女性のプロテインは乳糖を分解すると甘くなる?糖の量と味を分けて研究で読む

乳糖を分解したホエイの甘さは、ショ糖溶液を物差しに評価されていた。一方、完成飲料には別の工程で糖も加えられた。製造研究が測った味と配合の違いをたどり、女性の乳たんぱく質試験や成人の食欲研究と比較する。いちご味やチョコ味を選ぶ際に、原材料と栄養表示を読み分ける手がかりを示す。

いちご味のプロテインを口にして、思ったより甘いと手が止まる。チョコ味から替えただけなのに、糖まで増えたのだろうか。味の印象だけで、容器の裏を見る前に答えを出したくなる場面である。

乳糖を分解したホエイを使う製造研究では、分解後の甘さがショ糖溶液に相当する強さとして評価された。したがって、乳糖の加工は甘さを考える手がかりになる。ただし、そこで比べているのは味であり、飲料全体の糖の量を舌で測った結果ではない。[1]

「甘いから糖が多い」「乳糖を分解したから飲み物全体も低糖になる」と急いで結びつけないことが、この問いの芯である。研究で作られた飲料には、乳糖を分解する工程とは別に糖を加える工程もあった。加工、配合、口で感じる甘さを分けると、同じ容器に書かれた言葉も読みやすくなる。[1]

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乳糖を分解したホエイは、どれくらい甘かったか

直接の手がかりは、チーズとパニールの製造時に得られたホエイを使い、レモン飲料を開発した食品加工の研究である。ホエイはこの研究で飲料の原料になった乳由来の液体であり、市販のプロテイン粉末を水に溶いたものを比較した試験ではない。研究者はラクターゼという酵素を使って、原料に含まれる乳糖を分解した。[1]

条件を調整した結果、酵素濃度0.4%、pH6.75、40°Cで3時間という条件で、乳糖の分解率は最大85〜90%になった。ここでの分解率は、原料の乳糖をどこまで加工できたかを示す数値である。糖の総量が同じ割合だけ減ったという意味に置き換えてはいけない。[1]

分解後のホエイの甘さは、2.5%のショ糖溶液に相当すると評価された。ショ糖は、この比較で甘さの物差しとして使われた糖である。「相当する」は味の強さを別の溶液で表した言葉であり、ホエイにショ糖がその濃度で入っていたという成分分析の報告ではない。[1]

この違いは、日常の読み方にも関わる。甘さの比較を読んで「砂糖を入れた飲料と同じ成分になった」と考えると、感覚の評価が、いつの間にか原材料の話へ変わってしまう。製造研究が示したのは、決められた条件で加工した原料が、どの程度の甘さを持つかという結果である。[1]

一方、この数字をすべての乳由来プロテインにそのまま当てはめることもできない。研究の原料はチーズとパニール由来のホエイで、目的はレモン飲料の製造だった。市販のいちご味やチョコ味へ数値を移すには、原料、酵素条件、配合の一致を確かめる必要がある。この結果は、加工したホエイの味を理解する具体例となる。[1]

既存の「女性初心者のプロテインは乳糖の量も同じ?濃縮と分離の表示を成分から読む」では原料の選び分けを扱っている。ここで追うのはその後の加工である。どの原料を選んだかと、その原料の乳糖をどう処理したかは、別々に確認したい問いになる。

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甘さの数値と、加えた糖の数値は別である

この研究の面白さは、乳糖を分解して終わりではない点にある。研究者はそのホエイを材料に、糖、レモン果汁、レモンの香り、安定剤の配合を調整した。安定剤は飲料の状態を整えるために配合された材料である。原料が甘く感じられることと、完成品の味が好まれることは、製造の中でも分けて検討されていた。[1]

評価者に最も受け入れられた配合は、糖8%、レモン果汁4%、レモンの香り0.1%、安定剤0.05%だった。乳糖を分解したホエイの甘さがショ糖溶液に相当していたとしても、完成したレモン飲料には別途糖が加えられた。乳糖分解という加工名だけで、完成品に糖を加えたかどうかまでは決まらない。[1]

ここで2.5%と8%を並べて、単純に足し算する読み方も避けたい。前者はショ糖溶液を物差しにした甘さの比較、後者は飲料を作る際の糖の配合である。測っているものの種類が違う。どちらも百分率で書かれているため似て見えるが、同じ欄に入れて計算できる数字ではない。[1]

「甘さが同じくらい」と「同じだけ糖を含む」は別の文である。売り場で甘い飲み物を選ぶときにも、まず知りたいことを決めるとよい。好みの味かを知りたいなら実際の味、何を加えてあるかを知りたいなら原材料、栄養量を比べたいなら表示の対応する欄を見る。味の感想に、すべての仕事を任せる必要はない。

製造条件も、完成品の評価に関わっていた。この研究では、90°Cで2分間の加熱をした飲料の方が、別の加熱条件より評価者に好まれた。したがって、好ましさの評価を、乳糖分解だけの効果として切り取ることもできない。配合と加熱を含む飲料作り全体の中で得られた結果なのである。[1]

家庭の台所でこの温度や酵素濃度を再現するための研究として読む必要はない。朝の出勤前に、シェーカーの隣へ製造設備まで並べる話ではない。役に立つのは、味を変える工程と、材料を加える工程が別にあると知ることである。数字は調理の指令ではなく、研究で何を操作したかを示す目印になる。[1]

女性の試験では、形が違ってもアミノ酸の反応は同じだった

甘さの次に「飲みやすいから吸収もよさそう」と考えたくなるが、口にした印象と体内で測る反応は分けて読む必要がある。その助けになるのが、健康な若い女性12人を対象に、乳たんぱく質をバーと飲料で比べたランダム化クロスオーバー試験である。同じ参加者が別の日にそれぞれを摂る方法で、形の違いを比較した。[9]

参加者が摂ったのは、乳たんぱく質20gを含む固形のバーか液体の飲料だった。材料をそろえ、主要な栄養素と微量栄養素の構成も同じにしたうえで、摂取後4時間まで血中のアミノ酸を測定した。アミノ酸は、この試験でたんぱく質を摂った後の変化を追う対象になった成分である。[9]

どちらを摂った後にも血中アミノ酸は増えたが、条件間で有意な差は認められなかった。上昇の全体を表す指標も、バーで160±73mmol・L⁻¹・240min⁻¹、飲料で160±71mmol・L⁻¹・240min⁻¹となり、差の95%信頼区間は−37〜37mmol・L⁻¹・240min⁻¹だった。これは、この条件で液体の方が優れていたという結果ではない。[9]

この試験を、乳糖を分解した方がよいという根拠には使わない。比べたのは固形と液体であり、乳糖分解の有無でも甘さの強弱でもない。ここで得られる手がかりは、見た目や飲み口から思い描いた「入り方の速さ」が、測定によって確かめるべきものだということだ。研究の比較条件を保ったまま読むと、答えの届く範囲が見えてくる。[9]

また、対象が若い女性だったことは読者に近いが、日常の食事と試験の条件には違いがある。材料をそろえた製品を決まった量だけ摂り、その後の血液を追った試験である。通勤中の朝食、夕食後の飲料、運動後の間食を、すべてこの結果だけで同じと扱うことは避けたい。[9]

研究の読み比べでは、条件をそろえた部分に注目したい。バーと飲料の試験では、材料と栄養素をそろえたため、固形か液体かという違いを検討しやすくなっていた。反対に、普段の買い物で味の違う製品を比べる場合には、形のほかに材料や栄養量まで違うことがある。試験の結果を使う際には、自分が比べている製品でも何がそろっているかを確かめたい。[9]

ホエイの製造研究では、そろえる条件よりも、調整する条件が中心だった。乳糖を分解する際の酵素濃度、酸性やアルカリ性の度合いを表すpH、温度、時間を検討し、さらに飲料の配合を検討した。単に「乳糖を分解した」と読むより、いくつもの工程を経た原料と完成品の評価だったと読む方が、甘さの数字の意味を取り違えにくい。[1]

製造の研究と人の摂取試験を並べる理由は、結果を足し合わせるためではない。前者からは原料の加工と味の関係を、後者からは材料をそろえて摂った後の血中反応を読む。それぞれの測定を守れば、甘いという感想を吸収の成績へ置き換えずに、飲む楽しみと栄養の確認を両立できる。[1][9]

数字で読む乳糖分解と乳たんぱく質

85〜90%:ホエイを使う製造研究で、条件を調整して得た最大の乳糖分解率。[1]

2.5%:分解後のホエイの甘さを表す際に、比較の物差しとされたショ糖溶液の濃度。[1]

8%:同じ研究で、評価者に最も受け入れられたレモン飲料に配合された糖の割合。[1]

12人:材料をそろえた乳たんぱく質のバーと飲料を比較した、健康な若い女性の人数。[9]

20g:その女性の試験で、どちらの形でも摂取した乳たんぱく質の量。[9]

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