筋トレ後の食事を二回に分ける日、血中アミノ酸の高さを筋肉の増加と読まない

筋トレ後、先に軽く食べて帰宅後に夕食を取るなら、同じ量をまとめて食べる時と何が違うのか。若い男女の比較試験と女性アスリートの栄養に関する提言から、血中アミノ酸、筋肉の合成反応、一日の食事配分を区別する。分ければ有利と決めず、食事量と時刻を見直すための読み方を示す。

筋トレを終え、用意した夕食の一部を容器に取り分ける。先に軽く食べ、帰宅してから残りを食べる予定だ。食事が分かれるのは、栄養へのこだわりより、空腹と台所に立てる時刻の都合かもしれない。そこで気になるのが、同じ量ならまとめて食べても、分けて食べても同じなのか、という問いだ。

答えの芯は、血液中のアミノ酸が高くなることと、筋肉のたんぱく質が多く作られることを同じに扱わない、である。運動後にたんぱく質を一度に摂った比較試験では、血中アミノ酸の反応が違っても、合成に関わる信号の活性化や合成速度に群間差がない例がある。血液の山が高いほど筋肉も増える、という読み替えはできない。[7][12]

女性アスリートに関する提言は、食事全体のエネルギーを確保し、たんぱく質を一日の中で配分する考え方を示している。ただし、それを「運動後の夕食は必ず分割すべき」という規則に変える必要はない。暮らしに合わせて分ける時も、何を、どれだけ、いつ食べたかを区別するところから考えたい。[18]

ヨガとからだの記事のイメージ写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

食事を分ける問いと、材料を替える問いを区別する

既存記事「ホットヨガ前後の食事は二回に分けるか、同じ総量と胃の膨らみを分けて考える」には、胃の膨らみを中心とした問いを譲る。ここで追うのは、筋トレ後の補給を考える際に、血中アミノ酸の変化をどこまで筋肉の反応として読めるかである。また「プロテインはヤギ乳なら胃から早く出る?牛乳との凝固と血中アミノ酸を読む」には、乳の由来と胃から出る速さの比較を譲り、ここでは運動後の筋肉側の測定を中心に据える。

夕食の一部を先に食べる場合と、夕食はそのままで補助の飲み物を足す場合は、似て見えても比較の条件が違う。前者は同じ食事の時刻を動かす案、後者は食べる総量や材料も変える案だ。家計簿なら「支払いを分けた」と「支出が増えた」を区別する。食事でも、分けたという言葉だけでは、何を変えたのかが見えない。

論文も同じ目で読む。若い男性を対象とした試験では、運動後に摂るたんぱく質の由来を替えた。一方、若い男女を対象とした別の試験では、藻類由来と菌類由来のたんぱく質を比べている。男性だけの結果や男女を合わせた結果は、18〜39歳の女性だけの反応としてそのまま当てはめることはできない。どちらも一度に摂る条件での比較であり、同じ夕食を分割した時の優劣を決める実験とは区別する必要がある。[7][12]

この違いは、使えない研究だから脇へ置く、という話ではない。分割の効果を判断する前に、届く材料の違いと、届いた後の筋肉の反応が別々に動くことを知る手掛かりになる。食べ方を細かく調整する時ほど、血液の結果だけを根拠に成功と判定しない姿勢が必要だ。[7][12]

日常の記録には、食事の名前より中身を残すと問いが明確になる。「運動後に補給」とだけ書くのではなく、夕食の一部を持ち出したのか、いつもの食事に追加したのかを書く。これは筋肉への効果を証明する方法ではなく、自分が何を比べようとしているかを確かめるための整理である。

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

血中アミノ酸の高さは、筋肉の成績表ではない

アミノ酸はたんぱく質の材料となる成分である。食後の血中濃度を調べることと、筋肉で新たなたんぱく質が作られる速さを調べることは、測定する場所も対象も違う。実際に血液と筋肉の両方を調べることで、反応がそろうかどうかを確かめた試験がある。[1][12]

若い男性50人を無作為に分けた比較試験では、片脚の筋力運動後に、ホエイ、エンドウ、コオロギ由来のたんぱく質のいずれかを摂った。18〜39歳の女性にそのまま当てはめて、最適な補給量や材料を決めることはできない。量は除脂肪量、つまり体脂肪を除いた体の重さに対して0.25 g/kgである。血液は運動後4時間まで、筋肉は開始時と3時間後に調べた。[7]

ホエイでは、エンドウとコオロギに比べて血中アミノ酸濃度が有意に高かった。しかし、筋肉の中で合成に関わる情報を伝える経路であるmTORC1の活性化には、たんぱく質の由来による差がなかった。休ませた脚でも運動した脚でも、由来による違いは確認されなかった。[7]

ここでは、合成に関わる信号を調べた結果だという点が大切だ。信号の活性化、実際の合成速度、長期的な筋肉量は、同じ結果欄に入れられない。血中濃度の高い材料を選べば、そのまま長期の筋肉量でも勝つ、とこの試験から言うのは飛躍になる。[7]

通勤かばんに入る飲み物を選ぶ時、濃度の変化が大きいという宣伝は分かりやすい。しかし自分が知りたいのが筋肉の変化なら、その研究が血液だけを調べたのか、筋肉も調べたのかを先に見る。数字の大きさを比べる前に、数字が何の成績なのかを確かめるのである。

合成速度まで調べても、血液の違いと一致しない

より直接的に筋肉の合成を見たのが、健康な若い成人36人を対象とする無作為化二重盲検並行群試験である。男女は18人ずつ、平均年齢は22歳だった。18〜39歳の女性に近い対象を含むが、男女を合わせた結果をこの年代の女性全体へそのまま当てはめることはできない。片脚の筋力運動を行い、菌類由来のマイコプロテイン、スピルリナ、クロレラから、たんぱく質25 gを含む飲み物を摂った。[12]

研究では血液と左右の脚の筋肉を、摂取前と摂取後4時間にわたって調べた。対象は筋原線維たんぱく質、つまり筋肉の収縮に関わる部分のたんぱく質を作る速さである。運動した脚と休ませた脚を同じ人の中で調べる設計により、運動の有無も分けて読める。[12]

運動した脚では、合成速度の平均値がマイコプロテインで毎時0.046%から0.092%、スピルリナで0.038%から0.086%、クロレラで0.048%から0.090%へ変化した。由来の異なる群の間には有意差がなく、運動した筋肉では休ませた筋肉より高い合成速度が見られた。[12]

論文は、食後の血中アミノ酸反応が異なっても、藻類由来のたんぱく質がマイコプロテインと同程度に合成速度を高めたと結論している。血液の動きに違いがあれば筋肉の結果にも必ず差が付く、という想定とは合わない。[12]

ただし、有意差がないことを、どんな量でも、どんな人でも、どんな食事でも完全に同じと読むのは適切でない。比べたのはこの対象、この材料、この量での短時間の反応である。帰宅後の献立や、長く続けた時の体の変化までを一括して採点する数字ではない。[12]

分割するか迷う場面にも、この読み方は役立つ。「一度に食べると血液に急に届くはずだから損だ」「小分けなら山が低いから有利だ」と、想像した曲線だけで結論を作らない。血液の変化と筋肉の反応が一致するかどうか自体が、確かめるべき問題だからである。[7][12]

同じ人の左右の脚を調べた設計も、数字の読み方を助ける。藻類由来の試験では、片脚で運動し、反対側は休ませた状態で比較している。食後の血液の変化を見るだけなら体全体の反応だが、筋肉を採取すると、運動した場所と休ませた場所を分けて評価できる。食べた材料と、動かした筋肉の両方を扱う設計なのである。[12]

だから、運動した脚の合成速度が高かったという結果と、飲んだ材料の群間差がなかったという結果は両立する。前者は運動の有無に沿った比較であり、後者はたんぱく質源に沿った比較だ。「差があった」「差がなかった」という短い説明を見た時には、何と何の差なのかを元の問いに戻して読む必要がある。[12]

また、平均値の開始時と食後の変化は、全員が同じ割合で反応したことを意味しない。試験では平均値とともにばらつきも示されており、例えば運動した脚のマイコプロテイン群の食後の値は毎時0.092±0.024%である。これは合成速度の結果であり、飲んだたんぱく質のうち何割が筋肉になったかを表す数字ではない。[12]

自分の夕食に引き寄せるなら、研究の条件を言葉で残すとよい。若い成人が、片脚の運動後に、特定の材料の飲み物を摂った試験である。普段の献立を一部持ち歩き、残りを家で食べる案とは違う。その違いを残した上で、血中の反応だけでは筋肉の反応を言い当てられないという発見を受け取る。[12]

数字で読む筋トレ後の補給

若い男性50人:由来の違うたんぱく質を比べ、血中アミノ酸と筋肉の信号を調べた試験である。[7]

除脂肪量当たり0.25 g/kg:上の試験の摂取条件であり、体重当たりの数字と取り違えない。[7]

若い成人36人、男女18人ずつ:藻類と菌類由来のたんぱく質を比べた試験の対象である。[12]

たんぱく質25 g、観察4時間:上の試験で用いた摂取量と食後の観察時間である。[12]

健康な若い男女45人、観察6時間:コラーゲンなどを運動後に摂った試験の規模と時間である。[1]

3〜4時間ごとの配分:女性アスリートへの提言で示される考え方であり、夕食を必ず分割する指示ではない。[18]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

author avatar
宮川涼 Founder

1

2

関連記事

ご体験予約