スピルリナの減量効果は平均何キロか 食事と運動への上乗せを比較群から確かめる

スピルリナの減量試験では、体重が減る結果と体格指数に差が出ない結果が並ぶ。統合研究の平均差、食事制限への上乗せ、運動と併用した男女の試験を比べ、藻の粉末に期待できる範囲を確かめる。飲んだ後の変化をすべて補給の成果にせず、比較相手と体脂肪の数字から判断するための記事である。

補給した人の体重が減った。その横で、補給しなかった人の体重も減っていた。スピルリナの試験には、こうした光景がある。競技レスラーの減量試験では、補給群も比較群も体重と骨格筋量が減り、補給の違いは主として脂肪の指標に現れた。[1]

緑色の粉末や錠剤に期待するとき、欲しい答えは「飲むと何kg落ちるか」だろう。しかし、食事を変えた人、運動を加えた人、競技のために体を絞る人では、同じ減量という言葉の中身が違う。統合研究では体重の減少が示される一方、体格指数には明確な差が出ない結果もある。[3][19]

ここで扱うのは、スピルリナという補給を加えたときの差である。食物繊維の粘りは「こんにゃくのグルコマンナンは体重を減らすのか」の記事に譲り、ここでは比較群のいる補給試験を中心にたどる。袋を買う前に知りたいのは、体重計が動いたという事実の、その先である。

粉末状のスピルリナを近距離から撮影し粉の細かな質感を写した写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

平均で減った重さは、誰との違いなのか

スピルリナは、一般に青緑色の微細な藻として呼ばれる光合成を行う細菌の仲間であり、補給食品として研究されている。[15] 身近な海藻料理の話と、試験で錠剤や粉末を補給した話を同じにしないことが出発点になる。栄養成分への期待と、人が実際に落とした体重は、それぞれ別の情報だ。

2019年の系統的レビュー・メタ分析は、研究を一定の条件で集めて結果を統合したもので、無作為化比較試験の5研究、7つの介入群を扱った。参加者を補給群などへ無作為に分けた試験をまとめた結果、体重の平均差は−1.56kg、95%信頼区間は−1.98〜−1.14kgであった。[3] マイナスは、比較相手に対して補給側の体重がより減った方向を示す。

信頼区間は、平均的な差の推定に伴う不確かさを表す幅である。平均差とその幅を併記すると、推定の中心と精度を一緒に確かめられる。[3]

同じ研究では、肥満の参加者の平均差は−2.06kg、過体重の参加者では−1.28kgであった。それぞれの95%信頼区間は−2.45〜−1.68kg、−1.62〜−0.93kgである。[3] 健康状態による区分で、肥満の参加者のほうが大きな減量差を示した。全体の平均に加え、どの対象で差が大きかったかを報告した解析だ。

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体重と腹囲が動いても、体格指数はそろわない

別の系統的レビュー・メタ分析では、補給群の体重の平均差は−1.85kg、95%信頼区間は−2.44〜−1.26kgだった。腹囲にも−1.09cmの差があり、その95%信頼区間は−2.16〜−0.01cmであった。[19] 腹囲の推定幅の端は、差がない位置に近い。体重と同じ勢いで腹囲にも確かな大きな変化がある、と読むのは慎重でありたい。

この分析は、体格指数について全体では統計学的に有意な効果を示さなかった。研究間のばらつきも大きく、体重ではばらつきの指標が82.4%、体格指数では92.9%と報告されている。[19] これは補給した人のうち効いた人の割合を表す数字ではなく、研究同士の結果がどれだけ食い違っているかを考えるための情報である。

2019年の統合研究でも、体脂肪率と腹囲には減少がみられた一方、体格指数と腹囲・臀囲の比には明確な効果がなかった。[3] 成果がある指標だけをつなげて「全身の肥満指標を改善」と言い切ると、差が出なかった部分が消えてしまう。服のウエスト、体重計、体の構成を表す値は、それぞれ違う情報を含んでいる。

一方、後の分析では、12週間以上の研究に限った解析で体格指数への効果が認められた。[19] 全研究をまとめた結果と、期間で絞った結果で結論が異なる。補給期間という条件も、体重以外の指標を検討する手がかりになっている。

食卓での判断に戻せば、体重だけを見て補給を評価するより、自分が何を変えたいかを先に言葉にしておくほうがよい。体重なのか、腹囲なのか、運動を続けることなのか。研究の結果は指標によってそろっていないため、途中で都合のよい指標へ乗り換えると、期待を確かめる軸が失われる。[3][19]

食事制限に足した試験で分かる上乗せの範囲

過体重または肥満の成人52人を対象とした無作為化比較試験では、スピルリナを補給する群とプラセボ群が比較された。プラセボは、効果を比べるための見かけを合わせた対照である。両群とも摂取エネルギーを制限する食事を行い、補給群は500mgの錠剤を毎日4錠、期間は12週間だった。[6]

介入を完了したのは38人であった。補給群は比較群より体重、腹囲、体脂肪、体格指数の減少が大きかった。[6] ただし、ここで確認できる報告には、それぞれ何kg、何cm違ったのかという具体的な大きさが示されていない。有意な差という言葉を、目に見えて大きな差と読み替えないことが大切になる。

この試験の比較の軸は、両群とも摂取エネルギーを制限したうえで、補給かプラセボを加えた点にある。食事の調整を土台に、追加した補給の違いを調べている。[6]

食欲の評価にも注意したい。補給群の食欲スコアは開始時から低下したと報告されているが、その記述は比較群との差を表したものとは区別される。[6] 「自分の開始前より変わった」と「比較相手より変わった」は別の問いだ。補給後に夕食が少なくなったと感じても、その体験だけで成分の作用を確定することは難しい。

食事制限の試験では、参加条件となった体格指数は25以上40未満だった。体重や腹囲などと食欲は開始時、6週、12週に評価され、血液検査は開始時と12週に行われている。[6] 食欲と体の大きさを途中でも確認する設計であり、食事制限に補給を加えた経過を追っていた。

体の大きさ以外では、中性脂肪と高感度C反応性たんぱく質にも、プラセボ群より大きな低下が報告された。後者は炎症に関係する血液の指標である。[6] この研究は体重減少だけでなく、食事制限を続ける中での代謝の変化も調べていた。ただし、食欲の低下について報告されたのは補給群の開始前後の比較であり、検査値の群間差と比べ方が異なる。

2019年の統合研究では、体脂肪率の平均差は−1.02ポイント、95%信頼区間は−1.49〜−0.54だった。[3] 体脂肪率は体重に占める脂肪の割合で、脂肪量をkgで示す値とは単位が違う。体重と体脂肪率を併せて扱うことで、重さの変化とその内訳を別々に評価していた。

病気のある参加者を対象にした後の研究では、再発と寛解を繰り返す多発性硬化症の患者80人を、毎日1gのスピルリナかプラセボを12週間摂取する群に無作為に分けた。三重盲検の試験で、主に調べたのは血液中の炎症の指標であり、体重などの身体計測は副次的な評価だった。[20]

この試験の体重の群間差は−2.85kgで、統計学的に有意だった。一方、体格指数の差は有意水準に達せず、腹囲、腹囲・臀囲の比、摂取エネルギー、身体活動にも有意な変化は認められなかった。[20] 体重に差が出た試験でも、食べる量や動く量の変化が一緒に確認されるとは限らない。

途中で16人が脱落したが、主な解析には無作為化された80人全員を含め、欠けたデータには開始時の値を用いた。[20] 完了者だけを集計する方法とは異なり、試験を離れた参加者も含めて結果を評価した点が特徴だ。治療中の特定の患者を対象にした試験として、健康な成人の制限食試験とは分けて位置づけたい。

数字で読むスピルリナの減量試験

−1.56kg:5研究をまとめた体重の平均差。95%信頼区間は−1.98〜−1.14kg。[3]

−1.85kg:別の統合分析による体重の平均差。95%信頼区間は−2.44〜−1.26kg。[19]

−1.09cm:同じ分析の腹囲の平均差。95%信頼区間は−2.16〜−0.01cm。[19]

52人中38人:制限食と補給を比べた試験の参加者数と完了者数。[6]

22人:補給による体組成の改善が認められなかった、男性ラグビー選手の試験規模。[4]

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