
きつかった日は、筋肉も多く育つのか
筋トレ経験のある男性24人が参加した無作為化クロスオーバー試験では、同じ参加者が方法を替えて運動した。比較したのは、ドロップセット、下降型ピラミッド、通常のセットである。スクワット、レッグプレス、座って膝を伸ばす運動を使い、各セット後の主観的なきつさと快・不快を調べた。筋トレ経験のある男性の結果であり、18〜39歳の女性に同じ感じ方の差が出るかは、この試験では判断できない。[2]
主観的なきつさとは、本人がどれだけ努力を要したと感じたかである。この試験では、総トレーニング量に方法間の統計的な差は検出されなかった。それでも、ドロップセットは下降型ピラミッドや通常のセットに比べてきつさが高く、快・不快の評価は不快側に寄った。同じ程度の量でも、感じる負担には違いがあった。[2]
各セットのきつさの平均と標準偏差は、ドロップセットが8.8±0.7、下降型ピラミッドが8.0±0.9、通常のセットが7.5±1.1だった。快・不快の平均値は、それぞれ−1.4、0.4、1.3である。ドロップセットの強い心理・生理的反応が試験の主な結論であり、この数字をそのまま筋肥大の順位表にはできない。[2]
ここで下降型ピラミッドとドロップセットを、単に「途中で軽くするもの」とひとまとめにしないことも大切だ。試験では別の条件として比較され、感じ方の結果も分かれている。指導者が重さを下げると説明したら、どの方式を指しているのか確認したい。同じ言葉に聞こえても、研究上の比較条件は別だったのである。[2]
夜の帰り道に「今日は本当にきつかった」と思うことはある。その感想は、その日の体験を伝える情報になる。ただし、長期の筋力や筋肥大を確認する評価とは分ける。この試験の急性反応と、レビューが扱う長期の適応は、見る時間軸が違う。帰りの階段での感想だけで、将来の筋肉に採点を付けることはできない。[1][2]
きつさを記録する目的は、自分を追い込めたか競うことではなく、負担の受け止め方を共有することに置きたい。方法を替えた日に取り組みやすさまで変わったなら、それも相談の材料になる。長期の優越性が示されていない方法を選ぶ場面では、本人の好みを判断に含めるというレビューの提案ともつながる。[1][2]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
筋力と大きさ、痛みの改善は別々に見る
何のための筋トレかによって、見る結果も変わる。筋肉を大きくすることと、筋肉の量に対してどれだけ力を出せるかは、同じ評価ではない。高齢者を対象にした系統的レビュー・メタ分析では、筋力を筋肉量で割って評価する「筋肉量当たりの筋力」を検討している。大きさだけで成績を語らないための視点だ。高齢者の知見であり、18〜39歳の女性に同じ改善幅をそのまま当てはめる根拠にはならない。[20]
この分析には60歳以上を対象とした41件の無作為化比較試験、3141人が含まれた。筋トレによる筋肉量当たりの筋力の改善は、標準化平均差0.65、95%信頼区間0.22〜1.09だった。標準化平均差は、異なる測定尺度の結果を共通の形で扱う指標であり、持ち上げる重さがそのまま0.65増えるという意味ではない。60歳以上の結果であり、18〜39歳の女性の効果量としては使えない。[20]
ただし、研究間のばらつきは大きく、この結果は高齢者についてのものだ。若い女性に同じ効果量を約束したり、重い順に行う方がよいと説明したりする根拠にはしない。ここから借りたいのは、目標に合った指標を選ぶ姿勢である。ピラミッド法のレビューでも、筋力と筋肥大はそれぞれ検討されている。[1][20]
膝の変形性関節症がある人については、痛み、生活動作、筋力を分けて調べた系統的レビュー・用量反応メタ分析がある。20件の無作為化比較試験、791人をまとめ、筋トレがそれぞれの結果を改善する可能性を示した。一方、証拠の確実性は低い〜非常に低いと評価されている。膝の変形性関節症患者の結果であり、同じ病気のない18〜39歳の女性にそのまま当てはめることはできない。[4]
その分析では、痛みの軽減は非常に軽い〜中程度の強度、機能の改善は中程度、筋力は中程度〜強い強度での変化が報告された。つまり、同じ研究群でも、見る結果によって負荷の読み方が異なる。重くすれば、痛みも動きも筋力も一緒に最もよくなる、という説明にはならない。[4]
これは膝の痛みがある読者への自己調整の処方ではない。診断や治療にかかわる運動は医師に相談する対象である。また、病気を対象にした筋トレの研究から、健康な女性のピラミッド法の優越性を導くこともできない。目的と対象をそろえて読むことで、別の研究の好ましい数字を、負荷の順番の宣伝に流用せずに済む。[1][4][20]
痛みの評価を含む研究を、健康な人の筋肥大の話にそのまま足さないことにも意味がある。たとえば、生活の動きやすさを目標にした人に、筋肉の大きさだけで経過を説明すれば、本人の知りたい変化から離れてしまう。逆に、筋肉の大きさを調べた比較から、痛みの治療成績まで言い切ることもできない。測った結果が何かを確かめる作業は、論文の読み方であると同時に、相談の目標をそろえる作業でもある。[1][4][20]
指導者との会話では、「この順番は誰のどんな結果を目指すものか」と聞けるとよい。筋力の記録を比較するのか、負担の受け止め方を見ながら調整するのかを共有する。研究で見つかった平均的な結果と、自分が今日どう感じたかは、競合する情報ではない。それぞれの役割を分けて持ち寄れば、特別な方式への期待だけで計画を決めずに済む。[1][2]

よくある誤解
「重さを毎セット変えないと筋トレの意味がない」という考えは、ピラミッド法の比較結果と合わない。レビューでは通常の方法に対する筋力・筋肥大の優越性は示されなかった。いつもの組み方を続ける人が、方法の名前だけで不利になるという根拠はない。変更するなら、何を変えたいのかを説明できることが先に来る。[1]
「最後まできつい方が、長い目でも必ずよい」という見方も分けたい。男性の比較試験は、運動量に統計的な差が検出されなくても、きつさや快・不快が異なることを示した。これはその場の負担の結果であり、筋肥大が多く起きたという結果ではない。急性反応を長期の成果の代わりに扱わないことが必要だ。[2]
「女性向けなら、研究の重さの範囲をそのまま使えばよい」という読み方にも飛躍がある。レビューの負荷範囲は、その結論をどこまで当てはめられるかを考える情報である。さらに、きつさの比較は筋トレ経験のある男性を対象にしている。対象と条件を飛ばして女性全員の指定メニューに置き換えることはできない。[1][2]
今日からできること
- 次の相談では、軽い方から重くするのか、重い方から軽くするのかを、実際の予定表で確認する。ピラミッド法のレビューは15件をまとめた比較であり、名前だけで通常法より優れているとはされていない。[1]
- 初心者はウォーミングアップで軽い負荷の動作を確認し、記録用のセットとは分ける。研究の8〜12回を相談の目安として、動作を保てる重さを指導者と決め、実施した重さ・回数・きつさを記録する。次回はその記録を見せて重量を調整する。[1]
- きつさと取り組みやすさを、成果の記録と分けて伝える。男性24人の試験では、総量に差が検出されなくても方式によって感じ方が異なった。[2]
- トレーナーには、筋力と筋肉の大きさのどちらを見て計画を調整するのか尋ねる。レビューではこの両方で通常法への優越性が示されていないため、特別な方式という理由だけで選ばない。[1]
- 膝の病気などがある場合は、一般向けの負荷表を先に当てはめず医師に相談する。膝の変形性関節症を扱う20件の試験でも、痛み、機能、筋力では負荷の結果が異なっていた。[4]

オンザショア立川店で、相談できる予定を作る
負荷の順番を相談するなら、通える時間と利用したい運動を並べて考えるところから始めたい。オンザショア立川店の営業時間は8:00〜23:30で、年中無休である。所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F。JR立川駅北口から徒歩1分の場所にある。
当店にはパーソナルトレーニングのほか、ピラティス、常温のヨガ、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIITがある。溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガも行い、ヨガのレッスンは25種類以上だ。種目と通う予定を照らし合わせ、継続する場所を選ぶ材料にしてほしい。
運動を選ぶ際には参加条件も確認する。妊娠中は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。店の案内と料金で、続けたい運動と予定を照らし合わせられる。
ヨガを試す場合の体験レッスンは税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。体験予約はヨガ体験の窓口である。負荷の順番の相談と、ヨガを試す予定は、それぞれ目的を確かめて選びたい。
参考文献
[1] Pyramidal resistance training: A brief review of acute responses and long-term adaptations — Cardozo DC, de Souza Destro D., 2023, Journal of bodywork and movement therapies. DOI: 10.1016/j.jbmt.2023.04.070
[2] Drop-Set Resistance Training versus Pyramidal and Traditional Sets Elicits Greater Psychophysiological Responses in Men — Enes A, Oneda G, Leonel DF, Ramos RA, Kvas-Cabral VC, Bernardo MF, Escalante G, 2023, Perceptual and motor skills. DOI: 10.1177/00315125231176729
[4] Tailoring Resistance Exercise for Knee Osteoarthritis: An Intervention Systematic Review With Dose-Response Meta-analysis of the Effects of Intensity and Volume — Núñez-Cortés R, Suso-Martí L, Tur-Boned A, Ogrezeanu DC, Salazar-Méndez J, Cruz-, 2026, The Journal of orthopaedic and sports physical therapy. DOI: 10.2519/jospt.2026.13477
[20] Effects of exercise and nutritional interventions on muscle-specific strength in older adults: A systematic review and meta-analysis — Ohta T, Hatanaka S, Li J, Furuya K, Kinoshita K, Otsuka R, Kawamura M, Watanabe, 2026, Ageing research reviews. DOI: 10.1016/j.arr.2026.103271
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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