
筋トレでは「何を測るか」で型の見え方が変わる
筋トレでも、遺伝子型の影響は単純ではない。男女それぞれ47人、計94人の筋トレ経験者を対象にしたランダム化三重盲検クロスオーバー試験では、3 mg/kgのカフェインとプラセボを比較した。ベンチプレスとスクワットを行い、重さごとの動作速度と、限界まで反復する課題を調べている。女性を含む点は参考になるが、18〜39歳の女性全般へ適用する際には筋トレ経験者の試験である点を考慮したい。[4]
筋力を評価する課題の平均速度はAAで4〜12%、ACで3〜9%増え、CCの変化は4%以下だった。一方、筋持久力の課題の平均速度はAAで4〜6%、ACで3〜4%、CCで2〜6%改善した。型によって数字の並びは異なるが、全体のカフェイン効果が遺伝子型で変わったわけではなく、組み合わせの影響が出たのは最も重い負荷の速度に限られた。[4]
つまり、CCなら何も変わらない、という読み方にもならない。この試験では性差や成績悪化は認められなかった。筋力課題と反復課題をひとまとめにして、型の優劣を決めると、同じ研究の中にある違いを消してしまう。[4]
対照的な結果もある。競技を行う男性を対象としたランダム化試験では、握力を102人、垂直跳びを97人で評価した。全体ではカフェインとプラセボに差がなかったが、CYP1A2のCCでは4 mg/kg摂取時に握力が12.8%低下した。AAとACでは握力の差がなく、垂直跳びではどの型も摂取条件による差は認められなかった。男性競技者の握力の変化を18〜39歳の女性の運動全般へそのまま移すことはできない。[19]
この結果は無視すべきではない。ただし、握力の低下を、すべての筋トレでの悪化と言い換えることもできない。バーベルを動かす速さと握る力では課題が違い、試験の対象や用量も異なる。食い違いを消すために、好みの論文だけ残す必要はない。何が一致せず、何を同じ条件で比べていないかを分ければよい。[4][19]
女性の読者にとっても、男性の競技者の値をそのまま自分に移すのは早い。男女を含む試験で性差が出なかったことは参考になるが、日常的な朝の運動すべての反応が同じと保証するものではない。どの運動で、何を成績とし、どんな経験のある人が参加したかが、遺伝子の文字と同じくらい重要である。[4]
女性にも効果があるかという問いでは、筋力トレーニングを扱うレビューが、女性の成績にも利益があり、その大きさは男性と同程度と考えられると整理している。一方で、同レビューではCYP1A2とADORA2Aの違いは、筋トレへの利益を左右しないようだと述べられている。後の試験で特定の条件に差が出ることと併せて読むと、遺伝子差についての理解が固定された答えではないことが分かる。[18][4]
また、動作速度の改善を、その場で持ち上げられる重さが同じ割合で増えたと読み替えてはいけない。94人の試験が報告した割合は、指定された負荷での平均速度の変化である。同じ「筋力」の見出しに入っていても、速度、握力、反復中の成績にはそれぞれ測り方がある。明日の練習で重さを増やす根拠として、速度の数字を流用することはできない。[4][19]
運動後に「今日は軽かった」と感じたときも、その感覚を否定する必要はない。ただ、研究に照らすなら、きつさの感覚と達成した課題を別に記すほうが話が正確になる。自転車の試験では主観的なきつさの低下も成績の改善も観察されたが、どちらも調べた遺伝子型で説明されなかった。実感に名前を付けることと、その原因を決めることの間には、まだ距離がある。[16]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
よくある誤解
「ADORA2AのCを持っているとカフェインが効かない」という言い切りは、比較試験で否定された。筋トレ経験のある男性20人を、ADORA2AのCCまたはCTに限定して調べたランダム化二重盲検試験では、3 mg/kg摂取後に25項目中21項目で成績改善が認められた。効果量の範囲は0.14〜0.96だった。男性の筋トレ経験者だけの試験であり、18〜39歳の女性にも同じ効果が出るかは、この結果だけでは判断できない。[20]
評価されたのはベンチプレスの速度やパワー、筋持久力、ジャンプ、自転車の高強度課題などである。この試験の参加者では、「反応しない型」という呼び名よりも、実測された改善を優先して読むべきだ。遺伝子型のラベルを、測定前から成績を決める判定に使うと、この結果を見落としてしまう。[20]
「たくさん摂れば体質の差を埋められる」という発想にも根拠を飛び越える部分がある。筋力トレーニングの研究を整理したレビューでは、2〜3 mg/kgのような低い用量でも、6 mg/kgと同程度の運動成績への利益が得られる可能性が示されている。高い量を使った試験があることと、高い量ほどよいことは別である。[18]
メタ分析で見つかった用量と成績の関係は、複数の研究の間での比較である。個人が量を増やしたときの変化を知るには、同じ人で条件を比べる必要がある。とくにCCの結果は解析条件に左右されており、型ごとの最適量を断定する根拠として採用するには限界がある。[10]
摂取のタイミングも、研究の条件と組にして読む。筋トレのレビューでは、カプセルは運動の30〜60分前、ガムやジェルは10分前でも利益が得られる可能性が整理されている。摂取する形によって検討された時間が違うため、これを朝のコーヒーの待ち時間へ機械的に置き換えるのは早い。出発まで余裕のない朝に、研究の時刻へ合わせようと運動予定を急ぐ必要もない。[18]

今日からできること
- 目的を「眠気」「動きやすさ」「記録」に分けて記す。所要時間が改善した40人の自転車試験でも、調べた遺伝子による差はなかった。どの課題がどう変わったかを記録の中心に置く。[16]
- 研究の用量を飲む杯数に置き換えない。94人の筋トレ試験の3 mg/kgは体重当たりのカフェイン量であり、朝のコーヒーの杯数を指示した数字ではない。[4]
- 効き目が乏しい日も、6 mg/kgの試験を見て量を追いかけない。レビューでは2〜3 mg/kgでも同程度の利益が得られる可能性がある。まず追加しないという選択を残す。[18]
- 検査結果を見るなら、CYP1A2かADORA2Aかまで確かめる。同じCという表記でも別の遺伝子であり、ADORA2AのCを持つ20人の試験でも成績改善は観察されている。[20]
- 不安や睡眠の変化を、運動記録とは別に振り返る。22報を整理したレビューには、不安や睡眠とADORA2Aの関連が含まれる。気になる不調がある場合の判断は医師に相談する。[12]
記録するなら、飲んだものと運動内容、動いたときの感覚を同じメモに置くと、少なくとも自分が何を「効いた」と呼んでいるかを整理できる。飲んだ時刻と運動開始までの間隔も添えれば、研究との条件の違いを振り返りやすい。バーベルの速度と不安の変化は、それぞれ別の欄で扱う。[4][12]
運動の時間や内容を変え、カフェインも変えた朝に調子がよくても、どの変更が役立ったかは分からない。試験が対照条件を設けるのは、その違いを切り分けるためだ。日常のメモに研究と同じ厳密さを求める必要はないが、条件をどこまで揃えられたかを振り返る姿勢は持てる。[2][16]
遺伝子検査の結果をすでに持っている人も、それを運動参加の条件にする必要はない。ここで扱った試験はカフェインによる成績の変化を調べており、特定の型の人が運動できないと示したものではない。摂取するかどうかと、体を動かす予定を立てることは、別々に決めてよい。[4][10][20]
オンザショアで、飲み物より先に運動の予定を置く
朝の一杯の効き目を見定めることと、通える場所を選ぶことは別の作業だ。オンザショア立川店は、JR立川駅北口から徒歩1分の溶岩ホットヨガスタジオである。営業時間は8:00〜23:30、年中無休。朝に動く予定も、仕事や用事を終えてからの予定も、生活の時間割に合わせて考えられる。
所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F。溶岩プレートを敷いたスタジオのホットヨガに加え、常温のヨガやピラティス、パーソナルトレーニングがある。ヨガだけで25種類以上のレッスンを用意している。何を飲むかの答えが決まっていなくても、どの運動を日常の予定に置くかは選べる。
妊娠中は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。店舗案内と料金で通い方を確認できる。ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルを含む。予定が合えば体験予約へ進める。朝に通うか、用事のあとに通うかを先に考えると、レッスンを日常に置く見通しが立つ。コーヒーの準備とは別に、通う時間を予定表に置く場所である。

参考文献
[2] The Effect of CYP1A2 Gene Polymorphisms on Caffeine Pharmacokinetics and Exercise Performance in Male Recreational Athletes — Masters C, Ali A, Badenhorst C, Dickens M, Rutherfurd-Markwick K., 2026, European journal of sport science. DOI: 10.1002/ejsc.70203
[3] Influence of the CYP1A2 genotype on the exercise performance of physically active individuals under caffeine supplementation: a systematic review — Messenburger GP, Nuñez FF, Porepp O, Collares LDN, Delpino FM, de Barros CC, Pie, 2025, Nutrition research (New York, N.Y.). DOI: 10.1016/j.nutres.2025.10.005
[4] CYP1A2 Genotype and the Ergogenic Effect of Acute Caffeine Intake on Muscular Strength and Endurance Performance in Trained Individuals — Montalvo-Alonso JJ, Del Val-Manzano M, Martín-Rivas I, Ferragut C, Valadés D, Pé, 2026, Scandinavian journal of medicine & science in sports. DOI: 10.1111/sms.70214
[10] Caffeine, CYP1A2 Genotype, and Exercise Performance: A Systematic Review and Meta-analysis — Barreto G, Esteves GP, Marticorena F, Oliveira TN, Grgic J, Saunders B., 2024, Medicine and science in sports and exercise. DOI: 10.1249/mss.0000000000003313
[12] Genetics of caffeine and brain-related outcomes – a systematic review of observational studies and randomized trials — Kapellou A, King A, Graham CAM, Pilic L, Mavrommatis Y., 2023, Nutrition reviews. DOI: 10.1093/nutrit/nuad029
[16] Caffeine, exercise physiology, and time-trial performance: no effect of ADORA2A or CYP1A2 genotypes — Glaister M, Chopra K, Pereira De Sena AL, Sternbach C, Morina L, Mavrommatis Y., 2021, Applied physiology, nutrition, and metabolism = Physiologie appliquee, nutrition et metabolisme. DOI: 10.1139/apnm-2020-0551
[18] Effects of Caffeine on Resistance Exercise: A Review of Recent Research — Grgic J., 2021, Sports medicine (Auckland, N.Z.). DOI: 10.1007/s40279-021-01521-x
[19] CYP1A2 Genotype Modifies the Effects of Caffeine Compared With Placebo on Muscle Strength in Competitive Male Athletes — Wong O, Marshall K, Sicova M, Guest NS, García-Bailo B, El-Sohemy A., 2021, International journal of sport nutrition and exercise metabolism. DOI: 10.1123/ijsnem.2020-0395
[20] ADOR2A C Allele Carriers Exhibit Ergogenic Responses to Caffeine Supplementation — Grgic J, Pickering C, Bishop DJ, Del Coso J, Schoenfeld BJ, Tinsley GM, Pedisic , 2020, Nutrients. DOI: 10.3390/nu12030741
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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