしなくてよい。
また、誰かと一緒に体を動かす場合、面白いことを言う役を引き受ける必要もない。笑いを加えるかどうかを考える前に、その日の自分が、人と話したいのか、黙って過ごしたいのかを確かめておく。明るく参加できた日だけを成功と呼ばないことも、生活の中で選択肢を残す方法である。

オンザショア立川店で、楽しさを義務にせず動く時間を持つ
笑いを予定どおりに起こすことより、体を動かす場所と時間を決めておく。そのための選択肢として、オンザショア立川店は営業時間8:00〜23:30、年中無休である。所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F。JR立川駅北口から徒歩1分の場所にある。
常温のヨガやピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、パーソナルトレーニングなどを扱い、溶岩プレートを敷いたスタジオではホットヨガを行っている。ヨガだけで25種類以上のレッスンがあり、種目を選ぶところから運動の予定を考えられる。
通う種目は体調の条件も含めて選ぶ。医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガへの参加対象外で、常温のマタニティヨガがある。
ヨガの体験レッスンは税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルを含む。持ち物や費用の条件を確かめたうえで、通う予定を検討できる。店舗情報と料金を確認し、体験の予約へ進める。
参考文献
[1] The impact of laughter yoga as a NIC on health parameters in nurses and nursing students: a systematic review — Erkin Ö, Kocaçal E., 2024, BMC complementary medicine and therapies. DOI: 10.1186/s12906-024-04663-3
[3] The Effects of Laughter Yoga on Perceived Stress, Positive Psychological Capital, and Exercise Capacity in Lung Cancer Chemotherapy Patients: A Pilot Randomized Trial — Han S, Zhang L, Li Q, Wang X, Lian S., 2023, Integrative cancer therapies. DOI: 10.1177/15347354231218271
[4] Effects of mirthful laughter on pain tolerance: A randomized controlled investigation — Lapierre SS, Baker BD, Tanaka H., 2019, Journal of bodywork and movement therapies. DOI: 10.1016/j.jbmt.2019.04.005
[5] A comparison of the cardiovascular effects of simulated and spontaneous laughter — Law MM, Broadbent EA, Sollers JJ., 2018, Complementary therapies in medicine. DOI: 10.1016/j.ctim.2018.02.005
[6] Engaging Men in Chronic Disease Prevention and Management Programs: A Scoping Review — Gavarkovs AG, Burke SM, Petrella RJ., 2016, American journal of men’s health. DOI: 10.1177/1557988315587549
[19] Lifestyle factors and social ties associated with the frequency of laughter after the Great East Japan Earthquake: Fukushima Health Management Survey — Hirosaki M, Ohira T, Yasumura S, Maeda M, Yabe H, Harigane M, Takahashi H, Murakami M, Suzuki Y, Nakano H, Zhang W, Uemura M, Abe M, Kamiya K, Fukushima Health Management Survey Group., 2018, Quality of life research : an international journal of quality of life aspects of treatment, care and rehabilitation. DOI: 10.1007/s11136-017-1750-y
[20] Intradialytic Laughter Yoga therapy for haemodialysis patients: a pre-post intervention feasibility study — Bennett PN, Parsons T, Ben-Moshe R, Neal M, Weinberg MK, Gilbert K, Ockerby C, Rawson H, Herbu C, Hutchinson AM., 2015, BMC complementary and alternative medicine. DOI: 10.1186/s12906-015-0705-5
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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