ランニング後の心拍数が下がらない日は、歩く記録と座る記録を混ぜない

走り終えて脈が落ちないとき、歩きながらの平均と座ってからの1分は同じ回復ではない。中程度に鍛えた男性11人では、仰向けの受動回復がいちばん速く、立位は戻りが鈍かった。速い低下を、調子の良さや持久力の証拠として一つにはできない。前日と比べる前に、測った姿勢を揃える。

立川駅北口の信号が青になる前に、時計はまだ高い数字を示している。いつものコースを走り終えて、中央線の改札まで歩いている。検索の履歴に残る語は「ランニング 後 心拍数 下がらない」。歩幅を落とすほど、その数字が故障に見えてくる。

その数字は、座って止めたあとの回復ではないことが多い。歩いているあいだの拍を、アプリが平均して、回復の欄へ入れている。座る、立つ、仰向けになる、歩き続ける。手続きが変わると、同じ人の同じ走りでも、戻りの欄は別物になる。

既存記事「ランニング初心者の心拍数はすぐ上がる?走り始めの記録と息切れを分ける読み方」には、走り始めに脈が上がる速さと、息切れの感じを分ける問いを譲る。ここが見るのは、走り終えたあとである。中程度に鍛えた男性11人を、亜最大のランニングのあと5分間、動かずに回復させた試験では、仰向けがいちばん副交感の戻りが大きく、立ったままがいちばん小さかった。別の試験では、高強度の区間のあいだを仰向けにしても、セッション後の1分の差は39拍と36拍で、数拍にとどまった。下がらない感覚のすべてが、姿勢の数拍で説明できるわけではない。[1][2]

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歩きの平均は、座った1分の回復ではない

副交感の再活性化とは、運動をやめたあとに、心拍を落とす側の神経活動が戻ることである。試験はそれを、心拍がどれだけ下がったか(心拍回復)と、拍の間隔のゆらぎ(心拍変動)の両方で見ている。ゆらぎの指標の一つが、連続する拍の間隔の差を見たrMSSDで、30秒ごとに切って計算するものもある。平均の脈拍は、このどちらでもない。ある時間の拍をならした速さである。

心拍回復は、運動の強さと、休んでいる条件で変わる。だから信頼して読むには、そのとき何をしていたかを、脈と一緒に残す必要がある。胸に付けた装置の研究は、その前提で、加速度の山と体の傾きの山から、走る、歩く、姿勢が変わる、をその場で分けた。監視のある7人で、活動の検出感度は99.2パーセント、姿勢の変化は感度92パーセント、特異度93.3パーセントだった。このパーセントは、脈が正確だった割合ではない。活動のラベルが、どれだけ当たったかである。ラベルの違う時間を一つの平均にすると、回復の比較ではなく、歩きと座りの混合になる。[3]

走る競技の体力の変化を、無理のないプロトコルで追った系統的レビューは、指標ごとに関係の強さが違うと整理している。PRISMAに沿い、2452件から14研究、競技者515人が残った。一定の亜最大速度での心拍数の変化は、有酸素能力の変化と大きい関連を示す研究が多く、相関係数rは0.51から0.88だった。ただし3研究は関係を示せず、rは0.19から0.35だった。速度の強さも効く。最大心拍の90パーセントに相当する速度の変化はrが0.52から0.79、70パーセントでは0.24から0.52だった。運動後の心拍変動は、逆に、70パーセントのほうがrが0.76から0.88と非常に大きく、90パーセントではマイナス0.02から0.06で、ほぼ関係がなかった。運動後の心拍回復の変化は、rがマイナス0.01からマイナス0.55に散らばり、結論は出ていない。[6]

北口の歩きの平均は、速度を固定したランニング中の心拍でもない。レビューが比較的そろって見たと書くのは、その固定速度での変化である。運動後の戻りは、結論が出ていない側にある。平均が落ちたことを、持久力が上がった証拠にはしない。[6]

疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。

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立って動かない5分は、座位より戻りが小さかった

姿勢そのものを分けた試験がある。中程度に鍛えた男性11人、22.1歳、ばらつき3.0歳。4回、無作為の順で、亜最大のランニングを2本続け、それぞれのあとに5分の受動回復を置いた。姿勢は立位、座位、仰向け、脚を上げた仰向けの四つである。2本のあいだには、150秒の超最大の間欠走を挟んだ。回復は、間欠走の前と後で、心拍回復と心拍変動(30秒のrMSSDなど)を見ている。受動とは、その5分は自分から動き続けない、という意味である。歩きながら時計を見る時間とは、ここですでに手続きが違う。[1]

間欠走の前では、仰向けは30秒rMSSDの上昇が、座位と脚上げより速く、より大きかった。どちらと比べてもPは0.01未満である。その三つは、いずれも立位より高かった。立位とのPは0.001未満である。時間とともに指標が増える効果は、座位、仰向け、脚上げでは見えた(いずれもPは0.05未満)。立位では見えず、Pは0.99だった。立ったままの5分は、ゆらぎが時間とともに積み上がる形になっていない。[1]

間欠走の前の値は、あとより高かった。Pは0.001未満である。例外は立位で、傾向にとどまり、Pは0.06だった。きつい間欠走のあとでは、姿勢の影響は心拍回復には残った(Pは0.001未満)。心拍変動には残らず、30秒rMSSDのPは0.99である。著者らの結論は、仰向けが他の三つの姿勢より副交感の再活性化を速め、大きくした、というものだ。ただし超最大の運動のあとでは、姿勢の影響はそれほど明らかではなかった。交感が強い背景では、運動後の心拍変動は心拍回復より重力の影響を受けにくく、運動そのものによる副交感の変化をより反映する、とも書いている。[1]

拍が何拍下がったかと、拍の間隔のゆらぎは、きつい終盤のあとで姿勢への敏感さが分かれる。試験の立位は5分間動かない回復で、歩きながら見る平均とは手続きが違う。座って止めた1分と同じ欄には入らない。[1]

仰向けの区間休息が動かしたのは、数拍だった

区間のあいだだけ姿勢を変えた試験は、別の問いである。健康で活動的な男性15人、18歳から34歳。トレッドミルで、最大酸素摂取量の95パーセントで3分、回復3分、これを4本。回復は立った受動か、仰向けの受動か。重い有害事象はなく、手順の遵守は両条件とも100、ばらつきは0だった。変えたのは、区間と区間の3分である。[2]

見ている回復は、区間の3分そのものだけではない。セッションの前、直後、24時間後に、一定速度のランニングで、心拍変動と、その回復、1分の心拍回復を測っている。セッション前後で心拍変動の回復(連続する拍間隔の差を、自然対数にした値)がどう変わったかは、条件のあいだで違わなかった。pは0.38である。一方、1分の心拍回復は、仰向けを挟んだあとのほうが速く、1分あたり39拍、ばらつき7、立位は36拍、ばらつき5だった。24時間後の心拍変動は、仰向けを挟んだあとが3.56ミリ秒、ばらつき0.57、立位は3.37ミリ秒、ばらつき0.42だった。[2]

主観的なきつさはpが0.23、血中乳酸はpが0.35で、条件のあいだに差はなかった。走っているあいだの平均心拍数は、仰向けを挟むと1分あたり174拍、ばらつき7、立位は176拍、ばらつき7で、pは0.04だった。著者らは、区間中の仰向けは急性の自律神経の乱れを弱め、運動後の迷走神経(心拍を抑える副交感の経路)の再活性化を速める、と結論している。24時間後の準備を良くする可能性にも触れ、慢性の効果はこれからだと留保している。平均の差の数拍を、体感の「全然下がらない」と同じ大きさにはしない。[2]

数字で読む走り終えた脈

11人、22.1歳、ばらつき3.0。仰向け5分の心拍変動は座位と脚上げより大きく、三つとも立位より高かった。立位だけ、増える時間の効果がPは0.99で見えなかった。[1]

39対36拍。男性15人で、区間のあいだを仰向けにすると、セッション後の1分の回復が速かった。24時間後の心拍変動は3.56対3.37ミリ秒。[2]

16対3拍。時速11キロのあと、機能的オーバートレーニング群の増加が対照より大きかった。速い戻りは好調ではない。[18]

マイナス0.01からマイナス0.55。14研究、515人で、運動後の心拍回復の変化と有酸素能力の変化は結論が出ていない。一定速度の亜最大ラン中の心拍は、多くの研究でrが0.51から0.88。[6]

19.1対12.6パーセント。未経験の女性で、心拍変動を見て強度を選んだ群の心拍回復の相対改善。ばらつきは28.1と12.9で、効果量は小さい。[9]

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宮川涼 Founder

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