ダイエットの筋トレ用サプリは味で分かる?飲料比較で確かめたい中身の隠し方

ダイエットや筋トレのサプリを、味の強さや飲んだ実感だけで選んでいないか。味・色・カロリーをそろえた飲料試験を手がかりに、盲検、比較相手、配合成分、飲む時刻を読み分ける。自転車や競泳の研究から筋トレへ広げられる範囲と、購入前に確かめたい研究結果の見方を考える。

トレーニング前、更衣室でシェーカーのふたを開ける。前の粉より味が濃い。「今日は効きそうだ」と思ったところで、その感想を記録のどこへ置けばよいのだろう。

味が違うと中身を見抜けるかは、飲料ごとの比較で確かめる必要がある。運動用サプリの研究には、成分入りの飲料と比較用の飲料で、味だけでなく色とカロリーまでそろえた試験がある。味をそろえる工夫と、運動成績に差が出たという結果は、分けて読むのが出発点だ。[1]

「筋肉痛のクリームは匂いで中身が分かる?比較試験の盲検と期待の影響を読む」では、肌に塗るものの比較を扱っている。ここでは飲むサプリに絞り、何を同じにして、何だけを違わせた比較なのかをたどる。検索語がEAAでも、別の配合飲料の結果をそのまま借りることはできない。[1][6]

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味をそろえた試験は、何を比べているのか

中身の割り当てを伏せて比較する方法が盲検である。成分の有無を比べる際に使う比較用のものをプラセボと呼ぶ。飲み物なら、ラベルを外すだけでなく、口に入れた時の条件にも目を向けたい。実際に、運動前の複合サプリを調べた無作為化プラセボ対照クロスオーバー試験では、プラセボの味・色・カロリーが合わせられていた。クロスオーバーとは、同じ参加者が異なる条件を経験する試験の組み方だ。[1]

対象は自転車競技者13人だった。競技者の運動条件で得た結果を、18〜39歳の女性の日常の筋トレにそのまま当てはめることはできない。比較したのは、カフェイン200mg、βアラニン1600mg、ケルセチン1000mgを含む配合品である。参加者は実験に4回参加し、そのうち成分入りを飲む条件では、運動前、一定の運動の開始時、後半の成績測定の直前という別々の時点が使われた。残る条件では、すべての時点でプラセボを飲んだ。[1]

ここで丁寧なのは、成分入りを飲まない時点にもプラセボを置き、各回で飲む機会をそろえている点である。どの条件でも飲料を3回飲むので、「今日は飲む回数が違う」という比較にはならない。飲む時刻を検討する研究でも、時刻以外の手順をそろえる必要があることが、この設計から見える。[1]

読み手が拾いたいのは、単に「プラセボ使用」の文字があるかどうかではない。成分入りと比較用の飲料は何が共通なのか、参加者はどの時点で飲んだのか、運動はどこからどこまで同じなのか。味・色・カロリーという具体的な条件が分かると、比較の輪郭がはっきりする。[1]

ただし、味をそろえたという設計上の説明から、「参加者全員が最後まで中身を分からなかった」とまでは言い換えない。その工夫を確認したうえで、成績の差を読む。味の一致を、隠し方の完全な成功と同じ意味で使わないことが大切だ。[1]

日常の飲み比べでは、自分で袋を開け、成分名も見てから飲むことが多い。そんな場面での「気に入った」は、選択に必要な感想である。一方、味を隠した比較試験の結果とは、答えようとしている問いが違う。おいしさを評価することと、配合の効果を評価することを、同じ欄に詰め込まない。[1]

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飲む時刻の差を、味や成分の優劣に変えない

先ほどの試験では、一定の自転車運動を30分行い、その後に15分のタイムトライアルを実施した。成分入りを運動開始35分前に飲む条件では、すべてプラセボの条件より、後半の総仕事量が5%大きかった。体重あたりの仕事量は3.53対3.36kJ/kgだった。[1]

一方、運動開始時に飲んだ条件と、タイムトライアルの直前に飲んだ条件は、プラセボ条件との有意な差がなかった。同じ配合品を使っていても、飲む時点を替えると、比較結果が一様にはならなかったのである。最もよい条件だけを抜き出して「この配合ならいつでも成績が上がる」とする読み方はできない。[1]

この5%は、体脂肪が減った割合でも、筋肉が増えた割合でもない。疲労を伴う自転車の課題で、一定時間に行った仕事の差だ。ダイエット目的で筋トレをする人が数字を見るなら、まず数字の後ろに「何の割合か」を補いたい。見出しから単位が消えると、別の成果へ引っ越しやすくなる。[1]

運動前に飲む条件では、一定の運動中に感じたきつさも低かった。研究では血中のカフェイン代謝物も測り、成績の変化を説明する可能性を検討している。ただし、その代謝物が原因だとは確定していない。成績、きつさ、血液の値が並んでいても、原因の説明は別に扱う必要がある。[1]

また、飲料には複数の成分が入っている。この比較で成績に差が出たことを、配合された成分のうち好きなものだけの手柄にはできない。「カフェインを含む配合品の試験」と「各成分を別々に比べた試験」は同じではない。手元の袋に一部の成分名が共通していても、同じ飲み物を再現したことにはならない。[1]

中央線の車内で研究紹介を読む時も、時刻だけを先にまねる必要はない。自転車競技者を対象とした運動課題の条件として読み、普段の筋トレやヨガに同じ上積みがあるとは決めない。そのうえで、研究の説明が対象、飲料、比較相手、測定した成績までつながっているかを確認する。[1]

きつさが減ったことと、体力が伸びたことを分ける

別の無作為化二重盲検プラセボ対照試験では、運動習慣のない健康な若年成人32人が参加した。内訳は男性20人、女性12人で、高強度の自転車トレーニングを9週間行った。男女を含む若年成人の結果であり、18〜39歳の女性だけに同じ変化が起こるかは別に確かめる必要がある。配合品は1回あたり糖質13.2g、分岐鎖アミノ酸であるBCAA3.2g、Lアラニン1.6gを含み、試験や練習の前に摂取された。[6]

調べたのは、きつさの自己評価と運動成績の両方である。きつさの指標は、自分が運動をどれほど大変だと感じたかを数値化したものだ。初日の回復区間では、配合品の群はプラセボ群よりきつさが9%低く、9週時点では全力に近い区間で13%、回復区間で21%低かった。[6]

ここでの回復区間は、自転車の高強度運動の間に置かれた時間である。翌朝の疲れや、筋肉痛が治る速さを測った数字ではない。「回復で21%」という短い表現だけを持ち帰ると、読者が思い浮かべる場面と実験の場面がずれてしまう。[6]

継続摂取後には、限界まで運動を続けられる時間などにも改善があった。一方、最大酸素摂取量や、乳酸の変化をもとにした運動強度の指標は、練習期間を通じて改善したものの、サプリ摂取による違いはなかった。好ましい結果と差のなかった結果が、同じ試験の中にある。[6]

この研究を「体力が全面的に上がった」と短縮するのは惜しい。どの場面のきつさが低く、どの成績に差が出て、どの指標は練習とともに変わったのかを分けると、配合品の評価が具体的になる。自分の目的が筋トレの重さを増やすことなら、自転車で測った指標との距離も残して読む。[6]

さらに、この飲料はBCAA単独ではなく、糖質とLアラニンを含む配合品である。EAAという語で検索して見つけた場合も、名前の近さで結果を移し替えない。飲んだものの組み合わせと、調べた運動の組み合わせを合わせて確認することが、味の印象から離れて研究を使う方法になる。[6]

この自転車課題は、90秒の高強度区間と3分の回復区間を繰り返し、さらに限界まで続ける段階を含んでいた。きつさの差が出たのは、このように運動と回復を組み合わせた場面である。普段の筋トレで種目の間に休む時間と似た言葉が使われていても、負荷や運動の形まで同じではない。[6]

研究では、食習慣と練習負荷も追跡されていた。食習慣には群間の違いがなく、期間中の変化もなかったとされる。飲料の比較を読む際には、成分だけでなく、その周囲で食事や練習がどう扱われたかも見たい。日常で飲料と食事と練習を同時に変えた時の感想とは、比較の組み立てが異なる。[6]

また、最大酸素摂取量が練習期間中に改善したことは、プラセボを使う群も練習していたことを思い出させる。両群で練習を行ったうえで、その先に飲料による違いがあるかを比べている。「サプリなし」と「運動なし」を同じ側に置かずに読むと、練習の変化と追加した飲料の評価が混線しにくい。[6]

数字で読むサプリ飲料の比較

13人:味・色・カロリーをそろえた飲料を用いた自転車競技者の試験。[1]

5%:運動開始35分前の配合品摂取とプラセボの間に出た、タイムトライアル総仕事量の差。[1]

32人:BCAA・Lアラニン・糖質の配合品を検討した若年成人の試験規模。[6]

21%:9週時点の回復区間で低かったきつさの評価。翌日の回復率ではない。[6]

23研究・422人:競泳サプリの系統的レビューとメタ分析に含まれた規模。[3]

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宮川涼 Founder

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