ダイエットのスクワットは同じ回数で比べる?脚の長さと効果の数字を読み分ける

ダイエットのスクワットで、脚の長さが違う人と同じ回数を競ってよいのか。移動距離や仕事量への疑問を出発点に、動作の評価、持ち上げる力、体脂肪の変化を研究で読み分ける。体格から消費カロリーを決めつけず、自分の練習を比べるために残したい記録と、効果の確かめ方を考える。

友人と動画を見ながらスクワットをする。同じところでしゃがみ、同じところで立ったはずなのに、横から見た姿がずいぶん違う。脚の長さが違えば、上下に動く距離も違うのだろうか。回数だけが画面に大きく出ると、つい同じ量をこなした気になる。

答えの芯は、同じ回数という条件だけで、動作の距離や負荷まで揃ったと扱わないことだ。まず、どこまでしゃがみ、何を持ち、どの動作を数えたかを確かめたい。ここで紹介する研究は脚長別の脂肪減少を直接比較したものではないため、脚の長さによる痩せやすさの優劣は結論できない。動作の条件を整理する話と、体脂肪の変化を確かめる話を分けて進める。

既存記事「ダイエットのスクワットはかかとを高くする?足首の動きと膝の負担を読む」には足元の工夫の話を譲る。ここで扱うのは、体格の違う人を回数で並べたとき、どの数字を比べているのかという問題である。姿の違いをすぐに効果の優劣へ翻訳せず、研究で実際に測ったものから順に考えたい。

既存記事「スクワットは週の回数を分けると効果が違う?同じ総量で比べる筋力と続け方」には週間の配分を、「スクワットは数字を声に出して数える?毎日の回数と動作の速さを読み分ける」には声での数え方を譲る。こちらは体格の異なる人の記録を並べるときの、測定項目の違いに焦点を置く。

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脚の長さを見たら、まず比較するものを決める

「同じスクワット」という言葉には、動きの形が同じ、同じ重さを持つ、同じ回数を行う、といった別々の条件が入る。さらに、比べたい成果が動作の安定なのか、持ち上げる力なのか、体脂肪なのかでも話が変わる。研究では、片脚のスクワットを動作評価に使うものと、重りを持つスクワットを筋力評価に使うものがある。[1][8]

大学の士官候補生56人を対象にした横断的な観察研究では、片脚スクワットとジャンプ着地の動作を撮影して評価した。参加者は女性20人、男性36人で、平均年齢は20.16歳だった。男女を含む士官候補生の結果を、18〜39歳の女性全体にそのまま当てはめることはできない。片脚スクワットでは左右の動作上のエラーを数え、ジャンプ着地では別の評価法でエラーを数えている。[1]

結果として、両課題のエラーには有意な関連がなかった。膝が内側へ動くエラーなどを含めても、一方の成績から他方をそのまま読み取ることはできなかった。著者らは、課題の違いによって動作を制御する働きの異なる側面を捉える可能性を挙げている。これは動作の評価を比べた結果であり、消費エネルギーを比べた結果ではない。[1]

この区別は、自宅の動画を見るときにも役立つ。画面の中で友人の膝が自分より前へ出ているとして、まず言葉にできるのは見える動きの違いである。その映像に「こちらのほうが痩せる」という字幕を足すには別の根拠が要る。動作の得点を別の課題の得点に置き換えることさえ単純ではなかった、という観察研究の範囲を保ちたい。[1]

同研究では利き脚の長さも参加者の特徴として測られ、平均は89.83cmだった。だが、参加者の脚長が示されていることと、脚長別のダイエット効果を比較したことは別である。研究に登場する数字には、対象者を説明する数字と、問いへの答えになる数字がある。この研究で答えとして扱えるのは、動作評価どうしの関連に関する結果だ。[1]

立川駅北口で友人と待ち合わせ、帰宅後に同じ動画を再生する。その日の達成欄に回数を書くこと自体はよい。ただ、相手の脚の長さを見て自分の努力を減点する必要はない。ここでの記録の提案は比較の目的を揃えるための整理であって、脚長に合わせて運動の成果を補正する公式ではない。

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移動距離の疑問を、別の測定で置き換えない

脚の長さと上下動の距離を気にしているなら、知りたいのはまず動いた距離である。ところが、その答えの代わりに「何回できたか」「どれだけ重いものを持てたか」を持ってくると、問いが途中で変わる。筋力を測った試験の結果は筋力の結果として読む。この順序を守るだけで、スクワットの数字はかなり整理できる。[8][15]

運動習慣のない18〜30歳の男性30人を無作為に分けた試験では、高い強度で行う筋トレ、反復量を多くする筋トレ、対照群を比較した。高強度群は最大挙上重量の80〜90%で3〜8回を2〜3セット、高反復量群は50〜70%で10〜15回を3〜4セット行った。全身の筋トレを12週間続ける設計である。男性だけの試験なので、18〜39歳の女性にも同じ変化が生じるかは別に検証する必要がある。[8]

最大挙上重量とは、その種目で持ち上げられる最大の重さを評価する指標である。この試験では、どちらの筋トレ群もバックスクワットなどの最大筋力が有意に増えた。一方、中心動脈の硬さを示す指標には群間で変化がなかった。同じ運動介入でも、測る項目によって結果は分かれている。[8]

少ない回数の群も多い回数の群も筋力が増えたことから、回数の多い側だけが成功したとは読めない。逆に、両群に改善があったから同じ改善量だったとも決めつけない。この試験が示すのは、それぞれの負荷とセット数を組み合わせた条件での結果である。回数欄だけを切り抜くと、運動の条件が抜け落ちる。[8]

日常の記録に置き換えるなら、「今日は前より多くできた」の隣に、何を持ったか、どの動きを数えたかを添える方法が考えられる。手ぶらの日と重りを持った日を同じ欄に書いてもよいが、欄の名前を消費カロリーにはしない。研究の負荷条件を読むのと同じように、自分の記録にも条件を残すための工夫である。[8]

脚長の話に戻ると、重いものを持てる人が必ず長い距離を動いているとは、この筋力試験からは判断しない。仕事量や距離を知りたい問いには、それに対応する測定が必要だ。脚の長さ、反復回数、最大筋力をひとつの「効率」の言葉で束ねるより、今はどれを見ているのかを明らかにしたい。

力が伸びた数字と、体が変わった数字を分ける

成人男性の柔道選手13人を対象にした比較試験では、普段の柔道練習と並行して、負荷の変え方が異なる筋トレを8週間行った。両方式で類似した改善があり、スクワットの最大筋力は7.1%、最大挙上重量の70%で持ち上げた総重量は9.6%増えた。皮下脂肪の厚さは6.5%減ったと報告された。男性競技者の結果であり、18〜39歳の女性の自宅練習に同じ改善率を当てはめることはできない。[15]

ここには、似ているようで違う測定が並ぶ。最大筋力は持ち上げられる重さの成績であり、一定の相対負荷で持ち上げた総重量はその条件での反復の成績である。皮下脂肪の厚さは体の測定値だ。7.1%と9.6%を見て、片方がもう片方の誤差だと扱う必要はない。そもそも違うものを測っている。[15]

さらに、同じ選手たちの模擬試合では、生理学的反応、主観的なきつさ、技術的な動作に変化が認められなかった。筋力などが伸びても、その期間内に試合の測定値すべてへ反映されたわけではない。持ち上げる重さが増えた事実を、運動に関係するあらゆる結果が改善したという話へ広げないことが大切だ。[15]

18歳未満の柔道選手を対象にした別の無作為化試験でも、この区別は見える。21人を分け、実験群には通常の柔道に加えて週3回、8週間の筋トレを組み込んだ。前後の評価を完了したのは各群8人である。実験群でハーフスクワットマシンの最大筋力は29%改善したが、体重、身長、体脂肪率には有意な変化がなかった。18歳未満の競技者での結果を、18〜39歳の女性にそのまま当てはめることはできない。[9]

この29%は、一般の女性が自宅でスクワットをしたときの予測値ではない。競技を続けている若い選手の、マシンを使った特定の測定の結果である。それでも、力の改善と体脂肪率の変化が揃わない場合があることは具体的に示している。体重計が動かないから筋トレの成果も皆無、と読み切るのは適切ではない。[9]

結果を読む順番も決めておきたい。まず対象が成人なのか若い競技者なのかを確認し、次に普段の練習へ何を加えたかを見る。そのあとで、結果が最大筋力、反復の成績、体脂肪率のどれなのかを確かめる。成人の柔道選手と若い柔道選手の試験は、期間がともに8週間でも、同じ人たちを同じ方法で測った結果ではない。[9][15]

この順番なら、体脂肪率が変わらなかった試験を見て、別の試験で報告された皮下脂肪の厚さの減少を打ち消す必要もない。反対に、皮下脂肪の結果を使って体脂肪率が必ず下がるとも言わない。測定項目と対象者の違いを残しておけば、見かけ上の食い違いを、どちらかの研究の勝敗にせずに読める。[9][15]

数字で読むスクワットの比較

56人:片脚スクワットとジャンプ着地を比べた観察研究の対象者数。両評価のエラーに有意な関連はなかった。[1]

12週間:運動習慣のない男性を対象に、負荷と反復量の違う筋トレを比較した期間。両筋トレ群で最大筋力が増えた。[8]

7.1%:成人男性柔道選手の試験で報告されたスクワット最大筋力の改善。消費カロリーの増加率ではない。[15]

29%:若い柔道選手の実験群におけるハーフスクワットマシン最大筋力の改善。体脂肪率には有意な変化がなかった。[9]

7週間:活動的な成人で、有酸素運動と筋トレの組み合わせ方を比較した期間。体組成の改善はごく小さかった。[5]

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宮川涼 Founder

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