ダイエット停滞期の筋トレで省エネは変わる?自転車で測る仕事の効率とは

ダイエット停滞期に筋トレを加えると、筋肉の省エネは変わるのか。減量後の人を対象にした運動介入と、同じ負荷で比べた実験から、筋力、仕事の効率、消費エネルギーの違いを読む。自転車で測った結果を筋トレ中の消費量に置き換えないための注意点と、体重以外に残したい記録も整理する。

体重の記録は横ばいなのに、前より重りを持ち上げやすい。最後のセットを終えて、筋トレの記録を見て「楽になった分、もう消費していないのか」と考える。力がついたことまで、停滞の証拠にしてしまいたくなる場面だ。

しかし、筋力と運動の効率は同じ指標ではない。減量した人と減量していない人に筋トレを行った介入研究では、脚の筋力が増す一方、軽い自転車運動で測った筋肉の仕事の効率は低下した。力の向上と、同じ仕事に必要なエネルギーの変化は分けて読める。[2]

ダイエット停滞期の筋トレを考える際、この結果は手がかりになる。ただし、自転車で測った効率の変化を、そのまま重りを持ち上げる最中の消費量や、体重が再び下がる保証に置き換えることはできない。[2] 既存記事「ダイエットの運動は体重が軽くなると楽になる?同じ速さの消費量を読み直す」には体を運ぶ負担の話を譲り、ここでは同じ外部の仕事に対して筋肉が使うエネルギーを追う。

既存記事「ダイエット停滞期に眠いのは食事の減らしすぎ?疲れと体重の横ばいを分けて読む」が扱う眠気や疲労の判断には踏み込まず、ここでは外部の仕事と消費の関係に問いを絞る。

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筋肉の効率は、筋力の点数とは別である

機械的な効率を考えるときは、外にした仕事と、それを行うために使ったエネルギーを分ける。肥満のある成人を減量手術の前後で追った歩行研究では、体を動かす機械的な仕事を、安静時を上回る歩行のエネルギー消費で割って効率を計算している。同じ仕事に必要なエネルギーが小さければ、その比は高くなる。[3] 手術を受けた成人の結果を18〜39歳の女性の日常の筋トレへ直接適用するには、対象と運動の違いを考える必要がある。日常語の「効率よく鍛える」と、ここでいう効率の数字は意味が違う。

筋力はどれほど力を出せるかという能力の側にある。筋トレの介入研究では、筋力は力を測る装置で、仕事の効率は自転車の運動試験で評価された。別の測定で得た数字だから、筋力が増えたという結果だけから、効率も同じ方向に変わったと推測することはできない。[2]

買い物袋を持ち上げやすくなったという実感を、使ったエネルギーの測定値として扱わないことだ。持てるようになったという生活の成果は記録できる。一方、その動作で以前より多く消費したか少なく消費したかを知るには、力の記録とは別の測定が必要になる。研究が筋力と効率を分けて評価した意味は、まさにここにある。[2]

この言葉の整理をしないと、「効率が下がった」という研究結果が、運動が下手になった、筋トレに失敗した、という印象に変わる。だが同じ介入で筋力は増えている。効率の低下という表現は、能力の低下を意味していない。[2] 研究の数字に付く良し悪しを、言葉の響きだけで決めないようにしたい。

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減量後には、軽い仕事で省エネになる変化がある

やせた人や肥満のある人を対象に、体重を変えた状態で筋肉を調べた実験研究では、普段より体重を減らした状態を維持すると、軽い身体活動の消費エネルギーが低くなることが扱われた。その変化は、体重や体組成の変化だけから説明される分を上回り、低い出力での筋肉の仕事の効率の変化が主に関わると報告されている。18〜39歳の女性に同じ変化が生じるかは、この集団全体の結果から個別に判断できない。[5]

具体的には、普段より10%軽い体重の維持と、太もも前の筋肉の酵素の変化を調べている。糖を使う経路に関わる酵素の活性や、糖を使う側と酸化する側の酵素の活性の比が低下した。その比の変化は、軽い自転車運動の効率や、全身が使う燃料を反映する指標の変化と関連していた。[5]

自転車の出力は10 Wまたは25 Wである。ここで扱われたのは低負荷の仕事であり、限界近くの重りを持つ場面そのものではない。また、筋線維の種類や筋肉のグリコーゲンの蓄えに有意な変化はなかった。[5] 「筋肉が全部別物になる」「糖をまったく使わなくなる」といった説明に広げる必要はない。

重要なのは、体が軽くなったという外側の条件と、同じ仕事へのエネルギーの使い方が変わるという内側の条件を区別することだ。体重が減ったから、単に運ぶ荷物が減っただけ、と考えると、この実験が扱う省エネの層を見落とす。反対に、日々の体重が横ばいになっただけで、その人の筋肉にこの変化が起きたと診断することもできない。[5]

酵素の変化と効率の変化に関連があるという結果は、家庭で原因を特定する検査にはならない。記録帳に「筋肉の省エネ」と書けば、横ばいの理由が確定するわけではないのである。研究が示すのは減量後を理解する仕組みの候補であり、体重計の表示だけから筋肉の状態を言い当てる方法ではない。[5]

筋トレ後に低下したのは、軽い自転車運動の効率だった

この省エネに筋トレが関わるのかを検討した研究は、減量歴の異なる集団を比べている。対象は、過体重または肥満があり、10%以上減量した体重を6か月超維持していた14人と、減量しておらず、生涯で最も重い体重で安定していた15人である。両群が監督下で週3回、12週間の筋トレを行った。18〜39歳の女性だけを対象にした比較ではなく、同じ変化幅をそのまま見込むことはできない。[2]

介入の前後で、自転車による筋肉の仕事の効率、脚の筋力、体組成、安静時のエネルギー消費などが評価された。結果として、両群とも低い運動強度での筋肉の仕事の効率が約10%低下し、脚の筋力は約10〜20%増加した。研究では、これらの変化は両群で同様に認められたとされている。[2]

つまり、減量した経験があると筋トレへの反応が完全に失われる、という見方に対し、この研究では減量した群でも筋力は増え、低負荷で測った効率は下がった。一方、減量していない群は介入前も後も筋力が有意に高く、除脂肪量の増加も大きかった。[2] 反応のある項目と、群の差が残る項目を一緒に読む必要がある。

除脂肪量は、脂肪以外の体の成分をまとめて捉える指標として、ここでは筋力とは別に扱いたい。減量していない群でその増加が大きかった一方、筋力と効率には両群で同様の変化があった。[2] 体組成の数字が同じように伸びなければ筋トレの意味がない、という判断は、この結果とは合わない。

ただし、この研究が直接測った効率は自転車によるものだ。「同じダンベルを同じ回数持ち上げたら、消費が約10%増える」という数字にはならない。また、効率が約10%下がることを、そのまま消費カロリーの同率の増加と読むのも避けたい。仕事と消費の比である効率と、消費そのものの増減率は別だからだ。[2][3]

この比較群の選び方にも意味がある。減量群は食事を減らし始めた直後の人ではなく、減量した体重を維持していた人だった。したがって、筋トレを始めた週に体重の表示が止まった人の短期的な経過を、そのまま再現した実験ではない。[2] 自分と研究の対象がどこまで近いかは、体重が動いていないという一点よりも、そこに至る過程を含めて考えたい。

さらに、減量していない群の選定条件は、単に平均的な体格であることではなかった。減量群と特徴が近く、生涯で最も重い体重を維持していた人たちである。[2] この比較から読めるのは、異なる減量歴を持つ集団で、筋トレへの筋力と効率の反応が似ていたということだ。どんな年齢や体格の人にも同じ幅の変化が出る、という意味には広げない。

「同じ重さを動かす消費」という疑問に戻ると、重りの数字だけを見て答えを出したくなる。しかし、中心となる研究では、筋トレは変化を起こすために行う介入であり、自転車はその後の筋肉の働きを調べる測定だった。[2] 介入と測定が異なる運動であることを押さえると、筋トレ中のカロリー表として使えない理由が明確になる。運動した結果を、別の一定条件の仕事で確かめた研究なのである。

比較の視点をそろえることは、体を責めない読み方にもつながる。研究の減量群は、減量していない群より筋力が低い状態から始まり、終了後にも群間の差が残っていた。それでも筋力の増加は観察されている。[2] 他人と同じ重りを持てないことと、自分の体に変化が起きていないことは同義ではない。開始時の力と、そこからの変化を別々に見る余地がある。

数字で読む減量後の筋肉と仕事

14人:10%以上の減量を6か月超維持していた筋トレ介入の対象者。[2]

15人:減量しておらず、生涯最高体重で安定していた比較群の対象者。[2]

12週間・週3回:両群が行った、監督下での筋トレの期間と頻度。[2]

約10%低下:介入後の低負荷運動で測った筋肉の仕事の効率の変化。[2]

約10〜20%増加:同じ介入で観察された脚の筋力の変化。[2]

10 W・25 W:減量後の酵素の変化と効率の関連を調べた自転車の低い出力。[5]

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