
回数と使う筋肉を替えると、結果も替わる
運動直後の成績が下がる研究もある。筋力トレーニング経験のある大学生年代の男性15人が、重いスクワットと、血流を制限しながら軽い負荷で行うスクワットを比べた無作為化比較試験では、どちらの条件でも後のジャンプ高が有意に低下した。若い男性の訓練経験者の結果であり、18〜39歳の女性一般で低下幅が同じになるかは別に検討する必要がある。[8]
重い条件は最大重量の85%で5回、血流制限を伴う条件は30%で30回であった。後のジャンプ高は、前の最大記録に対してそれぞれ平均96.1%と90.8%だった。研究者は、準備方法や個人の条件が結果に関わった可能性を挙げている。ここで血流を制限する方法を家庭向けの工夫にする必要はない。読むべき点は、「準備を加えたのに成績は下がった」という結果である。[8]
上がった試験と下がった試験は、対象も準備方法も異なる。同じ人が同じ負荷で矛盾した反応を示した、という話ではない。両方を並べると、先行する重い運動それ自体を、測定値をよくする保証として扱えないことが分かる。重さの割合だけを抜き出して、研究間の優劣を決めることもできない。[3][8]
準備の回数を減らすとどうなるかを調べた無作為化比較試験もある。上半身では競技者14人、下半身では13人が、最大重量の87%という同じ負荷で、3回、4回、5回の準備を無作為な順序で経験した。その後は2分ごとに12分まで動作を測った。競技者を対象とした比較なので、18〜39歳の女性一般の準備回数をこのまま決めることはできない。[6]
準備の最後の動作速度を見ると、ベンチプレスの5回条件は3回条件より遅く、スクワットでも4回と5回の条件は3回条件より遅かった。しかし、個人ごとの最良時点における腕で床を押す動作の最大の力や、ジャンプの高さは、いずれの回数条件でも準備前より高かった。少ない回数でも、限界まで繰り返す条件と同程度のパフォーマンス向上が得られたのである。[6]
「準備だから、まだできるだけやっておこう」と考えがちだが、追加した回数がそのまま追加の利益になる結果ではなかった。これは一般の初心者へ重い負荷を勧める話ではなく、競技者でさえ準備の量と後の成績が単純な比例関係にならないという知見だ。測定前に頑張った量を、記録の信頼性と取り違えないようにしたい。[6]
使う筋肉にも目を向ける必要がある。筋力トレーニング経験のある男性14人と女性10人が、スクワット姿勢での収縮、ベンチプレス姿勢での収縮、休息の条件を別の日に無作為な順序で行った研究がある。準備の収縮は、動かずに力を出す7秒間の運動だった。女性を含んでいても訓練経験者の結果であり、18〜39歳の女性初心者へ同じ変化を予測する材料には足りない。[20]
その後の最大ジャンプ高は、スクワットの準備では平均1.1 cm高まり、ベンチプレスの準備では平均1.4 cm低下した。どちらも有意な変化である。脚を使う動作の前に、別の部位へ強い力を入れれば代わりになる、という結果ではなかった。準備と測る動作の対応関係を確認する理由がここにある。[20]
さらに健康な男性11人を対象に、親指を内側へ動かす筋肉と、足首で床を押す方向に働く筋肉を調べた実験では、刺激で生じる収縮の増強に必要な強度の関係が筋肉によって違った。足首側では最大随意収縮の80%まで強度の上昇に伴って増強が大きくなったが、親指側で有意に増えたのは60%までだった。男性の筋肉の反応を調べた結果なので、18〜39歳の女性の自力で出す力や適切な準備負荷へ直接当てはめられない。[4]
これは刺激への反応を調べた実験なので、その割合を自宅の運動強度に変換するものではない。ただ、ある筋肉の研究から全身共通の準備方法を作れないことは読み取れる。握力の前の準備を脚の測定へそのまま持ち込むより、何を、どの姿勢で、どの動作として測るかを先に決める方が、研究の区別に沿っている。[4][7]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
よくある誤解
「直後に力が落ちたら、もともとの筋力が低下した証拠だ」という読み方は早い。重い運動の後にジャンプが下がる試験がある一方で、別の準備条件では上がる試験もある。測定前の運動が違う記録を、そのまま長期の低下の証拠にできない。特に、家を出る前の記録と、運動を終えて帰宅した後の記録では、先行する負荷が揃っていない。[1][8]
逆に「休んだらよい数字が出たので、筋力は戻った」という判断も急ぎすぎだ。運動後に高い値が出た比較試験は、条件に応じた当日の出力を示している。休息の窓を探す試験でも、反応する人としない人がいた。よい記録を残すことと、同じ条件で長期の変化を確かめることは、目的が異なる。[3][9]
「研究に成功した時間があるなら、それを全員の待ち時間にすればよい」という思い込みにも注意したい。サッカー選手で改善が表れた時点は人によって異なり、バレーボール選手にも共通の最良条件はなかった。自分の記録を比較するための手順は、他人の最高記録が出た時間を借りるだけでは決まらない。[1][9]
この違いは、結果の記録欄にも表れる。競技前の準備を探しているなら、どの条件でよく動けたかを残すことに意味がある。筋力の変化を知りたいなら、前回と条件が同じだったかを確かめることに意味がある。「今日はよかった」の隣に目的を書いておけば、同じ数字を別の意味で読まずに済む。研究でも、ジャンプ高と最大の力は別の結果として扱われている。[1][3]

今日からできること
- 測定のメモに、直前の運動種目と使った部位を残す。男女24人の研究では、脚を使う準備と上半身の準備で、後のジャンプ高の変化が逆方向だった。単に「準備あり」と書くより比較条件が伝わる。[20]
- 運動を終えてから測るまでの時間を記す。4分、12分、16分で反応した選手がいた試験は、時点を区別する意味を示す数字だ。自分にもその時間を使うという指示ではない。[9]
- 前回の記録と比べる日は、準備の回数を途中で増やしたかも確認する。同じ87%の負荷でも、3回と5回では準備の最後の動作速度が異なった。研究の重さをまねず、まず自分が何を変えたかを残す。[6]
- 「最高の成績を探す日」と「前回の条件で比較する日」を記録上で分ける。個人ごとの最良条件で平均5.7%改善した値を、同じ手順で全員が改善する数字として扱わない。[1]
- 自力の最大の力、繰り返した回数、ジャンプの高さを別の欄にする。男性10人の試験は最大の力と反復回数を別々に評価しており、何が変わったかを区別している。[3]
家で記録を取るなら、まず「前回より強くなったか」という問いの横に、「前回と同じ準備だったか」を置く。測る前の運動が違っていた日は、違いを消して数字だけを残さない。前後を比べるために条件を記すという考え方は、重い準備で上がった研究と下がった研究を併せて読むと、より切実になる。[3][8]
また、研究で使われた最大重量の割合は、自己流で試すための目標ではない。競技者や訓練経験者の実験条件を説明する数値である。自分の測定記録を整えるためなら、研究と同じ重さを持つ必要はない。何をした後の数字なのかを明確にし、条件の異なる記録に「回復」「低下」と性急な名前を付けないことが、この研究群から持ち帰れる実用的な読み方だ。[3][6][9]
オンザショア立川店で、通う時間を生活に置く
測定前に何をしたかを記録するなら、通って行う運動も種目名まで残したい。オンザショア立川店には、溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガのほか、常温のヨガ、ピラティス、パーソナルトレーニングがある。ヨガだけでも25種類以上のレッスンがあり、「運動した日」という一括りより、参加した内容を記す方が前後の条件を振り返りやすい。
妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。通い方や費用は店舗トップと料金で確認できる。
営業時間は8:00〜23:30、年中無休である。場所は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F、JR立川駅北口から徒歩1分だ。朝の予定の前か、仕事の後か、運動の時間を生活の予定と照らし合わせられる。
ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。体験の予約では、参加する日を予定に置ける。その日の最高記録を狙う準備を探す話と、継続して運動する場所を選ぶ話は、目的を分けて考えたい。

参考文献
[1] The effects of exercise selection and rest interval on postactivation potentiation of vertical jump performance — McCann MR, Flanagan SP., 2010, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/jsc.0b013e3181d6867c
[3] Postactivation Potentiation Improves Acute Resistance Exercise Performance and Muscular Force in Trained Men — Conrado de Freitas M, Rossi FE, Colognesi LA, de Oliveira JVNS, Zanchi NE, Lira , 2021, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/jsc.0000000000002897
[4] Effect of conditioning contraction intensity on postactivation potentiation is muscle dependent — Fukutani A, Hirata K, Miyamoto N, Kanehisa H, Yanai T, Kawakami Y., 2014, Journal of electromyography and kinesiology : official journal of the International Society of Electrophysiological Kinesiology. DOI: 10.1016/j.jelekin.2014.01.002
[6] Lower Repetition Induces Similar Postactivation Performance Enhancement to Repetition Maximum After a Single Set of Heavy-Resistance Exercise — Chen CF, Chuang CY, Wang CC, Liu SA, Chang HW, Chan KH., 2024, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/jsc.0000000000004711
[7] Does postactivation potentiation (PAP) increase voluntary performance? — Zimmermann HB, MacIntosh BR, Dal Pupo J., 2020, Applied physiology, nutrition, and metabolism = Physiologie appliquee, nutrition et metabolisme. DOI: 10.1139/apnm-2019-0406
[8] Postactivation Potentiation in Blood Flow-Restricted Complex Training — Cleary CJ, Cook SB., 2020, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/jsc.0000000000003497
[9] Optimal recovery time for postactivation potentiation in professional soccer players — Mola JN, Bruce-Low SS, Burnet SJ., 2014, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/jsc.0000000000000313
[12] Influence of ballistic bench press on upper body power output in professional rugby players — West DJ, Cunningham DJ, Crewther BT, Cook CJ, Kilduff LP., 2013, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/jsc.0b013e31827de6f1
[20] Effects of Postactivation Potentiation on Maximal Vertical Jump Performance After a Conditioning Contraction in Upper-Body and Lower-Body Muscle Groups — Downey RJ, Deprez DA, Chilibeck PD., 2022, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/jsc.0000000000004171
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
ヨガとからだの小さな疑問のほかの記事
- 心肺機能が高いと動きも覚えやすい?練習中の上達と翌日に残る技能を分けて読む
- 心肺機能の数値は朝と夕方で違う?測る時刻と本当の体力変化を研究で読む
- 体力をつけても頭が疲れると動けない?考え続けた後の持久力ときつさを読む
- 心肺機能の六分間歩行は廊下で変わる?折り返しと距離の比較を研究で読む
- 運動後の炭酸水は普通の水と同じ補給になる?泡と飲める量を分けて研究で読む
- 心肺機能はサイクリングから走る力へ移る?練習を置き換える前に読む比較研究
- 心肺機能は坂道で鍛える方がよい?速度を落として比べる上り歩きの負荷を読む
- バランス能力は片脚で長く立てれば十分?止まる検査と動く検査の違いを読む
- バランス能力のチェックは裸足と靴で比べられる?記録を読み違えない足元の条件
- バランス能力は一歩踏み出す速さでも分かる?予告のある動きと不意の揺れを読む
- バランス能力の男女差は身長で説明できる?女性が高いと決める前に読む比較の条件
- バランス能力の訓練は同じ揺れを繰り返す?慣れた方向と別の方向への適応を読む
- バランス能力の測定は何秒立って比べる?短い記録と反復回数の関係を読む
- 筋力低下の数値は測定器を当てる位置で違う?脚の長さと回す力を分けて読む
- 筋力低下は反対に働く筋肉でも起こる?同時に入る力と測った出力を読み分ける
- 筋力低下と腱の柔らかさは関係する?最大の力と関節へ伝わる出力を分けて読む
- 筋力低下は筋肉が疲れた証拠?電気刺激と自力の収縮で分ける運動後の疲れを読む
- 筋力低下を手で押す検査だけで比べられる?段階評価の上限と小さな変化を読む
- 体力をつけるゲームは楽なら負荷も軽い?感じるきつさと酸素消費を分けて読む
- 睡眠不足の運動は徹夜と同じ?毎晩少し削る場合を時間の合計だけで比べない理由
- 睡眠不足は途中で起きる夜でも起こる?合計時間が同じ眠りと動きの定着を読む
- 睡眠不足が慢性化しても眠くない?連日の短い眠りと夕方の元気を読み直す
- 睡眠不足の運動は動きを切り替えにくい?反復できても交代で迷う理由を読む
- 睡眠不足で食欲は匂いに動かされる?香りにひかれる感覚と鼻の働きを分けて読む
- 睡眠不足の影響は横の見落としだけ?運動の正面と周辺の合図を比べて読む
- 運動後のチョコレートミルクは牛乳よりよい?糖質と総エネルギーで比べる回復
- 運動後のヨーグルトは一個で足りる?容器の量とたんぱく質の研究用量を読み分ける
- 運動後のエナジードリンクは何が働く?カフェインとタウリンの足し算を読む
- 運動後のナッツはすぐ食べると回復を妨げる?脂質を足す場合と糖質を替える場合
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
2






