寝る前のスマホは通知を待つだけでも眠れない?使用を終える時刻と気持ちを読む

寝る前に携帯を伏せても、返事が来るか気になってしまう。通知を待つ気持ちと就寝前の覚醒を、携帯使用を控えた試験や注意の研究から考える。通知だけの影響と使用全体の影響を区別し、使用終了時刻、消灯、寝つき、睡眠時間を分けて、自分の夜に合う区切り方を探る。

枕元の携帯を裏返した。画面は見えない。それでも、さっき送った連絡の返事が来るかと思うと、手が伸びる。音が鳴ったわけでもないのに、夜の会話だけが終わらない。

寝る前の携帯との付き合い方を考えるなら、画面を見る時間に加えて、使用を終える区切りにも目を向けたい。就寝前の携帯使用を控える小規模な無作為化試験では、寝つきや睡眠時間とともに、眠る前の覚醒にも改善が見られた。ただし、これは通知だけを切る効果や、返事を待つ気持ちだけの効果を示した結果ではない。[1]

既存記事「睡眠不足が気になる夜のスマホは暗くすればよい?画面の色と頭の刺激を分けて読む」に光と画面内容の比較は譲る。ここでの問いは、画面を伏せたあとも続く「まだ確認するかもしれない時間」をどう扱うかである。通知を怖がるより、研究で実際に変えた行動と、自分の夜に取り入れる工夫を分けて考えたい。

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通知を待つ気持ちと、実際の使用は同じではない

携帯との関わり方を、操作した時間だけで表すと取りこぼすものがある。イタリアの成人609人を対象とした横断研究では、スマホによる注意の散りやすさを評価する尺度について、注意の衝動性、オンラインへの警戒的な注意、複数の作業の並行、感情の調整という側面が確認された。平均年齢は30.26歳、女性は76.4%だった。男女を含む成人集団の結果であり、18〜39歳の女性だけの注意の特徴としてそのまま当てはめるには、年齢や生活条件の違いを考える必要がある。[8]

ここでいうオンラインへの警戒的な注意は、ネット上の動きへ注意を向け続ける側面として捉えると分かりやすい。画面を操作しているかどうかとは別に、オンラインの出来事を気にすることも評価の対象になっている。[8] 返事を待ちながら歯を磨く、布団に入ってからもう一度確認する、といった場面は、自分の行動を振り返る例になる。

ただし、この研究の目的は尺度が注意の散りやすさを評価する道具として使えるかを検討することであり、通知を待つ人ほど何分眠れなくなるかを調べた試験ではない。尺度の構造が確認されたことを、そのまま睡眠への因果効果に置き換えてはいけない。[8] 気になる行動を言葉にする手がかりと、眠りへの効果を測った証拠は役割が違う。

たとえば、音を消した携帯が枕元にある夜にも、いくつかの状況がある。連絡を終えて置いたのか、返答を待ちながら置いたのか。仕事の用件が終わったのか、次の依頼を引き受けるつもりなのか。同じ「画面を見ていない時間」でも、本人がどこで使用を終えたと考えるかは違う。これは生活を整理するための見方であり、通知待ちの害を数値化したものではない。

だから、携帯を裏返しても気になる夜に「自分は意思が弱い」と結論を急ぐ必要はない。まず観察したいのは、端末の向きより、確認の用事が終わっているかどうかだ。注意に関する尺度研究も、スマホとの関わりを単一の使用時間だけでは扱っていない。[8] 携帯は静かでも、返信係の勤務が終わっていないことはある。

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使用を終える試験では、寝つきと覚醒が動いた

睡眠への効果を直接調べた研究として、38人を無作為に分けた予備的な試験がある。介入群19人には就寝前30分の携帯使用を避けるよう指示し、対照群19人にはその指示をしなかった。取り組みは4週間続けられた。18〜39歳の女性に同じ改善が得られるかは、この小規模な試験だけでは判断できない。[1]

評価には睡眠日誌のほか、睡眠の質、就寝前の覚醒、気分を調べる質問票が用いられた。就寝前の覚醒とは、眠る前に頭や体が起きている状態として考えるとよい。この試験では携帯使用を控えたことで、入眠までの時間が短くなり、睡眠時間が延び、睡眠の質と就寝前の覚醒に改善が見られた。肯定的な気分と作業記憶にも改善が報告された。[1]

この結果から取り出したいのは、携帯使用の終了と眠る準備を、同じ時刻に重ねなくてもよいという発想だ。実験で変えたのは「就寝前に使わない時間を設ける」という行動であり、通知の音量だけでも画面の明るさだけでもない。[1] 使用を終える時刻に目を向ける根拠にはなるが、どの要素が改善を生んだかを個別に決める結果ではない。

また、30分はこの試験で採用された条件である。すべての人の脳がそこで切り替わる境界でも、そこを守れば必ず眠れるという保証でもない。人数の少ない予備的な試験で得られた改善を、全員に共通する処方として読むべきではない。[1] 試す際には、時間だけを達成目標にせず、そのあとの過ごし方や寝つきの実感も一緒に見るほうが筋が通る。

眠れたかどうかだけを成績にすると、日誌も合否表になってしまう。使用を終えた時刻、消灯した時刻、眠るまでの実感を分けて残すなら、行動と結果を混ぜずに振り返れる。研究でも、睡眠日誌と就寝前の覚醒の尺度は別の評価として用いられている。[1] 「携帯は片づけたが、頭はまだ会議中だった」という夜も、記録する意味がある。

早く置いた分だけ、睡眠が増えるわけではない

もう一つの家庭での実験は、14〜18歳の青少年63人を対象としたものだ。最初の週を普段の状態として記録したあと、学校のある日の就寝前に、各人の予定に合わせた携帯の使用終了時刻を設けた。設定は就寝の1時間前で、介入は学校のある1週間だった。対象は青少年なので、18〜39歳の女性の仕事や家庭生活に同じ変化が起こるかは別に検討する必要がある。[2]

使用制限の週には、携帯使用を終える時刻が80分早まり、消灯時刻は17分早まり、睡眠時間は21分長くなった。[2] この数字のずれが大切だ。携帯を早く置いた80分が、そのまま80分の睡眠になったわけではない。使用終了、消灯、実際に眠ることは、別々の出来事なのである。

生活に当てはめるなら、携帯を置いたあとの時間が何になったかを確かめたい。まだ入浴や翌日の準備が残っていたのか、連絡の続きを頭で考えていたのか。それとも別の用事を始めたのか。こうした場面を記録するのは、早く置いた努力が無意味だったと判断するためではなく、時間の流れを見分けるためである。

この実験は同じ参加者の普段の週と介入の週を比べたものだ。先の無作為化試験とは設計が違い、対象も青少年である。[1][2] 大人の仕事の連絡や家庭の用事へ21分をそのまま当てはめることはできない。それでも、携帯の終了時刻だけを睡眠時間の代わりにしない、という読み方はできる。

さらに、参加募集に応じた割合は26%と低く、著者らは夜の携帯使用を変えることへの動機づけを課題として挙げた。[2] 使わないように言われれば全員が続けられる、という前提にも無理がある。就寝前の携帯には会話や予定確認という用事がある。何を終えれば置けるのかを考えず、置く時刻だけを決めても、実行の段取りは残る。

成人の尺度研究では、スマホに関連する注意の散りやすさの得点は、問題のある携帯使用や日常の認知的な失敗を評価する尺度と有意な関連を示した。[8] ただし、横断研究は同じ時点の関係を調べるものである。注意が散ることが携帯使用を増やしたのか、使用が注意を散らしたのかまで、この関連だけでは決まらない。まして、返事を待つ夜の睡眠時間へ直接読み替えることはできない。

この違いは、対策を選ぶときに役立つ。自分が困っているのが長い操作時間なのか、操作をやめたあとも再開するつもりでいることなのかを先に分ける。前者なら使用終了時刻を決める段取りを考え、後者なら終わっていない用件を書き留める、といった整理ができる。どちらも生活上の選択であり、注意の尺度の得点を自分で診断する話ではない。

睡眠の質と睡眠時間も、同じ言葉にまとめないほうがよい。予備的な試験では両者に加えて入眠までの時間も評価され、それぞれ改善が報告された。[1] 長く眠れた実感と、寝つきがよかった実感は分けて尋ねられる。携帯を置いた日を振り返る際に「よかった」で済ませず、どの部分が違ったかを言葉にすれば、翌日も続けたい行動を選ぶ材料になる。

数字で読む携帯と眠る前の時間

38人:就寝前の携帯使用を控える予備的な無作為化試験の参加者数である。[1]

30分・4週間:同試験で設けた使用を避ける時間と、取り組んだ期間である。[1]

63人・14〜18歳:家庭で使用終了時刻を変えた実験の対象であり、大人全体の代表ではない。[2]

80分・17分・21分:携帯終了の前倒し、消灯の前倒し、睡眠時間の延長は一致しなかった。[2]

185人:ストレスに伴う眠りの乱れやすさを追った青少年の研究の参加者数である。[6]

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宮川涼 Founder

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