
脚上げで変わる圧力も、腹筋の強さとは別物だ
仰向けの脚上げは、筋肉だけでなく体内の圧力を調べる課題にも使われている。健康な成人28人を対象にした実験では、立位、仰向けの脚上げ、腕の位置を変えて重りを持つ立位で、上部と下部の食道括約筋の圧力を測定した。18〜39歳の女性だけを対象とした結果としては扱えず、この年代の女性への適用には検討が必要だ。食道括約筋とは、食道の上下で通り道の開閉に関わる部分を指す。[2]
測定には高解像度の内圧検査が用いられた。仰向けの脚上げと、腕を前方45°に上げて重りを保持する条件では、下部食道括約筋の圧力が有意に上昇した。一方、立位では重りの大きさそのものによる影響は見られなかった。[2] 見た目には似た「負荷をかける」状況でも、姿勢の条件が結果に関係していたのである。
著者らは、この結果を横隔膜の呼吸、姿勢保持、括約筋機能が統合されているという理解に結びつけている。横隔膜は呼吸に関わるだけでなく、姿勢を支える役割も持つという視点だ。[2] 脚を動かす課題を、脚の筋肉だけの出来事として眺めないための材料になる。
ただし、食道の圧力が上がったから腹筋が強くなったとは言えない。測っているのは括約筋の圧力であり、筋力の向上や長期的な運動効果ではない。[2] 腹壁の張りを測った研究と合わせて読めば、脚上げに関係する働きには複数の側面があると分かるが、それらを足し算して「インナーマッスル効果」と呼ぶことはできない。[1][2]
ここは日々の練習記録にも関わる。お腹が張った感じ、呼吸のしづらさ、脚を上げきれたかどうかを、すべて同じ成果の印にしてしまうと、何を比較しているかが曖昧になる。研究は指標を分けて測っている。[1][2][4] 自分の記録でも、動作の達成と体の感覚は別々の言葉で残す方が、指導者へ相談する内容を整理しやすい。
圧力の研究から、息を止める練習や腹部を強く固める練習を自己流で追加する必要はない。この研究の結果を日常へ持ち帰るなら、脚上げでは呼吸と姿勢の両方が関係するという理解までにとどめたい。特定の呼吸操作の優劣や、症状を改善する方法を証明した試験ではないからだ。[2]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
競技選手の成績と結びついても、万人の正解にはならない
ハンギングレッグレイズは、トランポリン競技の研究にも登場する。対象は年少のトランポリン競技選手16人で、予備跳躍の高さに関係する指標を検討した研究である。発育段階と競技経験が異なるため、18〜39歳の一般女性の種目選びにそのまま当てはめることはできない。文献の検討や専門家への聞き取りを経て指標を選び、選手の測定結果を分析している。[3]
最終的な評価の枠組みには16項目が含まれた。30秒間のハンギングレッグレイズは、予備跳躍の高さとの灰色関連係数が0.9を超える、関連の強い指標の一つだった。灰色関連分析とは、測定した項目と対象の変化の対応を評価する分析法であり、この係数をそのまま通常の相関係数と同一視しない方がよい。[3]
一方、45°の仰向け脚上げは係数が0.8未満で、関連が比較的弱い項目に分類された。[3] この部分だけを切り取ると、ぶら下がる方が優れた体幹運動だと言いたくなる。しかし、調べているのは特定の競技の予備跳躍との関連である。健康づくりをする大人の種目選択とは、目的も対象も違う。
関連の強い項目には、立ち幅跳び、身長、脚の長さ、肩幅、着地時の股関節角度、状態不安なども含まれた。[3] 脚上げの成績だけで跳躍を説明する構図ではない。体の特徴、動作、心理面を含む複数の項目から競技を捉えていることが、この研究の読みどころである。
この研究は、脚上げを練習する群と練習しない群へ分け、その後の跳躍の変化を比べた介入試験ではない。したがって、ハンギングレッグレイズを増やせば跳躍が高くなるという因果の説明には使えない。[3] 競技で関連した項目は、練習候補を考える材料にはなっても、そのまま処方箋にはならないのである。
仕事帰りに運動を再開したい人が、競技選手の評価項目をすべて達成する必要はない。まずは何のための種目かを言葉にする。競技の跳躍を評価したいのか、腹筋への要求を知りたいのか、姿勢の指導で腹壁の張りがどう変わるかを見たいのか。研究ごとの問いを分ければ、寝た姿勢を早く卒業しなければという焦りからも距離を取れる。[1][3][4]
また、競技の研究に出てくる時間や角度は、評価を行った条件である。30秒という時間が、一般の人に勧める運動時間として検証されたわけではない。[3] 測定に使った条件をそのまま練習の目標にしてしまうと、研究が答えた問いが途中で変わってしまう。数字が具体的であるほど、何のために設定された数字かを確かめたい。
腹筋への要求を知る実験と、競技成績との関連を知る研究は、どちらも種目選びの材料になる。ただし、前者は運動中の特徴、後者は選手の測定項目と競技の関係を示す。[3][4] 夕方のレッスンを選ぶ場面に持ち帰るときは、そのうち何を自分の目的に照らして相談するのかを決めることが先になる。

よくある誤解
「ぶら下がれば深い筋肉だけを鍛えられる」という理解は、測定結果と一致しない。直接の実験で高い活動が示されたのは腹直筋と外腹斜筋である。[4] インナーマッスルという言葉を使う場合も、実際にどの筋肉や指標を調べた話なのかまで確かめたい。名前だけでは、深部への選択的な効果を保証できない。
「寝た脚上げは簡単なので体幹を使わない」という見方にも修正が必要だ。健康な人を対象とする研究では、仰向けの脚上げで腹壁の張りが測定され、指導後にその値が増えた。[1] 寝ていることと体幹の関与が小さいことを、同じ意味で扱わない。床にいるという外見だけでは、課題の内容は決まらないのである。
「筋活動が高いほど、必ずよい種目だ」という受け取り方も短絡的だ。強い腹筋への要求と脊柱の圧縮負荷が同時に示され、研究者はけがの履歴や目的、体力を考慮した選択を重視している。[4] 高い数値は種目の特徴を知る材料であって、誰もが目指す合格点ではない。種目を難しくする判断にも、その日の状態を含めた相談が必要だ。
今日からできること
- 動画の種目名に加えて、姿勢と膝の状態をメモする。約3000 Nの推定負荷は、膝を伸ばしたハンギングレッグレイズという条件の数字である。[4]
- 指導を受けるときは、形だけでなく腹部の使い方も確認する。健康な30人の研究では、言葉や手による指導のあとに腹壁の張りが変わった。[1]
- 種目を難しくする前に、目的と運動経験、過去のけがを伝える。男性14人の実験も、こうした個人の条件を含めた種目選びに結びつけている。[4]
- 回数を競技選手の評価に合わせない。30秒間の脚上げと跳躍の関連は、若いトランポリン選手の研究の結果である。[3]
- お腹の感覚を筋力の点数に変換しない。成人28人の実験が測った食道の圧力と、筋活動や腹壁の張りは異なる指標である。[1][2][4]

オンザショア立川店で、通う時間を決める
体幹運動は、種目の難しさだけでなく、目的と今の体力を照らして選びたい。続ける場所を考えるときも、その視点と通える時間を組み合わせる。オンザショア立川店は8:00〜23:30、年中無休で営業している。朝の予定の前に通うか、仕事帰りに寄るか、まずは時間から考える選び方もある。所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F、JR立川駅北口から徒歩1分である。
溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガに加え、常温のヨガ、ピラティス、パーソナルトレーニングがある。女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIITもあり、ヨガだけで25種類以上のレッスンを用意している。続ける場所を選ぶ際には、種目と通える時間帯を合わせて確認したい。
妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。内容は店のトップ、料金、体験の予約で確認できる。
参考文献
[1] Abdominal wall tension increases using Dynamic Neuromuscular Stabilization principles in different postural positions — Madle K, Svoboda P, Stribrny M, Novak J, Kolar P, Busch A, Kobesova A, Bitnar P., 2022, Musculoskeletal science & practice. DOI: 10.1016/j.msksp.2022.102655
[2] Impact of arm position and load on upper and lower esophageal sphincter pressures — Bitnar P, Kurka A, Busch A, Stehnova T, Madle K, Stovicek J, Kobesova A., 2026, Frontiers in physiology. DOI: 10.3389/fphys.2026.1735342
[3] Investigating the key influencing factors of pre-jump height in juvenile trampoline gymnasts using grey relational analysis — Wang H, Zhang S, Dai H, Gong M, Zou N, Jia F, Wang L., 2025, Frontiers in psychology. DOI: 10.3389/fpsyg.2025.1596942
[4] Muscle activity and spine load during anterior chain whole body linkage exercises: the body saw, hanging leg raise and walkout from a push-up — McGill S, Andersen J, Cannon J., 2015, Journal of sports sciences. DOI: 10.1080/02640414.2014.946437
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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