祖父母に預けられる子は太りやすいのか 世話をする大人と子どもの体重

祖父母に子どもを預ける家庭と肥満の関連は、預け方を変えれば痩せるという意味ではない。日本の追跡研究、食事の系統的レビュー、祖母も参加した支援の試験から、同居と世話の違い、食べ物の渡し方、年齢や生活条件を確かめる。親にも祖父母にも責任を押し付けず、家族で共有できる工夫を考える。

迎えに行くと、子どもは祖母の台所でおやつを食べていた。助かったという気持ちと、家でも食べるつもりだったという戸惑いが、同時に湧く。食事を用意する側も、空腹で帰してはいけないと考えていたのかもしれない。どちらも、その日の子どもの世話を引き受けている。

こうした場面を、祖父母が甘やかすという言葉だけで片付けると、確かめる対象が消えてしまう。研究で調べられているのは、同じ家に住むこと、主な世話を担うこと、食事や間食を出すことなど、いくつもの異なる関わりだ。祖父母による世話と子どもの体重には関連が報告されているが、その中身を分けて読むことが出発点になる。[5][11]

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世話を受ける子の集団に関連はあるが、原因の特定とは違う

Anらの系統的レビューは、祖父母による育児と子どもの肥満を扱った23研究を集めた。縦断研究が9本、ある時点を比べる横断研究が9本、症例対照研究が2本、聞き取りなどの質的研究が3本という構成だった。世話を祖父母に任せる群へ無作為に振り分けた試験を集めた結果ではなく、家族の実際の暮らしを調べた研究が中心である。[5]

数値を統合したメタ分析には14研究が入り、そのうち10研究が過体重・肥満を、残る4研究がBMIの標準化した値を扱った。過体重・肥満については、祖父母による世話を受ける子でリスクが30%高いという関連があり、95%信頼区間は21〜40%だった。これは体重が30%増えたという意味でも、預けた子の30%が肥満になったという意味でもない。比較した集団間の相対的な値である。[5]

ただし、BMIの標準化した値については、出版バイアスを補正すると関連が認められなかった。出版バイアスとは、発表された研究に結果の偏りが生じる問題を指す。肥満に分類されるかという指標と、体格の値そのものがどう動くかという指標で、結果がそろわなかった点を落とせない。[5]

このレビューでは、主な養育者として関わることと同居することによる違いも検討され、推定された関連の大きさに差は検出されなかった。国による違いも同様だった。研究者自身は、年齢層を絞り、世話の測り方を整え、関連をつなぐ道筋を調べる課題を挙げている。[5]

レビューに含まれた研究の実施国は、中国8本、日本5本、英国3本、米国2本、そのほかの5か国が各1本だった。主な養育者としての役割を扱った研究は12本、同居を扱った研究は7本ある。祖父母という呼び名が共通していても、対象となった家庭での役割や生活背景には幅があった。[5]

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日本の追跡研究では、子どもの年齢で見え方が変わった

Ikedaらの日本の全国縦断研究では、祖父母との同居と子どもの過体重・肥満を男女別に解析している。同じ研究が扱ったきょうだいの有無については、「きょうだいの有無と子どもの肥満 一人っ子と生まれ順を分けて考える研究」の記事に譲る。ここでは同居との関連が年齢によってどう変わったかに注目したい。[10]

祖父母と同居する子は、同居しない子と比べ、5.5歳以降に過体重・肥満のオッズが有意に高かった。男児では10歳でオッズ比1.53、95%信頼区間1.30〜1.80、13歳で1.54、信頼区間1.27〜1.86だった。女児では11歳で1.51、信頼区間1.24〜1.84が最も高い値だった。オッズ比は起こる場合と起こらない場合の比を群間で比べる指標であり、体重の増加率を示す数値ではない。[10]

この結果の読みどころは、幼い時期からずっと同じ強さの関連が見られたわけではないことだ。「祖父母と暮らしている」という同じ言葉でも、子どもの年齢を抜きにしては説明が足りない。研究者も、予防策を考える際には年齢を考慮するよう述べている。幼児期の食事と学童期の暮らしを、同じ注意書きで済ませないための結果である。[10]

同居は家族構成を表す情報で、毎日の食事を担う人や預かる時間とは測り方が異なる。研究では各年の身長と体重の報告から過体重・肥満を判定し、時間とともに変わる条件と変わらない条件を調整していた。家族の状態を継続して追い、成長に伴って関連が現れる時期を調べた点に特徴がある。[10]

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おやつだけでなく、量・勧め方・子どもの希望を調べる

Marrらは、就学前の孫の世話をする祖父母について、質的研究13本と量的研究7本をまとめた系統的レビューを行った。食事の与え方、養育者の働きかけ、提供する食品を組み合わせて検討している。そこでは、大きな量を出すことや、頻繁に食べるよう促すことが報告された一方、健康的な食環境を整えたり、孫の好みを考慮したりする関わりも見つかった。[11]

食品の内容についても結果は一色ではなかった。糖や脂肪の多い食品を出す祖父母がいる一方、ベリー類のような、値段の高い基本的な食品を特別な楽しみとして選ぶ例もあった。「ごほうび」という同じ言葉であっても、渡される中身は同じとは限らない。祖父母の関わりをお菓子の袋だけで代表させると、この違いが抜け落ちる。[11]

食べ物をごほうびとして使うなど、子どもを食べる方向へ強く動かす関わりも報告されていた。同時に、子どもの自律性、つまり自分の希望や選択を尊重する関わりも含まれていた。祖父母には問題のある行動と望ましい行動のどちらかしかない、という分類は研究に合わない。普段の関わりの中に、性質の異なる行動が同居している。[11]

家庭で話すなら、「甘いものを与えないで」という大きな禁止から始めるより、食べ物を渡す場面を具体化する余地がある。たとえば、迎えの直前にも勧めるのか、子どもが満腹と言ったときに追加を促すのか、食事以外の出来事へのごほうびに使うのか。これらは研究で扱われた関わりを、家族で確認するための問いである。[11]

同居の研究で測った食べ方は、家庭の背景と一緒に読む

ニューヨーク市の低所得のヒスパニック系家庭267組の母子を調べたKatzowらは、肥満予防試験の対照群のデータから、祖父母との同居を解析した。妊娠期から子どもが2歳になるまでの同居状況と、出生から3歳までの体重などの結果を結び付けた観察的な解析である。持続的に同居する家庭では、同居しない家庭より、哺乳瓶に穀類を加える食べさせ方が多かった。調整済みオッズ比は3.46、95%信頼区間は1.43〜8.40だった。[4]

持続的な同居は、年齢に対する体重の標準化した値が高いこととも関連していた。過体重・肥満リスクの調整済みオッズ比は、2歳で4.38、95%信頼区間1.64〜11.69、3歳で3.15、信頼区間1.19〜8.36だった。数値の幅が広いことに加え、対象となった家庭の所得や背景が限定される。[4]

年齢に対する体重の標準化した値について、持続的に同居する群と同居しない群の調整後の差は、2歳で0.83、95%信頼区間0.41〜1.25、3歳で0.79、信頼区間0.32〜1.25だった。同居が報告された機会が多いほど、この体重の指標も高かった。研究者は、同居と体重を結ぶ仕組みをさらに調べる課題を挙げている。[4]

数字で読む祖父母の世話と子どもの体重

30%:祖父母による世話と関連した過体重・肥満リスクの上昇。95%信頼区間は21〜40%だった。[5]

5.5歳以降:日本の追跡研究で、祖父母との同居と過体重・肥満の有意な関連が見られた年齢の範囲。[10]

3.46:ニューヨークの研究で、持続的な同居と哺乳瓶への穀類の追加との関連を示す調整済みオッズ比。95%信頼区間1.43〜8.40。[4]

39%対31%:授乳と離乳食の支援試験で、4〜7歳時の過体重の割合。介入群と対照群の有意差はなかった。[15]

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宮川涼 Founder

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