マテ茶と体脂肪、飲料と抽出物で違う試験結果 飲む量を増やす前に確かめたいこと

マテ茶を飲めば脂肪は減るのか。抽出物を使った小規模試験、お茶を飲む試験、研究をまとめた解析を比べ、体脂肪の改善と体重が変わらない結果を整理する。運動中に使う脂肪の数字や、多く飲む人の調査も確認し、飲む量を増やす前に知りたい安全性と、日常での選び方を考える。

飲み物売り場で「マテ茶」の文字を見つけると、いつものお茶を替えるだけで体脂肪も変わるのかと気になる。食べ方を大きく変えるより、湯を注ぐものを替えるほうが手軽だ。その手軽さの先に、研究はどこまでついてきているのだろう。

韓国の肥満のある人を対象にした試験では、マテ由来のカプセルで体脂肪量と体脂肪率の改善が報告された。一方、お茶を飲んだ別の試験では総体重への効果がなかった。同じ植物の名前が付いていても、飲み方と測ったものを省くと、結果の意味が変わってしまう。[2][12]

この記事の焦点は、マテという名前で一括りにされる飲料と抽出物の違いである。キトサンの補給試験は「キトサンは脂肪を体の外へ出すのか」の記事に譲る。ここではマテそのものの人の研究を中心に確かめる。期待できそうな変化と、減量の実績を同じ箱に入れずに見ていく。[2][6][13]

マテ茶の研究は、まず飲料と抽出物を分ける

マテ茶は、イレックス・パラグアリエンシスという植物の葉を使う飲み物である。飲料として飲むほか、食品や補給用の製剤にも使われる。植物の葉から作るお茶と、その成分を取り出した抽出物は、研究上も別の条件として扱いたい。[7][11]

ブラジルのシマロンとアルゼンチンのマテ茶に使う、乾燥した茶葉の比較。
ブラジルのシマロンとアルゼンチンのマテ茶に使う、乾燥した茶葉の比較。
写真: ChimaAddicted / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons

マテにはポリフェノール類や、カフェインを含む成分群などが含まれる。ただし成分があることと、人が飲んだときに体重が減ることの間には検証の段階がある。近年のレビューは、実験室での仕組みへの期待と、臨床的に意味のある結果を区別することを課題に挙げている。[11]

たとえば、葉を使っていれた飲み物を職場に持っていく人と、決まった量のカプセルを食事に合わせて飲む試験の参加者では、取り入れ方が違う。抽出物の重量を、そのままお茶の杯数に読み替えることはできない。人の研究では用量や剤形のばらつきが大きく、追跡期間も概して短いと整理されている。[2][11]

この違いは、商品のラベルを見るときにも役立つ。「マテ配合」という共通点だけで選ぶと、研究で使ったものとの対応が抜ける。飲料なのか、抽出物なのか、別の成分も含むのか。まず形を確かめてから、その形を調べた研究に戻る順番がよい。剤形と摂取量の違いは、人の研究を比較するときの課題になっている。[11]

研究全体の手触りも確認しておこう。2023年の系統的レビュー、つまり決めた方法で研究を集めて評価した検討には、32件が含まれた。体重や体組成、食欲などに有益な結果が見られた一方、結果が偏る危険性は22件で高く、9件で中程度、低いものは1件だった。証拠の確かさは中程度から非常に低い範囲にある。[6]

「研究がたくさんある」という言葉には、その研究がどの程度頼れるかが含まれていない。このレビューには無作為化試験だけでなく、別の型の臨床研究や観察研究も入っている。期待があるという見取り図と、どれだけ痩せるかの見積もりを使い分けることが、飲み物を選ぶ際の出発点になる。[6]

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カプセルで体脂肪が減った試験と、お茶で体重が変わらなかった試験

よく引用されるのが、2015年の無作為化二重盲検プラセボ対照試験である。参加者を偶然の方法で分け、本人にも評価する側にも、マテか比較用の製剤かが分かりにくい形で調べた。対象は韓国の肥満のある人で、体格指数であるBMIが25以上35未満、さらに腹囲と腰囲の比について条件を満たす人だった。[2]

マテ群15人、プラセボ群15人が、12週間にわたりカプセルを摂取した。マテは1日3gで、毎食時に分ける方法だった。結果は、比較群に対して体脂肪量、体脂肪率、腹囲と腰囲の比の減少が統計学的に有意だった。偶然のばらつきだけでは説明しにくい差が観察された、という意味である。[2]

ここで知りたいのは「どのくらい減ったか」だが、この研究の抄録には体脂肪量の減少幅や、その推定の幅を表す信頼区間が載っていない。有意だったことは伝えられても、日常で実感するほどの変化かを具体的な重さで案内することはできない。人数も限られた試験であり、いつものお茶で同じ結果になると広げるには距離がある。[2]

次に飲料の試験を見る。2025年の無作為化比較試験は、普段マテを飲まない、健康な人とコレステロールが高い人を対象にした。クロスオーバーと呼ばれる、同じ参加者が異なる飲料の条件を経験する設計で、マテ茶と比較用の飲料をそれぞれ8週間飲んだ。マテ茶の条件は毎日3回分だった。[12]

この試験では、体脂肪率と上腕の皮下脂肪の厚さが減ったのは健康な対象者に限られ、総体重への効果はなかった。食欲に関わるホルモンなども測定され、一部に変化があったが、すべてが同じ方向に動いたわけではない。飲料にも研究する価値はあるものの、「飲めば体重が落ちる」という説明には収まらない結果である。[12]

体脂肪率、脂肪量、体重は、それぞれ違う測定項目だ。割合の変化を、そのまま体重計の減少幅として読むことはできない。どの項目に差があったかを保ったまま受け取れば、カプセルの好ましい結果と、飲料で総体重が変わらなかった結果は、無理に勝ち負けを付けず並べられる。[2][12]

さらに全体を見渡すのが、2025年の系統的レビューとメタ分析である。メタ分析は、比較できる試験の結果を統計的にまとめる方法だ。脂質異常のある人、過体重や肥満のある人、標準体重の人などを対象にした13件の無作為化比較試験を集めたところ、BMIと腹囲について有意な効果は認められなかった。[13]

この解析では、血糖に関する一部の指標には改善が示された一方、体重管理への影響は限られると結論されている。血液検査のある項目が動くことと、減量が進むことは別々に判定されているのだ。マテを「健康によさそう」と感じたときにも、その言葉の中身が体重なのか、別の指標なのかをほどく余地がある。[13]

飲料試験の比較相手も見落とせない。2025年の試験では、対照はカフェインを除いた等張飲料だった。したがって結果は、そこで用いたマテ茶と対照飲料の比較として受け取るものになる。比較相手が明記されているため、飲料の条件をそろえたときの変化を検討できる。[12]

さらに、コレステロールの状態で結果が違った点もある。正常範囲の人ではLDLコレステロールが低下したが、コレステロールが高い群では、マテと対照飲料による脂質低下作用は似ていた。健康な群だけで体脂肪率が下がったという結果と合わせ、参加者全体に共通した変化と、ある群だけの変化を分けておきたい。[12]

食欲の話も同じである。飲料試験では、グレリンとGIPという食欲や代謝に関わるホルモンが低下する一方、GLP-1や脂肪組織から分泌される物質には変化がなかった。ホルモン名が並ぶと強い働きがあるように感じられるが、その試験では総体重への効果はなかった。仕組みを考える手がかりと、読者が期待する減量の成果を分ける具体例である。[12]

メタ分析で改善が示された血糖関連の結果も、誰の成績かを保つことが大切だ。糖尿病の前段階にある人について、食後血糖、血糖の長めの状態を表すHbA1c、インスリンの働きにくさをみる指標に改善が示された。それぞれの解析に入ったのは2件の試験で、研究者は確認のための追加研究を求めている。糖尿病の前段階という対象の特徴も、これらの結果に付いている。[13]

また同じ解析で、空腹時血糖や空腹時インスリン、血中脂質の複数の項目には有意な効果がなかった。血糖という言葉の中でも、食後と空腹時の結果が分かれている。体重の話を探して読み始めたときは、よかった項目だけを追っているうちに、いつの間にか別の問いへ移っていないかを確かめるとよい。検査値の変化を丁寧に見る姿勢は、マテを過大にも過小にも評価しない助けになる。[13]

数字で読むマテの試験

30人:肥満のある人をマテのカプセルとプラセボに分けた試験の規模である。[2]

12週間、1日3g:同試験での摂取条件であり、お茶の推奨量を示す数字ではない。[2]

8週間:普段飲まない人が飲料を比較した試験の各介入期間で、総体重への効果はなかった。[12]

13件:2025年の解析に入った無作為化比較試験の数で、BMIと腹囲に有意な効果はなかった。[13]

0.21対0.17g/分:運動中に使われた脂肪の量であり、長期に減った体脂肪の量とは区別する。[9]

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