30代のダイエットの筋トレは軽い重さでもよい?脂肪量と反復回数を分けて読む

30代のダイエットで筋トレの重さに迷ったら、脂肪量と筋力を別々に見たい。軽い負荷で回数を増やす試験、重い負荷を含む運動の比較、在宅運動の継続支援を読み、対象者と運動条件の違いから選び方を考える。軽ければ脂肪が減る、重ければ必ず痩せるという期待を整理する。

仕事帰りに重りを手に取り、今日は軽いほうにしようと思う。その直後に「これではダイエットにならないのでは」と迷う。床に置いた重りの横には、前回の回数を書いたノートがある。回数は増えたが、それを脂肪が減った証拠としてよいのだろうか。

軽い重さで行う筋トレにも、筋力などの改善を示した試験はある。ただし、軽い負荷で非常に多く反復する方法が、脂肪量の減少とは区別が必要だ。閉経後女性を対象にした試験では、最大筋力に好ましい変化があっても、脂肪量には好ましい効果が見られなかった。[3] 閉経後女性の結果を18〜39歳の女性にそのまま当てはめることはできない。「動けるようになった」と「脂肪が減った」は、同じ採点欄に入れないほうがよい。

この記事で比べるのは、軽い重さを何度も動かすことと、重い負荷を選ぶことの意味である。食事に運動を追加する意義は、既存記事「食事だけの減量に運動を足す意味 体重の小さな差と筋力・体力に残したい成果」に譲る。ここでは重りの選択から脂肪量を予測してよいのか、反復回数を何の記録として扱うのかを考える。

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軽い重さという言葉だけでは、脂肪の変化は決まらない

重りの軽さは、運動の条件の一部である。研究を読むときには、その重さで何をしたか、ほかの運動を組み合わせたか、何と比べたかまで確認したい。肥満のある成人を対象としたネットワークメタ分析では、45研究、計3566人の無作為化比較試験をまとめている。参加者を運動などの条件に無作為に分けた試験を、複数の運動方法にまたがって比較した研究である。[2] 肥満のある成人の結果であり、18〜39歳の女性全般への適用には、肥満の有無や運動条件の違いを考える必要がある。

この分析では、運動による体重減少は控えめだった。一方、高強度の有酸素運動と高負荷の筋トレを組み合わせる介入は、腹部の脂肪、除脂肪体重、心肺体力の改善でほかの運動方法より優れていた。除脂肪体重とは、脂肪を除いた体の重さを指す。[2] 体重計の数字だけでは、これらの変化を別々に読むことができない。

この分析が支持するのは、重い筋トレだけを選ぶことではない。良好な結果を示したのは、有酸素運動と高負荷筋トレの組み合わせである。組み合わせ全体の結果を、重りの重さだけの効果として持ち帰ることはできない。[2] セットになった料理の満足感を、付け合わせだけの手柄にするような読み方は避けたい。

また、対象は肥満のある成人である。[2] 検索欄に「30代」と入れたからといって、自分の年齢と体の状態に一致する結果へ変わることはない。年齢だけでなく、運動を始める理由、現在の活動、体重を減らす必要があるかも異なる。体を動かす習慣をつくりたい人まで、減量を共通のゴールにする必要はない。

自宅にある軽い重りで始めるか、施設で重い負荷を使うかという相談では、まず望む変化を言葉にしたい。「体重が減ること」「同じ動作を扱いやすくすること」「力を伸ばすこと」を書き分けるのである。研究でも脂肪や除脂肪体重、心肺体力は別々に評価されている。[2] 目的を分ければ、ある項目が変わらなかった日に、ほかの成果まで消すことはなくなる。

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回数を増やしても、脂肪量が減るとは限らない

低負荷で非常に多く反復した無作為化比較試験には、健康で活動的な56〜75歳の女性50人が参加した。低負荷・超高反復の筋トレを6か月行う群と対照群を比較し、骨密度、脂肪量、脂肪を除く軟部組織量、最大筋力を調べている。[3] 閉経後の女性に対する介入であり、18〜39歳の女性で同じ結果になるかは別に検証する必要がある。

結果は一枚岩ではなかった。腰椎の骨密度と最大筋力では運動群に有利な変化があった一方、股関節や全身の骨密度、総脂肪量、脂肪を除く軟部組織量では好ましい効果が見られなかった。[3] 同じ運動を同じ期間続けても、すべての指標が同じ方向に進むとは限らない。

この試験は、軽い重さでたくさん動けば脂肪も必ず減る、という期待を支えない。[3] 反復回数は、その日に何回動かしたかの記録である。回数の欄を、そのまま脂肪が何か変わった証拠の欄として使わないことが大切だ。汗を拭きながら回数を数えた努力は本物でも、それで測定しているものは脂肪量ではない。

逆に、脂肪量に効果が見られなかったことを理由に、この運動を無意味と評価するのは不正確だ。最大筋力と腰椎の骨密度では対照群との違いがあったからである。[3] 「痩せたか」だけを合否にすると、研究が実際に見つけた変化を取りこぼす。運動の評価を細かく分けるのは、成果を都合よく増やすためではなく、変わったものと変わらなかったものを正確に置くためだ。

軽い負荷なら誰でも気楽に続けられる、という読み方にも注意がいる。この試験では、運動に関連するけが、またはけがへの不安によって介入群の3人が離脱した。[3] 軽さという名前だけで負担の判断を済ませず、動作、反復、本人の感覚も相談の材料にしたい。痛みを我慢して回数を達成することを、研究の結果から勧めることはできない。

対象が閉経後の活動的な女性であることも、結論の一部である。[3] 30代の初心者が同じ変化を得るとは決められない。ただ、筋力の結果と脂肪量の結果を分けるという読み方は、重さに迷ったときにも役立つ。研究の参加者と自分が違うと分かったうえで、何を確かめる設計だったのかを持ち帰るのである。

筋肉と体重は、同じ方向に動かなくてもよい

別の無作為化比較試験では、運動習慣の乏しかった45〜70歳の閉経後女性43人を、筋トレ群と運動しない対照群に分けた。筋トレは低負荷での適応期間を設けた後、より高い負荷を使う内容だった。主なトレーニングでは、最大挙上重量の60〜80%で8〜12回を行う設定が使われている。[6] 閉経後女性が対象なので、18〜39歳の女性の負荷設定や筋肉量の変化を直接予測する結果にはできない。

最大挙上重量とは、その動作で1回持ち上げられる最大の重さであり、論文では1RMと表記される。[6] この割合は、全員が同じ重りを持つという意味ではない。研究の「低い」「高い」を読むときには、重りに印字された重さだけでなく、本人の最大の力に対する割合を見ていることを押さえておきたい。

16週間後、筋トレ群では対照群より筋肉量が増え、増加量は1.8±0.8kgと報告された。筋力も各種目で段階的に増え、脂肪量の変化とは別に筋肉量と筋力の増加が見られた。[6] この結果を、30代の女性が同じ期間で増やせる筋肉量の予告にしてはいけない。年齢も閉経の状態も、それまでの活動も異なる。

体重を身長で調整する体格指数であるBMIも、この試験では筋トレ群で対照群より高くなった。[6] 筋トレをしたのに体格を示す値が上がった、というだけで失敗の札を貼ると、筋肉量と筋力の結果が読めなくなる。減らしたい数値をひとつ決める前に、その数字が何を含むかを考えたい。

ここで使われた8〜12回という範囲も、すべての人が守るべき減量の回数ではない。[6] ある対象とプログラムで使われた条件であり、「この回数なら脂肪が減る」という境界ではない。動画の画面に出る回数を終えた日と、重さを変えて同じ動作を行った日では、記録を読むときの前提も違う。回数だけで優劣をつけず、どの重さで何を行ったかを一緒に残したい。

負荷を慣らす段階と、その後のトレーニングを分けていた点も見逃せない。この試験では、最大挙上重量の40〜50%を使う4週間の適応期間が置かれた。[6] 最初から主な運動条件だけを抜き出して、自分の初日の設定にする読み方は、試験の流れと異なる。重りの数字は、いつ使った数字かまで含めて読む必要がある。

たとえば、運動を再開したばかりで動作を確かめたい日の相談と、すでに同じ動作を続けていて力の伸びを確かめたい日の相談は、同じ言葉では伝えにくい。「軽いのでよいか」だけではなく、今がどの段階なのかを添えて話したい。研究の適応期間を自分で再現するという意味ではない。負荷の設定を、その人の経過から切り離さずに考えるためである。

また、この試験では筋力の増加がすべての種目で同じ大きさだったわけではなく、胸の種目では脚や上腕より大きかった。[6] 動作ごとに進み方を確認する必要がある。運動ノートに種目名を残す意味はここにもある。自分の変化をひとつの「筋トレの成績」に丸めず、動作ごとの経過として眺めたい。

数字で読む重さと成果の違い

45研究・3566人:肥満のある成人の運動比較。体重減少は控えめだった。[2]

6か月:活動的な閉経後女性の低負荷・超高反復試験。脂肪量に好ましい効果はなかった。[3]

1.8±0.8kg:閉経後女性の試験で報告された筋肉量の増加。個人の予測値ではない。[6]

約1.5倍:在宅運動で個別フィードバックを受けた群の、対照群に対する動画総再生時間。[7]

37人:血流制限を伴う低負荷と高負荷を比べた健康な成人の試験。女性は22人だった。[19]

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宮川涼 Founder

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