ダイエット中のイライラは食事間隔で決まるか、制限を休んだ競技者の結果から

ダイエット中、食事の間隔が空くとイライラする。その理由を空腹だけに決めてよいのか。女性の反復記録、食事制限中の競技者の試験、気分に関するレビューを読み、注意の散りやすさ、食べたい欲求、短期と長期の変化を区別する。運動日の予定と食事を見直すための視点を示す。

昼食を後回しにして、夕方の会議で同じ説明を聞き直す。いつもなら流せるひと言にいら立つ。今日は運動の予定もある。「食べていないからだ」と思う一方、食事を減らせば気分まで悪くなるのか、と不安になる。

ダイエット中のイライラを、食事間隔だけで説明することはできない。断続的な食事制限をする女性の記録では、前向きな気分の低さは空腹よりも注意の散りやすさと関連していた。一方、食事制限中の競技者が摂取量を維持水準に戻した試験では、空腹といら立ちがともに軽くなった。[16][18]

見るべきなのは、我慢できた長さだけではない。何を制限し、どんな生活の中で、いつの気分を比べたのかである。水分補給の話は既存記事「ダイエット中の飲み物は温度で飲む量も変わる?運動日の水分補給を考える」に譲り、ここでは制限する日と休む日の感情の読み方に絞る。

既存記事「運動するとイライラする日もある?気分がよくなる平均と自分の変化を分けて読む」が扱う運動そのものと感情の関係にも踏み込まず、ここで比べるのは食事制限の条件を変えたときの結果である。

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食事の間隔と、食事を減らすことは同じではない

昼食が遅れること、毎日の摂取量を減らすこと、食べる日と制限する日を分けること。日常ではどれも「食べない」と呼ばれる。しかし、断続的断食と気分の関係を扱うレビューは、方法の違いによって結果が異なると指摘している。限られた無作為化比較試験では、気分への影響は継続的なエネルギー制限と同程度の可能性があり、方法が異なる研究をまとめて確実な結論にすることは難しい。[1]

この違いは、運動日の予定を考えると具体的になる。昼の仕事が延びて夕食まで食べられなかった日と、予定どおり食事量を調整した日は、同じ記録欄に入れないほうがよい。「制限した」という言葉だけでは、計画だったのか、予定が崩れたのかさえ分からなくなる。これは食事間隔の処方ではなく、研究の条件を自分の生活に置き換える前の整理である。

断食中の運動選手を扱った系統的レビューにも、条件を分ける理由がある。対象となるラマダンの断食は、日中に食物だけでなく水分も摂らない形式であり、睡眠の変化、気分の揺れ、疲労など複数の問題が重なり得る。運動への影響も努力の程度などによって異なるとされる。対象は断食を守りながら練習や競技を続ける成人選手であり、18〜39歳の女性の通常の食事間隔にそのまま当てはめることはできない。[4]

この研究を読んで「昼食を遅らせると必ず気分が悪くなる」と結びつけるのは飛躍だ。水分や睡眠も変わる生活と、職場で昼食だけが遅れた生活は一致しない。レビューが個人の生活環境や必要に合わせた対応を重視するのも、食べない時間だけを切り出せないからである。[4]

予定表には運動開始だけが大きく書かれ、食事は空欄になっていないだろうか。夕方の感情を振り返るときは、昼食の時刻に加えて、予定どおり食べられたか、食事を減らす計画だったかを書き添える。まず条件に名前を付ける。そこから先の比較を、空腹という言葉に全部任せないためだ。

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空腹よりも「気が散る」が関係した女性の記録

女性16人が、断続的な食事制限中に空腹、注意の散りやすさ、気分、自分で評価した仕事のできを記録した研究がある。制限する連続2日と、その前後にある制限しない連続2日ずつを比べる反復測定である。同じ人を異なる日に繰り返し見る設計なので、人ごとの性格の違いだけで説明する話とは異なる。[16]

分析では、前向きな気分の低さは注意の散りやすさと関連し、回帰係数はβ=−0.38だった。仕事がうまくできたという自己評価の低さも、注意の散りやすさと関連した。一方、空腹との関連は確認されなかった。これは空腹を感じなかったという意味でも、空腹には一切影響がないという意味でもない。[16]

ここで測られた「仕事のでき」は本人の評価である。気分が沈んだ日に仕事まで失敗した気がすることと、客観的に作業成績が落ちることは同じではない。また、注意が散ったから気分が下がったのか、気分が下がって注意が散ったのかを、この関連だけで決めることもできない。[16]

小規模な女性の記録から言えるのは、制限日の不調を空腹だけにまとめない価値である。著者らは、注意への利益を断続的な食事制限に期待できる結果ではないと述べている。「お腹はそれほどすいていないから、今日は問題ない」と即断するより、目の前の作業に戻りにくかったかも別に見たい。[16]

たとえば、運動へ向かう前に献立のことが頭から離れなかった場合、「空腹が強い」と「食べ物のことが気になる」は別々に書ける。逆に、お腹はすいていても、仕事を終えた満足感はあるかもしれない。これは診断用の点数ではない。研究が異なる項目として尋ねたことを、生活の言葉に戻す提案である。[16]

会議でいら立ったという出来事を、性格の判定にまで広げる必要はない。食事の予定、作業への集中、気分を別の欄に置けば、「今日は全部だめだった」という大きな結論をいったん保留できる。記録は反省文ではなく、何が同時に起きたかを残すために使う。

制限を休むと、いら立ちも変わった競技者の試験

食事制限を休んだ際の変化を調べた研究もある。筋力トレーニングをしている成人競技者26人が、断続的なエネルギー制限を12週間終えた後、1週間、摂取量を予測された体重維持の必要量まで増やした。女性は11人で、平均年齢は29.3歳だった。試験の事前に計画された二次解析である。男女を含む競技者の結果であり、18〜39歳の女性の日常生活にそのまま当てはめるには、運動量や制限の条件の違いを考える必要がある。[18]

増やしたのは主に炭水化物である。この期間の前後で、空腹、これから食べられそうな量、いら立ちは有意に低下し、満腹感、満足感、覚醒感は高まった。ただし、有意に変化したことと、誰もが日常で大きな改善を感じることは同義ではない。感情の変化を、何割改善したという数字に置き換えることもできない。[18]

同時に、脚の筋持久力は改善したが、腕の筋持久力と筋力は変わらなかった。筋持久力とは、力を繰り返し出し続ける能力である。気分がよくなったことと、すべての身体能力が上がることは別だった。研究は「調子が戻る」という日常の表現を、複数の結果に分けている。[18]

体重の平均は0.6kg増え、除脂肪量は0.7kg増えた一方、脂肪量の有意な変化はなかった。したがって、この試験での短い期間の体重増加を、そのまま脂肪の増加と読むことはできない。体重だけを見て制限を休んだ期間を失敗と評価すると、いら立ちや空腹が軽くなった結果も見えなくなる。[18]

ただし、これは誰にでも休む期間を設ければよいと示すものではない。筋力トレーニングをする競技者が、長く続けた制限の後に維持水準へ戻した条件である。食べたいだけ食べる日とも、夕食を少し早めることとも違う。比較の単位は食事の間隔ではなく、摂取量を調整した期間だ。[18]

運動日のイライラを考える際には、「昼食から時間が空いた」という目先の出来事と、「制限を続けてきた」という背景を分けたい。この試験は後者を見直す手掛かりになるが、何時間おきに食べればよいかを決める時計にはならない。[18]

摂取量を維持水準へ戻すという操作にも意味がある。この試験は、エネルギーを増やすと同時に炭水化物を増やしている。したがって、いら立ちの低下を食事の時刻の効果や、特定の栄養素だけの効果に分解して読むことはできない。何を変えた結果なのかを、実際の操作のまとまりに沿って捉える必要がある。[18]

また、同じ試験の中で体重と感情が反対向きに動いたことにも注目したい。体重は増えたが、いら立ちは減った。減量の経過を体重の増減だけで評価すると、こうした組み合わせに名前が付かない。少なくともこの競技者の集団では、脂肪量、筋力、筋持久力、食欲、感情は一緒には動かなかった。[18]

研究でいう有意差は、変化の大小を日常の言葉で表したものではない。いら立ちの変化には統計的な差があったが、それを「仕事帰りの腹立たしさがなくなる」と言い換えるのは行きすぎだ。生活の場面に使うなら、調整後に何が変わったかを別々に確認する視点を借りる。結果を自分への約束に変えないことが大切である。[18]

比較したい日の記録には、食べる予定を守れたかという経過も添えたい。予定が崩れた日を、計画した制限日と同じ名前で扱うと、あとで読み返しても区別できない。食事と運動の間隔は予定表で確かめ、感情はそのときの言葉で残す。原因を決める作業と、出来事を記録する作業を急いで一緒にしない。

数字で読む制限日と気分

女性16人:空腹と注意の散りやすさを分けて記録した反復測定研究。[16]

β=−0.38:注意の散りやすさと前向きな気分の関連を示す回帰係数。因果や改善率ではない。[16]

競技者26人:食事制限後に摂取量を維持水準へ戻した試験の対象。[18]

1週間:維持水準に戻して、空腹やいら立ちの変化を見た期間。推奨される食事間隔ではない。[18]

0.6kg:同試験で増えた平均体重。脂肪量の有意な変化はなかった。[18]

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宮川涼 Founder

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