
変化を誤差から分ける数字は、万能の合格点ではない
前回との差を読みたいときに役立つのが、最小可検変化量である。測定を繰り返す際のばらつきや誤差と区別できる変化の大きさを示す。症状のない30人の非利き肩を、測定者が互いの結果を知らない条件で繰り返し測った研究では、デジタル傾斜計による自動運動、つまり本人が動かす可動域を検討した。これはスマホアプリの直接検証ではなく、傾斜計で変化を読む考え方の比較資料である。症状のない参加者の結果も、18〜39歳の女性が自分で行う端末測定にそのまま当てはめることはできない。[5]
同じ測定者内の級内相関係数は、屈曲0.83、外転0.91、外旋0.94、内旋0.87だった。一方、測定者間では屈曲0.58、外転0.95、外旋0.88、内旋0.93である。屈曲では、同じ人が測るときと、人が替わるときの評価が異なる。アプリを統一しただけで、測定担当の違いまで消えるわけではない。[5]
この研究で測定者間の比較に示された、90%の確かさで誤差などと区別するための最小可検変化量は、屈曲8度、外転4度、内旋8度、外旋9度だった。小さな増加を見てすぐ改善と呼ぶ前に、測定法にもこの程度の変動が含まれ得ると知る意味がある。ただし、この値をすべてのスマホ測定に共通する基準として配ることはできない。[5]
実際、先ほどの携帯端末と光学式装置を比べた研究では、最小可検変化量が屈曲1.9度、外転2度、外旋0.3度と報告されている。別の研究の値とかなり違うが、どちらかを消して整える話ではない。使う機器、測定の設計、比較の条件が異なる研究の数値は、その研究の条件と一緒に読むべきである。[4][5]
ここで「基準との差」と「変化を見つける限界」も分けたい。携帯端末の研究では、屈曲の平均絶対差が5.8度である一方、最小可検変化量は1.9度だった。違う役割の数字なので、同じ値になる必要はない。ある基準にどれだけ近いかを問うことと、同じ仕組みの中で変化を追えるかを問うことは別なのである。[4]
また、誤差から区別できる変化であっても、それだけで暮らしの改善を意味するわけではない。最小可検変化量は測定のばらつきを扱う数値であり、本人が服を着やすくなったかを直接表す点数ではない。臨床比較研究でも、可動域と肩の評価スコアはそれぞれ検討されている。角度と生活の感覚は、関係を考えながらも別々に記録したい。[3][5]
最小可検変化量を超えなかった記録も、捨てる必要はない。その測定だけでは変化を誤差から区別しにくい、と位置付ければよい。逆に、閾値を超えたからといって、どの組織が変わったかまで数字が教えるわけでもない。測定誤差を扱った研究の答えを、体の中で起きたことの説明まで広げないことが、角度の記録を役立てる前提となる。[4][5]
家族に測ってもらう日と、自分で測る日を混ぜた記録なら、その違いを消さずに読む。測定者間の信頼性を検証した研究は、厳密な測定手順を守る条件で、傾斜計を信頼できる道具と評価している。「同じ機器を買った」だけで条件が完成するのではない。測る役割も記録に含めることで、あとから数値が動いた理由を考える手掛かりが残る。[5]
画面に細かな数字が出ると、その桁まで体の変化が読めるように感じる。しかし、測定器の表示と測定の確かさは別である。記録の桁数を増やすより、何をどう測った値なのかを残すほうが、研究の数値との対応を確かめやすい。昨日の自分と比べるためにも、まず昨日の物差しを連れてくるということだ。[4][5]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
よくある誤解
「通常の角度計とよく一致すれば、細かな変化も正確に読める」という思い込みがある。肩の疾患がある75人の研究では、スマホアプリと通常の角度計との一致は良好だった。一方、健康な25人の携帯端末測定では、光学式の基準との絶対差が屈曲、外転、外旋で異なっていた。比較相手も測定の目的も違う結果を、単一の精度として読むと意味が変わる。[3][4]
通常の角度計との比較で役立つことが確認されても、光学式の基準との差まで同時に消えるわけではない。これは機器の優劣を決める話ではなく、読んでいる研究が何を確かめたかという話である。臨床での評価に使うなら通常の方法との対応が手掛かりになり、細かな変化を追うなら、繰り返す際の誤差が手掛かりになる。[3][4]
「小さくても増えていれば、肩の柔軟性は改善した」という読み方も急ぎすぎだ。デジタル傾斜計の研究は、方向ごとに異なる最小可検変化量を示している。増加した角度がその方法でのばらつきと区別できるかを確認してから、変化の解釈へ進む順序になる。数字が上がった日にだけ記録を信用するのでは、物差しの点検にならない。[5]
反対に「誤差があるならスマホは使えない」も言いすぎである。肩に疾患のある人の臨床比較では、スマホを含む測定方法は通常の角度計と良好に一致し、肩の評価スコアにも方法間の差がなかった。研究が支持する用途はある。どこでも何でも測れる道具と期待するより、目的と条件に合う用途を選ぶほうが結果を生かせる。[3]
家での記録を、診察時の数字との勝負にしないことも大切だ。自分で動かす範囲を測った研究と、他者が動かす範囲も含む研究では、そもそも測っている条件が違う。別々の条件で得た数値が異なるからといって、直ちに肩が悪化したとも、片方の測定が無意味だとも判断できない。[3][5]

今日からできること
- 記録の最初に、前から上げる屈曲、横から上げる外転、外向きに回す外旋のどれかを書く。健康な25人の研究でも、基準との差は方向によって異なった。[4]
- 端末やアプリを替えたら、その日付と変更内容を角度の横に残す。健康な25人の携帯端末研究で検証されたのは、上腕の後ろに取り付けた特定の測定条件である。変更の前後は条件の異なる記録として扱う。[4]
- 自分で測ったか、誰かに測ってもらったかを残す。30人の研究で屈曲の級内相関係数は、同じ測定者内で0.83、測定者間で0.58だった。[5]
- 小さな差をその場で改善と決めず、測定条件を先に見直す。測定者間の屈曲で8度という値は、その研究の条件付きの目安として読み、自宅用の合格点にはしない。[5]
- 角度とは別に、着替えなどで何が気になったかを言葉で記す。肩の疾患がある75人の研究でも、可動域と肩の評価スコアは分けて検討されている。健康状態の判断が必要な場合は医師に相談する。[3]
記録を始める前に、何を知りたいのかを言葉にしておくとよい。「今の角度を知りたい」と「運動を続けた前後で変わったかを知りたい」では、必要な精度の考え方が異なる。後者なら、測る条件の連続性と、誤差から区別できる変化が焦点になる。研究でも目的や動きの方向に応じた解釈が求められている。[4][5]
見返すときは、増えた数字だけを探さず、比較できる条件で測れたかを確かめたい。角度の記録をきれいにそろえるために、体を同じ形へ押し込むことが目的ではない。スマホが臨床測定の補助になるという研究結果を、自己採点の厳しさへ変換する必要はない。測定は、体の様子を伝えるための道具として扱いたい。[3]
オンザショア立川店で、数字の外にも予定を置く
記録を続ける時間と、体を動かす時間を、暮らしの予定にどう置くか。オンザショア立川店は、その予定を組む場所の選択肢である。営業時間は全曜日8:00〜23:30、年中無休だ。朝や仕事帰りなど、自分の生活の中で通う時間を考えられる。
所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F。JR立川駅北口から徒歩1分である。溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガのほか、常温のヨガ、ピラティス、パーソナルトレーニングがあり、ヨガだけでも25種類以上のレッスンがある。
参加条件も予定を立てる前に確認したい。医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガに参加できないが、常温のマタニティヨガが用意されている。
角度の記録とは別に、通う場所と時間を決めるための情報として、店の案内、料金、体験の予約を確認できる。体験のヨガは税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。画面の数字を見る予定だけでなく、運動する予定も生活の中に置く。通いやすい時刻や参加できるレッスンを確かめ、自分の暮らしの予定に合う選択肢として検討してほしい。

参考文献
[3] Smartphone applications for the evaluation of pathologic shoulder range of motion and shoulder scores-a comparative study — Mejia-Hernandez K, Chang A, Eardley-Harris N, Jaarsma R, Gill TK, McLean JM., 2018, JSES open access. DOI: 10.1016/j.jses.2017.10.001
[4] Trueness and Minimal Detectable Change of Smartphone Inclinometer Measurements of Shoulder Range of Motion — Boissy P, Diop-Fallou S, Lebel K, Bernier M, Balg F, Tousignant-Laflamme Y., 2017, Telemedicine journal and e-health : the official journal of the American Telemedicine Association. DOI: 10.1089/tmj.2016.0205
[5] The reliability and minimal detectable change of shoulder mobility measurements using a digital inclinometer — Kolber MJ, Vega F, Widmayer K, Cheng MS., 2011, Physiotherapy theory and practice. DOI: 10.3109/09593985.2010.481011
[19] How do digital range of motion measurement devices ‘measure-up’ to traditional goniometry in assessing shoulder range of motion? A systematic review and meta-analysis — Shepherd J, Hansjee S, Divall P, Raval P, Singh HP., 2024, Shoulder & elbow. DOI: 10.1177/17585732231195554
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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