
測る人が替わると、なぜ結論も揺れるのか
測定者の問題には、異なる結果の研究がある。先ほどの通所リハビリテーション利用者の研究では、人をまたぐ信頼性は低かった。一方、活動的な大学生を対象に、経験豊富な臨床家と経験の浅い臨床家を比較した研究では、測定者間にも高い信頼性が認められた。活動的な大学生を臨床家が測った成績であり、18〜39歳の女性全体のセルフ測定に同じ信頼性が得られるかは別の問いになる。[1][4]
大学生の研究で調べたのは、修正トーマステストという股関節の測定課題と、座位での内旋・外旋である。同じ測定者の信頼性は、修正トーマステストでICC 0.94、外旋で0.93〜0.95、内旋で0.80〜0.81だった。経験の異なる測定者間でも、それぞれ0.98、0.95、0.92という値が得られた。[4]
この結果は「経験の浅い人でも測れる可能性」を示すが、家で初めてアプリに触れた人にそのまま移せる成績ではない。比較されたのは臨床家であり、対象は活動的な大学生だった。リハビリテーション利用者の研究とは、対象も測定の組み合わせも異なる。どちらかを間違いとして捨てるより、条件の違う検証が別の結果を示したと受け取るのが妥当だ。[1][4]
家庭で一人で測るなら、評価者の交代より先に、自分の記録手順が毎回そろっているかを見直したい。遠隔評価研究は、臨床家が端末につないで評価する方法を検証している。そこでの成績を、自己流のアプリ測定に移すことはできない。[2] 家では、前回の姿勢や端末の使い方を再現するためのメモとして記録を使う、という位置づけが現実的だ。
具体的には、端末を体に当てる方式なら、当てた場所と向きを記録に添える。撮影する方式なら、端末を置く場所とマットの位置を決め、撮影距離や高さを再現できるよう配置を写真に残す。これは家庭で条件の変更を見つけるための工夫であり、研究が効果を検証した固定方法ではない。測定方式や姿勢で成績が異なる研究結果を踏まえ、角度と一緒に測り方を保存する提案である。[2][3]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
少し増えた角度を、すぐ成果にしない
小さな変化の解釈には「最小検出可能変化」という考え方が役立つ。測定の誤差を踏まえ、変化を検出できたと判断するための幅である。活動的な大学生の研究は、この幅を95%の信頼水準で計算した。同じ測定者の評価では5〜10.1°、測定者間では2.9〜6.5°の範囲だった。[4]
同じ研究の測定の標準誤差は、同じ測定者で1.9〜3.6°、測定者間で1.1〜2.3°だった。誤差と変化の判定幅を角度で示した点に意味がある。高いICCが得られた測定法でも、ごく小さな増減は誤差と区別して読む必要がある。[4]
ただし、この幅を自宅の全員に適用する合格線にしてはいけない。対象も課題も道具の使い方も決まった研究の値だからだ。「この角度以上増えれば、誰でも改善」という読み方ではなく、よく検証された方法にも変化を読み分ける幅がある、と知るための具体例になる。[4]
変化が起こった時点も重要である。筋力トレーニングを行う男性25人を対象とした無作為化・参加者内比較の研究では、太もも前面へのローラー等によるセルフマッサージ後に、受動的な股関節可動域を通常の角度計で測った。介入直後に加え、その後も時間を追って評価している。対象が筋力トレーニングを行う男性なので、18〜39歳の女性に同じ増加量や持続時間を当てはめることはできない。[19]
フォームローリング後の屈曲は、直後に19.28°、10分後に13.03°、20分後に6.00°増えたと報告された。しかし20分後には、調べた全プロトコルで変化が最小検出可能変化を超えなかった。平均の角度が開始前より大きいことと、誤差を超える変化として読めることは別だった。[19]
この研究はスマホの精度を検証したものではない。通常の角度計で得た介入後の経過を通じて、記録の読み方を考える例である。また、男性の受動的な可動域に対する直後の反応であり、女性が家で自力の脚上げを続けた長期の変化を保証するものではない。[19]
たとえば、ある日は練習直後、別の日は夕食前に測ったなら、「練習との時間関係が違う」と記録するほうがよい。研究では介入からの経過によって増加量と検出可能性が変わっている。家庭用の特定の待ち時間を決める根拠にはならないが、比較する時点を無視しない理由にはなる。[19]

よくある誤解
「スマホなら誰が測っても客観的」という思い込みは、通所リハビリテーション利用者を調べた研究の結果とは合わない。同じ人が測る信頼性は高くても、人をまたぐ信頼性は低かった。大学生の別研究では測定者間の成績も良かったため、測定者間の成績は研究条件と併せて読む必要がある。対象と課題を添えて判断する必要がある。[1][4]
「動画に撮れば直接測るより正確」という言い方も広すぎる。遠隔評価研究では、多くの動きで映像分析と基準装置がよく一致したが、うつ伏せの内旋は例外だった。さらに、その結果は研究で用いた分析方法に対する評価である。家の画面上で見た印象まで同じ精度になったことにはならない。[2]
「角度が増えない日は練習に意味がない」という判断も早い。測定研究で確かめているのは、その測り方の信頼性や妥当性である。角度の小さな増減には誤差を踏まえた判定が必要であり、画面に出る差だけでその日の練習全体を採点する使い方には無理がある。[3][4]
また、角度だけから腰痛の原因を決めることも避けたい。股関節可動域と非特異的腰痛、つまり特定の原因疾患によらない腰痛との関連を調べた系統的レビューは、非特異的腰痛のある人と健康な対照群を比べた24件の横断研究を含んだ。18〜39歳の女性の家庭測定に、この患者群との比較結果をそのまま当てはめることはできない。内旋の制限との関連は認められたが、全体の証拠の質は非常に低いと評価された。観察された関連を、その人の原因や治療方針に読み替えることはできない。[17]
角度を測る目的を「体のどこが悪いかを発見すること」に変えると、家庭での記録に過剰な役割を与える。痛みのある状態については医師に相談する。スマホの角度は、診断の代わりに使うのではなく、どの姿勢で何を測った記録かが分かる形で扱いたい。[2][17]
今日からできること
- 記録名を動きと姿勢の組み合わせにする。15人の遠隔評価研究では、同じ回旋でも座位とうつ伏せで検証成績が異なった。内旋を比べるなら、姿勢を替えた記録を無造作につながない。[2]
- 自力で動かしたか、補助で動かしたかを残す。男性20人の受動的な測定の研究と、自力の動きを評価した遠隔研究は課題が異なる。前回と同じ動かし方を比較の基本にする。[2][3]
- 一人での記録には端末の配置も残す。体に当てる位置と向きをメモし、撮影なら置き場所と距離を再現できるよう配置の写真を保存する。姿勢と測定方式で成績が異なる研究を踏まえた記録上の工夫であり、この配置で精度が保証されるという検証結果ではない。[2][3]
- 微差にすぐ「改善」と名前を付けない。大学生の研究での最小検出可能変化は、同じ測定者で5〜10.1°だった。家庭での共通基準にはせず、小さな増減を慎重に読む手がかりにする。[4]
- 練習前か直後かなど、測った時点も角度と一緒に残す。男性25人のセルフマッサージ研究では、介入後の経過により変化量と検出可能性が異なった。毎回の最高記録を探すより、比較できる記録を作る。[19]

オンザショア立川店で、記録と別に続ける予定を置く
測定の記録とは別に、体を動かす時間の置き場所を決めたい。オンザショア立川店は、JR立川駅北口から徒歩1分にある溶岩ホットヨガスタジオである。営業時間は8:00〜23:30、年中無休。仕事や用事の前後に通う予定を考える際は、この時間と場所を手がかりにできる。
所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F。溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガのほか、常温のヨガ、ピラティス、パーソナルトレーニングもある。ヨガだけで25種類以上のレッスンがあり、続ける場を考える際に種目を確認できる。
妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。参加する種目を考える際は、測った角度の大小より先に、この利用条件を確認したい。
ヨガの体験レッスンは税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。通うための情報は店舗トップと料金で、体験の手続きは予約ページで確認できる。予定に組み込める場所かどうかを、生活の動線と合わせて考えたい。
参考文献
[1] Clinical reliability and usability of smartphone goniometers for hip range of motion measurement — Takeda Y, Furukawa K., 2022, Journal of physical therapy science. DOI: 10.1589/jpts.34.433
[2] Validity and Reliability of a Novel Smartphone Tele-Assessment Solution for Quantifying Hip Range of Motion — Marshall CJ ほか, 2022, Sensors (Basel, Switzerland). DOI: 10.3390/s22218154
[3] Reliability and concurrent validity of a Smartphone, bubble inclinometer and motion analysis system for measurement of hip joint range of motion — Charlton PC, Mentiplay BF, Pua YH, Clark RA., 2015, Journal of science and medicine in sport. DOI: 10.1016/j.jsams.2014.04.008
[4] Reliability of a Smartphone Goniometric Application in the Measurement of Hip Range of Motion Among Experienced and Novice Clinicians — Whyte E, Ó Doinn T, Downey M, O’Connor S., 2021, Journal of sport rehabilitation. DOI: 10.1123/jsr.2020-0165
[17] Is there an association between hip range of motion and nonspecific low back pain? A systematic review — Avman MA, Osmotherly PG, Snodgrass S, Rivett DA., 2019, Musculoskeletal science & practice. DOI: 10.1016/j.msksp.2019.03.002
[19] Quadriceps foam rolling and rolling massage increases hip flexion and extension passive range-of-motion — Monteiro ER ほか, 2019, Journal of bodywork and movement therapies. DOI: 10.1016/j.jbmt.2019.01.008
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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