ダイエットの食事レシピに苦手な野菜を入れるとき、繰り返し食べれば必ず好きになるのか。乳幼児や子どもの系統的レビューと比較試験から、好みと食べる量の違い、調理法を変えたときの限界、長期の結果を読む。成人向けの回数を決めつけず、無理なく試せる献立の考え方を示す。
仕事帰りに買った葉野菜が、冷蔵庫でまだ袋に入っている。食事レシピを検索したときは食べるつもりだったのに、苦かった記憶が調理の手を止める。献立表では緑色がきれいでも、口の中まで予定どおりにはならない。
苦手な野菜でも、繰り返し味わう経験によって受け入れ方が変わる可能性はある。乳幼児を対象にした系統的レビューでは、同じ野菜や複数の野菜を繰り返し食べることで、食べる量などで測った受け入れが改善している。この記事の根拠は乳幼児・児童の研究が中心で、18〜39歳の女性が苦味に慣れる効果や必要な回数を直接確かめたものではない。成人の献立には、結果を読む視点と、自分で試す工夫を分けて持ち帰りたい。[8][12]
さらに、食べる量が増えても、好みが変わるとは限らない。子どもの比較試験では、このずれが実際に見られた。ダイエットの食事を考える際にも、苦い野菜を克服することと体重を減らすことを同じ目標にせず、食卓で選べる料理をどう増やすかという問いとして読むのがよい。[14]

苦いと感じることと、好きではないことを分ける
野菜の苦味は、食べる人の努力不足を示す印ではない。幼児の野菜の好みを扱ったレビューは、苦味に対する遺伝的な傾向や感覚の敏感さ、初めての食品を警戒する傾向を、受け入れ方に関わる要素として挙げている。幼児の発達を扱う知見であり、18〜39歳の女性の苦味の感じ方や変化にそのまま当てはめることはできない。同じ料理でも感じ方が違うという視点を受け取る。[15]
ここで分けたいのは、味を感じること、好きだと評価すること、実際に食べることだ。研究でも、野菜を好むか、別の野菜より選ぶか、どれだけ食べるかは別々に測られている。苦いと認識したまま食べられるようになる場合と、好きだという評価まで変わる場合を、同じ成果として数えるべきではない。[14]
たとえば「この副菜は苦いが、食事に添えるなら食べられる」という感想があったとする。これは料理への評価であって、苦味が消えたという証明ではない。「まだ好きではないが、前ほど避けない」という感想もあり得る。自分の食卓では、好きか嫌いかの判定だけを急がず、食べたときに何が気になったのかを言葉にすると、次に試したい形を選びやすい。
レビューでは、親子の食事中の関わり方や、その場の感情的な雰囲気も野菜の受け入れに重要だとされている。対象は幼児と親の関わりであり、18〜39歳の女性自身の食事環境を変えた効果はこのレビューから判断できない。苦手さを人格の問題に置き換えず、経験と環境の問題として扱う視点を与えてくれる。[15]
成人の夕食なら、「健康のためだから食べ切る」と自分を追い込むより、「この調理なら試したいか」を問う形に置き換えられる。これは成人への効果が確定した治療法ではなく、研究の問いを生活に持ち帰るための工夫だ。野菜を好きになれた人ほど立派だという順位を、食卓に持ち込む必要はない。
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
繰り返し味わう研究は、誰を調べたのか
繰り返し食べ物に触れる経験を、研究では反復曝露と呼ぶ。野菜の研究では、目の前に置くだけでなく、味わう経験を繰り返す介入が使われる。離乳食の開始から3歳までを扱った系統的レビューには、46報が含まれ、その内訳は介入研究25報、観察研究21報だった。発達初期の食経験を扱っており、18〜39歳の女性にも同じ効果が出るかは別に検証する必要がある。[8]
このレビューの介入研究では、繰り返し食べた野菜そのものの受け入れが増え、種類の違う野菜を経験することは、新しい野菜の受け入れに特に役立っていた。観察研究でも、接する頻度や野菜の種類、周囲の食べ方との関連が見られた。ただし、観察された関連を「回数を増やしたから好みが変わった」という因果に読み替えることはできない。[8]
別の系統的レビューは、主に乳幼児の野菜や果物を扱う21研究をまとめている。対象が4〜24か月の場合、1日1種類を8〜10日以上味わう経験は、その食品の受け入れを増やす可能性が高いという中程度の強さの根拠が示された。受け入れの指標は、前より多く食べることや食べる速度が上がることだった。18〜39歳の女性に、この日程や効果をそのまま適用する根拠にはならない。[12]
この数字は、大人の苦手な葉野菜に対する期限ではない。「この回数を超えたから、もう好きなはずだ」と自分を採点するためのものでもない。年齢も食べ物の形も違う生活へ当てはめる際には、研究の対象を一緒に持ち運ぶ必要がある。回数だけ切り抜くと、乳幼児の比較が成人の献立の義務に化けてしまう。[12]
研究の読み方としては、同じものを再び試すことに可能性がある、というところを受け取る。そのうえで、自分が続けられる調理や食事の場面を探す。成人向けの食事メニューを作るときに、乳幼児の試験日程をそのまま埋め込む理由はない。繰り返しは、締め切りよりも再挑戦の余地として考えたい。
既存記事「ダイエットの献立は同じものを繰り返す?味の種類と食べ飽きの研究を読む」には、献立全体の種類と食べ飽きの問いを譲る。ここで追うのは、すでに好きな料理の飽きではなく、苦手な野菜にもう一度触れたときに、何が変わり、何が変わらないかである。

食べる量と、好きという評価は別に測る
調理法と受け入れの関係を調べた無作為化比較試験がある。無作為化とは、参加者を偶然に基づいて群に割り振る方法だ。オランダの2〜4歳の子ども103人が、ほうれん草そのまま、クリーム仕立て、ほうれん草入りのラビオリ、対照のさやいんげんという4群に分けられた。家庭の主な食事で、6週間に6回、割り当てた野菜料理を出している。幼児の試験なので、18〜39歳の女性が同じ料理を試した場合の変化は、この結果だけでは判断できない。[14]
介入前後には、保育施設の試験食で、調理したほうれん草の摂取量と好みを評価した。ほうれん草の摂取量は全群で増え、平均53gから91gとなった。平均の増加は70%だった。一方、ほうれん草を好む方向への有意な変化はなかった。量の変化と好みの変化が同じではないことを、具体的に示す結果である。[14]
さらに、さやいんげんを出した対照群でもほうれん草の摂取量が増えた。したがって、増加のすべてを特定のほうれん草料理の働きとして説明することはできない。研究は、違う調理のほうれん草や別の緑の野菜を繰り返し出すことが、子どものほうれん草摂取を改善する可能性を示しているが、最も優れたレシピを決めた試験として読むのは行き過ぎだ。[14]
結果には個人差もあった。初めての食品を警戒する傾向が強い子どもは反応が小さく、介入前からほうれん草を多く食べる子どもは反応が大きかった。「もともと苦手な人ほど、同じ方法で大きく変わる」とはならない。摂取量の平均と一緒に、開始時点の違いも読む必要がある。[14]
家庭で記録するなら、「好きになったか」だけでは途中の変化を取りこぼす。料理を見たときに避けたくなるか、口に入れた後にどう感じるか、また同じ形で食べたいかは、別の問いとして残せる。どれも大人向けに有効性が検証された採点表ではないが、好みの判定を量だけで代用しないためのメモにはなる。
反対に、食べた量を増やすことを勝ち負けにすると、好みがどう変わったかが見えにくくなる。「全部食べたから克服した」では、その日の空腹や献立への感想を聞く余地がなくなる。食べ切った皿は記録の一部であって、口の中の感想を代弁するものではない。
野菜を混ぜた料理の好みは、どこまで広がるか
野菜を食べやすい料理に混ぜれば、野菜そのものも好きになるのか。この問いを扱った試験では、7〜10歳の子ども256人が、野菜を加えたスナックバーなどを繰り返し食べた。ビーツとにんじん、ほうれん草とキクイモ、かぼちゃとさつまいもを組み合わせたバーや、野菜を含まないバーが使われている。学童期の試験であり、18〜39歳の女性にも同様の変化が起きるかは検証が必要だ。[10]
食べる経験は8回で、毎日食べた群と、隔日で食べた群などがあった。バーへの好みは毎日食べた群を除く各群で増えたが、有意な増加が認められたのはビーツとにんじん、かぼちゃとさつまいもの群だった。一方、野菜そのものへの好みは変わらないか、低下した。[10]
つまり「野菜入りのバーが好きになった」と「その野菜が好きになった」は別の結果である。摂取量も群間で有意に違わなかった。研究の結論は、反復経験が野菜入りバーへの好みを高める方法になり得ても、野菜そのものへの好みの改善は確認できなかった、というものだ。[10]
家庭のレシピで考えるなら、苦手な野菜を入れた料理が食べられたとき、その料理を食事の選択肢として扱えばよい。別の形でも好きになったと証明するために、すぐ単独で出し直す必要はない。混ぜた料理を気に入ったという成果は、その料理についての感想として大切にできる。材料単体への好みまで先回りして決めないことだ。
数字で読む野菜の受け入れ
46報:離乳食の開始から3歳までの野菜の受け入れを扱った系統的レビューの規模。[8]
21研究:4〜24か月の乳幼児などへの反復経験をまとめた別の系統的レビュー。[12]
53gから91g:子どもの試験食で測ったほうれん草の平均摂取量。好みは有意に変わらなかった。[14]
256人:野菜入りバーを調べた7〜10歳の子どもの試験。バーと野菜の好みは別に評価された。[10]
246組:野菜への反復経験と食事中の関わり方を比較した母子の無作為化試験。追跡時の野菜摂取量に群間差はなかった。[13]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
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