
スクワットで使う裏腿と、女性の研究をどう読むか
「膝を曲げるならスクワットでも十分か」という疑問も出てくる。まず、種目をしている間に筋が活動することと、続けた結果その筋が大きくなることを分ける必要がある。ピラティス経験のある成人13人の試験では、通常の呼吸、腹部を引き込む方法、その方法にピラティスの呼吸を組み合わせる条件でスクワットを比べた。膝を曲げる局面の大腿二頭筋の活動は、条件によって有意に異なった。参加者の性別の内訳は記されておらず、18〜39歳の女性全般への適用には運動経験の違いも考える必要がある。[9]
この測定に使われた表面筋電図は、皮膚上から筋の電気的な活動を記録する方法である。[9] その場で条件を変えると活動が変わるという結果は、呼吸や動作の指示も運動条件の一部だと考える材料になる。しかし、この試験の結果を「この呼吸なら裏腿が大きく育つ」と読み替えることはできない。測ったのはスクワット中の活動であり、継続後の筋体積ではない。[9]
脚で台を押すレッグプレスの系統的レビューでは、健康でトレーニングをしている人の筋電図研究をまとめ、最も大きな活動を示すのは主に太もも前側の筋群だと整理している。大腿二頭筋などの活動は膝が伸び切る方向で高くなる一方、足の位置などの変更が活動に与える影響については研究間の結果が十分にそろっていない。[10] 対象は健康なトレーニング経験者で、18〜39歳の運動初心者の女性にも同じ活動が生じるかは未確認だ。脚全体を使う種目にも裏腿の出番はあるが、脚の運動をすべて同じ刺激と見なすことはできない。
筋トレ未経験の若い男性16人が、回転する円盤の慣性を使うフライホイール式スクワットを週2回、5週間行った試験もある。左右の脚を使って、休憩中に静的ストレッチを加える条件と加えない条件を比較した。ハムストリングと大臀筋には肥大が見られず、太もも前側の筋の厚さは増えたが、その増加の群間差は有意ではなかった。18〜39歳の女性にも同じ結果になるかは、若い男性のみのこの試験では判断できない。[11]
この結果は、先ほどの膝側と股関節側を狙う試験でハムストリングが増えたことと、表面上は食い違って見える。[2][11] しかし、種目も期間も測定方法も違う。裏腿を狙った練習と、スクワットを行う練習の結果を足し合わせて、筋トレなら何でも同じだとすることはできない。後者で増えなかった事実は、「スクワットは無意味」という意味でもない。[11]
また、ストレッチを加えた脚では関節の柔軟性に追加の改善が見られた一方、筋肥大への追加効果は確認されなかった。[11] 動かせる範囲が変わることと、筋肉が増えることには別の記録欄が要る。裏腿の伸びる感じだけを毎回の合格印にすると、鍛えたい動作の力を見失いやすい。動画のタイトルでは一緒でも、研究の測定項目では別々である。
女性を対象とした研究では、動作中の活動をより細かく見ている。膝のけがの経験がない大学内の女性バスケットボール選手30人を対象にした無作為化試験では、敏捷性トレーニングを週4回、6週間行った群で、方向転換時の接地中に裏腿内側の筋活動が増えた。一方、膝の曲がる角度と、足が地面から受ける鉛直方向の最大の力は変わらなかった。若い女性の研究でも対象は競技をする人であり、18〜39歳の一般女性の自宅筋トレにそのまま当てはめることはできない。[19]
ここでも「筋の活動が変わる」と「動作の形が変わる」は同じ結果ではない。著者はけがの予防への可能性に触れているが、測定した結果は筋活動と動作であり、実際のけがの減少は検証していない。[19] 女性の研究があるからといって、それを一般女性の裏腿の筋肥大や、家での筋トレの効果の数字として使うことはできない。
術後の研究は、筋活動の大きさだけを目標にしない理由をさらに示す。膝の前十字靱帯の再建術後を扱った34研究の系統的レビュー・メタ分析では、手術を受けた人は比較対象より、歩行や階段でのハムストリングの活動と太もも前側との同時活動が大きい傾向だった。膝屈曲では、電気的な活動から力が生じるまでの遅れが長いという証拠もあった。対象は再建術後の患者であり、健康な18〜39歳の女性の筋トレ効果には直接当てはめられない。[8]
これは健康な人に対する筋トレ処方ではない。ただ、活動の大きさを「よく鍛えられた」の単純な印にしないための例にはなる。筋活動が大きい状態が、術後の機能上の課題と並んで観察されているからだ。[8] 手術やけがの後の練習を、健康な参加者の種目比較で置き換えず、医師に確認する対象として扱いたい。
家で選ぶ際には、研究の対象を読むだけでも判断が変わる。男性中心の画像研究は、種目で筋の変化する場所が違うという材料になる。女性選手の試験は、方向転換の練習で筋活動が変わるという材料になる。[4][14][19] どちらも役に立つが、同じ「女性向け裏腿メニュー」の効果を測った結果ではない。性別の文字だけでなく、運動経験、種目、何を測ったかを一緒に見るのがよい。
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
よくある誤解
「膝を曲げる種目で筋肉が増えれば、股関節を動かす種目も自動的に得意になる」は、筋体積と筋力の転移を混同している。比較試験では全体の筋肥大が見られた一方、それと練習していない種目の筋力変化との相関は多くの測定で有意ではなかった。[2] 膝側の練習で得た成果を喜びながら、股関節側の力は別に確かめる。この読み方なら、成果を過大にも過小にも扱わずに済む。
「長く伸ばした位置ほど、どんな力もよく育つ」という順位づけは、測定位置を無視している。膝の角度を変えた等尺性の比較では、筋の断面積の変化に群間差は確認されず、短い条件での筋力には短い条件の練習が有利な可能性があった。[5] 長い位置での練習にも価値はあるが、比較する筋力の測定位置が抜けたランキングは頼りにならない。
「裏腿がよく活動するフォームなら、筋肥大もけが予防も約束される」は、測定の先を飛び越えている。スクワットで呼吸条件を変えた研究は活動を、女性選手の敏捷性トレーニングは方向転換中の活動と動作を測った。[9][19] 筋活動を測った結果を、長期の体積増加や実際のけがの減少にそのまま変換しない。裏腿に意識を集中することと、研究の結果の範囲を広げることは別の話だ。
もう一つ、女性向けというラベルは、その方法を女性だけで検証した印ではない。今回の部位別の筋肥大を調べた代表的な試験は男性が対象だった。[4][14] だから参考にならないのではなく、使えるのは種目選択の考え方までで、自分にも同じ割合の変化が起きるという予告には使わない、という区切りになる。

今日からできること
- 動画やメニューを「膝を曲げる」「股関節を動かす」に分け、種目名と扱った負荷を記録する。次の指導では、疲れた場所に加えて練習した動作を伝える。36人の比較試験が別々に評価した課題を、日々の練習でも区別するためである。[2]
- 指導を受ける際は、今の種目がどちらの動作の力を狙うのかを確認する。9週間の比較試験の著者は両種目を含めることを提案したが、実施できる種目や負荷は指導者と確認して選ぶ。[2]
- 関節の角度を変えるときは、負荷も見直す材料にする。28人の等尺性研究では、全体の力をそろえても、筋の収縮による部分は条件間で異なった。[5]
- 記録を、動作の力、動かせる範囲、感じた場所に分ける。5週間のスクワット試験では、ストレッチによる柔軟性の追加改善と、筋肥大への追加効果の不在が同時に報告されている。[11]
- 研究の週3回や9週間を、自分の必須ノルマにしない。種目間の比較のために設定された条件であり、忙しい日の自宅運動の最適量を決めた試験ではない。[2]
オンザショアで、運動を続ける予定を組む
膝を曲げる練習なのか、股関節を動かす練習なのか。裏腿という名前だけで運動を選ばず、何を練習する時間にしたいかを考えたい。オンザショア立川店にはピラティスやパーソナルトレーニング、常温のヨガがあり、溶岩プレートを敷いたスタジオではホットヨガを行う。ヨガだけで25種類以上のレッスンがある。
参加条件は予定を組む前に確認したい。妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。各種の案内は店のトップに掲載されている。
営業時間は8:00〜23:30、年中無休。JR立川駅北口から徒歩1分で、所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fだ。仕事や外出の予定に合わせ、通う時間を考えられる。
ヨガの体験レッスンは税込1,980円。60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。料金ページで費用を確認し、体験の予約で日程を選ぶ。種目名を増やす前に、どんな動作を練習したいかを言葉にして、通う予定と一緒に持っていこう。

参考文献
- Minimal Role of Hamstring Hypertrophy in Strength Transfer Between Nordic Hamstring and Stiff-Leg Deadlift: A Blinded Randomized Controlled Trial — Morin T, Doguet V, Nordez A, Caillet A, Lacourpaille L., 2025, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/jsc.0000000000005159
- Hamstring Muscle-Tendon Geometric Adaptations to Resistance Training Using the Hip Extension and Nordic Hamstring Exercises — Lazarczuk SL, Collings TJ, Hams AH, Timmins RG, Shield AJ, Barrett RS, Bourne MN, 2024, Scandinavian journal of medicine & science in sports. DOI: 10.1111/sms.14728
- Effects of Low-Intensity Torque-Matched Isometric Training at Long and Short Muscle Lengths of the Hamstrings on Muscle Strength and Hypertrophy: A Randomized Controlled Study — Nakao S, Ikezoe T, Taniguchi M, Motomura Y, Hirono T, Nojiri S, Hayashi R, Tanak, 2023, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/jsc.0000000000004510
- Hamstrings force-length relationships and their implications for angle-specific joint torques: a narrative review — Kellis E, Blazevich AJ., 2022, BMC sports science, medicine & rehabilitation. DOI: 10.1186/s13102-022-00555-6
- Hamstrings Neuromuscular Function After Anterior Cruciate Ligament Reconstruction: A Systematic Review and Meta-Analysis — Sherman DA, Glaviano NR, Norte GE., 2021, Sports medicine (Auckland, N.Z.). DOI: 10.1007/s40279-021-01433-w
- Activity of Lower Limb Muscles During Squat With and Without Abdominal Drawing-in and Pilates Breathing — Barbosa AC, Martins FM, Silva AF, Coelho AC, Intelangelo L, Vieira ER., 2017, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/jsc.0000000000001877
- Evaluation of the Lower Limb Muscles’ Electromyographic Activity during the Leg Press Exercise and Its Variants: A Systematic Review — Martín-Fuentes I, Oliva-Lozano JM, Muyor JM., 2020, International journal of environmental research and public health. DOI: 10.3390/ijerph17134626
- Effects of Adding Inter-Set Static Stretching to Flywheel Resistance Training on Flexibility, Muscular Strength, and Regional Hypertrophy in Young Men — Nakamura M, Ikezu H, Sato S, Yahata K, Kiyono R, Yoshida R, Takeuchi K, Nunes JP, 2021, International journal of environmental research and public health. DOI: 10.3390/ijerph18073770
- Impact of the Nordic hamstring and hip extension exercises on hamstring architecture and morphology: implications for injury prevention — Bourne MN, Duhig SJ, Timmins RG, Williams MD, Opar DA, Al Najjar A, Kerr GK, Shi, 2017, British journal of sports medicine. DOI: 10.1136/bjsports-2016-096130
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この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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